先日、友人宅を訪問した時に家のメンテナンスの話をしました。友人の家の面格子に白い物が付いていたのですが、聞けば”サビ”だと言うんです。
そして、その面格子の材質はアルミ。
「えっ!スチールならまだしも、アルミってサビるの?」
アルミは絶対にサビないと思っていたので、正直いってびっくり!
我が家も結構アルミを使ってる気がするので、心配になってきました…。
そこで、今回の記事では
- アルミとスチールでサビにくいのはどっち?
- サビを進行させないためにできること
- アルミやスチールのサビの落とし方は?
など、「アルミやスチール」と「サビ」との関係について調査しました!
また、アルミと似たような素材のスチールは、一体何が違うのかについても紹介し、これら金属のサビ止め、サビ防止、サビ取りのコツも解説していきます。
アルミがサビやすいなら、今後は外に置くものはスチール製を購入していくべきなのかと迷いますよね…。
その辺りもくわしく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
アルミとスチールはどちらがサビにくい?進行させないためのコツとは
アルミ製のものとスチール製のものでは、どちらがサビにくいのか…?
それぞれの特徴を見ながら、解説していきます!
アルミとスチールの特徴からサビやすさを検証!
アルミとスチール、それぞれのサビに関する特徴は次の通りです。
サビに関するアルミの特徴
- サビへの耐性がある
- サビ始めると表面が白くなっていく
- サビの原因は酸性雨、ホコリ、チリ、スス、排気ガス、砂など
サビに関するスチールの特徴
- そのままではサビやすい
- サビ防止に塗料やメッキで表面処理されている
アルミは、サビが発生すると表面に白い層を形成しますが、この層は「酸化膜」といって、内部へのサビの進行を防ぎます。
ただしサビにくいとはいえ、酸性雨に何度もさらされると、サビることもあります。
一方、スチールは放っておくとサビますが、放置するとどんどん奥まで進行し、表面がボロボロになってしまいます。
スチール製品には、サビ防止で塗装やメッキなどの表面処理をしていますが、表面が傷つくとそこからサビるので注意が必要です。
というわけで、サビやすいのはスチールということが解りました!
次に気になるのが、サビを進行させないためにはどうすべきかです。
ちょっと油断した隙に、サビが増えていた…なんて困りますよね。
サビを進行させないための工夫
アルミ製とスチール製、どちらの場合もそれ以上サビを進行させたくないもの。
そこで、それぞれの場合でどんな工夫をしていけばよいのか紹介します。
アルミ製品の場合
アルミについたサビは、以下のような特徴があります。
- 表面に形成した酸化膜が内部への進行を防ぐので「腐食」まではいかない
- アルミはアルカリにも酸にも弱い
- 電食も生じる
一般に「アルミはサビない」という印象があるのは、表面の酸化膜がそれ以上の進行を防いでくれているからなんですね。
ただし潮風に弱いため、海辺では思ったより早くサビが進行する可能性があるようです。
また、コンクリートに直接触れた水は、次第にアルカリ性に変わっていきます。
そのため、その水がアルミ製品に付着して、サビを進行させてしまわないように注意が必要です。
工事の際に、強アルカリ性の溶剤である「セメント液」や「モルタル」が付着し、そこからサビが発生してしまうこともあるそうですよ。
最後に「電食」についてですが、これは本来の回路から漏れて流れる電流による、電気的な腐食のことです。少し難しい話ですが…。
とにかく気をつけるべきことは、砂埃やススなどがアルミの表面に長く付着しないようにすることです。
アルミの大敵は砂埃やスス!
砂埃やススの中に含まれる異種の金属成分が電食の原因となってしまいます。
そのためアルミサッシの屋外側などは、時々拭き掃除をするとサビ対策になります。
特に工業地帯にお住まいの方は、こまめにお掃除するように注意してくださいね!
そういえば私の実家のベランダに、アルミ製の壊れた網戸が放置されているんですが…。
これが思いっきりサビていて、酸化膜から一歩進んだ所にいるような状態です。
実は、実家があるのは海の近くで、ずっと潮風があたっているんですよね…。妙に納得です!
それでは次は、スチール製品についたサビに関して確認してみましょう。
スチール製品の場合
スチールについたサビの特徴は、次の通りです。
- 水がついたまま放置しただけでサビる
- サビた部分に水が流れると、そのサビがついた水が触れた場所もサビる
- 表面に施したサビ防止加工がはがれると、鉄と同程度にサビやすくなる
スチール=鋼(はがね)なのですが、一番のサビる原因は水です!
なので、水が付いたらよく拭き取って乾かしておきましょう。
そして、表面に施してあるサビ防止の加工がはがれてしまうと、鉄と同程度にサビやすくなってしまいます。
また、傷が大きくなるほどサビやすさも増してしまいます。
スチール製品に傷を発見したら、早めに市販のサビ止め塗料などを検討して、サビ防止対策をしてみてはいかがでしょうか。
ここまでで、サビの進行を防ぐコツを見てきましたが、次はついてしまったサビを落とす方法を見ていきましょう!
アルミとスチールのサビ取り方法は?それぞれの落とし方をチェック
サビをそのまま放置すると腐食が進んでしまうので、早めに落としておきたいところです。
そこで、アルミとスチールのサビの落とし方をそれぞれ紹介したいと思います。
アルミのサビの落とし方
アルミサッシの白サビほか、バイクやアルミホイールなど、アルミ製品のサビ落としは以下の方法で行ってください。
白サビは、1000番程度の耐水ペーパー(濡れてもOKな紙やすり)で軽くこすると取れます。
次の通り、表面の仕上げ方によって方法が違うので、注意してくださいね。
【光沢がなく、表面に筋目がある仕上げの場合】
ヘアライン(金属につけた筋のこと)の方向に沿ってこする
【鏡面仕上げの場合】
1000程度の耐水ペーパーでこすった後、水に浸した2000番の耐水ペーパーでこする
綺麗に仕上げるコツですが、アルミ全体をこすらずに、サビのある部分だけをこするようにします。
鏡面仕上げの場合は「ピカール」や「コンパウンド」で、艶を出して仕上げると綺麗になりますよ!
また、アルミフレームのサビ取りにも、コンパウンドが活躍してくれます。
それにしても、アルミのサビ取りは手間がかかりそうですね(涙)
では、スチールの場合はどうでしょう?
スチールのサビの落とし方
スチール製品ホイールなどの場合は、次の方法でサビ落としをしてみてください。
- 研磨剤を使ってサビを削って落とす
- クエン酸を使いサビを浮かせて落とす
スチールのサビは、金たわしや液体クレンザー(研磨剤)を使って削り取るか、クエン酸で浮かせて落とすかの2択です。
クエン酸は、軽めのサビに使うと効果的ですよ。
どちらの方法でも、最後は固くしぼった布で水拭きをして、汚れや洗剤など余計な物を残さないようにすることが大事です。
こうやってみると、スチールのほうがサビ落としは少し楽な気もしますね。
さて。
サビに関しての情報が出揃ったところで、もし買うならアルミ製とスチール製のどっちなのか比べてみましょう!
アルミ製とスチール製!買うならどっち?
結論からいうと、以下のようにいえるでしょう。
屋外で使う物:サビができにくいアルミ製が向いている
強度的に強い物が欲しい場合や室内で使う物:スチール製がよい
参考までに、製品別に特長を比べてみましたのでご覧ください。
製品名 | アルミ製 | スチール製 |
自転車 | ・衝撃が伝わりやすい ・軽い |
・値段が安い ・重い |
車のホイール | デザイン性がある | 耐久性がある |
窓のサッシ | 気密性、耐久性が高い | ・気密性が低い ・サビやすい |
上記の通り、アルミもスチールもよい所がありますよね。
なので、あとは自分が何を選ぶ基準にするかで判断するしかありません。
ちなみに、我が家の自転車はスチールで窓のサッシはアルミ、子供部屋の収納ラックはスチールです。
我ながら「いい感じで選べているな」と感じています。(…たぶん!)
まとめ
アルミ製とスチール製の特徴も解ったところで、今回のまとめです!
アルミの特徴
- アルミはサビると表面に白い層(酸化膜)ができる
- 酸化膜はサビの内部への進行を防ぐ
- アルカリにも酸にも弱く、潮風や砂埃、ススなどに弱い
- サビを落とす場合、白サビなら1000番程度の耐水ペーパーでこすり取る
スチールの特徴
- そのままではサビやすいので、表面にサビ防止の加工を施す
- 一度サビると奥まで進行しやすいので、早めの対処を
- 水によってサビが広がることもある
- 軽めのサビはクエン酸で浮かせて落せる
- ひどいサビは金たわしや研磨剤を使って削り取る
こうやってみると、やっぱりアルミ製品のほうがサビにくいので、使い勝手はよさそうですね。
色々と特徴があるので、どちらがよいとは言い切れません。
よって、その場所に合った材質を選び、適切なお手入れを欠かさないことが大切です。
例えば、屋外製品をアルミにした場合は、時々拭く程度でよいですが、スチール製にした場合は、濡れたらいちいち拭き取る必要があります。
そういえば、実家の郵便ポストが壊れたので買ってあげる約束をしていたのですが…。
この情報を見るかぎりは、ポストをサビさせないためには、スチールではなくアルミ製がよさそうです。
こうやって目的に合った材質がわかると、選びやすくなりますよね♪
皆さんも、ぜひ参考にしていただき、最適な材質を選んで長持ちさせてくださいね。