【執筆者:編集部 高田ゆみ】
未開封のラー油は賞味期限切れから1年経ったとしても、腐敗菌が繁殖できない環境なので腐ることがありません。
ただし、開封後は酸化で風味がおちたり、カビが生えて食べられなくなったりする可能性はあります。
この記事では、ラー油を安全に食べきるために知っておきたい以下の項目について紹介します。
ラー油のこと
- 賞味期限切れでも食べられるのか
- 理論上は腐ることがない理由
- 品質が劣化した状態の見分け方
- 正しい保存方法
ストックしているラー油がいつも賞味期限切れになって困っている人にも役立つので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
賞味期限切れのラー油は腐るより酸化・カビに注意
ラー油は未開封で正しく保存していれば菌が繁殖しにくく腐ることはないと考えられ、賞味期限切れでも食べられる可能性はあります。
ただし、手作りや開封した保存料無添加の具材入りラー油は日持ちしにくく、酸化・カビなどの影響で食べられないかもしれません。
ラー油の一例 | 未開封 (製造日起算) |
開封後 |
---|---|---|
具材なし | 24ヶ月 | 賞味期限の日付まで |
具材入り | 12ヶ月 | 賞味期限の日付に関わらず 1ヶ月程度 (手作りもお早めに) |
市販品のラー油は、正しく保存していれば賞味期限切れになっても、すぐ安全性に問題が生じるわけではありません。(※1)
未開封でうっかり賞味期限切れになったラー油は、どのくらいの期間ならまだ食べられると判断できるのか確認してみましょう。
未開封で食べられる期間の目安
ラー油に設定される賞味期限がわかると、未開封で食べられる期間の目安がわかります。
賞味期限は日持ちする食品に設定されるもので、メーカーがおこなった検査結果よりも余裕をもって設定されているからです。
【例:最大日持ち期間が10日なら、設定される賞味期限は製造から8日後の日付】
たとえば、S&Bの小瓶入りラー油は製造日から24ヶ月後が賞味期限になっています。
安全係数を0.8と仮定した場合で、賞味期限切れ後の目安を判断してみましょう。
設定される賞味期限 | 720日 |
---|---|
検査で算出された最大日持ち期間 (推測) |
900日 |
期限切れ後も食べられる日数 (推測) |
180日 |
最大日持ち期間から余裕をもって設定された賞味期限を推測すると、賞味期限切れから半年くらいは食べられるかもしれないとわかりますね。
ラー油は腐ることがない理由
ラー油が腐らないのは、水分がなくて腐敗菌が繁殖できないからです。
腐敗菌が繁殖する条件として水分は必要不可欠なので、賞味期限切れになっても腐らないと考えられます。
瓶入りのラー油も賞味期限切れ後は風味が落ちている可能性があり、メーカーでも食べることをおすすめしていないからです。
酸化やカビで品質劣化した状態の見分け方
ラー油の品質が劣化すると、見た目や臭いに異変が生じることがあります。
見た目 変色 |
普通よりも色が濃い 粘りが出る 加熱すると泡立って消えない |
---|---|
臭い 匂い におい |
塗料のような臭い 不快な臭い |
味 食感 触感など |
胃がムカムカする |
なお、瓶入りのラー油に黒いかたまりのようなものが見えるのはカビではなく、ラー油の原材料に含まれる微粒子が澱(おり)になったもので問題ありません。
ただし、食べるラー油の具材は、油に浸かってないとカビが生えることがあります。
ラー油ってカビるんや😱😱😱😱 pic.twitter.com/AfqAzl5VrS
— ちゃむちゃ UE神戸 カエル🐸美味いで (@chamuber125G) March 2, 2022
桃屋の食べるラー油は保存料を使用していないため、開封後は賞味期限内でも1ヶ月以内に食べきるように推奨されており、あまり日持ちしません。
最後までおいしく食べきるためにも、正しい保存方法を守りましょう。
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ラー油が賞味期限切れになるのを防ぐ保存方法
ラー油の風味を保っておいしく食べきるためにも、賞味期限の日付を守るだけでなく正しい保存方法を守ってください。
開封後は空気に触れて品質が劣化しないように、しっかり密閉しましょう。
具材なし | 具材入り | |
---|---|---|
常温 (冷暗所) |
開封後は必ずフタを閉じる 賞味期限内に食べきる |
未開封のみOK |
冷蔵 | - | 開封後は密閉して要冷蔵 賞味期限に関わらずお早めに |
冷凍 | 推奨しない |
未開封なら冷暗所で常温保存もOKですが、具材入りのラー油は冷蔵庫が基本です。
具材入りは開封後要冷蔵でお早めに
具材入りのラー油は傷みやすいため、開封後の市販品・自家製に関わらず冷蔵庫に入れておきましょう。
ただし、低い温度帯でも増殖したり、毒素を生成したりする菌が存在しているため、冷蔵庫に入れておけば大丈夫とは言えません。(※3)
確実に日持ちさせるなら冷凍したほうがいいと考える人もいますが、ラー油に関してはおすすめできません。
冷凍保存はおすすめしない理由
ラー油に限らず、食用油全般は冷凍保存しないほうがいいです。
家庭用の冷凍庫は頻繁に開閉して霜が生じやすく、使用する際に水分が入り込むおそれがあります。
結果的に品質劣化を招きかねないため、ラー油は商品に記載されている保存方法を守りましょう。
どうしても食べ切れそうもない場合は、料理を工夫して使い切りましょう。
食べきれないラー油の使いきりレシピ
賞味期限内に食べ切れそうもないラー油は、チャーハンに使うのもおすすめですよ。
チャーハンを炒めるときに使うごま油の代わりに、ラー油を活用してみてください。
材料
ご飯:1人前
卵:1個
ラー油:大さじ1
鶏ガラスープの素:小さじ1
塩胡椒・しょうゆ:適量
食べるラー油:お好みで
- ご飯と卵を混ぜておく
- フライパンを温めてラー油を入れる
- ①としょうゆ以外の調味料を入れて炒める
- しょうゆをフライパンの縁に回しかける
- 食べるラー油があればお好みでトッピング
ラー油は、納豆や冷や奴、そうめんなどのトッピングに使うだけでもアクセントになるので、こまめに活用して賞味期限内に食べきりましょう。
結論 | 賞味期限切れのラー油は品質劣化に注意
- 未開封なら賞味期限切れ後も食べられる可能性はある
- 期限切れ後はメーカーでも非推奨
- 食べるラー油は開封後の酸化・具材のカビに注意
- 開封後具材なしは常温・食べるラー油は要冷蔵
- いろんな料理に活用して賞味期限内に食べきろう
市販のラー油に記載されている賞味期限の日付が過ぎても、すぐに安全性に問題が生じるものではないと考えられますが、風味が劣化しているかもしれません。
「油は腐らないから大丈夫」と考える人もいますが、開栓後空気に触れると酸化やカビが生える場合もあります。
とくに保存料を使っていない市販品や、自家製ラー油は品質が劣化しやすいため、早めに食べきったほうが良いです。
常備しておくと便利な調味料なので、賞味期限の日付をしっかり確認して、いろんな料理に活用してみてください。