【監修者:管理栄養士 中山沙折】
ブルーベリーの食べ過ぎは、体に悪いと言われています。
なぜなら、食べ過ぎるとブルーベリーに含まれる成分によって下痢や便秘、太る、アレルギーなどの副作用が起こる可能性があるからです。
また子供は特に、冷凍ブルーベリーでお腹を壊す場合もありますね。
今回は以下のことを調査しました。
本来、ブルーベリーはアントシアニンなど栄養成分が多く、適量で食べれば健康に良いものです。
最近では業務スーパーや通販など、購入できる場所も増えていますよね。
副作用の心配もあるとは思いますが、この記事をお読みになれば、ブルーベリーの適量や食べる際の注意点が分かり、安心して食べられるようになりますよ。
では、一緒に見ていきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
ブルーベリーの食べ過ぎは下痢や便秘の原因になり得る
ブルーベリーを食べ過ぎたら体に悪い影響が出る可能性があるのは、食物繊維や糖質が原因と考えられます。
ブルーベリーによる体への悪影響は主に4つあります。
この他に、黒い便が出る場合もありますよ。
では早速、ブルーベリーの食べ過ぎで起こる副作用を見ていきましょう。
下痢になりやすくなる
ブルーベリーの食べ過ぎで下痢になることがあるのは、食物繊維の摂り過ぎによって腸が強い刺激を受けるからです。
ブルーベリーには、食物繊維が100gあたり約3.3g含まれていて、これは果物の中では多いほうです。(※1)
また食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があり、ブルーベリーに含まれているのはほとんどが不溶性食物繊維です。
この不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収し膨らむことで腸の動きを促します。
しかし下痢と便秘を繰り返すタイプの人は、不溶性食物繊維の摂り過ぎは強い刺激となり、下痢を起こしてしまうのです。(※2)
ブルーベリー大好きいいいと気が狂ったように連日食い続けてたら下痢が止まらんこ。
— あらんこ (@rankodayon) March 23, 2017
こちらの方のように、ブルーベリーが大好きなのに、食べると下痢になってしまうのは辛いですね。
また冷凍ブルーベリーは、お腹が冷えて腹痛や下痢が起こりやすくなります。
冷凍ブルーベリー食べたら下痢した
— 上野五寸釘(つぐもの)※農民 (@UENOmasao) July 29, 2020
冷たいもので下痢しやすい方は、しっかり解凍してから食べましょうね。
一方、ブルーベリーの食べ過ぎで便秘が悪化することもあります。
便秘が悪化しやすくなる
一方で、ブルーベリーに含まれる食物繊維が便秘を悪化させる場合もありますよ。
不溶性食物繊維は腸の中で膨らみますが、もともと腸の動きが悪い場合、膨らんだ便は腸の中で停滞します。
すると便は腸の壁から水分を吸収され硬くなるので、さらに便秘が悪化してしまうんです。(※3)
また、ブルーベリーの摂取量によっては太る場合もありますよ。
食べ過ぎで太る可能性がある
ブルーベリー自体は低カロリーな食品ですが、食べる量によって太る場合もあります。
その理由と、太らないための適量を一緒に確認していきましょう。
ブルーベリー自体は太りにくい食品
実はブルーベリーそのものは、低カロリーで糖質も少なめなので太りにくい食品と言えます。
ブルーベリーの100gあたりのエネルギーは約49kcal、糖質は9.6g。ひと粒ではたった1kcalくらいしかありません。
以下は、ブルーベリーと他の果物でエネルギーと糖質を比較した表です。(※4)
果物の種類 (生) |
エネルギー (kcal) |
炭水化物 (g) |
食物繊維 (g) |
糖質 (g) |
---|---|---|---|---|
バナナ | 86 | 22.5 | 1.1 | 21.4 |
ぶどう | 59 | 15.7 | 0.5 | 15.2 |
ブルーベリー | 49 | 12.9 | 3.3 | 9.6 |
いちご | 34 | 8.5 | 1.4 | 7.1 |
※糖質=炭水化物量から食物繊維量を差し引いたもの
このように、果物の中では、ブルーベリーのエネルギーや糖質は多くありません。
ブルーベリーで太る理由は?
ブルーベリーを食べ過ぎると太るのは、糖質とエネルギーを摂り過ぎるためです。
低カロリーだからと思ってつい大量に食べてしまうと、結果として糖質もエネルギーも摂り過ぎになります。
しかも果物の糖分は体内で脂肪に変わりやすいので、食べ過ぎれば太る可能性がありますよ。(※5)
豆腐とかブルーベリーとかでも決めた量以上食べちゃうと太るって思い込むの私だけかな((
— ねこ@過食 (@W57H83) February 12, 2021
やはり、いくら低カロリーなブルーベリーでも、目安を決めて食べたほうが良いですよね。どのくらいがちょうど良いのか確認してみましょう。
太らないための目安量
ブルーベリーで太らないための目安量は1日200g程度と考え、他の食材に含まれる糖質の量も考えて調整しましょう。
今回、ブルーベリーをどのくらい食べたら太るのか調べましたが、公式見解は見当たりませんでした。
ただし、果物の一般的な目安量は1日あたり200gと言われています。(※6)
これはブルーベリーならエネルギーは100kcal弱、糖質は19.2gと和菓子の半分くらいです。
しかし、ダイエット等の目的で医師から糖質制限を指示されている場合は、間食として摂れる糖質で考えると、ブルーベリー200gだと食べ過ぎになります。
ただ、間食としてではなく、例えば朝食のスムージーに使うなど食事として摂るのであれば問題ないでしょう。
太らない目安としてのブルーベリーの目安は1日200gですが、場合により調整する必要があります。
また、この他に栄養成分の観点から勧められている適量もあるので、のちほど解説しますね。
さらに、ブルーベリーはアレルギーの原因にもなります。次はその点を一緒に確認しましょう。
アレルギー症状が出ることも
花粉アレルギーのある人がブルーベリーを食べると、口内のかゆみやしびれ等のアレルギー症状が現れる可能性があります。
ブルーベリーには花粉に似た物質が含まれており、その物質に対する反応が現れるからです。
これは「口腔アレルギー」と言い、花粉アレルギーを持つ人が特定の果物・生野菜を食べた際に発症しやすい病気です。(※7)
ブルーベリーはツツジ科に属しており、ツツジ科植物にアレルギーを持つ人がブルーベリーを食べると、症状が出る可能性があります。
【花粉症に困る人たちへ】
8月に花粉症??口の中がかゆい!!なんの花だろう??答えはブルーベリーによる口腔アレルギーでした💦😵
花粉症のアレルゲンである植物とブルーベリーの構造が似ているらしいです…。
みなさんもお気をつけください。
好きだったのにぃいいー😭😭😭— -pretzels-sk8 shop (@PretzelsUmemoto) August 2, 2018
このように、かゆいのは花粉症だと思っていても、実はブルーベリーが原因の場合もありますよ。
ブルーベリーに起因するこれらの不調は、健康への悪影響となるため注意が必要です。
一方、悪影響はないですがブルーベリーを食べて便が黒くなることもあります。
ブルーベリーの影響で便が黒くなる?
ブルーベリーの影響で黒い便が出る可能性があるのは、色素「アントシアニン」によるものです。
ただし、食べ過ぎると、赤ワインを飲み過ぎたときと同じく、食物繊維が大量に含まれているため、「アントシアニン」の色素が消化されずに黒い便が排出されます。
これは色素がそのまま出てきただけで、害はないですからご安心くださいね。
ここまでご紹介した副作用に関連して、乳児や幼児に与える場合の注意点もあります。
子供が食べる場合の注意点
乳幼児は消化機能が未熟なため、ブルーベリーの摂取により下痢やアレルギー等の心配があります。
そこで、次の3点に気を付けましょう。
特に乳児に与える場合は、良く消化できるように刻むなどして、様子を見ながら少量ずつあげるようにしましょう。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
ここまではブルーベリーによる副作用について解説しましたが、一方で健康に良いとされる成分が含まれています。
そこで、栄養成分をきちんと摂れて、しかも食べ過ぎにならない量を紹介するので、参考にしてみてくださいね。
冷凍ブルーベリーなど食べ過ぎにならない適量は1日何粒?
ブルーベリーにおいて、食べ過ぎにならない適量は、1日に20~100粒程度と考えましょう。
ここではブルーベリーの適量とその理由を簡単に解説しますね!
食べ過ぎにならない1日分の適量は?
ブルーベリーの適量範囲は今のところ公の基準は見当たりませんが、適量は小粒タイプなら1日に20~100粒(40~200g)で考えましょう。
しかし一部のメーカーでは、アントシアニンの補給の観点で適量を紹介しています。
メーカーにより差はありますが、1日あたり40g以上を推奨し、上限は設けていないようです。(※8)
上限量の設定がないと、どのくらいまでなら過剰摂取にならないのか心配になりますね。
そこで現在のところは、この40g以上(栄養面からみた適量)に、先ほどの200g(太らないための適量)を併せ、40~200gと考えておいてはいかがでしょうか。
あくまで目安程度ですが、計量カップ1杯が100g程度なので、これを基準にしても良いですね。
そこで、ブルーベリー1カップの栄養成分量を、チェックしてみましょう。
1カップあたりの栄養成分はどのくらい?
ブルーベリーは以下の表のようにさまざまな栄養素が含まれています。
エネルギー・栄養成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 49kcal |
たんぱく質 | 0.5g |
糖質 | 9.6g |
食物繊維(総量) | 3.3g |
水溶性食物繊維 | 0.5g |
不溶性食物繊維 | 2.8g |
ビタミンE | 1.7mg |
ビタミンC | 9mg |
カリウム | 70mg |
アントシアニン | 486.5mg (ワイルドブルーベリー) |
亜鉛 | 0.1mg |
マンガン | 0.26mg |
(日本食品標準成分表2015年版(七訂)を元に作成。掲載がないアントシアニンについてはメーカーサイトを参考にした。(※9))
こうしてみると、ブルーベリーはさまざまな栄養成分が含まれていますよね。
中でも食物繊維の含有量は、ブルーベリー100gあたり3.3gです。
食物繊維の1日の目標量は、成人男性で17~20g、女性で15~17gとされており(※10)、そこから計算するとブルーベリーにはその2割近くが含まれていることになります。
なので、食物繊維の目標量とのバランスを考えれば、100gのブルーベリーは間食としてちょうど良いかもしれません。
ブルーベリーの摂取量はお腹の調子を見ながら調節してくださいね。
豊富な栄養成分が含まれるブルーベリーを食べ過ぎにならないように適量食べると、どのようなメリットが期待できるのか確認してみましょう。
ブルーベリーは食べ過ぎに注意すれば健康に良い
ブルーベリーは食べ過ぎなければ、健康に良い食品です。
それは、体にメリットをもたらすと言われる栄養成分が多数含まれているからです。
ブルーベリーの栄養成分と、期待されるはたらきについて解説していきますね!
ブルーベリーに含まれる栄養成分とは?
以下の表のとおり、ブルーベリーの栄養成分に期待されるはたらきはたくさんあります。
栄養成分 | 期待されるはたらき |
---|---|
アントシアニン | 疲れ ★ 抗酸化作用によるアンチエイジング ★ 内臓脂肪の蓄積の予防 (※14) |
ビタミンE | 抗酸化作用によるアンチエイジング ★ 動脈硬化の予防、血圧の低下 (※15) |
亜鉛 | 成長促進、傷の治ゆ、味覚の維持(※12) |
マンガン | 骨の形成、抗酸化作用(※13) |
食物繊維 | 便秘・下痢の改善 |
キ酸 | 利尿の促進、膀胱炎・尿道炎の予防 ★ |
★ (※11)
中でも、注目はやはりアントシアニンとビタミンEでしょうか。
アントシアニンは眼精疲労を和らげ、視力低下を防ぐ、老化を防ぐなどのはたらきが知られていますね。
また、内臓脂肪の蓄積を予防するはたらきもあると言われており、ダイエット中の間食でお菓子ではなくブルーベリーを選ぶ人もいます。
ダイエット中のためポテチ代わりにセブンのブルーベリーを一気食いした後の手✨ドヤッ🤔 pic.twitter.com/Og8HdPx7la
— みなみ (@mi00000) February 11, 2021
このように、さまざまな栄養成分のはたらきを活かせる食べ方を紹介するので、参考にしてみてくださいね。
ダイエットに適した食べ方は?
ブルーベリーを摂取するおすすめのタイミングは、朝か昼間です。
他の果物もそうですが、夜に食べると体脂肪が溜まりやすく、太る原因となります。(※16)
この時間にブルーベリー食べたら太るわ…やめよう…
— よも野 (@yomono1208) December 2, 2017
こちらの投稿時間によると、真夜中にブルーベリーを食べようとしたものの、冷静になって思いとどまれたようです!
このように食べる時間帯には気を付けても、難しいのは食事のタイミングとの兼ね合いではないでしょうか?
次はこの点についてお話ししますね。
ブルーベリーは食前か食間に食べよう
ブルーベリーは食前か食間に食べるといいですよ。
これも果物全般に共通しますが、食前や食間がおすすめな理由は、栄養成分をしっかり吸収しやすいからです。
せっかく良い成分が含まれていても、吸収できないともったいないですものね。
また、巷に売られているブルーベリーは、生も冷凍もあります。
どちらが良いのか気になっている人も多いのではないでしょうか?
その点について、最後に解説しますね!
ブルーベリーは生と冷凍どちらがいいの?
ブルーベリー商品は生と冷凍がありますが、冷凍のほうがおすすめです。
理由は、栄養成分が多いこと、入手もしやすいことが挙げられます。
この2つについて簡単に解説しますね。
生より冷凍のほうが栄養成分が多い
ブルーベリーの栄養成分は、生に比べて冷凍のほうが多いそうです。
それは、生だと時間の経過とともに栄養成分は減りますが、冷凍商品のブルーベリーは収穫直後に冷凍され、栄養成分が逃げないからです。(※17)
また、入手しやすさも生と冷凍では違うので紹介しますね。
入手しやすいのも生より冷凍
入手がしやすいのも生より冷凍のブルーベリーです。
生の場合は売っているお店が少なかったり、少量パックしかなかったりしませんか?
しかし、冷凍商品ならコストコや業務スーパーでは大容量パックで買えますし、セブンイレブンなどのコンビニにも置いてあります。
コストコの冷凍ブルーベリーです。1袋2.27㎏と大容量です!
さらには、Amazonなどの通販でも買えるので便利ですよね。
こちらは使いやすい700gサイズです!
しかも、冷凍ブルーベリーは基本的に加工過程で洗浄してあるため、開封後は洗う必要がないそうです。商品パッケージにその記載があるものなら、より安心ですね。
そのまま食べてもお菓子に使ってもおいしい冷凍ブルーベリー。ぜひ、お気に入りの商品を探してみてくださいね。
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結論|ブルーベリーの食べ過ぎには注意が必要
ブルーベリーの食べ過ぎによって、下痢や便秘、アレルギー等が現れることがあります。
また、低カロリーだからといって食べ過ぎれば太る原因にもなりますね。
しかしブルーベリーの栄養成分は、視力低下予防やアンチエイジングなど多くの効果が期待されているので、本来ブルーベリーは適量で食べれば健康に良いものです。
今回紹介した適量の範囲を参考に、タイミングにも注意して食べることで、ブルーベリーのメリットをたっぷり受け取っていきましょう。
参考資料
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※1 食品成分データベース 果実類/ブルーベリー/生 | 文部科学省
※2 便秘と下痢の話|おおかど胃腸科クリニック
※3 便秘の予防・対処|NHK健康ch
※4 日本食品標準成分表2015年版(七訂)|文部科学省
※5 果物は肥りやすい|くにちか内科クリニック
※6 果物の摂取量の目安|公益財団法人長寿科学振興財団
※7 花粉症ナビ|協和キリン株式会社
※8 ブルーベリーの必要摂取量|ブルーベリーファクトリー
※9 メノコト|わかさ生活
※10 日本人の食事摂取基準について|厚生労働省
※11 食の図鑑【ブルーベリー】|リブブリッジ株式会社
※12 亜鉛|eJIM 厚生労働省
※13 栄養成分ナビ|江崎グリコ株式会社
※14 ひとみ研究室|みらい研究所
※15 栄養素カレッジ|大塚製薬株式会社
※16 果物のうれしい効果と上手な食べ方|JA山梨厚生連
※17 春夏秋凍|デイブレイク株式会社