【監修者:管理栄養士 南寿華】
作りたてのシチューから酸っぱい匂いや味がする原因は、材料に使ったヨーグルトやワインの影響が考えられるので食べられる可能性が高いです。
しかし、翌日以降で酸っぱい匂いや味がする場合は腐っている可能性があるので、原因を見極めて食べられるか判断しなければいけません。
腐っているのに気付かないまま食べたら食中毒を引き起こすおそれがあるので、腐るとどうなるのか見分け方を知っておくことが大切ですね。
この記事では、シチューを安全に食べるために知っておきたい以下の項目を紹介しています。
シチューは常温保存だと食中毒を引き起こしやすいので冷蔵庫で保存するのが基本ですが、鍋のまま冷やすのはNGです。
この記事を読むと、ほんのひと手間で安全にシチューを保存するコツや、クリームシチューとビーフシチューから酸っぱい匂いや味がしてもうまく調整する方法がわかるので、ぜひ参考にしてください。
管理栄養士・栄養士
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目次
シチューが酸っぱいのは腐っている?原因や見分け方
ビーフシチューやクリームシチューが酸っぱい味や臭いがする原因は、保存の仕方が悪くて傷んでいるか、食材や調理法が良くなかった可能性が考えられます。
傷んで酸っぱいシチューを食べてしまうと食中毒症状を引き起こすおそれもあるので十分注意しなければいけません。
腐るとどのような特徴が現れるのか、見分け方のポイントを確認しておきましょう。
酸っぱい匂いや味のシチューは材料が原因?
シチューの匂いや味が酸っぱい場合は、使用した材料に原因がないか確認してみましょう。
クリームシチューは牛乳や生クリーム、バターなど基本的には酸っぱい匂いや味がするものを使用していないため、本来なら酸っぱくならないはずです。
作りたてなのに酸っぱいなら、使用した材料に酸味の原因が含まれていないか確認してみましょう。
たとえば、ヨーグルトやチーズ、古くなったワインなどを使った場合は酸味が気になるかもしれません。(※1)
シチューの隠し味にチーズが良いと聞いて試したけど
チーズを入れすぎてちょい酸っぱいシチューが完成出来上がった直後から傷んでいるみたいな
調整し直さないと
— マサカ🇯🇵亜細亜的功夫世代・世代 (@masaka_akg) April 4, 2015
ビーフシチューの材料によく使われる市販のデミグラスソースや、固形のルウの原材料をみると、トマトが含まれていると確認できます。
ハインツ デミグラスソース:トマトペースト(※2)
ハウス食品 北海道シチュービーフ:デミグラスソース、トマトケチャップ風調味料、トマトエキス(※3)
酸っぱい!このビーフシチュー酸っぱい!
— (仮) (@ysky25) December 7, 2019
ビーフシチューは作りたてでもトマトの酸味が際立って、少し酸っぱく感じられるかもしれません。
このように作りたてなのに酸っぱいのは材料や作り方が原因だと考えられるので、こちらを参考にして味を改善してみましょう。
ちなみに、シチューに入れたじゃがいもを食べてえぐみ、苦い味がする原因は天然毒素の影響も考えられるので、こちらを参考にしてください。
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作りたてではなく、2日目~3日目と時間が経っていて酸っぱい匂いや味がする場合は要注意です。
常温保存は次の日でも食べたら危険!シチューが腐るとどうなる?
シチューは正しく保存しておかないと次の日でも腐る可能性があるので注意しましょう。
とくに常温で放置したシチューやカレーは、ウエルシュ菌による食中毒が発生しやすいと言われています。(※4)
食中毒症状の対処法としては水分補給が大切で、激しい腹痛や下痢などの症状を伴う場合は我慢せず医療機関で受診してください。(※5)
匂いや味がちょっと酸っぱいと感じるだけでなく、以下のような特徴が見られた場合は要注意です。
- カビが生えている
- ねばねばしている
- むせかえるほど臭い
このような特徴が確認できる場合は、迷わず処分しましょう。
捨て方は「燃えるゴミ」として、牛乳パックなどに詰めてからしっかり口を閉じると匂いや中身が漏れません。(お住まいの地域によって異なる場合があります)
酸っぱい匂いや味がするのは腐ったわけではなく調理の仕方が原因の場合は、慌てて処分せずに美味しく食べられるように工夫しましょう!
作りたてのシチューが酸っぱい場合の対処法
作りたてのシチューが酸っぱい場合は、材料や調理法が良くなかった可能性があります。
食材や保存方法が問題なければ腐っているわけではないので問題なく食べられますが、酸っぱくて美味しく感じられないのはもったいないですよね。
クリームシチューとビーフシチューが酸っぱい場合の対処法をそれぞれ紹介するので、ぜひ参考にして味を調整してください♪
ヨーグルト入りでも大丈夫!クリームシチューの酸味を抑える方法
クリームシチューに入れる材料によっては酸っぱい味や匂いが気になる場合もありますよね。
ホワイトシチューに牛乳を入れたつもりで、間違えて飲むヨーグルトを入れてしまった人もいます。
わし「今日のホワイトシチューやけに酸っぱない?」
おかあはん「いつもと違うメーカーのやつにしたんだけど酸っぱいな…これは今後買わないようにするわ」
↓数時間後
おかあはん「牛乳じゃなくて飲むヨーグルト入れてたwww」
わし「www」— (木朱)八発興業 常務 (@happa2_10dome) April 13, 2021
このような材料が原因による酸味を抑える場合は、味の相互作用の「酸味+甘味」による抑制効果を利用してまろやかな味に調整しましょう。(※7)
クリームシチューの酸味が気になる場合は、砂糖を少しずつ加えてみてください。
ビーフシチューも材料のトマトの影響で酸味を感じる場合は同様に調整できますが、赤ワインの影響で酸味が強くなった場合は違う方法をおすすめします。
赤ワインの酸味が強いビーフシチューの調整方法
ビーフシチューに赤ワインを入れたら酸っぱくなることもありますよね。
今日はビーフシチューを作ってみた。でもめっちゃ酸っぱい・・・。残しても単品で飲めないし、と思って赤ワインを多めに入れたのが間違いだったのだろうか・・・(´・ω・`)
— 木野原さやか (@honohara) October 12, 2010
赤ワインを煮詰めると酸味が抜けるはずなのに酸っぱいのは、もともとワインの酸味が強かったか、煮詰める時間が少なかったのかもしれません。
赤ワインが原因で酸っぱい場合に砂糖を入れると苦味が強くなることも考えられるので、もう一つの味の相互作用「酸味+塩味」を試してみましょう。
意外かもしれませんが、味噌を入れて調整してみるのもおすすめです。
ルーを使わない
ビーフシチュー
八丁味噌がかくし味
あっさり pic.twitter.com/BQkpd62wft— マココ (@Politan12C) February 19, 2020
苦労して味を調整しても保存の仕方が悪いと腐ったシチューになるかもしれないので、安全に保存するコツも覚えておきましょう!
翌日でも酸っぱいシチューにならない!腐りにくい保存方法
前日に作り置きしたシチューは正しく保存しておかないと、酸っぱい味や匂いになるだけでなく、ウエルシュ菌が作る芽胞の影響で食中毒を引き起こすおそれがあります。
ウエルシュ菌の芽胞が増殖するのは45℃前後なので、夏場に作りたてのシチューを2時間から3時間以上も鍋のまま常温放置していると、食中毒を引き起こすおそれがあります。(※8)
冬場でも暖房で室温が高くなっていると油断できないので、基本的にはどの季節でもシチューの常温保存はNGだと考えた方が良いでしょう。
また、ウェルシュ菌は増殖しても見た目や匂いに変化がないのでわかりにくいという特徴があります。
そのため、食中毒を防ぐにはウエルシュ菌の芽胞が増える環境を作らないように保存することが大切です。
シチューは冷蔵庫で保存が基本!冷凍保存も可能
作りたてのシチューをすぐに食べないなら、粗熱をとってから密閉容器やジップ付き保存袋などに小分けして冷蔵庫に入れましょう。(※9)
鍋のまま冷蔵庫に入れるのは簡単ですが、空気に触れてウエルシュ菌が芽胞を作りやすくなるので、面倒でも必ず小分けして密閉しましょう。
冷蔵庫の保存期間は1~2日程度を目安にして、食べきれない場合は冷凍保存で1カ月以内を目安に食べきるようにしてください。
ちなみに、シチューをお弁当に持って行きたい場合は、保温力60℃以上のスープジャーに熱湯を入れて温めてから、熱々のシチューを入れると良いですね。
シチュー弁当!
スープジャーの中身はシチュー🥳 pic.twitter.com/TwUx60DPB2— もちこ (@mochico116) May 19, 2021
スタンレーのスープジャーは保温力67℃以上/6時間が目安です。
なお、シチューの具材にブロッコリーを入れる場合は、別茹でしておいて食べる時に加えた方が見た目も食感も良いです。上手な茹で方のコツも参考にしてください。
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結論|酸っぱいシチューにならないように保存と作り方に気をつけよう
シチューが酸っぱい匂いや味がするのは、保存状態が悪くて菌が繁殖して傷んでしまったか、ヨーグルトやワインなど材料や作り方の影響で酸味が残った2つの原因が考えられます。
とくに、常温で長時間放置していた場合はウエルシュ菌による毒素が産生されている可能性があるので、少しでも異変を感じる場合は迷わず処分しましょう。
作りたてなのに酸味を感じる場合は、甘味や塩味で少しずつ味を調整してみることをおすすめします。
シチューを作り置きしたい場合は冷蔵庫で小分けして保存して、食中毒を引き起こさないように注意しましょう。