【執筆者:編集部 森野楓】
いくらが腐ると、異臭や糸を引く、酸っぱい味がするなどの異変が見られます。
腐ったいくらは食べると食中毒を引き起こす原因にもなるため、こうした特徴をよく把握しておくことが大切です。
そこで、この記事ではいくらが腐ったらどうなるのか知りたい人に役立つ次の情報をまとめました。
いくらのこと
- 腐ったいくらの特徴
- 賞味・消費期限切れは大丈夫?
- 日持ち期間はいつまで?
- 冷凍・冷蔵保存方法のコツ
手元にあるいくらが腐っているのか判断がつかない人や、いくらを適切に保存したい人はぜひ参考にしてみてください。
目次
いくらは腐るとどうなる?食中毒の心配はあるの?
いくらは腐ると異臭や糸を引くなどの異変が生じ、食べると食中毒などの健康被害を引き起こす可能性があります。
見た目 変色 |
・透明だったのが白く濁る ・糸を引く ・きれいだった卵が崩れている |
---|---|
臭い 匂い におい |
異臭がする |
味 食感 触感など |
・酸っぱい味がするなど、 味がおかしい ・食べると舌がしびれる |
腐ったときの特徴について、詳しく確認してみましょう。
酸っぱい・白いものは大丈夫?腐ったいくらの特徴を紹介
腐ったいくらは白く濁ることがありますが、こうした特徴はいくらの製造過程でもみられる場合があります。
そのほか、いくらの製造過程で洗う際に、いくらの粒がつぶれることもあります。
そのため、白く濁ったり卵が崩れたりしている場合は、もともと透明できれいだった卵がそのような状態になったらいくらが劣化しているものと考えてください。
これらの特徴の見分け方がよくわからない場合は、加えて異臭がする、糸を引くなどのほかの特徴もあれば腐っていると判断すると良いでしょう。
なお、賞味期限切れのいくらは、直後から食べられなくなるというわけではありません。
消費期限・賞味期限切れのいくらは食べられる?
賞味期限切れのいくらは風味は落ちるものの、その直後から食べられなくなるというわけではありません。
一方で、消費期限の表示されたいくらで期限切れのものは、なるべく食べないようにしたほうがよいでしょう。
賞味期限と消費期限は、以下のような内容で期限が定められているためです。
- 賞味期限…未開封で適切に保存した場合、品質が変わらず美味しく食べられる期限のこと。
- 消費期限…未開封の状態で適切に保存した場合、安全に食べられる期限のこと。
消費期限切れのいくらは安全性が保障されないため、食べないようにしましょう。
いくらを購入したら、期限までに早めに食べ切るようにしてくださいね。
なお、賞味期限や消費期限はあくまで「未開封で適切に保存した場合」の期限です。
そのため、解凍や開封したものは生のいくらと同様に短期間しか日持ちがしませんし、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性もあるので注意してください。
いくらが原因で食中毒になることもある?
腐ったいくらを食べると、腹痛・下痢などの食中毒を引き起こす可能性があります。
イクラ食べて嘔吐下痢になって以来
匂いだけで気持ち悪くなるほど
身体がイクラを拒絶しとる…😢— takeru (@t_okakou) October 17, 2015
腐敗したいくらが原因で、過去にはO157による食中毒も起きています。
7都道府県で62名が感染し、原因としては製品が腐敗状態にあったことや、非衛生的な状態で製造を行っていたことが挙げられます。(※2)
O157の潜伏期間は2~9日で、その後初期症状として下痢・腹痛が起きます。
その後、血便や激しい腹痛が起こり、さらに重症となった場合は溶血性尿毒症症候群となり腎臓障害や神経障害を引き起こす可能性があるので腐ったいくらには十分注意しましょう。(※3)
いくらが腐るのを防ぐには、常温保存はせず冷蔵もしくは冷凍するのが大切です。
醤油漬け・塩漬けの賞味期限と保存方法
いくらは20℃~30℃ほどの環境で保存すると、細菌が増え食中毒を引き起こす原因となるため常温保存はしないようにしましょう。
常温 | 不可 |
---|---|
冷蔵 | 約3~5日間 |
冷凍 | 約2週間~1ヵ月間 |
なお、冷凍する場合については、中には冷凍で2年保存できるいくらもあります。
このように、いくらの賞味期限はそれぞれの商品によって異なりますが、メーカーの冷凍技術と自宅での冷凍は温度も冷凍速度も異なります。
詳しくはこの記事をチェック!
冷凍保存には、小分けする方法とまとめて保存する方法があります。
冷凍で長持ち!いくらを小分けして保存する方法
いくらを冷凍保存する場合は、小分けにするのがおすすめです。
- アルミカップやラップで1回分ずつ小分けにする
- 密閉保存容器に入れてふたを閉める
- 金属製のバットに載せて冷凍庫で冷凍する
- 食べる前日~半日前から5℃以下の低温の冷蔵庫内で自然解凍する
このように小分けして冷凍しておけば、使う分だけを解凍して使うことができますよね。
いくらは冷凍するとかさが増えるため、ラップで小分けにする場合はつぶさないようにふんわりと包んでください。
冷凍する際に時間がかかると氷の結晶が大きくなって品質劣化につながりますが、金属バットに載せることで冷凍時間の短縮が見込めます。
なお、解凍後の賞味期限の目安は、約1~2日間です。
解凍は自然解凍が基本で、電子レンジや流水はいくらが煮えてしまったり傷んでしまったりする原因となるため、使用しないようにしましょう。
もともと小分けで売っているいくらを購入しても、そのまま冷凍できるので便利ですよ。
また、いくらは小瓶やふた付きの密閉保存容器に入れ、まとめて冷凍もできます。
まとめて冷凍保存・冷蔵庫で保存するときのポイント
まとめて冷凍する際は、瓶詰めまたはふた付きの密閉保存容器に入れて保存しましょう。
- 小瓶や密閉容器(ふた付き)の8分目までいくらを入れる
- ふたをして密閉し、金属製バットに載せて冷凍する
- 冷蔵庫で自然解凍する(100gなら約2~2時間半で解凍可能)
また、冷蔵保存できる期間内(約3~5日)に食べ切る場合は、冷蔵保存も可能です。
冷蔵保存する際も、ふた付きの密閉容器に入れて乾燥を防ぎましょう。
いくらは乾燥すると、卵の表面が乾いてしまいプチプチとした食感が損なわれる原因となるためです。
結論|いくらは保存方法に気をつけ腐るのを防ごう
- 腐ると異臭・糸を引くなどする
- 消費期限切れのいくらは食べない
- 冷凍すれば約2週間~1ヵ月もつ
- 小分け冷凍が便利
- 密閉保存して乾燥を防ぐ
いくらは腐ると異臭がしたり糸を引いたりします。
腐ったいくらは食中毒を引き起こす原因にもなるため、こうした特徴のあるいくらは食べないようにするのが大切です。
いくらの腐敗を防ぐには、乾燥を防いで密閉し、冷凍もしくは冷蔵保存するようにしましょう。
紹介した保存方法を参考に、腐る前に美味しくいくらを食べ切ってくださいね。