【執筆者:編集部 佐々木なるみ】
ナッツにカビが生えると、発がん性の高いアフラトキシンが発生する危険性があります。
食べた場合、健康被害が十分に考えられるため、開封後にナッツを長い間放置するのは危険です。
元々ナッツは湿気やすく、すぐに食感が変わるので、カビが生えているのかどうか見分けにくいのも特徴です。
ぜひ、この記事で紹介する、食べられるかどうかの見分け方を参考にしてみてください。
ナッツのこと
- カビが生えたらどうなる
- カビかどうかの見分け方
- アフラトキシンとは
- 正しい保存方法
ナッツといっても、さまざまな種類があり一括りにはできません。
カシューナッツやくるみなどに見られる特徴も交えながら紹介します。
目次
ナッツのカビを食べたら危ない?カビかどうかの見分け方
ナッツにカビが生えたら、発がん性のあるアフラトキシンが発生している危険性があるので食べないほうが良いでしょう。
状態 | 原因 | |
---|---|---|
食べられる | くるみ:黒い点 | 生育や収穫時の問題 |
ピスタチオ:薄皮に ピンク系の斑紋 |
||
アーモンド:白い傷 | ||
食べられない | 白・緑・黄色 | カビ |
酸っぱい | 酸化 | |
古い油の臭い |
アフラトキシンについてはのちほど詳しく説明しますが、一時の症状だけでなく重症化リスクが高く、最悪の場合死に至ります。
ただし、カビだと思っていてもくるみやピスタチオに見られるそれぞれ特有の状態である可能性が高いため、見た目だけで判断してはいけません。
輸入カシューナッツやくるみは大丈夫?カビ毒検査の実態
毒性の強いアフラトキシンですが、現在は輸入時に検疫所で検査が行われ、アフラトキシンの数値が基準値を超えるものは規制されています。
さらに、日本で栽培されているナッツは安全性が高く、国内産でアフラトキシンが検出されたことはありません。(※1)
また、カビが見られなくても、ナッツが柔らかくなっているからといって捨てるのはもったいないです。
ナッツに含まれる水分量は2~6%と低く、多湿環境に放置するとすぐに状態は悪くなりますが、腐っているのではなく、湿気ているだけなのでまだ食べられる可能性が高いです。
ピーナッツやアーモンドについてはこちらの記事でより詳しく紹介しています。
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ただ、これまでにアフラトキシンによる被害が世界中で報告されているため、軽視してはいけません。
発がん性が高いアフラトキシンとは|発生条件と見た目の変化
ナッツに生えるカビは、緑や白、黒色などさまざまで、触るとベタベタします。
どれも危険性が高いため、食べずに処分してください。
ベトナム土産の焼きカシューナッツ。
剥くのが面倒だけど美味い。
たまにカビてるからヤバい。 pic.twitter.com/pvayqDs7vv— ヨッシー (@kyoshizawa4730) December 5, 2014
大好きな柿の種のピーナッツにカビがぁぁぁぁあ#亀田の柿の種 pic.twitter.com/ZclFt07BwE
— あるぅ (@Altair329329) November 10, 2019
ナッツに発生しやすいアフラトキシンの被害は世界中で確認されており、平成16年にはケニアでアフラトキシンに汚染されたトウモロコシを食べて100人以上が死亡する被害が出ています。
主に発酵食品を作る際に作られるコウジカビが産生するカビ毒の一種。毒性が強いことから、摂取しすぎると癌になる危険性が高い。
アフラトキシンは熱に強く、調理してもほとんど死滅しないため、流通過程におけるカビの防止が重要だと考えられています。(※2)
また、高温多湿の熱帯地域で発見されている事例から、保存状態にも細心の注意が必要です。
- 温度30℃前後
- 湿度95%以上
カビが生えたナッツを食べてしまった場合は小さな症状も見逃さずに冷静に対処し、まずはカビが生えないように、できるだけ日持ちする保存方法を守りましょう。
ナッツにカビが生えるのを防ぐ保存方法は湿気や酸化に注意
ナッツにカビが生えないように保存するためには、湿気や酸化に注意しましょう。
常温 | ・直射日光を避ける ・湿気の多いシンク下などは避ける |
---|---|
冷蔵 | ・容器や袋に入れて密閉する ・缶入りであればそのまま保存OK |
冷凍 | 保存袋に入れて冷凍 |
開封後は1週間以内を目途に、なるべく早く食べ切ってください。
小分けだとその日のうちに食べ切れるのでいいですね。
元々ナッツが入っていた袋がチャック付きでなければ、容器か袋に移し替えた方がいいでしょう。
保存は瓶より袋が良い!古いナッツの活用法も
ガラス製や缶などの容器で保存すれば外の空気が入ってくるのを遮断できますが、容器内の空気は入ったままで抜けません。
そのため、瓶よりも空気を抜いて密閉できる保存袋をおすすめします。
また、カビが生えていないもののパリッと感が減少したナッツは、フライパンで煎り直したりオーブンでローストしたりすると食感が戻ります。
ただ、元の食感や風味には戻らないので、湿気と酸化には十分気を付けてくださいね。
結論|ナッツのカビはアフラトキシンによる健康被害に要注意
- カビが生えたら食べてはいけない
- アフラトキシンを摂取すると最悪の場合死に至る危険性が高い
- 免疫所で検査しているため輸入品ナッツも安全性が高い
- 酸化と湿気に注意して保存する
- パリッと感は炒り直せば少し復活する可能性がある
ナッツにカビが生えると、カビ臭いニオイがしたり緑や黒色など目に見えたりし、さらに毒性の強いアフラトキシンが発生している可能性が高いので食べずに捨ててください。
ただ、少し柔らかくなっている場合は湿気ているだけで食べれるかもしれません。
開封後は必ず密閉して、湿気と酸化対策をして美味しく食べ切りましょう。