【執筆者:編集部 坪田八重】
魚の真空パックを冷蔵した場合の日持ちする期間の目安は刺身であれば数日程度、煮魚のように加熱済みであれば1週間程度です。
冷蔵のままでもそのまま保存するより日持ちしますが、冷凍保存するとさらに保存期間が長くなります。
いっぽうで安全性が高そうな魚の真空パックでも食中毒を引き起こす可能性があるため、正しい保存方法を知って対策しましょう。
魚の真空パックのこと
- 賞味期限の目安
- 危険な状態の特徴
- 正しく保存する方法
- 美味しく食べられる解凍方法
魚の真空パックをよく購入する方や自宅でさばいて真空パックにしているという方は、ぜひ日々の生活に取り入れてくださいね♪
目次
真空パックした魚の日持ちは?刺身や焼き魚など状態別で解説
真空パックした魚が日持ちする期間は加工方法によって差があります。
たとえば冷蔵保存した生魚の賞味期限は数日程度ですが、干物であれば数週間日持ちする場合がありますよ。
常温保存 | 冷蔵保存 | 冷凍保存 | |
---|---|---|---|
刺身 | NG | 数日程度 | 1ヶ月 ~1年程度 |
加熱用鮮魚 | 5日程度 | 1~2年程度 | |
加熱済み (焼き魚 ・煮魚など) |
数カ月程度 | 1週間程度 | 数ヶ月 ~1年程度 |
干物 | 数週間~1年程度 | 数ヶ月 ~1年程度 |
どの加工方法でも真空パックしていない場合の倍程度、日持ちする期間が延びる傾向にあります。
このように期間が延びるのは、真空パックにより品質が保ちやすくなることが関係しています。
賞味期限が延びてもボツリヌス菌に注意!日持ちする理由と危険性
真空パックの魚は、腐敗や酸化をおさえられるようになり日持ちが良くなります。
その理由は空気に触れさせず保存できることで、微生物が増殖しにくくなるためです。
ただし酸素が少ない場所を好むボツリヌス菌のような微生物は、真空パック内で急激に増殖する可能性があるため注意が必要です。(※1)
もし真空パックから異臭がしたり画像のように膨らんだりした場合には、ボツリヌス菌の増殖が疑われるため食べないようにしましょう。
置いておいたら菌による発酵が進み、真空パックがパンパンになった。驚き! pic.twitter.com/OjobptXZiB
— 小泉泰英 | ORYZAE(オリゼ) (@tonbotonbo9112) February 28, 2018
真空パックの魚は冷蔵で正しく保存していても、賞味期限切れすると腐ってしまう可能性があります。
そのため数日で食べきれない場合は冷凍保存できるものを購入しましょう。
冷凍で1年程度日持ちする?保存期間が長い理由とは
刺身や干物など状態で差がありますが、真空パックの魚を冷凍保存したものは1ヶ月~1年程度と保存期間が長くなっています。
また真空状態であることで冷凍焼けしにくくなり、品質も保ちやすくなっています。
ただし保存期間が長いほど匂い移りする可能性は高まるため、できるだけ早めに食べることをおすすめします。
魚の真空パックの市販品は、商品ごとに保存方法が異なります。
冷蔵や冷凍など状態別の正しい保存方法を確認し、美味しく日持ちさせられるようにしましょう!
同時にこの記事も読まれています
魚の真空パックの正しい保存方法|美味しさを保つコツも
魚の真空パックを日持ちさせるには、商品ごとに指定された保存方法を守ることが大切です。
常温保存できるのはレトルトパウチされた魚や一部の干物に限られます。
冷蔵や冷凍保存と記載のある商品は、腐敗が進む可能性があるため常温保存を避けてくださいね。
常温 | 直射日光や高温多湿を避ける |
---|---|
冷蔵 | ・購入後は冷たいうちに冷蔵庫へ入れる ・4℃前後を保って保存 |
冷凍 | ・-18℃以下を保つ ・冷凍庫のできるだけ奥の方に入れる |
また冷蔵や冷凍保存する商品はいったん温度が上がると、その後冷やしたとしても日持ちが悪くなります。(※3)
自宅で真空パックした魚も正しく保存すれば日持ちがよくなりますが、美味しく食べるには保存前に工夫が必要ですよ。
自家製は真空パックする前の一手間が大切
魚を自宅で真空パックする際は、臭みを残さず保存するためにひと手間をかけましょう。
- キッチンペーパーで表面の水分を拭き取る
- 内蔵を取り除く
- 醤油や味噌などの調味料に漬け込んで保存
このひと手間は真空パックしない場合の美味しさアップにも繋がる方法ですので、ぜひ実践してみてください。
ひと手間かけて真空パックしたあとは、正しい保存方法を意識して保存すればOKです。
日持ちしやすく便利な冷凍保存でも、解凍方法によっては美味しさが半減する可能性があるため注意しましょう。
魚の美味しさを損なわない解凍方法は?
真空パックの魚の解凍は流水解凍や冷蔵庫解凍をすると品質を保ちながら解凍できます。
特徴 | |
---|---|
流水解凍 | ・半解凍への調整が簡単 ・解凍時間が短い(20~30分程度) |
冷蔵庫で解凍 | ・冷凍庫から移し替えるだけと手間が少ない ・解凍までに3~6時間程度の時間が必要 |
電子レンジ解凍 | ・短時間で解凍できる ・部分的に加熱しすぎる可能性がある ・ドリップが出やすい |
流水解凍は半解凍に調整しやすく、加熱調理する場合に便利な解凍方法です。
ただし刺身を流水解凍すると食感が落ちるおそれがあるため、冷蔵庫で解凍する方法をおすすめします。
常温においても解凍できますが、放置しすぎると品質が落ちるだけでなく腐りやすくなるため避けましょう。
次のような煮魚は、パックに入れたまま湯煎解凍すると水分を保ったまま温められますよ。
煮魚を自宅で真空パックした際にも活用できるので、ぜひ実践してみてくださいね。
結論 | 魚の真空パックを日持ちさせるには冷凍保存がベスト
- 生魚を冷蔵した場合に日持ちする期間は数日程度が目安
- 真空状態でもボツリヌス菌により食中毒を引き起こす可能性がある
- 冷凍保存すると1ヶ月~1年程度に保存期間が延ばせる
- 自宅で真空パックする場合は臭みを取る工夫が大切
- 食べ方に合わせた解凍方法をするとおいしさをキープできる
魚の真空パックの日持ちは加工方法によって差が生まれ、冷蔵保存の場合は刺身で数日程度、加熱済みの煮魚などは1週間程度が目安です。
ただし冷凍保存した場合は1ヶ月~1年程度と保存期間が長くなるため、自宅で大きな魚をさばいて真空パックした際には冷凍保存をうまく活用しましょう。
空気に触れさせず保存できる真空パックは微生物の付着や増殖を抑える効果が期待できます。
ただしボツリヌス菌のような空気が少ない状態を好む微生物は増えやすくなってしまうため、賞味期限切れや保存方法には十分注意してくださいね。
※2 食中毒予防の原則と6つのポイント|政府広報オンライン(内閣府大臣官房政府広報室)
※3 冷蔵庫のかしこい使い方~知ってお得な食品の保存~(農林水産省)