【執筆者:編集部 松洋子】
にんにく醤油の表面に白いカビのようなものが発生した場合、膜のような見た目なら産膜酵母菌と考えられ体に害はありません。
万能調味料として醤油を継ぎ足しながら楽しむ人も多いですが、作り方を誤ると腐敗しカビを発生させてしまうので気をつけたいですね。
また長期保存する食品に起こりやすいボツリヌス菌についても、理解を深めておくと良いでしょう。
この記事では、にんにく醤油を手作りする際に知っておきたい次の項目を解説します。
にんにく醤油 のこと
- カビに見える浮遊物の正体
- ボツリヌス菌食中毒の危険性
- 継ぎ足して長期保存する方法
- 保存瓶の煮沸とその他消毒方法
手元にあるにんにく醤油が食べられるか不安な人、衛生面に考慮し安全に作りたい人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
にんにく醤油漬けの白い浮遊物はカビではないかも
にんにく醤油を手作りした際、カビのような白い浮遊物を発見することがあります。
産膜酵母菌なので食べても問題ないですが、残念ながら風味が劣化してしまいます。
また緑に変色するのは、にんにく特有の辛味成分が原因で起こる反応なので食べられます。(※1)
状態 | 原因 | |
---|---|---|
食べられる | ・白い浮遊物 ・表面に白い膜 ・独特の臭い |
産膜酵母菌 (酵母菌の一種) |
緑に変色 | アルキルサルファイド (にんにくの辛味成分) |
|
食べられない | ・白いフワフワ ・黒いもの ・明らかな異臭 ・容器が膨張 |
・カビ ・腐敗 |
もし産膜酵母菌を見つけたら、早めに取り除き料理に使いましょう。
腐るとどうなる|酵母菌がカビの原因になることも
にんにく醤油の表面に、白い膜のような浮遊物が現れても害のない産膜酵母だと考えられますが、フワフワした白い塊の場合はカビの可能性が高いので食べないでください。
また産膜酵母菌は空気を好み表面に発生しますが、増えすぎると上部から黒カビが生えるおそれもあります。
醤油って腐るの?
食塩を多く含む食品は水分含有率に対し水分活性が低いため、醤油は腐りにくいと言われています。しかし何らかの原因で水分が混じると、カビが生え腐りやすくなります。
産膜酵母菌が発生したら取り除き、煮物や唐揚げ下味などの火を通す料理をして早めに食べきりましょう。
保存食を作る際は、ボツリヌス菌食中毒についても理解しておく必要があります。
容器の膨張・異臭はボツリヌス菌増殖のサイン
にんにく醤油漬けのような保存食や缶詰・真空パック食品を食べる際、容器が膨張していたらボツリヌス菌が増殖しているサインです。(※2)
開封後に異臭がするなど少しでもおかしいと感じたらすべて破棄してください。
- 酵素がない状態の保存食品から発生
- 摂取後8〜36時間で吐き気・嘔吐、重症の場合は呼吸不全で死に至る
- 1歳未満児は乳児ボツリヌス症発症の危険もある
以前は発酵食品の「いずし」を作る際に報告されていたボツリヌス菌食中毒ですが、最近はあまり見られなくなりました。
しかし、ボツリヌス菌を誤って口にすると大変危険なので過信してはいけません。
にんにく醤油を手作りする際は、熱湯消毒をするなど衛生面に十分考慮し正しい保存方法を心がけましょう。
手作りにんにく醤油のカビを防ぎ日持ちさせるコツ
にんにく醤油にカビが生えないようにするには、冷暗所で常温保存もしくは冷蔵保存が適しています。
保存期間は醤油の賞味期限という説もありますが、家庭で清潔に保てる期間として1年程度を推奨します。
保存期間 | 保存方法 | |
---|---|---|
常温 | 製造日より 1年程度 |
風通しの良い冷暗所 (夏は冷蔵) |
冷蔵 | 冷蔵庫 | |
冷凍 | 不可 |
醤油を継ぎ足しながら料理に使ったり、にんにくを刻みそのまま食べたりと長く楽しめます。
継ぎ足しながら賞味期限を延ばす保存方法
にんにく醤油は万能調味料として、醤油を継ぎ足しながら美味しく食べられます。
◎自宅で簡単に作れるにんにく醤油漬け
冷蔵庫で長期保存可能なうえ醤油の継ぎ足しもできます。1年以上漬けると辛みが抜けてマイルドになるのでぜひ作ってみてください🥰
たくさん作っておくと、ご飯のおかずやチャーハンや野菜炒めなど料理の材料に手軽に使えて便利です。 pic.twitter.com/CV4GXm8mjH
— 岩崎ファーム (@iwasakifarm) July 24, 2021
今日だけ🐔唐揚げ専門店開店。
10年以上継ぎ足ししながら、
にんにく醤油🧄作ってます。
容器も煮沸して新しいにんにく
入れて継ぎ足し入れて醤油たして
出来上がり。
さぁ、唐揚げたべよっ。
🙏🍚いただきます🤞#夜ご飯 #唐揚げ #にんにく #光秀 pic.twitter.com/8b0LFyDrwS— たくみんパパ (@benimo0319) August 15, 2022
カビを発生させず、日持ちさせる工夫として以下の方法も有効です。
- 唐辛子を入れる
- たまに振ってにんにくを転がす
- 清潔で乾いたスプーンで取り出す
長期保存できるにんにく醤油を作るには、煮沸消毒が必須になります。
長期保存するなら保存瓶の煮沸消毒は必須
にんにく醤油を手作りする場合の容器は、保存瓶が適しています。
長期保存するにはお湯に沸かして煮る煮沸消毒をして、カビや菌の繁殖を防ぎましょう。
- 大きな鍋に水を張り、瓶を沈める
- 水から入れて5分程度煮る
- ザルか布巾に上げて自然乾燥する
鍋に入らない大きな瓶の場合は、アルコール消毒もしくはホワイトリカー消毒をおすすめします。
何度も再利用している瓶を使う場合も、煮沸消毒と併用しておこなうとより安全です。
▼ホワイトリカー消毒に
ホワイトリカー果実酒用(焼酎35度)
▼アルコール消毒に
消毒用エタノール
にんにくは醤油漬けもいいですが、酢漬けにしてピクルスとしても美味しいです♪
詳しくはこちらの記事も読んでみてくださいね。
詳しくはこの記事をチェック!
結論|にんにく醤油のカビは見極めが大事
- 産膜酵母菌は食べても問題ないが劣化の原因になる
- 容器が膨張するとボツリヌス菌増殖のリスクがある
- 冷蔵庫保存で保存期間1年程度が賞味期限の目安
- 10年以上継ぎ足して楽しむ人もいるが自己責任で
- 煮沸消毒+ホワイトリカー消毒併用はさらに安全
にんにく醤油の表面に見られる白い膜は産膜酵母菌で食べても問題ありませんが、風味が劣化し腐敗の原因となるため取り除き早めに料理で使いましょう。
容器が膨張・開封後異臭がする場合はボツリヌス菌が増殖している可能性があるので、絶対に食べてはいけません。
安全に楽しむためには保存期間は1年程度が好ましく、冷蔵保存をおすすめします。
醤油を継ぎ足して長期保存するには保存瓶の煮沸消毒が必須で、ホワイトリカーやアルコール消毒も併用するとさらに安全で、長く美味しく楽しめますよ。
さまざまな料理に使える自家製の万能調味料で、料理上手を目指しましょう♪