【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
買ってきて数日保存していたれんこん(蓮根)をカットすると、中にカビのようなものが見え、なにやら黒っぽく変色もしています。
カビ臭いにおいもあるように感じます…。
このれんこんは食べられるのでしょうか?
判断できず、れんこんについて調べましたので以下のようにまとめてご紹介しますね!
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- カビが生えたれんこんは食べられるのか
- 変色などの異変が起こる原因と、食べられるのかの見分け方
- カビを食べてしまった場合の症状や対処法
- れんこんが腐るとどうなるのか
- カビを防止できる正しい保存方法とは
実は私、白いカビや黒い変色以外にも、れんこんに不安を感じる場合があるのです。
たとえば緑やピンクっぽく変色していたり、皮に黒い斑点が見られる時も食べられるのかどうか悩んでしまいます。
そのようなれんこんが食べられるのかどうかも正しく判断できれば、無駄に捨ててしまうことも減るはずですよね!
最後には正しい保存方法もご紹介しますので、これでれんこんを長持ちさせて最後まで食べきれるようになるはずです。
まずはカビたれんこんが食べられるかどうかから、順に解説していきますね♪
管理栄養士・栄養士
目次
れんこんはカビても食べられる?白いふわふわ、黒い斑点、緑まで色別に解説
れんこんのカビや変色について調べていると、悩んでいるのは私だけじゃなく、カビのパターンもいくつかあるとわかりました!
- 穴の中に白いふわふわとしたもの
- 切り口がピンクっぽい
- 断面が真っ黒
- 穴の中に白い綿毛状のカビ
など
以下は表面の皮にカビがある画像です。
↓ ↓
買ったレンコンが白カビ生えててすぐスーパーに電話したら新しいレンコン持ってきてくれた🙋♀️
対応早いバローさん🙏🙏こんな大変な時期なのに家までレンコン届けてくれてありがとう🙏 pic.twitter.com/YhqpnXYtfs— mikan (@ribbon827) April 17, 2020
そしてもうひとつ、蒸した後に全体がピンクっぽく変色してしまった例もありました!
↓ ↓
ジャーサラダ仕込み根菜が蒸し上がりました!長いのは蓮根。色止めの下処理をしなかったから薄ピンク色。これはこれでいいな。 pic.twitter.com/o42IhJjJMC
— ふくまる (@fukumaru_think) January 16, 2015
どれもこれも不安になる画像ですよね。
果たしてこのような状態になったれんこんは、食べられるのでしょうか?
白いふわふわの正体や原因は?食べても大丈夫?
れんこんの穴の中や表面の皮に白いふわふわしたものが付着していた場合、その正体は白カビと考えられます。
実はれんこんにカビが生えるのは、意外なことに乾燥が原因の場合が多いのです。
泥の中で育つれんこんは乾燥や日光が苦手です。乾燥することでれんこんが弱ってしまい、カビに負けてしまうようです…。
では、白カビが生えたれんこんは食べても大丈夫なのでしょうか?
れんこんに限らず食材にカビが生えた場合、カビの部分を完全に取り除くと食べられると考える説もあります。
ただ、カビは見えている部分だけではなく、食材の内部に根のような菌糸を伸ばしている可能性があるのです。
そして残念なことに、カビの毒素は菌糸にも含まれ、菌糸は私たちの目には見えません。
となると、洗ってカビを取り除けたと思っても、実は毒素が残っているかもしれないわけです!
カビの部分がほんの一部なら、自己責任のもと、周りを多めに切り取って食べてみても良いかもしれませんが、あまりおすすめできません。
カビが生えてしまった場合は諦めるのが安全と言えるでしょう。
カビ以外にれんこんが白くなる原因とは?
れんこんの白い異変には、カビ以外の原因も考えられます。
切り口に白いぶつぶつが見られる場合、れんこん自体のでんぷん質が白く固まっている可能性があり、この場合は問題なく食べられます。
カビとの見分け方は、綿毛のようにふわふわしていればカビ、粉っぽい場合はでんぷんの可能性が高いと考えられます。
黒や緑のふわふわの正体とは?
白以外に、黒や緑のふわふわしたものが付着していたら、黒カビや青カビの可能性が高いです。
カビの種類は沢山ありますが、ふわふわと綿毛っぽいものはカビだと考え、白カビと同様食べないほうが賢明です。
黒カビや青カビは、白カビ以上に毒素が強いものも多いので、調理前にれんこんの状態をよく確認しましょう。
黒や赤・緑などに変色する原因は?食べても大丈夫?
ふわふわしたカビではなくても、れんこんの表面や穴の中が変色することはよくあります。
変色には、外側の皮に黒い斑点が見られる、穴の中が青いもしくは緑っぽい、ピンクや赤っぽいなど、さまざまなケースがあります。
それぞれに考えられる原因を表にまとめますね。
れんこんの状態 | 考えられる原因 |
皮の表面の黒い斑点 | ・黒シブと呼ばれる ・生育段階で茎が倒れてしまった場合生じる ・茎から酸素が送られ呼吸する →泥中の鉄分が化合して酸化鉄となり表面に付着する ・問題なく食べられる |
皮の表面が褐色 | ・赤シブと呼ばれる ・黒シブと同様、酸化鉄の付着 ・問題なく食べられる |
切り口や穴が変色 (黒・赤・ピンク・緑など) |
・れんこんに含まれるポリフェノール(タンニン)の酸化 ・包丁や土に含まれる鉄分との反応による変色 ・問題なく食べられる |
加熱調理後に変色 (黒・赤・ピンク・緑など) |
・加熱によるポリフェノール(タンニン)の変色 ・問題なく食べられる |
なかなかカラフルに変色するれんこんですが、原因の多くはタンニンの酸化です。
空気に触れたり加熱によってタンニンの酸化・変色が起こるので、調理すると色が変わってしまった…なんてこともしばしば。
れんこんが変色した例として4つ目にご紹介した画像は、「蒸したらピンクになった」と書かれていましたので、まさにこれにあたりますね!
その他にも、包丁や鉄製の鍋の鉄分と反応して色が変わるケースもあります。
変色しても味や品質は問題なく食べられますが、見た目も気になりますし防ぎたい場合もあるでしょう。
その場合は酢水に浸けましょう。タンニンの酸化・変色を防いできれいな仕上がりになりますよ。
変色しただけなら食べられる…とはいえ、本格的に腐る場合もあります。
食べられないれんこんの特徴については第3章「れんこんは腐るとどうなるの?傷んだときの判断基準や目安がコレ!」で解説しますので、先に気になる方はリンクへお進みくださいね。
れんこんの異変がカビかどうかは見分けられそうですが、間違って食べてしまうとどうなるのでしょうか?
次にカビを食べてしまった場合の症状や対処法についてご紹介しますね。
れんこんがカビたときの対処法!間違って食べたらどうなるの?
れんこんにカビが生えてしまったら、基本的には食べずに捨てるほうが良いでしょう。
洗う・切り取る…などの対処法で、カビ毒を完全に取り除けるかはわかりません。
詳しくは「白いふわふわの正体や原因は?食べても大丈夫?」で解説しているとおりです。
でも、調理前には異変に気付かずれんこんを半分使い、残りを保存しようとしたところで発見。
「あれ、カビが生えてる…もしかして、調理した部分にもカビがあった!?もう食べちゃったのに…」
こんな経験、ありませんか?
そんなことが起こると、子供や高齢者が食べた場合は特に心配ですよね。
カビたれんこんを食べたらどうなるのでしょうか?考えられるのは、次のような症状です。
カビたれんこんを食べた際の症状例
- 腹痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
カビを食べてしまった場合、いわゆる食中毒症状が起こる可能性があります。
でも、少量であれば体内で胃酸によって分解されるので、何も変化がない場合もあります。
赤ちゃんがカビを口にしてしまった場合などはとても心配だと思いますが、慌てて病院に駆け込まずに、少し様子を見ましょう。
もし、激しい嘔吐下痢、ぐったりした様子などが現れたなら、医療機関を受診してくださいね!
このような食中毒を避けるためには、れんこんが腐っているかどうかを正しく見分けることが重要です!
れんこんが腐ったらどうなるのかも調べましたので、次の章でご説明しますね。
れんこんは腐るとどうなるの?傷んだときの判断基準や目安がコレ!
変色しても食べられる場合があるれんこんですが、腐って食べられなくなる場合もあるはずです。
食べられる変色なのか、食べられない状態なのかは、どうやって見分ければ良いのでしょうか?
れんこんが腐るとどうなるのか、その特徴がわかれば見極めの判断材料になるはずですよね!
腐ったれんこんの特徴は以下のとおりです。
- カビが生えている
- カビ臭いなどの異臭がする
- 苦いなど異様な味がする
- 中まで全体に黒や茶色に変色している
- 触るとブヨブヨと柔らかい
- 表面にぬめりがある
第1章「れんこんはカビても食べられる?白いふわふわ、黒い斑点、緑まで色別に解説」でもご説明した通り、カビが生えたものは食べないほうが良いです。
たとえ少しのカビで洗い流せても、目に見えない菌糸やカビ毒が残っている可能性があります。
また、変色はタンニンの酸化が主な原因ではありますが、切ったら中まで色が変わっているものは、それだけ劣化が進んでいると考えられます。
雑菌が付着していたならば、増殖している可能性も高いので、食べないほうが賢明です。
触ると柔らかく感じたりぬめりを感じるものは、かなり腐敗が進んでいるものになりますので、食べないでくださいね!
もし、見た目に変化を感じなくても、臭いや味に違和感を感じる場合も、見えないところで菌が繁殖しているかもしれません。
ご自身の五感を信じて、無理に食べないようにしましょう。
れんこんが糸をひくのは腐っている?
何も異常を感じないれんこんを切ったり、れんこん料理を一口かじった時に、糸をひくことがあります。
「糸をひく=腐敗」を思いうかべてしまいますが、れんこんのぬめりは多糖類で、粘膜を保護することで胃腸の状態を良くするので、積極的に摂取したい体に良い栄養素です。
切り口から糸をひいても、異臭や切り口以外のぬめりなどが無ければ、問題なく食べられますよ。
他の腐敗のサインが出ていないか、よく観察してくださいね。
腐った場合の見分け方はわかりましたが、そもそも腐らせないことが一番です!
最後にれんこんの正しい保存方法を調べましょう。
れんこんの正しい保存方法は?日持ち期間やカビ防止のコツ
れんこんを腐らせず、美味しいままに長持ちさせるためにはどうすれば良いのでしょうか。
れんこんは泥の中の野菜なので、光・空気・乾燥が大敵です。
カビを防止して長持ちさせるためには、これらを避けなければなりません。
れんこんの状態によってふさわしい保存場所や保存方法が変わりますので、日持ち期間もあわせて以下の表にまとめて解説します。
れんこんの状態 | 保存場所 | 保存方法・日持ち |
・土・泥付き ・1節丸ごと |
秋・冬場:常温(25℃以下) | ・湿らせた新聞紙に包む ・ポリ袋に入れる ・日持ち:約1週間 |
春・夏場:冷蔵庫(野菜室) | ||
・皮をむいたれんこん ・カットれんこん |
冷蔵庫(野菜室) | ・湿らせたペーパーに包む ・ラップでぴったり包む ・密閉袋に入れて冷蔵庫へ ・日持ち:約1週間 |
・密閉容器にれんこんを入れる ・れんこんが浸るくらいの水を入れる ・1~2日ごとに水を替える ・日持ち:約1週間 ・栄養価の面では1日がおすすめ |
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冷凍庫 | ・使いやすい形にカットする ・酢水に4~5分浸ける (水1カップ:酢小さじ1/2) ・水気をふき取り、密閉袋に入れる ・日持ち:約1ヶ月 |
れんこんは乾燥を嫌うので、土付きであれば洗わずそのまま保存するほうが良いです。
またカットすると、切り口の断面や穴から乾燥や傷みが進んでいきますので、カットしたものより1節丸ごとの方が新鮮さやおいしさを保って長持ちしますよ。
↓れんこん 1節
1節丸ごとでも半分ほどにカットしたものでも、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包むと鮮度を保ち、カビ防止にもなります。
面倒がらずにその一手間を惜しまないようにしましょう。
スライスやカットしたれんこんは、水に浸けて保存すると良いですが、長く浸けているとデメリットもあります。
れんこんに含まれている栄養素の中で、ビタミンCなどは水に溶ける成分です。
水に浸けたままで長く保存すると失われてしまうので、なるべく早く食べきりましょう。
まとめ
カビが生えたり変色したれんこんが食べられるのかどうかや、保存方法などを解説してきました。
分かったことをおさらいしましょう!
- れんこんに付いた白いフワフワしたものはカビ
- 洗っても菌糸が残り、食中毒症状が出る可能性がある
- カビが生えたれんこんは食べないほうが良い
- 黒・褐色・ピンク・緑などの変色は、タンニンの変色で食べられる
- 黒い綿状のものはカビの可能性があるので食べてはいけない
- 内部まで全体の変色・ぬめり・異臭がするものは腐っている
- 糸をひくのはれんこんに含まれる栄養成分で食べられる
- れんこんは乾燥を嫌う
- 湿らせたキッチンペーパーなどに包んで保存すると良い
カビ・内部の変色・カビ臭いにおい…と揃い踏みの我が家のれんこんは、どうやら腐ってしまっているようです。
大きく切ってきれいな部分を探そうかとも思いましたが、菌糸が残るかもしれませんし、今回は諦めようと思います。
でも、今までカビだと思っていたピンクや緑っぽい変色が、実はタンニンの変色で食べられるものだとわかったので、今後判断に困ることが減りそうです!
カビ対策にもなる正しい保存方法もわかりましたので、次からは実践しようと思います。
皆さんも正しく保存して、新鮮なうちにれんこんを食べきりましょう♪