【執筆者:編集部 坪田八重】
味噌が酸っぱい原因が発酵が進んだことや材料にある場合は食べられる可能性が高いですが、傷んで酸味が出た場合は食べられません。
また赤味噌のようにもともと酸っぱい種類の味噌もあり、この場合も安全性に問題はないため鮮度が落ちていなければ食べても大丈夫です。
腐った味噌を食べると下痢や吐き気などの食中毒症状が出ることがあるため、見分け方を知っておくと安心です。
間違えて食べてしまうのを防ぎ、食べられる味噌が無駄にならないよう、今回は次のことを調べてみました。
味噌は保存期間や保存場所の違いでも酸っぱくなることがありますが、正しく保存すれば酸味が出にくくなります。
味の劣化を防ぐ保存方法のポイントも詳しく紹介していますので、すぐに実践してみましょう♪
目次
味噌が酸っぱいけど食べられる?酸味の原因と見分け方
酸っぱくなった味噌の鮮度が良い場合は、工夫次第で食べられる事が多いです。
ただし、傷んで酸味が出ている味噌は危険なので食べないようにしましょう。
鮮度が良い味噌の酸味には、材料の違いや発酵度合いの差などが影響しています。
その影響が分かりやすいのが種類ごとの味の違いで、食べる時点で酸味を強く感じる味噌もあります。
なぜ酸味に差が生まれるのか理由を確認してみましょう。
始めから酸っぱい種類の味噌は食べても大丈夫
味噌の酸味は乳酸菌や酢酸菌などの発酵で生み出されるため、発酵するほど酸味が強く仕上がります。
そのため赤味噌のような熟成期間が長い作り方の味噌は酸味が強い傾向にあります。(※1)
また材料の違いでも酸味に違いが生まれ、麹の量が少ないものや米を使ったものほど酸っぱい味噌になりますよ。(※2)
発酵期間の長さや材料による酸味は通常見られるものなので、その他に異変がなければ問題なく食べられます。
買ったばかりの味噌が酸っぱいと感じたときは、まず味噌の種類や使われている材料を確認してみましょう。
そして手作りの味噌も材料の違いで酸っぱくなる事があります。
手作り味噌は塩が少ないと酸っぱくなる
手作り味噌は麹、大豆、塩などを材料に作られますが、塩の量が少ないと作りたてでも酸味が出てしまいます。(※3)
親戚から「美味しい手作り味噌をもらったから」とお裾分けをいただいたのだが、
酸っぱい!
味噌汁が酸っぱい😭
塩少なすぎなんだよ、塩気がまるでない。相互様からいただいてる味噌が絶品なだけに、落差激しすぎ。
どーすんだよ、この味噌…。
— もも🍵🍊 (@marchanmama) May 14, 2021
酸っぱくなる理由は、塩を減らしたことで発酵が早く進んでしまうからです。
また塩には水分を減らし保存性を高める働きもあるため、塩分が低い味噌は傷む可能性も高くなります。(※4)
塩分が少ない以外では、仕込み水を多く入れすぎることも酸味が出る原因になります。
酸っぱくなった味噌は対処しないと食べられない可能性が高いため、味噌作りに慣れるまでは減塩せずに作りましょう。
また基本的には腐らない味噌でも、減塩味噌や出汁の入った味噌は保存状態が悪いと傷んでしまうことがありますよ。
保存状態が悪いと市販の味噌でも傷んでしまう
減塩味噌や出汁のような添加物が入った味噌は、通常の味噌と比べると細菌が繁殖しやすい状態です。
そのため保存状態が悪いと腐敗が進み、味や匂いが酸っぱくなることがあります。
傷んだ場合の見分け方は以下のような特徴を確認することです。
- ぬめりがある
- 吐き気をもよおすような異様な匂いがする
- 納豆臭い
- 強い苦味がある
このような特徴があるときは食中毒を引き起こす細菌も繁殖している可能性が高いです。(※5)
吐き気や下痢などの症状が出る危険があるため、残念ですが食べずに処分するようにしてください。
ただし、食べてしまったとしても必ず症状が出るわけではありません。
また保存状態が悪い味噌は腐ることがなくても、変色して風味が悪くなる褐変(かっぺん)が起こる場合がありますよ。(※6)
一方で味噌汁が酸っぱくなるのは味噌以外の食材が関係している場合があります。
例えば出汁のカツオ節を使った際の煮出す時間が長すぎたり、多く入れ過ぎたりするとまれに酸味が出てしまいます。
他の味噌料理は美味しいのに味噌汁や豚汁が酸っぱく感じる場合は、出汁のとり方を見直してみましょう。
味噌に酸味があっても食べられる場合の対処法や、食べやすくなる料理を覚えておきましょう。
市販味噌や手作り味噌が酸っぱい時の対処法
傷んだ様子がなく安全に食べられる市販の味噌や手作りの味噌は、酸味があっても大丈夫な料理や、酸味が目立たない料理に使うと食べやすくなります。
そして味噌の表面にカビが生えてしまった場合も、内部まで傷んでいなければ食べられる事が多いです。(※7)
これは味噌の発酵に関わる菌や塩分が、人体に有害な細菌の繁殖を防ぐためです。
表面にカビが生えたときは、まず他に傷んだ様子がないか確認し、大丈夫と判断できれば表面を多めに取り除いて対処しましょう。
料理方法の工夫では食べ方が限られてしまいますが、他の味噌と混ぜ合わせると味噌汁にも使えるようになります。
基本の解決策は合わせ味噌にすること
そのままでは食べられない酸っぱくなった味噌を合わせ味噌にすると、違う味噌の風味が加わることで酸味が目立ちにくくなり食べやすくなります。
好みの味噌と混ぜ合わせるだけと簡単で、出来上がった合わせ味噌は調理法を選ばないため基本はこの方法で対処するのがおすすめです。
合わせる味噌はどんな種類でも大丈夫ですが、こちらの白味噌のような酸味の強くない物を選ぶと味がまろやかになって美味しくなりやすいです。
合わせ味噌にするのが難しい場合は、次のようなレシピを活用してみましょう。
酸っぱい味噌を美味しく食べられる調理法
酸っぱい味噌を食べる簡単な方法が、味噌漬けの「味噌床(みそどこ)」にすることです。
酸っぱい強い味噌で漬けることで、短時間でも乳酸発酵させたような酸味の効いた漬物が作れます。
また、牛乳を使ったスープにすると酸味がまろやかになって飲みやすくなります。
しばらく保存していた味噌が酸っぱくなったのは保存方法が悪かった可能性があります。
最後まで美味しく食べられるよう、傷みにくくなる保存のコツを覚えておきましょう。
酸っぱい味や匂いを防ぐ!正しい味噌の保存方法
味噌は保存している間にも発酵が進むため、長期間保存すると酸っぱくて食べられないことがあります。
手作り味噌の賞味期限は米を使った甘味噌で3~6カ月、辛口の味噌や麦が材料の味噌は3~12カ月以内が目安です。(※8)
また、市販の味噌の場合はパッケージに記載のある期間内を目安に食べましょう。
ただし白味噌のような塩分が少なめの味噌は味が変わりやすいため、賞味期限に限らず早めの消費をおすすめします。
味噌は賞味期限内でも保存状態が悪いと酸っぱい味や匂いになってしまうため、発酵したり傷んだりしづらい環境での保存を心がけましょう。
そのためにおすすめの保存場所は冷蔵庫です。
味噌の保存場所には冷蔵庫を活用しよう
冷蔵庫の中は温度が低いため、発酵が進みにくくなり酸っぱくなるのを防げます。
また食べ物を腐敗させる細菌の繁殖も防げるので、常温で発酵させる手作りの味噌も出来上がったら早めに冷蔵保存するよう心がけましょう。
また冷蔵庫内は温度が一定に保たれているため、温度変化による褐変(かっぺん)の防止にも役立ちます。
褐変は未開封の味噌でも起こることがあり、気温の高い状態で保存すると進みやすいです。
夏場に味噌を買った場合は未開封でも冷蔵保存して褐変を防ぎましょう。(※9)
開封後の味噌の酸化を防ぐには、ふたをする前に表面をラップで覆うと良いです。
味噌は冷凍保存も可能で冷凍しても固くならないため、解凍せずそのまま料理に使えます。
味噌が大量に出来上がったり頂きすぎたりしたときは、冷凍庫で保存して鮮度が落ちるのを防ぎながら使いましょう。
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結論|酸っぱい味噌にならないように保存と作り方に気をつけよう
味噌が酸っぱいのは発酵のしすぎや、有害な細菌が繁殖し傷んでしまうことが原因と考えられます。
塩が少ない味噌は発酵しすぎることが多いため、手作りするときは減らしすぎないようにし、市販の減塩味噌も早めに消費しましょう。
味噌が酸っぱくなるのを防ぐには冷蔵保存がおすすめで、保存する際はラップで表面を覆ってからふたをすると酸化や乾燥による味の劣化も防げます。
酸味が出たけど傷んでいない場合は合わせ味噌にするか、酸味があっても大丈夫なレシピを活用すれば食べられる場合がありますよ。
参考資料
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※1 長期熟成信州赤味噌|酢重正之商店
※2 【第7回】大豆が味噌に変わる瞬間(とき)。発酵の不思議を紐解く! | アマノ食堂(アサヒグループ食品株式会社)
※3 味噌作りQ&A |株式会社 伊勢惣
※4 塩の用途|塩百科(公益財団法人塩事業センター)
※5 「食中毒について」|みんなの医療ガイド(公益社団法人全日本病院協会)
※6 よくあるご質問|ハナマルキ株式会社
※7 白味噌が膨れた!傷んだ時の見分け方 ||(有限会社 九重味噌)
※8 知っておきたい手作り味噌の賞味期限|高原町
※9 味噌の正しい保存方法|マルコメ