【執筆者:管理栄養士 宍戸恵】
自家製ピクルスの日持ちは冷蔵庫で1週間程度で、常温保存は避けた方が良いでしょう。
作り方や食材によっても保存期間は異なるので注意してください。
正しい保存方法や容器の消毒、冷凍保存ができるのかどうかを以下の項目に沿って紹介していきます!
自家製ピクルス のこと
- 日持ちの目安|常温・冷蔵・冷凍
- 腐るとどうなる?
- 正しい保存方法・容器の消毒
- 冷凍保存の注意点
市販品とは異なり具体的な賞味期限の設定がありません。
以前漬けたものが出てきて食べられるのか不安な人、これから手作りピクルスに挑戦しようと考えている人もぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
自家製ピクルスの保存期間は?常温・冷蔵庫・冷凍庫の日持ち目安
常温保存は傷みやすいので、基本的には冷蔵庫で保存しましょう。
具材に火を通し、更に加熱殺菌・脱気を行えば常温での長期保存も可能になりますが、慣れていないとかえって食あたりや食中毒を引き起こす危険性があるのでおすすめしません。
常温 | 冷蔵 | 冷凍 | ||
---|---|---|---|---|
手作り | 野菜 | NG | 1週間程度 | 2~3週間 程度 |
たまご | 3~4日程度 | NG | ||
瓶詰め (未開封) |
半年程度 (瓶詰め後の 殺菌・脱気有り) |
NG |
冷凍保存も可能ですが食感が変わりやすいので、美味しく食べ切る上では冷蔵庫が無難です。
日持ちを延ばす為の手段として行う人は、注意点や冷凍に不向きな食材もあるのでこちらを参考にしてください。
常備しておきたいという人は、常温保存が可能な市販品も候補に入れてみてください♪
酢に含まれる酢酸には保存性を高める効果があり、酢漬けは保存食としてのイメージも持たれがちですが、食材や作り方によっては効果が薄れてしまいます。
加熱した野菜は?作り方による保存性の違い
酢に含まれる酢酸には殺菌効果があり、また酸性度(pH)を下げる特性があります。
酸性度が下がるとほとんどの微生物や腐敗菌にとって活動しにくい環境となり、昔から保存食を作る際にも利用されてきた調味料です。
しかし食材から水分が抜けていくと、次第に酸が薄まり抗菌力も下がります。
水分量が多い野菜
玉ねぎ・きゅうり・トマト・ナス・白菜 等
水分量が多い野菜は塩揉みや加熱をして、水分を抜いてから作ると酸も薄まりにくいですよ。
また加熱には殺菌効果も期待でき、一石二鳥と言えます。
たまごはしっかり火を通していても他の食材より栄養が豊富な分、傷みやすいので早めに消費してくださいね。
他にも唐辛子を加えて作ると、殺菌効果があるカプサイシンにより保存性を高められます。
作り方によって保存性は左右されますが、保存状態が悪いときも注意が必要です。
殺菌・脱気をした状態を除き、常温で放置した時や長く冷蔵庫で保存していると、カビが生えて食べられなくなる可能性があります。
冷蔵庫でも長期保存は避けるのが無難
一度付着した腐敗菌は酸が薄まったり常温で放置したりすると、活動的になります。
冷蔵庫でも、菌の活動は完全に止まっているわけではありません。
もし以下のような異変がある場合は汚染が進んで腐っているので、残念ですが処分してくださいね、
食べられない状態 | |
---|---|
見た目 変色 |
・カビが生えている ・液体が濁っている |
臭い 匂い におい |
・鼻をつく腐敗臭 |
味 食感 触感など |
・粘り気がある ・きつい酸味や苦味 ・軟化が進み崩れている |
部分的にしかカビが生えていなくても既に食品全体がカビに汚染されている可能性がある為、取り除いて食べるのも避けた方が良いでしょう。
他にも野菜の酢漬けについてはこちらの記事でも詳しく紹介されていますよ。
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せっかく作った手作りピクルスを無駄にしない為にも、正しい保存方法や容器の消毒についても確認しておきましょう。
自家製ピクルスの賞味期限を延ばすには?瓶詰めや冷凍の注意点
殺菌・脱気して常温保存したものでも、開封後は必ず冷蔵保存してください。
常温 | 直射日光・高温多湿を避ける (煮沸殺菌・脱気した瓶詰めのみ可) |
---|---|
冷蔵 | ・瓶詰め(煮沸消毒有り)が理想 ・金属製の蓋は使用しない ・蓋はしっかり閉める |
冷凍 | ・ジップロックのような チャック付きの保存袋に液体ごと入れて保存 ・急速冷凍する |
空気の出入りが多いほど菌が余計に付着する原因になるので、開けっ放しは厳禁です。
取り分ける際の食器類も必ず清潔なものを使用して、口をつけたり水気が残っているものを使うのは避けましょう。
プラスチック容器でも保存は可能ですが、ガラス瓶は密封性に優れていて臭い移りもしにくいのが魅力です。
しっかり消毒することで、より保存性を高められますよ。
瓶詰めは蓋にも注意|容器の消毒
瓶詰めは煮沸消毒に限らず、アルコールを使用した方法もあります。
- 煮沸消毒
(沸騰水の中で15分) - 食品用アルコールスプレーを噴霧し
キッチンペーパーで拭く - アルコール度数35度以上の焼酎を
少量入れキッチンペーパーで拭く
煮沸消毒についてはこちらも参考にしてみてください。
保存瓶の煮沸消毒方法 by skateri
写真付きで分かりやすく解説されています♪
また金属製の蓋は酸性が強いものを入れて保存すると、サビが生じやすいです。
リンゴ酢のピクルス大好きで作ったんだけど、広口瓶の蓋がサビついてアカンようになった(二つの意味で) #ごごカフェ
— かめごん@青いオッサン (@kamegon_ube) July 9, 2020
こちらのような金属製ではない蓋が理想です。
ガラス瓶は見た目も楽しめますね♪
一方で「食べ切れないな。」と冷凍保存を考える場合、瓶詰めのまま冷凍するのはNGです。
冷凍保存の注意点やポイントも押さえておきましょう。
冷凍保存のポイント
冷凍すると中の細胞が壊れて、水分が多い野菜は特に食感が変わりやすいです。
しかし実際には日持ちを延ばす為と冷凍し、一風変わったピクルスを楽しむ人もいるようですよ。
お前ら秒で腐りそうだから実家行く前に冷凍ピクルスの刑な pic.twitter.com/V0eBVtMAuo
— た (@Cambridge_Aska) July 31, 2021
冷凍保存は瓶詰めのままだと中身が膨張し破損する危険性があるので、ジップロックのようなチャック付き保存袋に移し替えます。
酢漬けの状態で乾燥や酸化(冷凍焼け)を防ぎ、急速冷凍で美味しさをキープしましょう。
冷凍保存は食品ロス対策にもなるので、消費ペースが上がず悩んでいる人も1つの手段として候補に入れてみてください。
結論|自家製ピクルスの日持ちは短く、作り方や食材でも変動する
- 基本は冷蔵庫で保存
- たまごや水分が多い野菜は注意
- 酸が薄まると保存性も落ちる
- 熱湯をかける消毒では効果が薄い
- 冷凍するときは容器や食材に注意
彩りが良いパプリカや紫玉ねぎのような食材が入ったピクルスは、ガラス瓶だと見た目も美しく一つのインテリアとしても際立ちます。
しかし手作りでは基本的に冷蔵保存が望ましいので、扱いには注意しましょう。
消費しきれない時には冷凍保存も候補に入れつつ、美味しく堪能してくださいね♪