【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
先日購入したばかりのじゃがいもを切ったところ、中身に茶色い輪っかのような斑点がありました。
たまにこのような茶色い筋や線、斑点があるじゃがいもにあたってしまうことはありませんか?
長く保存していたならともかく、購入したばかりのじゃがいもでも茶色いことがあります。
少しくらいであれば、あまり気にせず取り除いて食べるのですが、真ん中が大きく茶色いものは捨てています。
しかしもし食べても問題ないのであれば、捨ててしまうのは勿体ないですよね。
そこで、茶色く変色したじゃがいもは食べられるか、きちんと調べてみました。
- じゃがいもが茶色や黒に変色する原因について
- 茶色や黒に変色したじゃがいもは食べられるのか
- じゃがいもを切った後や、調理後に変色する理由とは
- 切ったじゃがいもの変色を防ぐ方法
- じゃがいもは腐るとどうなるのか
じゃがいもは茶色だけでなく、黒くなる場合もあるので、同じ原因なのかも調べてみました。
また、切った直後は大丈夫でも、その後茶色くなってしまったり、調理後に茶色くなる場合もありますよね。
これらの原因や、カット後の変色を防ぐコツもお伝えしますよ。
また、食べられるじゃがいもかどうかを判断するためにも、じゃがいもが腐った状態についても解説しています。
調理によく使うじゃがいもを無駄に捨ててしまう前に、変色する理由や対処法などをぜひご確認ください!
管理栄養士・栄養士
目次
じゃがいもの中身が茶色いのは食べられる?斑点・輪っか・筋・線などの原因
じゃがいもを切ったら、中身が茶色だったというのは、わりとよくある話ですよね。
私はこれは腐っているのかと思っていましたが、どうやら違うようです。
茶色くなるのは、生育過程の生理現象などが大きな要因ということがわかりました。
それに、茶色く変色した中の身の部分を取り除けば、食べても大丈夫だそうです。
しかし中身が茶色いと言っても、斑点や輪っか、筋や線など、断面がいろいろな模様になりますよね。
そこで、画像とともに茶色くなる原因を説明していきます。
じゃがいもが茶色くなる理由を、画像とともに解説!
じゃがいもが茶色くなってしまうのは、特に生育過程に問題があったケースが多いです。
まずは、じゃがいもの中心にある芯あたりが、茶色や黒くなってしまう理由から解説していきます。
中心に大きな変色がある
じゃがいもの真ん中が大きく茶色や黒に変色している場合は、褐色心腐れ病や黒色心腐れ病である可能性が高いです。
職場でジャガイモを入れて味噌汁作ろう思て、ジャガイモ切ったら
なんじゃこりゃあ‼️😱😱😱
前代未聞やわ😵
緑がかった茶色で、苔のような感じで、なんか動いとったし😫
めちゃ怖かったわー😅💦#じゃがいもの中の緑色のコケ#じゃがいも切ったらびびった #腐ったじゃがいも#なんなんこれ pic.twitter.com/Q9fOYqmh0z— Yoshiko (@yoshiko125) January 22, 2020
じゃがいもが黒くなる場合は黒色心腐れ病、茶色や赤い場合は褐色心腐れ病になります。
どちらも生育過程に問題がある生理障害なのですが、問題となる要因が異なります。
褐色心腐れ病 → 高温、乾燥による水不足が原因
黒色心腐れ病 → 低温、多湿(畑に水が溜まるなど)による酸素不足が原因
変色した部分を食べても身体に害はありませんが、食感が非常に悪くて美味しくないので、取り除く方が良いでしょう。
茶色くて空洞がある場合は
こちらの画像のように、茶色くてかつ空洞がある場合もじゃがいもの生理現象です。
じゃがいもの空洞化ってやつに初めて遭遇
最初見たときめっちゃびびったわ pic.twitter.com/neB6ehRTpQ— shamozi (@repair1117) January 27, 2015
この場合は、じゃがいもが急激に大きくなったために、中心にまで炭水化物が足りずに空洞化が起こります。
そして空洞化したのちに、茶色く変色してしまいます。
この部分を取り除けば、問題なく食べられますよ。
ちなみに、真ん中が半透明のようになっているじゃがいももありますが、こちらも食べて大丈夫です。
続いて、じゃがいもに茶色い線や筋、輪っかのような変色がある場合です。
線や輪のような変色
じゃがいもの内部に茶色い線や輪っか状の変色がある場合は、輪腐れ病か青枯れ病が考えられます。
じゃがいも切ってたら半分は大丈夫だったけど、もう半分がなんか茶色い斑点があったけどやめといた方がいいのかな? pic.twitter.com/9J6iQOvmdh
— ❀眠澤❀ (@Nemutaku1152) July 10, 2019
皮のすぐ内側が茶色くなっている場合は、青枯病の可能性が高いです。
またじゃがいもを栽培していて、葉っぱに黒や茶色の斑点ができた場合も青枯れ病かもしれません。
そのままだと萎れてしまいますし、できたじゃがいもも変色していると思われます。
黒い塊がある
こちらの画像のような黒い塊の場合は、病気というわけではありません。
じゃがいもに含まれているジフェノールと言う成分と鉄分の含有量が多いと、結合して黒色のジフェノール化合物ができます。
一見クッキークリームに見えるじゃがいも。皮むいたら斑点があって病気かと思ったけど食べたら平気でした。こういう品種??? pic.twitter.com/6Q8hxe2HxH
— みっこりん♪ (@miccori) December 4, 2019
生のじゃがいもにはあまり出現しませんが、含有量が多いと黒い色が出てくることがあるそうです。
食べても問題ありませんが、気になるなら取り除いて調理してください。
じゃがいもが茶色くなるのは、いくつか要因があるんですね。
ただ、切った直後は茶色くないのに、そのまま放置していたり調理したら茶色くなることもありますよね?
これはなぜなのか、こちらも原因を調べてみました。
調理中のじゃがいもが茶色になる理由!切った後・加熱後の変色は大丈夫?
じゃがいもを切って放置していたら断面が茶色くなることがありますが、それは酸化による影響です。
じゃがいもに含まれているチロシンというアミノ酸が酸化すると、チロシナーゼという酵素によってメラニンという黒色の物質に変化します。
メラニンというのは、女性にはお馴染みのお肌を黒くしてしまう成分のことですね。
同じようにじゃがいもの表面も、メラニンで黒や茶色に変色してしまうのです。
要は酸化すると変色するので、切った後に冷蔵庫で保存したり、冷凍して解凍した場合も、切り口が茶色くなってしまいます。
<豆知識>じゃがいもは冷凍できるの?
じゃがいもは、一般的に冷凍に向いていないと言われています。
なぜなら、加熱したじゃがいもを冷凍して解凍すると、水分が抜けてしまいボソボソの食感になってしまいます。
しかし、切った後に生のまま冷凍したじゃがいもを調理すると、意外と美味しく食べられるようです。
調理方法は、「煮る」「蒸す」「湯がく」「茹でる」「揚げる」「炒める」など、どの方法でも問題ありません。
冷凍したまま調理すると茶色への変色も気にならないので、カットして食べきれないじゃがいもは、ぜひ生のまま冷凍してみて下さい。
そして、火を通したじゃがいもが変色する理由は、またちょっと違います。
なんこれ真っ黒なんやけど pic.twitter.com/hNFYJ1wvGS
— 🦈AKとんぼ🦈 (@MIKUtombo) June 16, 2020
このように、じゃがいもを揚げたり炒めたら茶色くなるというのは、先ほどご紹介した「ジフェノール」と「鉄分」が影響しています。
生の状態よりも、熱を加えた方がジフェノール化合物ができやすいため、調理前はなんともなくても、調理後に黒く変色することがあるのです。
このように、切った後や調理済みのじゃがいもが茶色や黒に変色することがありますが、基本的に食べても問題ありません。
とは言え、見た目もあまり良くないので、あまり変色はしてほしくないですよね。
そこで、なるべくじゃがいもが変色しない方法を調べてみました。
調理中に茶色くなるのを止めたい!じゃがいもの変色を防ぐコツは?
じゃがいもの断面が茶色くなるのを防ぐには、メラニンを生成させないことが重要です。
そのためには、原因となる酸化を防ぐようにしましょう。
じゃがいもが茶色くなるのを防ぐ方法
- すぐに調理する
- 水にさらす
- 酢水につける
- 冷凍する
- 皮付きのまま火を通す
酸素に触れている時間が長いと茶色くなるで、カットしたらすぐに調理するようにしましょう。
とくにすりおろしたじゃがいもは茶色くなりやすいので、素早く使ってくださいね。
すぐに調理できない場合は、水や酢水にさらしておくと良いです。
特に茶色に変色させる酵素であるチロシナーゼは水に溶けやすいため、かなり変色を抑えることができます。
しかし、難点は水にさらすと栄養分も溶けてしまうことです。
それが気になる場合は、一度生のまま冷凍して使うか、皮付きのまま火を通す方法をおすすめします。
冷凍する場合は、先ほどご紹介した通り、生のまま冷凍してくださいね。
皮付きのじゃがいもを調理するには、電子レンジがおすすめです。
皮付きのじゃがいもをレンジでチン!
皮むきをしなければ、身の部分が空気に触れないので、茶色くなりません。
電子レンジを使うと、手軽に加熱することができますよ。
あらかじめ皮にうすく線を入れておくと、加熱した後に皮をむきやすくなります。
このような対策をしても、じゃがいもが変色してしまうことはあります。
どうしても変色が気になる場合は、そもそも変色しにくい品種を選ぶのはいかがでしょうか。
身近にあるスーパーなどではなかなか手に入らなくても、通販などで購入できますよ。
変色しにくいじゃがいもは通販で手に入る!
じゃがいもには、煮崩れしにくいもの、火が通りやすいものなど様々な品種があります。
そしてその中には、変色しにくい品種もあるのです。
代表的なものから、レアな品種までご紹介していきますね。
入手困難なじゃがいもとして有名な「インカのめざめ」は、実は変色もしにくい品種です。
通販だと遠方にいても購入することができます。
そのほか、これらの品種も変色しにくいと言われています。
聞いたことのない品種のじゃがいももありますが、なかなか評判は良いようです。
気になる品種があれば、ぜひ試してみて下さいね。
いろいろと調べてみると、じゃがいもが茶色くなるのは、腐って食べられない状態ではないとわかりましたね。
では、じゃがいもを食べてはいけないのはどんな状態なのか、腐るとどうなるのかを最後にご紹介します。
じゃがいもは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
じゃがいもが腐ると、先ほどご紹介した変色とは全く違うサインが出てきます。
食べられるか判断するためにも、腐ったじゃがいもの見分け方を知っておきましょう。
腐ったじゃがいもの目安
- 異様な臭いがする
- カビが生えている
- 茶色い汁のようなものが出る
- 大量に芽が出ている
- 皮が緑色に変色している
じゃがいもが腐ると、このような状態になります。
じゃがいもの中が茶色や黒に変色している場合、その他に傷みがでていないかも確認してみましょう。
特に、皮が緑色に変色していたり、大量に芽が出たじゃがいもは危険です。
じゃがいもの芽や緑色の部分には、ソラニンやチャコニンという天然毒素が含まれています。
多少であれば、その部分を取り除けば食べられますが、大量に服用すると食中毒を起こすこともあります。
じゃがいものソラニンにやられたかも…
めっちゃお腹痛い。
明日じゃがいも全部捨てる!!!— ちゃんちる (@mrwatachil0412M) December 12, 2019
特に自家栽培したじゃがいもを食べて、体調を壊すことがあるそうです。
不安な場合は、食べないようにしましょう!
まとめ
じゃがいもに茶色や黒の変色がある原因や、対処法などをご紹介してきました。
最後にポイントをまとめておきます。
- じゃがいもの茶色の変色は、生育過程の生理現象が大きな原因
- じゃがいもに含まれている成分が原因のこともある
- 変色部分を取り除けば食べられる
- カット後や加熱後の変色は、酸化や含まれている成分が原因
- 変色を防ぐには、水にさらすか冷凍などをする
- 変色しにくいじゃがいもの品種がある
- じゃがいもは腐ると異臭がしたり、カビが生えたりする
- 大量の芽や皮が緑色のじゃがいもは食べてはいけない
生のじゃがいもが茶色いのは、生理現象だったんですね。
つまりはあたりが悪かったということになります。
あまりに酷いじゃがいもにあたった場合は、購入した店舗に相談すると、交換してもらえることもあるようです。
そしてカットしたじゃがいもの変色は、工夫次第で防ぐことができます。
食べられなくなるわけではないので、あまり神経質になる必要はありませんが、私は次回のじゃがいも料理の時に試してみようと思います!
皆さんも今回の情報を参考に、なるべくじゃがいもを変色させずに、美味しく調理してみてくださいね。