【監修者:管理栄養士 中山沙折】
塩麹は賞味期限切れでも食べられる可能性が高いです。なぜなら、塩麹は長期保存ができる発酵食品だからです。
しかし、いくら発酵食品といっても、保存状態が悪ければ腐ってしまい、食べられない場合もあるため注意が必要となります。
「市販の塩麹を買ったけど、開封しても表示されている賞味期限を守ったらいいの?」「手作りの塩麹の賞味期限ってどのくらい?」と考え出すと、明確な答えが分からず不安になってきてしまいますね。
そこで今回は、賞味期限切れの塩麹について以下の項目を調べてみました。
賞味期限が切れた塩麹でも、保存方法によっては劣化を防げている場合があり、食べられるかどうかが変わってきます。
そこで、食べられる塩麹なのか、腐っていて食べられなくなっているのかの判断方法を知っておくと良いでしょう。
また、賞味期限内に食べきることができるように長期保存ができるレシピについてもご紹介します。
この記事を読めば、賞味期限切れの塩麹は食べられる可能性が高い理由がわかり、食べられるか食べられないかの見分け方、長期保存ができるレシピなどもわかるのでぜひ参考にしてください。
管理栄養士・栄養士
目次
塩麹は賞味期限切れでも食べられる可能性が高い
塩麹の賞味期限が切れたからといって、すぐに廃棄するのはもったいないですよ。
なぜなら、塩麹は発酵食品であるため賞味期限切れでも食べられる場合が多いからです。
賞味期限とは、開封せずに適切な保存方法で管理していた食品において「品質が変わらずにおいしく食べられる期間」のことです。
傷みにくい食品に表示されているため、保存状態によっては、賞味期限を切れても食べられる場合があるといえます。
市販品や手作り塩麹の賞味期限目安
賞味期限は開封前と開封後によって変わります。また、市販品と手作りの塩麹では賞味期限の目安が異なるため、しっかりと押さえていきましょう。
市販品の塩麹の消費期限の目安をまとめました。
市販品 | 未開封:6ヶ月~9ヶ月程度 開封後:長くても2ヶ月程度 |
---|---|
手作り | 4ヶ月程度 |
市販品の場合は商品によって設定される賞味期限が異なるようです。
マルコメは未開封で6ヶ月(表示の日付が基本)、開封後は2ヶ月が目安とされています。
ハナマルキは製造日から9ヶ月、開封後は「お早めに」使うことを推奨していました。
賞味期限は「おいしく食べることのできる期間」なので、期限を過ぎたものは、だんだん風味が劣化してしまうと判断できます。(※1)
塩麹が長期保存可能な理由
塩麹は、麹・塩・水を混ぜて発酵させている食品であるため、日持ちしやすくなっています。
食品を発酵させると「拮抗作用(きっこうさよう)」という現象が起こります。
拮抗作用とは、ある菌が一定数以上存在すると、その菌だけが繁殖できるようになり、他の菌が侵入・増殖しにくくなることです。(※2)
市販品の塩麹には賞味期限が設定されています。賞味期限は「おいしく食べられる期間」なので、期限が切れた途端に食べられなくなるということではありません。
しかし、期限が切れてしまえば風味が損なわれ、だんだん本来のおいしさがなくなってしまうことを認識しておきましょう。
それでは、賞味期限が切れていても食べられる塩麹とは、どのような状態のものなのでしょうか。塩麹が悪くなっていないかどうかを見極めるポイントをチェックしていきます。
賞味期限切れの塩麹がいつまで大丈夫かは状態を見よう
賞味期限切れの塩麹の多くは、食べることが可能である場合がありますが、腐っていないかどうかは状態を見て判断する必要があります。
賞味期限切れの塩麹を使っている人の口コミ
賞味期限切れの塩麹を実際に使っている人の口コミをチェックしてみましょう。
鶏胸肉と細切りピーマンの塩昆布炒め。
賞味期限切れ1年半経過の、塩麹を使っています(笑) at Home https://t.co/pSHZPe2icW #miil— もっくん (@hyper_mokun) July 3, 2018
なんと、1年半も賞味期限が切れた塩麹を使っている人もいました。
塩麹の場合、1~2年ほど賞味期限が切れていても、保存状態が良ければおいしく食べられているようですね。
ただし、賞味期限が切れてあまりにも長い期間が経ったものは食べられません。
調味料は数年前に賞味期限切れしてるのがゴロゴロ出てきた 6年前の塩麹や4〜5年前のナツメグとか出てきてわーきゃー言いながら母と2人で捨ててた
おかげでしばらく台所が変な臭いしてたぞ…
中身忘れたけど1つだけ20年ぐらい前に賞味期限切れてるやつ出てきたな…タイムカプセルじゃねんだから— スイチューカ@積みゲー消化は続く (@beatbluelotus) July 5, 2018
賞味期限が6年も切れてしまうと、異臭が発生していたようです。
異臭が発生しているものは、確実に悪くなっているので迷わずにすぐ廃棄しましょう。
ただし、賞味期限切れの食品を食べたことによって、中には体調を崩す人もいるようです。
材料
腐ったキャベツ4分の1
賞味期限切れの味噌
賞味期限切れのだしの素
賞味期限切れの塩麹
賞味期限切れから2日前のパセリ
パスタ
…お、お、お腹痛…い
— Yuki Hirai (@y7futsal) December 7, 2013
こちらの人の場合は、ほとんどの食品が賞味期限切れなので、塩麹が原因なのかどうかは、はっきりとわかりませんね・・・。
しかし、賞味期限が切れているものを食べると、保存状態によっては腹痛などの体の不調が起こるおそれがあります。
そのため、塩麹が傷んでいる場合の見分け方や、腐るとどうなるかを見極める方法を知っておけば安心ですよ。
塩麹が腐るとどうなる?食べられない状態の見分け方
塩麹は発酵食品なので、腐るというよりも厳密にいえば「過発酵」する可能性があります。
過発酵とは、その名の通り発酵しすぎた状態のことです。
過発酵した塩麹は品質的に食べられないものではありませんが、酸味や発酵臭(アルコール臭)がでてきて、おいしいとは言えません。
そのため、過発酵した塩麹は「賞味期限(おいしく食べられる期間)」が過ぎたといえる状態です。(※3)
食べられる塩麹とまずい又は食べられない塩麹は匂いや見た目で判断できます。
塩麹の状態 | 食べられる 〇 | 食べられない × |
---|---|---|
匂い | バナナ、酒かすっぽい | アルコール臭 |
表面 | 白いフワフワ (産膜酵母) |
赤・ピンク・青・灰色 (カビ) |
泡 | ブクブク (酵母が発酵した証拠) |
- |
塩麹全体 | 黄色・灰色・茶色 (麹や塩の種類によって変化あり) |
- |
食べられる塩麹と食べられない又はまずい塩麹の見分け方を知っておけば、塩麹が無駄になりませんね。
塩麹は賞味期限が長いため「まだ大丈夫だろう」と過信していると、食べられなくなったりまずくなってしまうのでもったいないです。
そこで、塩麹を上手に保存する方法や、賞味期限が切れる前においしく食べられるレシピを紹介します。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
塩麹の賞味期限切れを防ぐ保存方法とおすすめレシピ
塩麹は冷蔵庫保存が基本ですが、賞味期限内に使いきれそうにない場合は、冷凍保存がオススメです。
塩麹は冷蔵保存が基本で冷凍保存も可能
市販品の塩麹は、基本的に冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。
賞味期限内に使いきれそうにない場合は、あらかじめ冷凍庫で保存しておくのも良いですよ。冷凍すると1年ほど日持ちするようになります。
手作りの場合は、塩麹が熟成するまでは常温で保存します。その後、塩麹を消費する予定によって冷蔵または冷凍すると良いでしょう。
日持ちする手作り塩麹レシピ3選
塩麹をおいしく最後まで食べきることができるように、日持ちする手作り塩麹のレシピを紹介します。
ヨーグルトメーカーで作る簡単塩麹
基本となる塩麹の作り方を動画でチェックしていきましょう。
ヨーグルトメーカーで塩麹を作ると、麹の甘味が強くなります。そのため、塩加減はお好みで少し減らすなど、調整しても良いです。
こちらの動画で使用しているヨーグルトメーカーは「ヨーグルティア」という商品です。ヨーグルトメーカーを使うと失敗知らずで簡単に塩麹を作ることができますよ。
また、塩麹だけでなく、醤油麹にもアレンジできます。
納豆などにかけて食べると、さらにご飯が進みます。忙しい朝のご飯のお供にぴったりですよ。
塩麹鶏ハムレシピ
塩麹を使えば、肉のうま味をアップさせ、拮抗作用によって賞味期限が近い・短い肉を日持ちさせることができます。
塩麹に漬け込むことで、パサパサしてしまいがちな鶏肉も、しっとり柔らかい食感に仕上がります。
鶏ハムはそのまま食べたり、サラダにのせたり、その日の気分でかけるソースを変えたりすることでアレンジ自在の万能料理なので、オススメですよ。
きゅうりの塩麹漬け
塩麹を使った簡単な漬物レシピを紹介します。
<材料>
- きゅうり 2本
- 塩麹 大さじ2
- ジップ付き保存袋
- きゅうりを洗って水気を拭き取り、ななめに切る
- ジップ付き保存袋に1と塩麹を加えてよくもみ込む
- 冷蔵庫に入れて一晩付け置きして完成
塩麹に漬け込むことで、傷みやすい野菜が日持ちし、おいしい漬物になりますよ。
結論|賞味期限切れの塩麹は基本食べられるが確認が必要
塩麹は、賞味期限切れでも基本食べることができます。ただし、開封後なら冷蔵庫または冷凍庫で保存し、正しく管理しているものに限ります。
賞味期限に関わらず、塩麹が食べられるかどうか確認することが必要です。
塩麹を食べる前には、
- 異臭(アルコール臭)がしないか
- カビ(赤・青・灰色)が生えていないか
これらをチェックして食べられる判断基準としてください。
発酵食品である塩麹は賞味期限が長いですが、安全でおいしく食べきることができるように、冷蔵庫で保存し、賞味期限内に食べきれないときは早めに冷凍保存するようにしましょう。
また、塩麹を使ったアレンジレシピを活用することで、おいしく塩麹を消費してくださいね。
参考資料
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※1 食品の期限表示について|農林水産省・厚生労働省
※2 微生物の拮抗作用|青パパイヤ発酵食品バイオ・ノーマライザー
※3 麹が腐る|鈴木こうじ店