【執筆者:編集部 大室康代】
たくあん(沢庵)は保存食で本来は腐りにくい食べ物ですが、保存方法によっては腐ることがあります。
腐ると表面にカビやぬめりが出るので五感ですぐわかりそうなもの。
しかし、たくあんは微生物の力を使用した発酵食品ですから、腐敗の関係と似ていて見分け方が難しいかもしれません。
そこで今回は、たくあんの様子が怪しくても正しく判断できるように次の項目を調べてみました。
たくあん (沢庵) のこと
- 腐るとどうなるか?
- 発酵と腐敗の見分け方
- 賞味期限と日持ちさせるコツ
- 手作りする時の注意点
「賞味期限切れになったけど大丈夫?」「開封後の保存期間はどのくらい?」「白い点がカビのように見えるけど食べられる?」などと心配な人にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
たくあん(沢庵)が腐るとどうなる?カビやぬめりの見分け方
たくあんが腐ると表面にカビ・ぬめりが見られます。
食べられない | 食べられる | |
---|---|---|
見た目 変色 |
・カビが生えている (黒・青緑・ピンク) |
・断面にハリがある ・主に黄色 |
匂い 臭い におい |
・明らかな腐敗臭 ・カビくさい ・アルコール臭 |
ぬかのような臭い |
食感 触感など |
・ふにゃふにゃ ・べとべとしている ・糸引くようなぬめり |
・ポリポリ ・触るとツルツル |
また、たくあんが腐ると見た目以外にも、臭いが判断する目安になります。
アルコール臭やカビはNG!腐っているたくあんの特徴
微生物が繁殖して明らかに腐っているたくあんはカビが生えるだけでなく、ツンとしたアルコール臭や腐敗臭がします。
親戚から頂いた沢庵の古漬けを冷蔵庫で保存してたらアルコール臭がして切って食べてみると除光液の臭い…く、食えるのか?
と言うか、沢庵でアルコールて作れるのかな?個人的にそこが知りたいのだが中々検索してもヒットしない。
? hiroxxxine (@hiroxxxine) May 13, 2017
ツンとしたアルコール臭は、除光液やボンドのような臭いがします。
また、黒や青緑、ピンク色でフワフワしているカビが生えていたら食べられません。
食べられるのか判断しにくいのは、たくあんに白い点がある場合です。
白い点はカビ?食べても良い状態とは
開封時やぬかから出した直後のたくあんに見られる白い点は、乳酸菌の影響で発酵しているだけなので食べられます。
もう一つ気になるのは、漬けている最中にぬかの表面に張る白い膜(産膜酵母)です。
中のたくあんは発酵が進んで酸っぱくなっていますが、食べられます。
しかし、時間が経ってからできた白い点は、発酵かカビか自己判断するのは難しいため、他の状態もよく確認して判断しましょう。
うわっ
あのしょっぱいたくあん、冷蔵庫に入れなかったら速攻でカビ生えた pic.twitter.com/ucyIbTXgeB? 異常独身体 (@crazybonecrazy) February 20, 2020
他にもたくあんは、腐るとネバネバしたぬめりがつく場合があります。
ぬめりの原因がぬかと腐敗のどちらか見極めよう
たくあんは、手作りする時に昆布を入れるとぬめりが付くことも。
また、ぬかの塩分が低い、乳酸菌や納豆菌、酵母の過剰な反応によりネバネバした粘りが発生する場合があります。
粘りがあっても、たくあんの風味に問題が無ければ洗って食べられますよ。
しかし、市販・手作りのたくあんで時間を置いて出てきたぬめりなら、微生物による腐敗なので処分しましょう。
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では、たくあんを美味しく食べきるために、長期保存する方法や賞味期限の目安も覚えておきましょう。
たくあんの保存期間と日持ちさせるコツ
市販されているたくあんの賞味期限は開封前なら長いのですが、開封後は一気に短くなります。
未開封 | 開封後 | |
---|---|---|
常温 | 製造日から 3~12ヶ月程度 |
- |
冷蔵 | 3日~1週間程度 | |
冷凍 | - | 1~2ヶ月程度 |
賞味期限は、未開封時に美味しく食べられる期限です。
また、たくあんは日持ちするため消費期限ではなく賞味期限が表示されています。
商品によって設定される賞味期限が異なるのは、製法の違いに理由があります。
製法によって変わる賞味期限
たくあんの賞味期限は製法や商品の種類によって異なります。
種類 | 賞味期限の目安※ | 製法・特徴 |
---|---|---|
干し たくあん |
3~12ヶ月 程度 |
・天日干しで水分を抜く ・歯ごたえが強い ・塩分濃度が高い |
塩押し たくあん |
3ヶ月 程度 |
・大根は干さない ・塩漬け後水分を抜く ・歯ごたえが柔らかい ・塩分濃度が低め |
糠しぼり たくあん |
・大根は干さない ・調味液(主に糠) で水分を抜く |
|
いぶりがっこ | 1~6ヶ月 程度 |
・大根は燻製乾燥する ・燻製の香ばしい風味 |
※製造日から起算。商品によって異なります
食品に雑菌が繁殖する原因は水分ですが、干したくあんは水分を抜いて塩分濃度が高く、乳酸発酵により保存性を高めており長持ちします。
塩押したくあんと糖しぼりたくあんは塩分が低めで、発酵もしていないので賞味期限が短くなります。
いぶりがっこは両方の製法で作られているため、商品によって賞味期限が違います。
いぶりがっこは秋田の名産品ですが、ネットでも購入できますよ。
たくあんは一度にたくさん食べる物ではないので、なるべく長期間日持ちさせたいですよね。
日持ちする保存方法と手作りする時の注意点
たくあんは空気に触れたり、温度が上がったりすると腐敗しやすくなるので、開封後は冷蔵保存が基本です。
残りのたくあんをそのままタッパーに入れて冷蔵庫に保存するのは、空気に触れてしまうためNG。
これなら空気に触れずに保存できますね。
また、冷凍保存でたくあんを長期保存できます。
あとは、冷蔵保存と同じようにして冷凍庫へ。
冷凍保存するための密閉袋はネットでも購入できますよ。
また、たくあんを手作りする時も気をつけるのは同じです。
管理する場所は、温度が低い場所。また、密封性を高めるために外フタをする前に厚めのビニールを挟むといいですよ。
詳しくはこの記事をチェック!
結論 | たくあんは腐らないように密閉保存で早めに食べよう
- カビやぬめりは腐っているサイン
- アルコール臭がしたら食べない
- 発酵と腐敗の見分けは難しい
- 保存は空気に触れないように
- 手作りは温度・密閉性に注意
たくあんは乳酸発酵を利用した食べ物なので、腐敗と見分けにくいですね。
カビやぬめり、アルコール臭がある時は、五感で大丈夫か確かめましょう。
また、たくあんは保存食ですが開封後は発酵も進み、3日~1週間と保存期限が短くなります。
空気に触れないようにしっかり密閉して、最後まで美味しく食べましょうね。