【執筆者:管理栄養士 宍戸恵】
ドライフルーツに付着している白い粉は、糖分や天然物質が結晶化したものである可能性が高く問題なく食べられます。
ですが、湿気が大敵となり正しく保存しなければカビが生え腐ることもあります。
食べられるかどうかの見分け方や、日持ちさせる為の保存方法等を紹介していきますね。
ドライフルーツ のこと
- カビかどうかの見分け方
- 日持ちの目安
- カビが生えたものを食べるリスク
- 開封後の正しい保存方法
手元の商品で「少し怪しいな」と感じている人は一旦手を止めて、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
ドライフルーツに起こる変色|カビかどうかの見分け方
白い粉のほか、部分的な変色も製造過程で生まれた自然由来のものと考えられます。
状態 | 原因 | |
---|---|---|
食べられる | 白い粉 | 砂糖の結晶化 |
部分的な茶・黒の変色 | 製造工程の 温度変化が原因 |
|
食べられない | ふわふわとした異物 白・黒・青等の変色 |
カビ |
異臭 | ||
虫が湧いている |
カビの中には白い集落を作る菌種もあるので、白い粉との見分けに悩む人は臭いも確認してみましょう。
カビ臭いような異臭があれば、処分一択です。
問題なく食べられる白い粉は、砂糖不使用のもので起こりやすい現象と言われていますよ。
白い粉がついている例|賞味期限の目安
干し柿・ドライイチジク・レーズン等、フルーツのほかにも干し芋でも見られるようですよ。
【拡散希望】
干し柿に付着している白い粉をカビじゃないかって思われる方がいるとのことなのでツイートします
これは柿の糖分が表面に上がってきて結晶化したものです
砂糖が貴重だった時代にはこの粉を集めて食べていたなんてこともあったようです
ですので安心して食べてくださいねー(*´∀`*) pic.twitter.com/4X2xCk8bm4
— 月山ちせ〝🎴〟@V farmer💐🌾 (@Chise_vtuber) January 17, 2020
びっしりと覆われていると一見カビのように見えるかもしれませんが、安心してくださいね。
そもそもドライフルーツは乾燥の工程を経て水分量が少なく、カビが生えにくい食品です。
カビが増殖する条件
付着した微生物(細菌やカビ等)が増殖するには、水分・温度・栄養分の3条件が発育に適した環境になる必要があります。(※1)
これらの内1つでも制御できると、活動を遅延させ食品の劣化を予防できます。
賞味期限も、半年~1年と日持ちするものがほとんどです。
▼賞味期限:製造日より1年
また、砂糖を添加している種類の方が日持ちする傾向にあります。
砂糖と保存性の関係
砂糖には保水力があり、食品内の水分を引き寄せる性質があります。微生物が自由に使える水分量が少なくなり増殖が抑制され、食品の保存性がアップします。
とはいえ賞味期限は、未開封で正しく保存されている状態にのみ適用されます。
一度でも開封したものは品質が変わりやすい為、正しく保存しましょう。
開封後の古いドライフルーツが手元にある人は、異変がないかよく確認してくださいね。
保存方法によってはカビが生え腐る可能性も
空気の出入りが多く、また湿度が高いところで保管するとカビが生えやすいです。
この間行ってきた弾丸ソウルツアーはこれを買いに行ったのだと言っても過言じゃない。干し柿。季節じゃないのはわかってる。でもドライフルーツだしあるかなーと思ったら売ってた。高いから8000wぐらいでちびちび食べてた。昨晩蓋を開けたら白いふわふわなカビが生えてた。正直地震よりショックだった pic.twitter.com/66UwD4DL2e
— 고혜미 HyeMi a.k.a えす (@e33110) June 19, 2019
こちらの人も開封後どの程度の日数が経過していたか定かではないものの、白いふわふわのものが確認されたことから、カビが生えたと予想できます。
カビに汚染されたものは腐敗したものと捉え、安易に食べないでくださいね。
特にドライフルーツに発生するカビは軽視できません。
輸入品では発がん性のあるアフラトキシンを産生する菌種が検出された事例もあるからです。(※3)
アフラトキシンについて詳しく
熱帯~亜熱帯地域で多く見られるアスペルギルス属のカビが発生するカビ毒です。熱に強く除去は困難で、ナッツ類、香辛料、とうもろこしや穀類等で見られます。
ナッツ類のカビも同様にアフラトキシンの危険性があります。
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体に無害・有害なカビと大別されますが目視での判断はできない為、やはりカビが生えた食品は食べずに処分した方が賢明です。
高温多湿になりやすい夏場は特にカビ対策をして最後まで安全に食べ切りましょう。
ドライフルーツを日持ちさせるには|夏場や梅雨時は冷蔵庫に
基本的に開封の有無に関わらず常温保存できる食品ですが、温度・湿度が高くなりやすい夏場や梅雨時は一定の温度・湿度が保てる冷蔵庫が安心です。
常温 | ・口をしっかり閉じる ・チャックがないものは チャック付きの密封できる袋で二重に ※常温に置く際は高温多湿・直射日光を避けて |
---|---|
冷蔵 | |
冷凍 | 推奨されない (果実の繊維が壊れて食感が変わりやすい) |
袋内に脱酸素剤がある場合は、捨てずに同封すると良いでしょう。
極力空気に触れさせないことで、酸化による品質の低下も予防できますよ。
空気を遮断して品質を保つ
特に気を付けたいのは湿気によるカビの発生ですが、空気に触れて起こる酸素の化学反応(酸化)も品質の低下を招きます。
酸化したからといって極端に食べられないことはないですが、美味しい内に消費する為にもなるべく影響を抑えて保存したいですね。
その為にも空気が漏れないよう、なるべく密封して保存してください。
ほかにも、保存性を高める手段として洋酒に浸ける方法もありますよ。
ラム酒やブランデーと一緒に
ラムレーズンがイメージしやすいかもしれませんが、ドライフルーツも合います♪
ドライフルーツのラム酒漬け。 こーんな大きな瓶に漬けました(*^^*) pic.twitter.com/Ihztpo3ln7
— 燻製マーケット (@smokemarket0802) November 8, 2017
見た目も綺麗でインテリアとしても映えますね!
パンやお菓子作りに活用するほか、バニラアイスにトッピングしたりクリームチーズと一緒におつまみにしたりするのも美味しいです。
ドライフルーツのパウンドケーキ by mocchi4141
ラム酒漬けのドライフルーツを使って大人のおやつ♪
ラムレーズン&ドライフルーツのラム酒漬け by まめぞーのばんごはん
はじめて挑戦する人はこちらをチェック!
作り方によっても変わりますが、冷暗所で半年~1年近く持ちます。
気になる人はぜひ試してみてください♪
結論|ドライフルーツにカビは生えにくいが湿気に要注意
- 白い粉は天然成分によるもの
- 臭いを伴う変色は要注意
- カビの中には有害なカビ毒を産生するものもある
- ドライフルーツではアフラトキシンが検出された事例も
- 開封後は密封して常温か冷蔵庫に
保存時の湿度に注意を払いつつ、開封後は密封して保存しましょう。
無駄にせず長く食べたい人は冷凍保存を候補に入れるかもしれませんが、ドライフルーツには不向きです。
大量にある人は、洋酒に漬ける方法もぜひチャレンジしてみてください♪
参考資料
※1 細菌性食中毒予防の基礎知識 | 三重県
※2 食品のかび毒に関する情報 | 農林水産省
※3 いろいろなかび毒 | 農林水産省