【監修者:管理栄養士 中山沙折】
おからには食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎると腹痛や気持ち悪いなどの悪影響がある可能性があります。
また卯の花やおからを使ったお菓子はカロリーが高いので食べ過ぎると太るので注意が必要です。
おからを美容やダイエット、また健康に役立てるための正しい食べ方について、以下の項目を調べてまとめてみました。
おからは栄養満点で食物繊維が多く含まれているので、適量を正しく食べればダイエットに役立ち、腸内環境改善や美肌など多くの良い効果が期待できます。
この記事を読めば、生おからやおからパウダーの1日の適量や、200gは食べ過ぎなのか、また適量を食べたときに期待できる健康効果が分かりますよ。
おからを使ったレシピもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
管理栄養士・栄養士
目次
おからの食べ過ぎは太る?ダイエットで失敗しないためには
おからはダイエットや美容に役立つ栄養素が豊富に含まれていますが、食べ方によっては逆に太ることもあります。
おからの栄養成分や、ダイエットに失敗しない食べ方の注意点をご紹介します。
おからはダイエットに役立つ食材!栄養素とはたらき
おからはカロリーが意外と高めですが、不溶性食物繊維をはじめ多くの栄養素が含まれており、正しく食べれば太りにくい食材といえます。
カロリーはどれくらいか、またどんな栄養素が含まれるのか見てみましょう。
成分名 | 数値 |
---|---|
エネルギー | 111kcal |
たんぱく質 | 6.1g |
脂質 | 3.6g |
炭水化物 | 13.8g |
食物繊維 (不溶性食物繊維) |
11.5g (11.1g) |
糖質 ※ | 2.3g |
カルシウム | 81mg |
カリウム | 350mg |
鉄分 | 1.3mg |
ビタミンE(αトコフェロール) | 0.4mg |
※糖質=炭水化物-食物繊維
おからは不溶性食物繊維を豊富に含むので胃の中で長く滞在し満腹感を感じやすく、食事量を抑えられることでダイエットに役立ちます。(※2)
こちらの方はおからの腹持ちの良さを実感しているようですね。
今日は糖質制限中の〜
おからパウダーを使った
お好み焼き😋💕かなり腹持ちするから
夕飯食べるまでお腹空かなくて😅たんぱく質も食物繊維も青のりでミネラルもたっぷりと❤️
うまーーーー🙌😋な
お家ランチ🏠— あこ@こころセニャ🐱ピー✨ (@cocoro_akita) March 21, 2021
また食物繊維は脂質・糖・ナトリウムなどを吸着し排泄する働きがあるといわれているので、ダイエット中には嬉しいですね。(※3)
おからは糖質と脂質が少なく、たんぱく質を豊富に含みます。カルシウムや鉄も豊富に含まれており、ダイエット中に不足しがちな栄養素も補えますよ。
おからに含まれるカリウムはナトリウムを排泄する作用があるため、塩分の摂りすぎによるむくみにも効果が期待できます。(※4)
後ほど解説しますが、おからにはビタミンEや大豆イソフラボンも含まれているため、美肌も期待できますよ。
おからは栄養満点で美容やダイエットに役立ちますが、食べ方によっては太る可能性があるので注意点を見てみましょう。
油や砂糖を使用した卯の花やお菓子はダイエット中にNG
おから料理の定番、卯の花は醤油や砂糖、油をたくさん使用するので、食べ過ぎると体重が増えることがあります。
またバターや砂糖をたくさん使用したおからのお菓子もカロリーが高いので、食べ過ぎると痩せない可能性があります。
ヘルシーなおから料理は難しい・・・と思う方はおからパウダーがおすすめですよ。
おからパウダーはヘルシーでダイエット中におすすめ
おからパウダーは乾燥させたおからを粉末状にしたもので、飲み物や汁物、白飯に直接かけるだけで簡単に食べられます。
たんぱくな味なので食事の邪魔になりにくく、簡単におからの栄養を補えます。
さまざまなおからパウダーが販売されていますよ。
ただし、おからパウダーを使うときは注意点もあります。
おからを食べるときは水をたっぷり飲む
おからは体内で水分を吸収するため、水分が足りないと便が硬くなることがあります。元々便が硬めの方や便秘気味の方は気を付けましょう。
おからパウダーは水を加えると4~5倍にカサが増えるため、たっぷりと水を飲むようにしましょう。(※5)
おからは美容やダイエットの味方ですが、食べ方によっては太ることがあることが分かりましたね。
おからを食べ過ぎると健康面でもデメリットが生じる可能性もあるので詳しく確認しておきましょう。
おからを食べ過ぎるとどうなる?デメリットを解説
生おからやおからパウダーを食べ過ぎると吐き気で気持ち悪いなどの症状をはじめ、腹痛、便秘の悪化などの症状が起きる可能性があります。
これらの原因はおからに含まれる不溶性食物繊維を過剰摂取すると起こる弊害だと考えられます。
下痢・腹痛・胃痛
おからを食べ過ぎると下痢・腹痛・胃痛などの症状を引き起こすことがあります。
@wyggiutm 今おにぎりと卯の花食べたらまた胃痛…。
— アンチ偽善 (@anti_gizen) November 29, 2012
卯の花を食べて胃痛が起きたようですね。
おからには食物繊維が豊富に含まれており、そのほとんどが不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は摂取しすぎると腸への強い刺激によって、下痢や腹痛を起こすことがあるようです。(※6)
また胃痛が起きるのは先ほどの解説のとおり、不溶性食物繊維が胃に長くとどまることで胃に負担がかかり、胃痛を起こしてしまうと考えられます。
不溶性食物繊維の摂り過ぎは便秘の悪化などの原因にもなります。
便秘の悪化・吐き気
おからを食べ過ぎたら便秘の悪化や吐き気を引き起こすことがあります。
慢性的な便秘なんですが、最近おからクッキーを大量に食べてさらにひどくなった気がしてます
糖質制限でもなることあるのですね、、
試してみます!ありがとうございます☺️— るーみーまん|−目標 (@roomieman) February 8, 2021
元々便秘の人は腸をスムーズに排泄する機能が低下しているため、不溶性食物繊維の大量摂取で増えた便が腸内にとどまります。
便は腸内で水分が吸収され固くなることで、便秘が悪化することがあります。(※7)
便秘が続くと吐き気や食欲不振につながることもあるため、元々便秘気味の方は適量を守りましょう。(※8)
不溶性食物繊維の過剰摂取により、貧血が悪化する可能性もあるので注意が必要です。
鉄の栄養の吸収を阻害する
おからのような不溶性食物繊維の多い食材を摂りすぎると、鉄と一緒に排出され鉄の吸収を阻害することがあります。(※9)
もともと貧血気味の方は特に注意が必要です。
おからを食べ過ぎるとトラブルを起こす可能性がありますが、適量を守れば食べ過ぎによる弊害を防げます。
次は1日に食べる適量や適量を適切に食べた場合のメリットをご紹介します。
おからの食べ過ぎはどのくらい?1日の適量やメリット
おからは栄養満点な食材なので適量を正しく食べれば太りにくく、美容や健康効果が期待できるので、1日の適量は50gを目安にしましょう。
食物繊維の摂取目標量は、18~64歳だと男性21g以上、女性18g以上とされています。(※10)
おから50gで食物繊維は5.8gなので、1日の目標量の1/3程度摂取できます。
おからだけで1日の食物繊維摂取量を満たすのは好ましくありません。
おからは50g程度を目安にして、さまざまな食材を組み合わせて食物繊維を摂取することをおすすめします。
おからは200gで1日の食物繊維目標量を満たせますが、量が多く栄養も偏るため現実的ではありません。
おからパウダーの場合は先ほど紹介したとおり水を吸収してふくらみますので、目安は以下のとおりです。
1日10~13g程度が目安です。大さじだと2杯、小さじだと6杯程度ですよ。
おからは適量を正しく食べれば多くの健康効果が期待できます。
おからは適量を守れば健康や美容に役立つ
おからは栄養満点で、多くの健康効果が期待できます。どんな良い効果が期待できるのか見ていきましょう。
便秘予防と大腸ガン予防が期待できる
おからに含まれる不溶性食物繊維は、本来なら便の排泄をスムーズにし、腸内をキレイにしてくれます。
適量を守れば便秘解消だけではなく大腸ガン予防も期待できます。(※11)
美肌効果が期待できる
おからにはビタミンを多く含み、特にビタミンEを多く含みます。
ビタミンEは人体の約60兆個の細胞に存在し、細胞を酸化ストレスから守っています。
細胞を健康に保つことは肌の健康につながりますので、健康で若々しくいるためには大切な栄養素です。(※12)
またおからに含まれる大豆イソフラボンはエストロゲンという女性ホルモンのような働きをしてくれます。
エストロゲンはコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す働きがあるため、美肌効果が期待できますよ。(※13)
イライラ解消や骨の健康に役立つ
おからを適量食べるとイライラ解消や骨の健康が期待できます。
おからに含まれるカルシウムは精神の安定や骨の健康に必要な栄養素です。(※14)
最後におからを使ったおすすめレシピをご紹介します。適量を守って、上手に食生活に活用しましょう。
おからを使ったおすすめレシピ【蒸しパン・クッキー】
おからを使った簡単で美味しいレシピを、こちらで紹介した適量を踏まえ食べ過ぎにならない目安量を含めて紹介しますので参考にしてください。
小麦粉を使わずにおからだけで作る蒸しパンは、ヘルシーなので夜のおやつにもおすすめですよ。
また、クッキーにおからを入れて作るのもおすすめです。材料を混ぜて焼くだけなので簡単に作れますよ。
クッキーの保存方法は下記の記事で紹介していますので参考にしてみてくださいね。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
結論|おからは食べ過ぎに注意して適量を守ろう
おからは食べ過ぎると吐き気や胃痛、他の栄養素の吸収を阻害するなどの弊害があります。
油や砂糖をたくさん使用して調理する場合は太りやすくなりますので、ダイエット目的のときは食べ方にも注意が必要です。
ですがおからは適量を守れば、美容やダイエット、健康に良い効果が期待できますので、積極的に食べていきたいですね。
不足しがちな食物繊維やカルシウム、鉄など多くの栄養が含まれていますので、適量を正しく食べて、健康の維持にお役立てくださいね。
参考資料
※をクリックすると元の位置へ戻ります。
※1 おから/生|食品成分データベース
※2 栄養素とその代謝|ニュートリー株式会社
※3 食物繊維|e-ヘルスネット
※4 カリウム|e-ヘルスネット
※5 簡単手軽な使い方!|おからパウダー
※6 便秘と下痢の話|おおかど胃腸科クリニック
※7 食物繊維をとりすぎると便秘が悪化!? 便秘改善になる量と食材とは|NHK健康ch
※8 便秘|国立がん研究センター東病院
※9 貧血予防に良い食事・食べ物・調理方法とは|健康長寿ネット
※10 日本人の食事摂取基準(2020年版)より|glico
※11 豆腐の健康効果|日本豆腐協会
※12 ビタミンEでツヤツヤ、キラキラな夏を!|MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書
※13 美肌作用|イソフラボン倶楽部
※14 カルシウム|一般社団法人 オーソモレキュラー栄養医学研究所