「フォンドボー(フォンドヴォー)」という言葉は知っているけど、具体的な作り方や使い方はよくわからないという方は多いと思います。
私もその1人なのですが、先日料理上手の友人が、フォンドボーから作ったカレーをごちそうしてくれました。
ルーを使ったカレーとは違う、上品な味わいにびっくり!作り方も聞いてきました。
フォンドボーから作るとまではいきませんが、市販品を活用してさまざまな料理にチャレンジしたいと思っています。
そこで、フォンドボーがどんな材料からできているのか、どんな料理に活用できるのかなどを詳しく調査してみました。
- フォンドボーとは?味の特徴や基本の使い方を紹介
- 市販のおすすめフォンドボーを紹介
- 本格的なフォンドボーの作り方・簡単レシピ(ソースなど)
- 身近にある調味料でも再現できる!フォンドボーの代用品
- フォンドボーが余った!正しい保存方法が知りたい
よくある調味料でフォンドボーを使ったような味を出す方法などもご紹介するので、家庭料理をランクアップさせるヒントがたくさん見つかると思います。
ぜひ最後までチェックしてみて下さい!
目次
フォンドボーとは?その特徴や基本的な使い方、おすすめ市販品を解説!
「フォンドボー(フォンドヴォー)」はフランス語で、「fond de veau」と書きます。
- フォン(fond)・・・出汁
- ド(de)・・・〜の(英語だとfromのニュアンスです)
- ボー(veau)・・・子牛の肉
「フォンドボー」とは、子牛の骨や肉を中心に、いくつかの香味野菜からとった出汁のことです。
フォンドボーはどんな味なの?どんな使い方をするの?
フォンドボーは出汁を煮詰めて凝縮させたものなので、「うま味」を活かした料理を食べ慣れている日本人なら、何となくイメージが湧くのでは無いでしょうか?
- 子牛の骨や肉から出るコクのあるうま味
- 香味野菜(基本は玉ねぎ・人参・セロリ・にんにく)から出るさわやかなうま味
日本料理は定番の「昆布+かつお節」の出汁をベースに、さまざまな料理を作りますよね。
フランス料理の出汁であるフォンドボーも同様で、そのまま食べるのではなく、さまざまな料理のベースにするのが基本的な使い方となります。
- 肉料理のソース
- スープ
- 煮込み料理 など
フォンドボーの栄養価は材料などによって異なりますが、市販品を例にすると以下のようになっていますので参考にしてください。
エネルギー | タンパク質 | 脂質 |
36kcal | 7.6g | 0.0g |
炭水化物 | ナトリウム | 食塩相当量 |
1.5g | 178mg | 0.5g |
便利な市販のフォンドボーを紹介
料理のベースになるフォンドボーですが、手作りするにはとても手間がかかります。
作り方は後ほど「フォンドボーを使ったカレーやソース等の作り方!人気の簡単レシピは?」でご紹介しますが、家庭ではフォンドボーの素となる市販品を使って本格的な味を目指すのが便利です!
市販のフォンドボーはさまざまな形で販売されているのですが、残念ながらスーパーの売り場ではあまり見かけません。
amazonのような通販で買える、値段も手頃なおすすめ商品をいくつかご紹介します。
ハウス食品 フォンドボーペースト
ペースト状の使い切りパックなので必要な分だけ使いやすいですよね。カレーにコクをプラスしたいときにも便利です。
マスコット オーネ フォンドボー
液体状の使い切りパックで化学調味料も使われていません。カルディでも扱っており、肉料理のソースに少し使いたいときにも重宝します。
ハインツ シェフソシエ フォン・ド・ヴォー
缶詰なので賞味期限が長めに設定されています。長期保存しておきたい時に便利ですね。
KWBフーズ 本物のフォンドボーキューブ(無添加)
キューブタイプで冷凍になっているので必要な分だけ取り出しやすくなっています。(以前はクノールでも固形のキューブタイプがありましたが、現在は販売終了しています)
キスコ フォンドヴォー
レトルトパック入りでこちらも長期保存に向いているタイプですね。
真空パックの冷凍タイプもあります。煮込み料理に便利ですね!
S&B フォン・ド・ボーベースフレーク
粉末(フレーク状)のタイプで、カレーの仕上げなどに使う人も多いです。
販売量、形状などが商品によって違いますね!使いたい料理に合わせて、お好みの商品を選んでみて下さい!
*後ほどフォンドボーが無い場合の代用品も「フォンドボーの代用品になるものは?コンソメ等を使うときの注意点」でご紹介するので、参考になさってみて下さいね!
フォンドボーを使ったカレールーもある!
上記で紹介したのはフォンドボーそのものなのですが、フォンドボーが配合されたカレールーもあります。
スーパーのカレールー売り場を見ると、小さな箱でも価格が高い商品です。フォンドボーの効果で、スパイスの風味よりもうま味を感じるルーとなっています。
フォンドボーがどんなものなのかがわかりましたね!次に、フォンドボーの作り方と具体的なレシピもご紹介します。
フォンドボーを使ったカレーやソース等の作り方!人気の簡単レシピは?
時間と手間がかかる料理が出来上がると、感動でおいしさが何倍にもなりますよね。時間のあるときにフォンドボーを手作りしてみたいと思い、本格的な作り方を調査しました。
上手に活用するレシピもご紹介します!
本格的なフォンドボーの作り方
作り手によってレシピがさまざまなのですが、今回はプロのレシピをご紹介します。
材料
分量は1例です。プロの方が作る場合でも人によって・求める味によって分量が全く違うので、参考程度にご覧下さい。
- 子牛の骨つき肉(大腿骨) 1kg
- 牛すじ肉 500g
- 玉ねぎ 3個
- 人参 2個
- セロリ 2本
- にんにく 1株
- トマトペースト 200g
- ブーケガルニ 2パック(パック入りの市販品)
どの材料をどれくらいの分量にするかは、下記も参考にしてみて下さい。
- 肉のうま味を強くしたいなら骨付き肉を多目に
- 肉の臭いに敏感な方ならブーケガルニを多めに
- まろやかさを強くしたいなら牛すじ肉を多目に
- 風味に爽やかさを出したいなら玉ねぎとセロリを多めに
- 舌に残る甘さを出したいなら玉ねぎと人参を多めに など
フォンドボーに使う肉の部位について
今回は値段が手頃な大腿骨と牛すじ肉を使ったレシピをご紹介していますが、実は骨つきのすね肉を使うレシピもあります。
- 骨つきのすね肉:煮込んでそのまま食べられるほどお肉と脂身がついていて、コストが高い
- 大腿骨:大部分が骨なので牛すじ肉も使い、脂から出るコクをプラスしてフォンドボーを作る
どちらを使うかはお好みですが、初めて作る場合は、低コストの大腿骨と牛すじ肉でチャレンジするのがおすすめです。
材料を揃えるポイント
- 子牛の骨つき肉(大腿骨)・牛すじ肉:スーパーなどで見つけるのは難しいと思います。前もって精肉店に注文しておくか、通販で購入しましょう。
- ブーケガルニ:スーパーにも下記のような市販品が売っているので、活用してみて下さい
子牛の大腿骨は、こちらです!
こちらは、すね肉です。
ブーケガルニは、少量から買えます。
作り方
*詳しい動画もご紹介するので、参考程度にご覧下さい。
- 野菜を半分にカットする
- 子牛の骨つき肉を200℃のオーブンで焼き(裏表を返しながら両面しっかり焼く)、鍋に入れる
- オーブンの天板に水を入れて、肉から落ちた油をこそげ取って鍋に入れる
- 牛すじ肉も同様にオーブンで焼き、鍋に入れる
- (3)と同様
- トマト−ペースト以外の野菜も同様にオーブンで焼き(こげない程度に)、鍋に入れる
- 鍋にトマトペーストを入れて全体を混ぜる
- 鍋に全部の材料がひたるくらいの水を入れる
- アクを取りながら1/3ほどの量になるまで煮る
- 丁寧にゆっくりこす
- スープだけを火にかけてアクを取る
- 冷やして出来上がり!
*鍋は寸胴がおすすめです!
底が広い鍋を使う場合は、”スープが蒸発しやすくて何度も足し水が必要”、”スープが煮しずまりやすくて材料が焦げてしまう”点にご注意下さいね。
こちらの動画で本格的な作り方を丁寧に紹介してくれているので、ぜひチェックしてみて下さい。
動画では煮込み時間が6時間くらいですが、8時間~12時間ほど煮込む方もいますのでお好みで調整してください!
フォンドボーをどう使う?人気のレシピを紹介
フォンドボーを使ったレシピで代表的なのは、デミグラスソースです。
そのままメンチカツやコロッケのような揚げ物にかけてもおいしいですし、デミグラスソースから幅広くアレンジもできます!
フォンドボーを使ったデミグラスソースの作り方は、こちらの動画が参考になります。火加減など細かいコツもをわかるので、ぜひチェックしてみて下さい。
デミグラスソースをアレンジするメニュー例は、こちらです。
- ビーフシチュー
- 煮込みハンバーグ
- ハッシュドビーフ
- ハヤシライス など
フォンドボーに手間がかかった分、煮込み系の料理は圧力鍋を使って、時間短縮をしながら作るのがおすすめです!
他にも、フォンドボーをそのまま使って料理をワンランクアップさせられるので、いくつかレシピをご紹介します。
カレー
「デミグラスソースを作るのは面倒」という場合は、フォンドボーをそのまま使うカレーがおすすめです。
スパイスから作っても、ルーを使っても構いません。具材を煮るタイミングでフォンドボーを入れると、簡単に本格的でおいしいカレーが完成しますよ♪
具材を煮るときに加えるメニューとして、他にもミートソースパスタやクリームシチューなどに使えます。
オニオンスープ
あめ色玉ねぎを白ワインで煮詰めて、フォンドボーを入れます。水・塩・こしょう・コンソメで味を整えながら煮て完成です!
スープに焼いたパンとチーズを乗せて焼くと、オニオングラタンスープになりますよ♪
赤ワインソース
ステーキソースなどにすると、本格的なフランス料理の味がお家で楽しめます!
- にんにくと玉ねぎをみじん切りにして、バターで炒める
- 赤ワインを入れて、焦げないように混ぜながら煮詰める
- 赤ワインの半量のフォンドボーを入れて、焦げないように混ぜながら煮る
- フォンドボーが半分くらいになったら、こしてスープだけを取り出す
- スープをトロッとするまで煮る
- バターを入れて混ぜ合わせる
- 塩で味を整えたら完成!
フォンドボーの作り方や具体的なレシピがわかったので、これまでの家庭料理も、幅を広げて料理を楽しめそうですね!
ここで、「作ったり買ったりするまでもないくらい少量だけフォンドボーを使いたいときに、何か良い代用品は無いの?」という疑問もわきました。
次にご紹介します!
フォンドボーの代用品になるものは?コンソメ等を使うときの注意点
フォンドボーは肉と野菜からとった出汁なので、似たような調味料がありそうですよね。そこでフォンドボーの代用になる調味料を調査すると、下記の2つが適していました。
- コンソメ
- ウスターソース
コンソメをフォンドボーの代用にする方法
キューブや顆粒のコンソメを常備しているご家庭は、多いと思います。コンソメはフォンドボーと違って、「料理のベースとなる出汁」ではなく「そのまま飲めるスープ」です。
そのまま飲めるほど味が濃いのですが、肉・野菜からできているものなので、濃度を調整すればフォンドボーの代わりになります!
ブイヨンはフォンドボーの代用にならないの?
コンソメと同じように、キューブや顆粒で販売されているブイヨンですが、実はコンソメとは違うものです。
ブイヨンはフォンドボーと同じく「出汁」で、フォンドボーよりもあっさりした味わいです。
フォンドボーの代用にするには物足りないので、料理のベースとして活用してみて下さい!
ウスターソースをフォンドボーの代用にする方法
ウスターソースは野菜・フルーツ・香辛料を煮詰めたもので味が濃いので、フォンドボーから作るデミグラスソースが無いときに代用品として使うのがおすすめです!
ハンバーグのような肉料理に使うと、肉汁のコクが加わってより本格的な味に近づきますよ♪
お好みで下記のような調味料を加えて、”まろやかさ”など味の幅を出してみて下さい。
- 赤ワイン
- 牛乳
- ケチャップ
- コンソメ
- しょうゆ
- バター
↓↓↓
ソースの日持ちを大解剖!賞味期限切れや開封後はいつまで使える?
いつも本物のフォンドボーを使うのもいいですが、無いときに代用品を使って上手に乗り切るのも知恵ですよね!ぜひ活用してみて下さい。
最後に、手作りや市販品を開封後のフォンドボーを劣化させず、上手に保存する方法も確認しましょう!
フォンドボーの正しい保存方法!冷蔵や冷凍による日持ちも調査
フォンドボーがたくさんあると、一度で使い切れませんよね。上手に保存して、無駄なく使い切っていきましょう!
フォンドボーを冷蔵庫保存すると、日持ちは5日〜1週間ほどです。なるべく長く風味を保ってゆっくりレシピを考えるなら、冷凍保存をおすすめします。
フォンドボーの冷凍保存方法
- (手作りの場合)粗熱をとってから冷蔵庫に入れ、完全に冷やす
- ゼリー状になるので、小分けにしてラップに包む
- ジップロックのような密閉できる保存袋に入れる
- 空気を抜いて密閉し、冷凍庫に入れる
粗熱をとったフォンドボーが冷めたら、製氷皿に入れて冷凍するという手もあります。
完全に凍ったら製氷皿から出し、ジップロックのような保存袋にうつして冷凍すると場所も取りませんね♪
市販のフォンドボーは賞味期限が長い商品もありますが、賞味期限は「未開封で保存方法を守った場合」の期限です。
開封後は賞味期限まで日持ちしませんので、使わない分を早めに冷凍するようおすすめします!
まとめ
フォンドボーの特徴から保存方法まで、家庭で上手に活用する方法をご紹介してきました。ポイントをまとめてみます!
- フォンドボーとは子牛の骨や肉と香味野菜からとった出汁
- 家庭で作る煮込み料理などを本格的な味にできる
- さまざまな市販品があるので用途に応じて好きな商品を選んで活用できる
- 手間と時間をかければ手作りできる
- コンソメかウスターソースで代用できる
- 保存は冷凍がおすすめ
フォンドボーは、子牛の骨や肉と香味野菜を煮込んで作る出汁でした。
本格的なレストランなどと同じように手作りもできますし、時間がない場合は市販のフォンドボーを買ってもOKです。
「市販品はメーカーによって味が違う」という口コミを発見したので、お好みの味に近いものを見つけて活用して頂けると幸いです!
私が作る普段の煮込み料理は、正直「家庭料理ならこんなものかな」というレベルの味でした。
今回はフォンドボーを使ってプロのような味にレベルアップできるとわかったので、まずは市販品の小さなパックから使ってみたいと思います。
ご紹介した情報を、これからの料理に役立ててみて下さい!