【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
すが入った大根の原因はおもに水分不足であり、腐っているわけではないので食べられます。
ただし新鮮な大根と比べると当然美味しさは劣るため、調理の方法を工夫しなければなりません。
大根はおでんの具や煮物、豚汁、漬物など幅広い調理に使える食材ですが、すが入った場合はこれらの料理に使えるのか気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで、すが入った大根の使い道や美味しい食べ方など、以下について詳しくお伝えしていきます。
すが入った大根でも食べられるので、捨ててしまうのはもったいないですよね。
美味しく食べられるレシピやしなびた大根を復活させる方法を確認して、上手に調理してみてください。
また、すの入っていない新鮮な大根の見分け方も説明するので、ぜひ確認しておきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
すが入った大根は食べられる?すの入っている状態や原因とは
大根にすが入っているのは水分や養分が不足しているのが原因で、腐っているわけではないので食べられます。
そもそもすが入るというのは、中身に白い気泡のようなものができたり、スポンジ状になってスカスカになったりする状態のことを言います。
すごく太くて立派な大根を喜び勇んでかったらすが入りまくり。っていう経験がドイツ越して来てから死ぬほどあるんですが私だけ? pic.twitter.com/dS2QxWf5LQ
— かなこ🇩🇪台所のリアルを呟く (@DoitzuGohan) April 30, 2021
このようにすが入った大根でも食べられるのですが新鮮ではないため、調理の仕方などを工夫する必要がありそうですね。
二十日大根(4か月半大根)
日向家ベランダ産
収穫収穫時期が遅かったようで、中に『す』が入ってしまいました💦
でも、第一弾は割り箸より細くて口が麻痺するレベルの辛さだったけど、この第二弾はしっかり太いし瑞々しくて甘かった♪
初心者だし大成功でしょう☺️✨✨✨#家庭菜園 #二十日大根 pic.twitter.com/SaFNnxAlb5— 日向ゆきこ (@yukiko_hinata) January 21, 2021
またこちらのように穴が開いているものもありますが、この大根も食べられます。
それではなぜ水分不足で大根にすが入るのか、その原因を説明していきます。
大根にすが入っても食べられるのは水分不足が原因だから
先述したように、すが入っている大根は腐敗しているわけでなく、水分や養分の不足が原因で発生します。
つまり鮮度が落ちたたけなので、美味しい状態とは言えないものの食べるには支障ありません。
なぜ水分や養分が不足するのかというと、要因は主に以下の4つです。(※1)
- 収穫遅れによる大根の老化
- 暑さによる水分不足
- 大根の急激な成長
- 長期保存・不適切な保存方法
家庭栽培でありがちな要因なのが、収穫が遅れて大根が老化し、水分が少なくなることです。
そのほか生育過程の環境が暑すぎて水分が足りなくなったり、大根が急激に成長すると中身の成熟が伴わず、スカスカになることもあるようです。
また、収穫後に葉を付けたまま保存すると、葉から水分が失われてすが入る原因になります。(※2)
大根の上手な保存方法や日持ちを確認したい場合は、こちらの記事も確認してみてくださいね。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
このようにすが入っている大根は食べられるものの、美味しいとは言えないため、調理方法は工夫したいところです。
そこで、すが入った大根の使い道や美味しい食べ方などを調べてみました!
すが入った大根の復活レシピ!煮物や漬物などの美味しい食べ方
すが入った大根は鮮度が落ちているため、煮物など加熱調理をして食べるのがおすすめです。
サラダなど生で大根を食べる場合は、シャキシャキとしたみずみずしい食感が大切なので、すが入った大根は使わないほうがいいと思われます。
鮮度が低いと大根おろしにしても美味しくないという意見と、食感が気にならなくなるからおすすめという意見にわかれるようです。お好みで試してみてはいかがでしょうか。
またどの程度すが入っているかで、調理方法を考えてみてもいいでしょう。具体的に説明していきますね。
少しすが入っている・しなびた大根は鮮度の復活を
多少すが入っている、しなびた大根の鮮度を復活させる方法は以下の通りです。
水につける | 数分~数時間つけておく |
50℃洗い(※4) | 48~52℃のお湯に2~3分つけ、 ざるにあげて水気を切る |
どちらの方法でも新鮮さを取り戻せますが、時間がないときは50℃洗いがおすすめです。
続いて、中程度すが入っている大根に適しているレシピをご紹介していきます。
すが入った大根は煮物やおでんが鉄板レシピ
すが入った大根はスカスカしていますが、煮物やおでんなどにするとこの食感が緩和されますよ。
ただしす入りの大根は切りにくいので、調理するときは注意してくださいね。
千切りにすることで、スカスカ食感も気になりにくく、火の通りも早いですよ!
このほかおでんや豚汁にするのもおすすめですが、す入り大根は固いと感じることもあります。
そこで、固くなった大根を柔らかくする方法をお伝えします。
大根が柔らかくなればおでんの味も染みやすくなりますし、豚汁や炒め物などにしても美味しく食べられますよ。
漬物や干すという方法もおすすめ
保存食として野菜から水分を抜いて作られる漬物は、水分が抜けてすが入った大根には適した調理法と言えるでしょう。(※5)
自宅で手軽に作れる大根の漬物レシピをご紹介しますね。
もっと長期的に保存したい場合は、切り干し大根にしてもいいでしょう。
このように、大根に多少すが入っても鮮度を復活させたり美味しく食べられるレシピがあったりしますが、できれば新鮮な大根を購入したいですよね。
そこで、すの入った大根を見分ける方法を簡単にご説明していきます。
すが入った大根の見分け方|1本売りとカット大根では
すの入った大根を見分けるには、茎の根元や断面を確認してみましょう。
- 1本売り ⇒ 茎の中央に穴があいていないかチェック
- カット大根 ⇒ 断面に白っぽいモヤモヤがないかチェック
葉がついた大根の場合は、茎の根元をチェックして、穴があいてないか確認してみてくださいね。
断面に白いモヤモヤがでていたら、すがでる一歩手前の状態なので、選ばないようにしましょう。
新鮮な大根の見極め方もご紹介するので、参考にしてくださいね。
- だいこんのひげ根が均等でまっすく並んでいる
- すらりと細長い形をしている
- ずっしりと重みがある
- 葉が緑色
※ただし冬場の大根は枯れて黄色くなっているもの
大根はすらりと細長く、重みのあるものを選びましょう。
基本的に葉が緑色の方が新鮮だと言われていますが、冬場の大根の場合、黄色い葉は寒さにあたって糖度が高い証拠と考えられているようですよ。(※6)
産地直送の新鮮な大根を手に入れるには、通販を利用するのもおすすめです。
新鮮な大根を手に入れるときの参考にしてみてくださいね!
結論|すが入った大根も美味しく食べられる
すが入っている大根は腐っているわけではなく、水分不足という状態なので食べられます。
ただし鮮度が落ちているので、サラダなど生で食べるのではなく煮物などの加熱料理や漬物などにするのがおすすめです。
すが入っている大根は、茎の根本に穴や断面に白いモヤモヤがあることが多いため、購入する前にチェックしてみましょう。
逆に細長くて重みのある大根は新鮮なので、選ぶときの参考にしてみてくださいね。
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 大根のス入りについて|株式会社中央フーズ
※2 丸ごと1本買った大根を、おいしく保存するポイント|カゴメ株式会社
※3 [大根]栄養たっぷり!大根の賢い保存方法|VEGEDAY(KAGOME)
※4 野菜の50度洗いの方法と注意点!|農薬工業会
※5 「漬かる」ということ|漬物cafe
※6 野菜を熟知する八百屋さんに聞く!おいしい野菜の見分け方<だいこん編>|ハウス食品株式会社