【執筆者:編集部 畠山香】
かぼちゃの煮物は水分や栄養分をたくさん含んでいるため腐りやすく、あまり日持ちしません。
作り置きとして保存したい場合は、冷蔵庫よりも長く保存できる冷凍庫保存がおすすめです。
腐ると状態が変化しますが、怪しく見えても食べられる場合もあるので、無駄にしないためには正しい見極めが必要ですね。
そこでかぼちゃの煮物が食べられるか判断するのに役立つ情報を、以下のような項目でまとめて紹介します。
かぼちゃの煮物のこと
- 何日くらい日持ちするのか
- 腐るとどうなるかと食べられるかどうかの見分け方
- 冷蔵や冷凍での正しい保存方法
- 弁当に入れる時のポイント
食卓を華やかに彩るかぼちゃの煮物を、たくさん作って何日かに分けて食べたい方もいますよね。
日持ちの目安や保存方法を知れば、無駄にせず最後まで美味しく食べられるはずですよ!
目次
かぼちゃの煮物の日持ち|冷蔵や冷凍保存期間の目安
かぼちゃの煮物は常温では保存できず、冷蔵庫でも3〜4日程度しか日持ちしません。
手作り | 常温 | 当日中 |
---|---|---|
冷蔵庫 | 3〜4日程度 | |
冷凍庫 | 1ヶ月程度 | |
市販品 (レトルトパウチ) |
未開封 | 90日程度 |
開封後 | 当日中 |
かぼちゃの煮物は傷みやすいおかずなので、長期保存したいなら冷凍をおすすめします。
かぼちゃの煮物は傷みやすい!常温放置に要注意
かぼちゃの煮物はでんぷん質と水分が豊富に含まれているので、腐りやすい食品です。
食品に含まれる糖類やたんぱく質が、微生物の働きによって食べられない状態に変化すること。(※1)
またカビが生えた場合も人体に有害な物質が発生している可能性があり、腐敗と同様に食べられない状態になったと考えられます。
温かいままで常温に放置していると、腐敗やカビの増殖に適した温度状態が続くので、常温で1晩置いたものは食べない方がいいでしょう。
常温で繁殖しやすい菌によって、集団食中毒が発生した事例もあります。
手作りのかぼちゃの煮付けで食中毒になる危険も
かぼちゃの煮物が原因で、ウェルシュ菌による集団食中毒が発生した事例があります。
- 潜伏期間:6~18時間程度
- 症状:主に下痢。嘔吐や発熱はあまりみられない
- 突然死の報告もあるので油断はできない
ウェルシュ菌は自然界に多く存在する細菌ですが、熱に強い芽胞を作る性質があるため、鍋でしっかり加熱しても死滅しません。(※3)
繁殖する温度帯も12~50℃と幅広く(最も適しているのは43~45℃)、常温に置いていると増殖が進んでしまいます。
「翌日まで食べたい」「作り置きしたい」と考えるなら、作ってすぐに冷蔵保存もしくは冷凍保存してください。
日持ちさせたい・作り置きしたいなら冷蔵庫か冷凍保存
常温では保存できませんが、冷蔵庫や冷凍庫なら少し長く保存できます。
ただし冷蔵庫に入れても菌類の働きを完全に止められるわけではないので、3~4日程度で食べきることをおすすめします。
冷凍なら1ヶ月程度の日持ちが見込めますが、保存方法のコツを参考にして、菌が繁殖する前に手早く保存することが大切です。
一度に食べきれる量だけ作りたいけれど、生のかぼちゃを残したくない…という方は、冷凍のかぼちゃを活用すれば、食べる分だけの調理もしやすいですよ。
もしうっかり鍋をコンロに置きっぱなしにして食べられるかどうか不安な時は、賞味期限切れの特徴と照らし合わせて確認してみましょう。
賞味期限切れのかぼちゃの煮物|臭いや味の変化
かぼちゃの煮物の見た目や臭い・味に次のような変化を感じたら、賞味期限切れの状態だと考えて食べないようにしましょう。
見た目 変色 |
・汁の泡立ち ・カビが生えている ・糸をひく |
---|---|
臭い 匂い におい |
・酸っぱい臭い ・アルコール臭 |
味 食感 触感など |
・酸っぱい味・糸をひく ・ねばねばしている ・胸焼けするような味 |
臭いは一緒に煮た具材によって変化する可能性もあります。
臭いがおかしい!アルコール臭やシンナー臭は注意
かぼちゃのような植物性食品が腐ると、アルコールのような酸っぱい臭いやシンナーのような刺激臭が発生することがあります。
一方で肉や魚などのタンパク質の場合、腐敗によってアンモニア臭を放つことが多いです。
見た目にカビや糸を引くようなぬめりは確認されなくても、臭いや味に異変を感じたら食べないようにしてください。
調理前のかぼちゃが不安を感じる見た目でも、問題なく食べられる場合もあります。
カビ?傷み?不安に感じても腐っていない場合も
かぼちゃの表面や臭いに異常を感じても、傷みや腐敗ではないケースもあります。
かぼちゃの状態 | 原因 |
---|---|
皮の表面が デコボコしている |
生育段階でできた傷を 自分で修復した跡 |
皮の一部が黄色い | 生育中土に触れ 日が当たらなかった |
ワタの部分が白い | 生理現象 (クリスタル症状) |
薬品臭い | |
苦い |
かぼちゃの皮がデコボコしていたり黄色かったりするのは傷や日当たりが原因で、問題なく食べられますが、硬い場合があるので取り除いてもいいでしょう。
それに対して生育段階の環境(高温や乾燥)の影響でクリスタル症状という生理現象が起こると、苦みや薬品臭さを感じ、美味しさは損なわれています。
あまり食べるには適していないので、味見をしてダメだと感じたら破棄しましょう。
食べられないかぼちゃの煮物の見分け方はわかりましたが、それよりも腐らせないのが一番ですよね!
正しい保存方法を解説しますので、参考にして安全に長持ちさせましょう♪
かぼちゃの煮物の冷蔵・冷凍保存方法|食べ方のコツも
かぼちゃの煮物を長持ちさせるためには、調理や処理にひと手間加えて保存しましょう。
常温 | NG |
---|---|
冷蔵 | ・濃いめの味付けにする ・水を少なめに醤油、酒、酢少々で 煮汁がなくなるまで煮込む ・粗熱を取ってすぐに冷蔵庫保存 |
冷凍 | ・煮崩れたかぼちゃは冷凍しない ・汁気をしっかり拭き取る ・小分けにして1食ずつ包んで冷凍 ・冷凍保存用袋に入れ、空気を抜いて密閉 ・冷凍保存容器に並べラップし、蓋をして冷凍 |
味付けでも保存期間を延ばせるので、作り置きを目的としているときは注意するといいでしょう。
長く日持ちさせる調理・保存・解凍のコツ
かぼちゃの煮物は濃いめの味付けにし、水分を取り除いて保存することで長持ちさせられます。
作る際に煮崩れたものは中にたくさん水分を含んでいるので、長期保存には不向きです。
保存せずに食べきりましょう!
マッシュしておくと、かぼちゃサラダやコロッケ、スープなど色々なアレンジレシピが作れます。
水分や空気をできるだけ取り除いて冷凍するといいですが、解凍によって「水っぽくなった」「食感が変わった」という経験をした方もいるでしょう。
美味しく食べるには、解凍するときにもポイントがあります。
- ラップを外し耐熱容器に入れる
- ラップをせずに電子レンジ(600W)で1分半ほど加熱)
- もしくは冷蔵庫で自然解凍する(約4時間)
ラップをせずに電子レンジで加熱することで水分が飛び、水っぽくなりません。
かぼちゃの煮物を弁当に入れる時の注意点
かぼちゃの煮物は常温保存には適していないので、お弁当に入れる時には注意が必要です。
- 抗菌・保存性を高める効果がある調味料や香辛料を使う(酢・梅干し・生姜・ハーブ・唐辛子など)
- 煮汁はしっかり煮詰める
- 汁気をしっかり切ってから入れる
- 取り箸は使いまわさない
なるべく菌が繁殖しない状態にして、弁当に入れましょう。
ただし腐敗を完全に止められるわけではないので、保冷材を添えて持ち運び、できるだけ早めに食べてくださいね。
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結論 | かぼちゃの煮物は日持ちしない!作り置きなら冷凍保存
- 常温では日持ちしない
- 冷蔵で2~3日・冷凍なら1ヶ月ほど日持ちする
- 腐ると臭いや味・見た目が変化
- かぼちゃの生理現象で美味しくない場合もある
- 冷凍の際は汁気を取るといい
かぼちゃの煮物はあまり日持ちのしない惣菜です。
常温では保存できないと考え、残る分はすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
作り置きを意識して作るなら濃いめの味付けにし、水気と空気を取り除いて冷凍保存してください。
食卓や弁当に彩りを加えてくれるかぼちゃの煮物を、最後まで美味しく食べきりましょうね♪