【監修者:野菜ソムリエプロ みつはしさなこ】
【執筆者:同上】
ほんだしは適量を守って使えば、体に悪いものではありません。
この記事では、顆粒だしは添加物を使っていて体に悪いのでは?と不安な方のために、添加物について正しく理解できるようにまとめました。
添加物の危険性よりも、どちらかというと注意すべきはほんだしに含まれる塩分です。
添加物は国で基準が厳しく定められているのに対し、塩分はほんだしだけでなくさまざまな調味料に含まれる上、私たちの味つけ加減によって摂りすぎにつながりやすいからです。
この記事では、ほんだしに使われている原材料や注意点について解説しています。
また添加物の安全性や基準についてもまとめているので、何となく体に良くないのではと感じている方にとっては判断材料になるはずです。
さらに、ほんだしの適量や顆粒だしのメリットも紹介しているので、何となく抱いていた不安を払拭した上で、上手にほんだしを活用できるようになりますよ。
最後まで読んでみてくださいね。
みつはしさなこ先生
野菜ソムリエプロ
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目次
ほんだし(顆粒だし)は体に悪い?添加物・塩分などの危険性
ほんだしそのものは体に悪いものではないため、適量で使うなら問題ありません。
ほんだしは次のような原材料から作られています。
- 食塩
- 砂糖類:砂糖・乳糖
- 風味原料:かつおぶし粉末、かつおエキス
- 酵母エキス※
- 酵母エキス発酵調味料
- 調味料:アミノ酸など
※酵母エキスとは、酵母から抽出されたアミノ酸類で、味や風味をよくするために用いられる食品です。
商品に記載されている原材料は、重量の多い順に記載されているので、覚えておいてくださいね。
しかし、この記事を読んでいる方の中には、テレビやインターネットでの情報から「添加物は健康に悪いから使わない」「化学調味料は頭痛を起こすから買ってはいけない」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
そこで、無添加と書かれていない調味料や添加物が本当に体に悪いのかについて、科学的根拠にもとづいてまとめました。
根拠が薄いものもあれば注意が必要なものもあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
添加物は体に良くない?
食品に使われる添加物は、基本的に通常の使用であれば食べても問題ありません。
食品添加物の安全性は、厚生労働省によって次のように定められています。
- 実験動物などによる毒性試験(発がん性、生殖毒性、遺伝毒性など)
- 1日の許容量(ADI)を設定し、使用基準を設定
また、食品に使われた添加物は、食品に残存しないものを除いて全て名前や用途の表示が義務付けられています。(※4)
このように、食品に使われる添加物は使用基準を定め、さらに名前や用途を明記することで安全性と明瞭性をはかっています。
しかし、このように基準が決められていても、摂りすぎで栄養の欠乏や味覚障害を起こすのではと懸念が残る方もいるでしょう。
味覚異常になるのは本当?
ほんだしのような調味料や添加物には、味覚異常を起こす科学的根拠はありません。
味覚障害を引き起こすのには、主にミネラル成分亜鉛の不足が関係していますが、亜鉛不足にはいくつか原因があります。
- 亜鉛の摂取量が不足している
- 摂取した亜鉛が体内で十分に吸収されていない
- 亜鉛が汗や便から過剰に排泄されている など
テレビやインターネットでは、添加物が亜鉛の吸収を阻害し健康被害につながるという説がありますが、実は科学的根拠はないようです。(※6)
そのため、添加物やほんだしのような顆粒だしが必ずしも体に悪いと言い切ることはできません。
ただし、注意すべき点はあるので、続いてはほんだしを使う際に気をつけたいことをまとめています。
ほんだしを使うときの注意点
先ほどの原材料で触れた通り、ほんだしの中で最も多く含まれているのは食塩のため、ほんだしの使いすぎは食塩の摂りすぎにつながります。
またアレルギー物質もあるので、アレルギーがある人は購入前に必ずパッケージを確認しましょう。
食塩の摂りすぎは高血圧やがんの原因に
食塩によるナトリウムの摂りすぎは、高血圧や胃がん・食道がんのリスクを高めるなど、生活習慣病につながりやすくなります。(※7)
またほんだしに限らず、だしとなる調味料には食塩を含むものが多いので塩分量をチェックしておきましょう。
商品名 | 単位 | 塩分量 |
---|---|---|
味の素 ほんだし | 味噌汁1杯分 (1g) |
0.4g |
味の素 鶏ガラスープの素 | スープ1杯分 (2.5g) |
1.2g |
味の素 コンソメ(顆粒) | 小さじ2 (約5.3g) |
2.5g |
味の素 コンソメ(固形) | 1個 (5.3g) |
2.5g |
ヤマキ 白だし | 100ml | 10.2g (※9) |
粉末だしや液体だしには塩分が凝縮されているので、水や湯で十分に薄めないまま汁を飲み過ぎたり、顆粒和風だしをそのまま食べるのは、塩分摂りすぎにつながります。
ほんだしの適量については、こちらを参考にしてください。
アレルギー表示に注意
ほんだしにはアレルギー成分が含まれているので、アレルギーがある人は注意してください。
ほんだし | 乳成分 |
お塩控えめのほんだし | 小麦 乳成分 |
ほんだし 焼きあごだし | 小麦 乳成分 大豆 |
ほんだし かつおとこんぶのあわせだし | 乳成分 |
ほんだし いりこだし | 乳成分 |
ほんだし 濃厚だし | 小麦 さば 大豆 |
毎日カルシウム ほんだし | なし |
ほんだし こんぶだし | なし |
このように、ほんだしを使うときはアレルギーの有無や塩分量に注意しましょう。
ではいったいどのくらいの量がめやすなのか、続いてはほんだしの適量を解説します。
ほんだし(顆粒だし)が体に悪くならない1日の適量は?
ほんだしを使うときは「塩分も一緒に摂っている」ことを意識して使うことが大事です。
私たちがほんだしを使う際は味噌や醤油と一緒に使うことが多いので、ほんだしだけで1日の塩分量を超えないようにしましょう。
ほんだしの1日あたりの摂取量目安
ほんだしを使うときは、1日あたり小さじ1(3g)、1食あたり1g程度がめやすです。
味噌汁1杯で使うほんだしを例に、どのくらいの塩分が含まれているのかみていきましょう。
ほんだし | 0.4g |
味噌汁(ほんだし、味噌含む) | 1.6g |
成人の食塩摂取量は1日5g未満が推奨されており、味噌汁に換算するとおよそ味噌汁3杯分に相当します。(※12)
また離乳食期の赤ちゃんに使うときは、大人よりも味が薄くなるようにしてください。
たくさん食べる方や濃い味つけが好きな方は、野菜をしっかり摂るようにしましょう。
塩分摂りすぎに野菜が重要な理由
野菜に含まれるカリウムには、余計な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。(※13)
味噌汁や煮物には野菜を多めに入れることで、摂りすぎた塩分を野菜のカリウムが体の外に出すのを助けてくれます。
味噌や醤油と一緒に使われることが多いほんだしは、塩分の摂りすぎにならないよう、量や使う食材に注意が必要です。
では、なぜ手作りのだしではなくほんだしを使うのか、ほんだしを使うメリットについてまとめてみました。
ほんだし(顆粒だし)を適量摂取したときのメリットは?
ほんだしは、だしが簡単にとれるように開発された調味料です。
これは、ふだん料理を作る人や料理が苦手な人にとってもメリットの大きい調味料と言えます。
- 手作りのだしよりも保存期間が長い
- 忙しくてもうまみの効いた料理が簡単に作れる
- 料理に合わせて分量を調整しやすい
短時間で味をきかせた料理が簡単に作れたり、1人分などの少量にも対応できるのもほんだしのメリットです。
自分で作る出汁も美味しいですが、忙しいときや作る量などのケースに合わせて使い分けるのもいいですよ。
手軽においしい!を引き出せるのはすごいと思う。
私も忙しい時はほんだし使う。昆布入ってない子の方!めちゃ助かる!
中華の時とかはガラスープ(これはその時時によりメーカー違うけど、まあ大体なにかしらうまいエキスが入ってる)。
勿論自分でとった出汁もとったどーーーという充実感あって良い— 百鬼夜行でいの一番にヤられた猿狸庵 (@racooncatpon) January 23, 2020
最後に、手軽に美味しく作れるほんだしならではのレシピを紹介します。
時間がないときやお弁当にも役立つので、試してみてくださいね。
ほんだしならではのレシピ2品
粉末状のほんだしは、手作りだしやだしパックと違って「ちょっぴりだけ使いたい」ときに便利です。
ほんだしの特徴を活かしたレシピを2つピックアップしたので、参考にしてください。
だし巻き卵
水量が少ないだし巻き卵は、手作りだしよりもほんだしを使うのが便利です。
お弁当に!ふっくらだし巻き玉子の黄金比率 by しるびー1978
- ボウルに卵、水、ほんだし、砂糖、醤油、酒を合わせてよくかき混ぜる
- 熱したフライパンに油をひき、卵液を流し込んで少しずつ巻いていく
レンジで作れるおひたし
レンジで簡単に1品おかずを作りたいときは、ほんだしなどの顆粒だしが役に立ちますよ!
レンジだけで簡単副菜♥水菜のおひたし by あやkitchen♥
- 食べやすい大きさに切った水菜とごま油、ほんだし、めんつゆを合わせて耐熱皿にのせ、ふんわりとラップをかける
- 600Wのレンジで1分30秒加熱し、お好みで白ごまをふりかける
水菜以外の葉物野菜でも美味しくできるので、試してみてくださいね。
また、ほんだしはだしパックやだしの素などの他のだしと代用もできます。
こちらの記事で代用品や味の違いを解説しているので、合わせて参考にしてください。
\こちらの記事も参考にどうぞ/
結論|ほんだし(顆粒だし)の過剰摂取に注意しよう
ほんだしは使いすぎると塩分の摂りすぎにつながるので、適量を意識して使うようにしましょう。
ほんだしなどのだしの素は味噌や醤油と合わせて使うことが多く、塩分の過剰摂取につながりやすいため、余計な塩分を排出するために野菜をしっかり取り入れるのもおすすめです。
顆粒だしの特徴を活かして、時間がないときや少しだけ使いたいときにほんだしを使うと、1人分でも手軽に美味しい料理が作れるので、ぜひ上手に活用してくださいね。
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 「ほんだし」40g袋|味の素株式会社
※2 味の素の原材料は何?製法は?安全なの?|味の素株式会社
※3 Q3.食品添加物は食べても安全なのですか?|厚生労働省
※4 Q1.食品添加物にはどのようなルールがあるのですか?|厚生労働省
※5 低亜鉛血症:亜鉛が不足する原因|ノーベルファーマ株式会社
※6 Q7.食品添加物にまつわる疑問|一般社団法人日本食品添加物協会
※7 ナトリウム|厚生労働省
※8 味の素(株)家庭用品 栄養成分一覧|味の素株式会社
※9 割烹白だし500ml|ヤマキ株式会社
※10 アレルギーについてのお話|味の素株式会社
※11 豆腐とわかめの基本の味噌汁|味の素株式会社
※12 塩分の削減|公益社団法人日本WHO協会
※13 野菜、食べていますか?|厚生労働省