お吸い物や丼物には、生の三つ葉が控えめに添えられていますよね。あの三つ葉を、もっとたくさん食べたい!と感じている方は多いのではないでしょうか?
でも普段からよく生で食べる野菜ではないので、赤ちゃんや子供でも生食して大丈夫なのかが少し心配です。
そこで、三つ葉は生で食べられるかを確認してから、生で食べるレシピなどをご紹介していきたいと思います!
- 三つ葉を生で食べても大丈夫?
- 三つ葉に含まれる栄養とは?
- 三つ葉を生食で楽しむ食べ方
- 三つ葉の下ごしらえ方法(切り方・茹で方)
- 三つ葉が長持ちする保存方法(冷蔵・冷凍)
三つ葉には、どんな栄養成分が含まれているのでしょうか?生で食べると、健康に良い効果があるのでしょうか?逆に悪い影響がないのかも、しっかり調べていきます!
三つ葉の風味をいかしてさまざまな食べ方を楽しめるよう、レシピだけではなく正しい下ごしらえ方法や保存方法もご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみて下さい!
目次
三つ葉は生で食べられるか?妊婦さんや赤ちゃんが生食できるかも調査!
三つ葉が生で食べられるかを調査すると、口コミなどには「生でしか食べない」なんていう声も多数ありました!
生で食べると体に異変が出るという情報も無く、生食のレシピも数え切れないほど発見したので、問題なく生で食べて大丈夫です。
自家栽培をしている方は、いつの間にか花が咲いてしまうことがありますが、「花が咲いた後も食べられる」という実体験が数多くありました。
ただし育ちすぎて茎がかたくなるなど食べにくくなる場合があるので、状況に応じて茎をカットするなどして下さい。
ちなみに、三つ葉には3つの種類があります。
糸三つ葉
スーパーに売られている、一般的な三つ葉。香りが強い。
切り三つ葉
光に当てずに栽培された三つ葉で、茎が白い。香りが弱い。
根三つ葉
切り三つ葉と同様に光に当てない点は同じだが、より育つ方法で栽培される。切り三つ葉よりも香りが強く、根まで食べられる。
今回は、スーパーなどで手に入りやすい「糸みつば」についてお話していきます!
ここで、気になったことが1点あります。
三つ葉自体に含まれている成分は生で食べても問題が無いのですが、栽培〜販売過程で大腸菌に汚染されている可能性があるんです…。
三つ葉の大腸菌汚染について
2010年〜2012年に厚生労働省が行った「生鮮野菜の微生物汚染実態調査」では、大腸菌に汚染されたみつばが33.3%、サルモネラ菌に汚染されたみつばが1.3%でした。(参考元:食品分析開発センターHP)
特に大腸菌は、他の野菜と比べても高い汚染確率です。生で食べられるとはいえ、大腸菌やサルモネラ菌を取り除く、死滅させる必要がありますね。
大腸菌やサルモネラ菌が原因の食中毒を予防する方法は、こちらです!
- 低温保存4℃以下
- 食べる直前によく洗う
- 加熱する(大腸菌・サルモネラ菌どちらも75℃で1分以上)
また、食べるときに食べる分だけ、鮮度の良い三つ葉を買うようにして下さい。
特に妊娠中の方、赤ちゃん、子供さんなどは腹痛などの食中毒症状だけではなく重症化するリスクが高いので、加熱調理して食べるのが安全です。
ここで難しいのが、加熱の加減です。三つ葉は加熱しすぎると風味が落ちてしまいます。
後ほど「三つ葉を生食できる美味しいレシピは?食べ方・切り方・茹で方のコツも紹介!」以下で、食べ方や保存方法をご紹介しますので、チェックしてみて下さい!
食中毒予防に気をつける必要があるものの、三つ葉は生食できるとわかりました。
次に生の三つ葉に含まれる栄養成分と健康への影響ご紹介します。
「朝に食べるとお肌に悪影響」なんていう情報もあったので、早速真相を確認していきましょう!
生の三つ葉の栄養素や効果!食べ過ぎても危険性はないの?
三つ葉のように香りが強いなどのクセがある野菜は、体に何か良い影響がありそうですよね。
具体的に、どんな栄養成分が含まれているのでしょうか?文部科学省が運営している食品成分データベースを参考に、ご紹介します。
生の三つ葉に含まれる栄養成分とは?どんな健康効果があるの?
生の三つ葉は、100グラムあたり13キロカロリーです。主な栄養成分と、健康効果も簡単にご紹介します。
- カリウム:血圧を下げるなど
- β-カロテン:抗酸化作用など
- ビタミンK:血液凝固など
- ビタミンC:コラーゲン生成など
- 葉酸:赤血球を作り出すなど
他にもさまざまな栄養成分が含まれていますが、三つ葉を一度に食べる一般的な量を考えると、特別注目するべき栄養成分は、β-カロテンくらいです。
β-カロテンについても、他の緑黄色野菜からも十分に摂れるのが一般的なので、三つ葉を食べないと不足してしまうという栄養成分ではありません。
三つ葉を食べることで特別な健康効果があると考えるよりも、単純に香り高い味を楽しむのがおすすめの野菜です!
豆知識:三つ葉の農薬について
三つ葉は、カビのなどの影響を防ぐための農薬を使用して栽培されるのが一般的です。もちろん生で食べても体に影響が出ないかどうかを検査してから出荷されます。
ところが2019年9月、大分で栽培された三つ葉から、基準値の6倍近くの農薬が検出されたニュースがありました。
基準値を大きく超える農薬量だったものの、すぐに健康被害が出るほどの量ではないと報道されています。
このニュースの原因になった農薬は、隣接するキャベツ栽培のハウスから飛んできたものでした。
なるべく同じような事態が起こらないよう願うとともに、地方ニュースからの最新情報もチェックしておく必要があると感じました。
朝に三つ葉を食べると日焼けしやすいって本当?ウソ?
三つ葉にはソラレンという物質が含まれています。
「ソラレンは紫外線を集める働きを持っているため、朝に食べると日焼けしやすくなる。朝には摂らないほうが良い」という情報が、ネット上に多数ありました。
こちらは、2015年に「三つ葉と同様にソラレンを含む柑橘系の果物が、悪性の皮膚がんを起こす可能性がある」という主旨の論文が発表されたことから生まれた情報のようです。
確かにソラレンは紫外線を集める働きを持っていて、ソラレンを配合した軟膏が、皮膚病治療に役立てられています
*乾癬(かんせん)の患者さんが、紫外線の強まる夏に症状が軽減することに着目した治療
ですが「ソラレンを摂取すると肌にソラレンが到達して、日焼けしやすくなる」という科学的根拠は、現段階では全く無いそうです。
これからの研究で、新しい成果が出ることに興味を持っていきたいですね。
生の三つ葉にはさまざまな栄養成分が含まれていますが、あまり健康効果を気にせず、純粋に食べることを楽しむといいですね!
では、どんな食べ方で楽しめるのかを次にご紹介します。料理に添えるだけではないレシピをチェックしてみて下さい。
三つ葉を生食できる美味しいレシピは?食べ方・切り方茹で方のコツも紹介!
生の三つ葉を食べた時の、鼻に抜ける香りがたまりませんよね。親子丼・お雑煮などに贅沢にのせて楽しむのもいいですが、ぜひ他の食材や調味料とも合わせて、レシピの幅を広げてみて下さい!
生の三つ葉のレシピ
三つ葉を生で食べる美味しいレシピをいくつかご紹介するので、参考になさってみて下さい!
サラダ
生の三つ葉、生の大根、海苔、ゆずの皮を和えてサラダにするのがおすすめです。食材同士が食感と風味を引き立たせ合うサラダって、食が進みますよね。
サラダは基本的に自由な料理なので、他にも冷蔵庫にある食材と組み合わせて楽しんでみて下さい。
スムージー
生の三つ葉、バナナなどのフルーツ、牛乳などの水分をお好みで合わせてミキサーにかけ、スムージーにします。
スムージーは、食材の生の酵素が消化を助けてくれる役割をします。飲み会の翌日の朝などに飲むと、体の中からスッキリしますね。
和え物
和え物もサラダと同様に、どんな食材と合わせても自由な料理です。急な来客時などに、下記のようなレシピはいかがでしょうか?
- 生の三つ葉を一口大にカット
- コンビニのサラダチキンをほぐす
- (1)、(2)をボウルに入れる
- マヨネーズ・わさびで味付けをし、最後に醤油で味を整える
生の三つ葉の下ごしらえ&加熱方法
三つ葉の下ごしらえは簡単です。
- 茎の根本にあるスポンジをカットする
- 茎から葉の先までしっかり洗う
- 一口大にカットする
断面が酸化して変色するなど劣化しやすいので、食べる直前に下処理をするのが、美味しく食べるポイントになります!
三つ葉を茹でるコツ
先程ご紹介した食中毒菌を予防するために、特に妊婦さんなどは75℃で1分以上の加熱が必要とご紹介しました。
でも、三つ葉の香りを残すために加熱時間は短くしたいですよね。実際に、レシピサイトでは
「熱湯にサッとくぐらせて”おかあげ”する」という加熱方法が定番でした。(”おかあげ”とは、ザルにあげて自然に冷ます方法です)
そこで75℃以上のお湯なら短時間の加熱でOKなのかも調査したのですが、残念ながら詳しい情報はありません…。
良い方法をご提案できなくて申し訳ないのですが、体調に気をつける必要がある方は、やはりしっかり加熱して、おひたしなどで食べるようおすすめしたいと思います。
健康な方でこれまで三つ葉を生食した経験がある方も、75℃で1分以上の加熱をご検討下さい。
*赤ちゃんの離乳食に使う場合、加熱するのはもちろんなのですが、葉のやわらかい部分を使うようにしてあげて下さいね。
ちなみに、↓こんなレシピなら十分に加熱できて、三つ葉の風味も楽しめます♪
豆知識:根三つ葉の”根”の使い方
先程お話したとおり、根三つ葉は根まで食べられます。
根の部分はある程度洗浄して販売されていますが、細かい土が残っているので、必ずよく洗ってから使いましょう!
シャキシャキと歯ごたえが特徴なので、きんぴら炒めにしたり、鍋に入れたりしてお楽しみ下さい。
根から土を落とすために、こんな洗いをしている方もいらっしゃいます!
三つ葉の生食に危険がないかを詳しく調査し、美味しく食べる方法までご紹介してきました。
最後に、三つ葉を買う際には日持ちが短い点にご注意頂きたいと思います。三つ葉をなるべく長持ちさせるための保存方法をご紹介します!
生の三つ葉を長持ちさせる保存方法!冷蔵や冷凍による日持ちはいつまで?
三つ葉を買うときは、茎から葉の先までなるべくハリのあるものを選んで下さい。葉の先が変色していないかなどをチェックして、新鮮なものを手に入れて下さいね!
では、三つ葉の保存方法をご紹介していきます。
冷蔵庫での保存方法
三つ葉を常温保存すると日持ちしないため、必ず低温で保存しましょう!大阪中央卸売市場のホームページによると、三つ葉を保存するのに最適な温度は5℃です!
三つ葉が入っている袋には賞味期限がいつまでかが書かれていませんが、日持ちは冷蔵庫で3日〜最長5日ほどが目安です。
買ってきた三つ葉をその日のうちに使わない場合は、下記の手順で保存します。
三つ葉の風味を長持ちさせるには、乾燥を防いで保存するのがポイントです!
- 三つ葉を袋から出す
- スポンジをカットする
- キッチンペーパーを湿らせて、水気を絞る
- キッチンペーパーをひろげて、三つ葉を包む(三つ葉はなるべく折らないで下さい)
- (4)をビニール袋に入れるorラップに包む
- 冷蔵室で保存
*先程ご紹介した大腸菌・サルモネラ菌を予防するため、野菜室ではなくなるべく低温の冷蔵室で保存して下さい。
冷凍庫での保存方法
三つ葉は生のまま冷凍できますが、実はあまりおすすめしません。
- 茎がかたく筋ばって食べにくくなるから
- 香りが飛んで味が落ちるから
- 解凍時に三つ葉の水分と一緒に栄養も流れ出してしまうから
薬味用など、料理の仕上げにいろどりとして加えるのがおすすめです!
- 三つ葉を軽く洗い、なるべ水気を切る
- 細かくカットする
- ジップロックのような密閉できる保存袋に入れる
- 保存袋の空気を抜いて、しっかり密閉する
- 冷凍庫に入れる
冷凍した三つ葉の日持ちは、2週間ほどが目安です。形がしっかりしている野菜ではないため、冷凍庫内の臭いが移りやすい点にご注意下さい。
汁物や丼物などに使って、美味しいうちに食べきりましょう!
まとめ
三つ葉の生食について、詳しい情報をご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 三つ葉は生食OK
- 三つ葉に大腸菌・サルモネラ菌がついている可能性に注意が必要
- 三つ葉にはβ-カロテンが豊富
- 生の三つ葉はさまざまなレシピに活用できる
- 大腸菌などが心配な場合は加熱して食べるのがおすすめ
- 三つ葉は日持ちしない野菜。冷蔵室か冷凍庫で保存
三つ葉は生食しても大丈夫な野菜でしたが、収穫されてから私達が食べるまでの間に、食中毒菌が付着する可能性があるとわかりました。
私達消費者が収穫〜販売までの経路を、全て管理するのは不可能です。低温保存、洗浄などをしっかり行い、必要に応じて加熱もしながら、安全に三つ葉を食べていきましょう!
三つ葉には各種栄養成分が含まれていますが、他の野菜と比べて特別な健康効果を発揮してくれる成分はありません。
「美味しく食べて、体にも良い」くらいに考えて、独特の風味を純粋に楽しめるといいですね。
今回ご紹介した保存方法なども参考にして頂き、これからも三つ葉を活用して頂けると幸いです!