【執筆者:編集部 大室康代】
海産物を発酵させて作る松前漬けの賞味期限は、市販品の場合、未開封なら冷蔵品で1~2か月程度、冷凍品は1~3ヶ月程度です。
ただし手作りの場合は市販品ほど保存方法が徹底していないため、空気に触れて発酵が進みやすく、保存期間が短くなります。
この記事では、生ものの海産物が材料である松前漬けを安全に美味しく食べるため、以下の項目についてご紹介していきます。
松前漬けのこと
- 賞味期限と手作りの日持ち
- 冷凍の保存期間
- 食べられない状態と食中毒は?
- 冷蔵・冷凍の保存方法
お正月にたくさん松前漬けをもらって保存期間を知りたい方や、冷凍保存のコツがわからない方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
松前漬けの賞味期限|冷蔵・冷凍・手作りの日持ちも
市販品の松前漬けは未開封なら長持ちしますが、開封後は発酵が進んで日持ちしないので気を付けましょう。
市販品 | 手作り | ||
---|---|---|---|
未開封 | 開封後 | ||
常温 | 3週間~ 2か月程度 (レトルト品) |
× | |
冷蔵 | 1~2か月程度 | 3日~ 2週間程度 |
1週間~ 10日程度 |
冷凍 | 1~3ヶ月程度 | 1ヶ月程度 |
市販品は空気に触れないように真空パックの物が多く賞味期限が長めですが、商品により賞味期限や消費期限が異なるため、必ずパッケージを確認してください。
松前漬けは、本来は日持ちしない生ものを保存するために、発酵の力を使って長持ちさせています。
発酵させると保存期間が長くなる
食品は発酵すると、人間に有益な菌が腐敗させる菌を抑えるため、長期の保存が可能です。
特に市販品の場合は、真空パックや冷凍などで微生物の動きを止めることで、さらに保存期間を長くしています。
たとえばこちらの松前漬けは冷凍で3ヶ月保存可能なため、贈り物にしても喜ばれますよ。
開封後や手作りの松前漬けは、空気にふれて発酵が進むため日持ちしないので注意しましょう。
開封後は発酵が進むため保存期間は短い
空気に触れたり温度が高くなったりすると必要以上に発酵が進んで腐敗の状態に近づくため、開封後や手作り品は保存期間が短くなりがちです。
冷蔵庫で保存しても微生物は緩やかに活動しますが、-12℃以下になると微生物の活動が止まるため、冷凍庫で保存すると保存期間が長くなります。
手作りの場合は、レシピや材料によって発酵の進み具合が変わるため食べ頃が異なりますが、1週間程度で食べ切るのがおすすめです。
賞味期限や保存期間を過ぎると発酵が進みすぎて食べられないこともあるため、腐るとどうなるかも確認しておきましょう。
松前漬けは保存期間が過ぎると腐る?食べられない状態とは
松前漬けはカビが生えていたり、酸っぱい臭いや味がしたりしたら食べない方が安全です。
特徴 | ||
---|---|---|
見た目 変色 |
・カビが生えている ・袋が膨張している (未開封) |
|
臭い 匂い におい |
・腐敗臭 ・カビの臭い ・酸っぱい匂い ・異様に生臭い |
|
味 食感 触感など |
異様に酸っぱい |
賞味期限や保存期間が過ぎてもすぐ腐るとは限りませんが、生ものを使用しているため期限を守った方が良いでしょう。
賞味期限切れ後は食べられる?酸っぱいなら要注意
賞味期限切れの松前漬けは、カビが生えている場合や酸っぱい味がしたら食べないようにしましょう。
カビが生えた食品は、カビ毒と言われる人体に有害な影響を与える化学物質を生成している可能性があり、目には見えない上に加熱しても死滅しません。(※1)
また、開封時には無かった酸っぱい味がする場合も、腐敗による可能性があるので注意です。
松前漬け自体が、生ものの臭いや昆布のぬめりがある食べ物なので、カビが無い場合は味の変化を見て判断しましょう。
そして、気をつけた方が良いのは数の子といった魚介類が原因の食中毒です。
常温保存は食中毒の危険性!陽炎ビブリオの可能性も
賞味期限切れで様子がおかしい松前漬けを食べた場合、腐敗からの食中毒と腸炎ビブリオが引き起こす食中毒の可能性があります。(※2)
他の食中毒菌よりも繁殖が速いため、手作りの松前漬けに魚介類を入れるときは、下記の点に注意してできるだけ予防しましょう。
- 塩抜きした数の子や魚介類は水道水でよく洗う
- 魚介類に使用した調理器具は他に使わない
- 4℃以下で保存すること
- 魚介類を触ったら手をよく洗う
塩水を好む腸炎ビブリオは、真水と低温に弱く増殖できなくなるため、松前漬けを日持ちさせたいなら、温度の低い冷蔵・冷凍保存を活用すると良さそうですね。
松前漬けを日持ちさせる冷蔵・冷凍保存のコツと解凍の仕方
松前漬けは常温保存だと発酵が進んで傷むため、冷蔵庫や冷凍庫に保存して微生物の動きを抑えましょう。
常温 | × |
---|---|
冷蔵 | ・密閉できる容器やジッパー袋に入れる ・なるべく4℃以下 |
冷凍 | ・1回分づつ小分けする ・密閉できるジッパー袋に入れる ・金物のバットに寝かして冷凍 ・-18℃以下を保つ |
冷蔵庫や冷凍庫を開け閉めすると温度変化が生じて水分が蒸発しやすくなるため、なるべく密閉して乾燥を防いでくださいね。
冷蔵するならチルド室がおすすめですよ。
冷蔵保存するならチルド室に入れよう
松前漬けの発酵や腸炎ビブリオを抑えるためにはなるべく低温が良いため、冷蔵庫に保存する場合は0℃~3℃を保つチルド室が最適です。
一度に食べ切らない分は、保存袋を利用して小分けに冷凍すると良いでしょう。
解凍する場合は、微生物が活発になる温度(常温)は避けましょう。
冷凍保存した松前漬けは冷蔵庫で解凍しよう
冷凍保存した松前漬けは、冷蔵庫の中で5~6時間解凍すると食べ頃になり、温度による微生物の活動も抑えられます。
朝冷蔵庫に入れておけば、夜にはちょうど食べ頃で、解凍後も触感が変わらず美味しくいただけますよ。
電子レンジでの解凍方法は火が入ってしまう恐れがあり、おすすめしません。
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結論|開封後の松前漬けは日持ちしないので早めに食べよう
- 手作りは冷蔵1週間程度の日持ち
- 冷凍の保存期間は1ヶ月程度
- 開封後の日持ちは短くなる
- 酸味やカビが生えたら食べない
- 冷蔵保存はチルド室を使おう
松前漬けは市販品なら未開封時の賞味期限は長く、自家製も日持ちさせるなら冷凍保存をすれば1ヶ月程度持ちます。
生ものを使用していますから常温保存は腐敗や食中毒の可能性があるため避け、保存期間を守って食べ切ることをおすすめします。
一度にたくさん手に入った場合は、今回紹介した保存方法を参考に最後まで美味しくいただいてくださいね。