【執筆者:編集部 高田ゆみ】
落葉(らくよう)きのこは新鮮でもぬめりがあるためわかりにくいかもしれませんが、腐ると一部が溶ける、腐敗臭がするなどの異変が生じやすくなります。
また、落葉きのこにそっくりな毒きのこも存在するため、偽物ではないか見極めることが大切ですね。
そこでこの記事では、落葉きのこを安心して食べられるように知っておきたい以下の項目を紹介します。
落葉きのこのこと
- 腐るとどうなる?見た目や匂いなどの見分け方
- 偽物との見分け方
- 下処理と保存方法
- 冷凍保存後の食べ方
手元にある落葉きのこが食べられるか知りたい人、大量に収穫したけど保存方法がわからなくて困っている人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
落葉きのこが腐るとどうなる?食べられない状態の見分け方
落葉きのこが腐ると一部が溶ける、腐敗臭や異常に酸っぱいなどの異変が生じやすくなります。
見た目 変色 |
一部が溶ける 傘は軸にハリがない |
---|---|
臭い 匂い におい |
鼻がツンとする 腐敗臭 |
味 食感 触感など |
酸っぱい |
このような状態が確認できる場合は、残念ですが食べずに処分しましょう。
なお、傷みかけのきのこ類はぬめりが生じやすいものの、落葉きのこに関しては新鮮でもぬめりがあるため見極める際にはほかの特徴をよく確認してください。
虫食いがあっても腐っているわけではないので、しっかり虫出ししておけば問題なく食べられます。
五感で食べられない状態だとわかれば問題ないのですが、落葉きのこに似た毒きのこも存在しているので注意が必要です。
偽物の毒きのこにも注意!見分け方のポイント
落葉きのこと見た目がそっくりな毒きのこ「チチアワタケ」との見分け方を覚えておきましょう。
どちらもイグチ科のきのこで、傘の裏側はヒダではなくスポンジ状になっていて、傘にぬめりがあるのは共通していますが、以下の点が違います。
落葉きのこ | チチアワタケ | |
---|---|---|
生える場所 | カラマツ林 | マツ科の林 |
柄 | ツバがある | ツバがない |
落葉きのこが生えるカラマツは秋になると葉が赤く色づいて散るのが特徴で、チチアワタケが生えるアカマツやクロマツは落葉しません。
また、食べ頃になった落葉きのこの柄にはツバがあるのに対し、チチアワタケにはツバがない点も見分ける際のポイントになります。
落葉きのことは、主に北海道で使われている呼び方です。(※2)
正式名称は「ハナイグチ」で、信州地方では「ジコボウ(時候坊)」とも呼ばれています。
チチアワタケに限らず、「これって本当に落葉きのこかな?」と首をかしげながら食べるのは危険です!
毎年のように毒きのこが原因の食中毒が発生しているので、不安を感じる場合は食べないようにしましょう。(※3)
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本物の落葉きのこを手に入れても鮮度が落ちると腐りやすいので、正しい保存方法を守りましょう。
落葉きのこが腐るのを防ぐ保存方法と食べ方
落葉きのこはあまり日持ちしないため、採取あるいは購入後は早めに食べきりましょう。
常温 | 下処理後お早めに |
---|---|
冷蔵 | |
冷凍 | 1カ月程度 |
自然に生えるきのこは虫食いが多いため、下処理をしてから早めに食べきりましょう。
日持ちさせたい落葉きのこの保存方法は、冷凍がおすすめです。
日持ちさせる下処理や冷凍保存のコツ
落葉きのこの傘には虫が入っていることが多いため、必ず塩水で虫出しをしましょう。
海水くらいの塩水に30分ほど浸けてから、流水ですすぎながらゴミを洗い流します。
水を切って生のまま冷凍保存もできますが黒く変色しやすいので、1分半ほど下茹でしてから冷凍してもOKです。
落葉きのこの収穫時期はその年の気象によって異なりますが、8月下旬~10月中旬頃です。
北海道では旬の時期に生のまま売られていることがあります。
落葉きのこが出ました!
数は少ないですが、初物です! pic.twitter.com/V8OyFkCtvX— 道の駅たきかわ【公式】 (@mititaki21) August 30, 2020
通販では、冷凍された落葉きのこを購入できます。
ストックしておくといつでも味噌汁や煮物、大根おろし和えなどに使えるので、ぜひ活用してみてください。
結論 | 落葉きのこは腐る前に冷凍保存しておこう
- 腐ると溶ける・異臭がするなどの異変が生じる
- よく似た毒きのこもある
- 偽物か見分けがつかないなら食べないようにする
- 必ず塩水に浸けて虫出しをする
- 日持ちさせるなら醤油漬けか冷凍保存がおすすめ
落葉きのこは秋に収穫できる天然きのこで、収穫後はあまり日持ちしません。
腐ると身が崩れる、異臭が発生するなどの異変が生じやすいので、生の状態で手に入れたら早めに下処理をして食べきるか、冷凍保存しましょう。
冷凍庫の開閉で温度差が生じると鮮度が落ちやすいので、賞味期限の目安は1カ月以内で食べきるのがおすすめです。
冷凍しておけばいつでも自然の恵みを楽しめるので、ぜひお試しください!