【執筆者:編集部 柴崎マリ】
塩胡椒は、賞味期限切れでも未開封で正しく保管できていれば安全性に問題なく使用できる可能性が充分あります。
腐りにくい食品なのですが、開封後は気をつけないと湿気や酸化で劣化し、ダニやカビが発生するおそれがあるので注意が必要です。
この記事では、塩胡椒を安全に長く楽しむため、以下の内容を解説しています。
塩胡椒のこと
- 賞味期限切れはいつまで使用できるかの具体例
- 未開封・開封後の賞味期限目安
- 劣化した状態
- 正しい保存方法と保存のポイント
虫の発生を防ぐため塩胡椒を冷蔵庫で保存している人も多いですが、その保存方法は誤りかもしれません。
ぜひ最後まで記事を読んで、安全に塩胡椒を使い切りましょう♪
目次
塩胡椒は賞味期限切れでも大丈夫?未開封や開封後の場合は
塩胡椒はかなり腐りにくく、保存が適切であれば賞味期限切れでも食べられる可能性があります。
ただし商品ごとに賞味期限は異なり、開封済みか否かにも左右されるため一概に「何日まで食べられる」とは説明できません。
まずは、一部の市販品の賞味期限と開封後の使用期限をご紹介します。
商品名 | 賞味期限(未開封) | 開封後の使用期限 |
---|---|---|
味付塩こしょう (エスビー食品) |
36ヶ月 | 記載の賞味期限まで |
粗びき塩胡椒 (青い海) |
製造日から540日 | - |
味塩こしょう (ダイショー) |
18ヶ月 | 半年以内 |
ホールタイプ(粒状)の塩胡椒は未開封で3年ほど、粗挽きやパウダー状のものは未開封で2年ほどが賞味期限となる商品が多いです。
賞味期限は「未開封で正しく保存した場合においしさを保証する期限」なので、多少期限が切れても未開封であれば安全に食べられる可能性があります。(※1)
具体的に、期限切れ後何日まで使用できる可能性があるかは安全係数を用いて判断できます。
塩胡椒は腐る?賞味期限切れは具体的に何日まで平気?
食品の腐敗には水分・湿度・栄養素などの条件が必要ですが、乾燥しており湿度を含まない塩胡椒はかなり腐りにくい食品です。
そのため、期限切れ後も使用できる可能性が充分にあります。
詳しくはこの記事をチェック!
賞味期限切れの塩胡椒が具体的に何日まで食べられるのかは、安全係数で推測可能です。
食品の賞味期限は、さまざまな検査を実施し「◯日までは安全を保証できる」と判明した日付に安全係数をかけて決定します。(※2)
10日までは安全だと判明した商品ならば
10日×0.8で8日が賞味期限
上記表で紹介した塩胡椒の、実際に安全に食べられる可能性がある期限は以下のとおりです。
賞味期限 | 実際に食べられる 可能性がある期限 |
|
---|---|---|
味付塩こしょう (エスビー食品) |
1,080日 | 1,350日 |
粗びき塩胡椒 (青い海) |
540日 | 675日 |
味塩こしょう (ダイショー) |
例としてエスビー食品の味付塩こしょうならば、記載されている賞味期限の日付から270日間(1,350日-1,080=270日)過ぎるまでは、安全に食べられる可能性が高いということです。
ただし、この期限はあくまで未開封商品の「安全性」で判断した場合です。
おいしさを保証する賞味期限を越えての使用は、品質が落ち味が変わる可能性があります。
一方、開封後の賞味期限切れ塩胡椒については、使用状況や保存環境で日持ちが変わるため、劣化した際の特徴がないか確認しながら使用するべきでしょう。
劣化した状態の見分け方|カビやダニにも注意
開封後も腐りにくい塩胡椒ですが、以下のような状態になっていた場合は品質が劣化している可能性があるので廃棄をおすすめします。
におい | あまり感じない |
---|---|
見た目 | ・変色 ・パウダーが固まっている |
塩胡椒は長期間の保存でにおいが飛んでしまい、風味を味わえなくなってしまいます。
変色は塩胡椒が酸化している可能性を示しており、こちらも本来の風味を損なっている場合があります。
品質の劣化で特に注意が必要なのは、パウダーの固まりです。
乾燥しているはずの塩胡椒が固まっているのは、保存中に湿気ってしまった可能性があります。
変色と湿気は、塩胡椒を正しく保存することで大きく軽減することができるので、保存方法を間違えないよう心がけましょう。
塩胡椒の賞味期限を延ばす保存方法|冷蔵庫はNG
塩胡椒は、開封前後ともに直射日光を避けた湿度の低い場所での常温保存が最も適した保存方法です。
常温 | ・キャップや蓋をしっかり閉じる ・湿気の少ない冷暗所で保存 |
---|---|
冷蔵 | 非推奨 |
冷凍 |
実は、塩胡椒は冷蔵・冷凍保存に不向きな食材です。
冷蔵庫や冷凍庫の開け閉め・出し入れで温度差が生まれ、塩胡椒の容器内に発生した結露がカビの原因となってしまうためです。
一方、食品に発生するダニは低温で増殖がおさまるため「ダニ発生を防ぐために冷蔵庫に保管していた!」という方もいるでしょう。
常温で保管する場合は、高温・湿度・直射日光を避けることがポイントとなります。
常温保存で気をつけるポイント!湿気と高温に注意
塩胡椒の酸化やカビの発生を防いで常温保存するには、高温と湿度、直射日光を避ける必要があります。
以下の場所はつい調味料を保存しがちですが、塩胡椒の保管には向かない場所です。
- コンロ付近
調理に便利ですが、熱で塩胡椒が酸化しやすくなります - シンク下
冷暗所ではあるものの、湿気の溜まり場です
調理中は容器から直接塩胡椒を振りかけず、一度小皿に出してから使用すると、なお衛生的です。
直接ボトルから振りかけると料理から出た蒸気が容器に入り込み湿気る原因になります。
使用方法と保存場所の工夫で塩胡椒の風味が長持ちするので、ぜひ試してみてください。
結論|賞味期限切れの塩胡椒は保存状態と劣化を要確認
- 未開封であれば賞味期限切れでも安全に使える場合が多い
- 賞味期限は1年以上で設定されているものがほとんど
- かなり腐りにくいが劣化すると風味がなくなる
- 開封後は品質の低下に気をつけての使用を推奨
- 保存は常温が一番!高音・多湿・直射日光を避けて
未開封の塩胡椒は、腐りにくいこともあり賞味期限が切れても安全に使用できる可能性が高いです。
しかし安全に食べられるとは言え風味が落ちる可能性があるので、期限切れの塩胡椒は使用前に状態を確認しましょう。
開封後も同じく、品質の劣化に注意しながら使用・保存するようにしてください。
湿気や酸化に注意すれば長期保存できるので、ぜひさまざまな料理の味付けに活用してくださいね♪