【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
子供と一緒にケーキを作って、余った生クリームをコーヒーに入れて夫と楽しむつもりでいましたが・・・。
ついうっかり生クリームを冷蔵庫に入れるのを忘れ、3~4時間も常温放置してしまいました!
この程度の時間で腐るのかわからなかったので、以下の内容について調べてみました!
- 生クリームはど何時間常温保存できるのか
- 保存方法別の日持ち日数や、長持ちする商品をご紹介!
- 腐るとどうなるのか、特徴と見分け方を解説
- 長持ちさせる正しい保存方法とは
生クリームが残ったら、ウィンナーコーヒーにして楽しむ…が、我が家のお決まりのプチ贅沢…。
今日お菓子を作ると知っている夫は、きっと期待して帰ってきます。
大人だし、ちょっとくらい傷んでいても大丈夫かな…なんて気持ちも頭をよぎりましたが、乳製品は日持ちが短く危ないイメージです。
子供の次に(笑)大事な夫がお腹を壊さない為にも、はたまた生クリームを無駄にしない為にも、この機会にしっかり調べることにしました。
さて、生クリームと夫の運命やいかに…!!??最後までお付き合いくださいね♪
管理栄養士・栄養士
目次
生クリームの常温放置は危険なの?何時間まで大丈夫なのか調査!
そもそも、生クリームは常温保存できる食品なのでしょうか?
よく使っている明治乳業やスジャータの生クリームを調べてみると、私がイメージしていた通り「要冷蔵」とされていました。
↓ ↓明治乳業
↓ ↓スジャータ めいらく乳業
どちらも保存方法欄に「要冷蔵(3℃~10℃)」と記載されていますし、発送方法がクール便のものもあります。
しかし残念ながらこれ以上の情報は得られず、何時間なら常温保存可能なのか明確にはわからなかったので、こちらを参考に状態を確認して食べられるのかを自己責任で判断しましょう。
ただ、「3℃~10℃」と書かれているので、たとえ冷蔵庫に入れていなかったとしてもこの気温の中におさまるのなら、大丈夫な可能性がありますよね!
例えば冬なら、室温が5℃の室内に半日や一晩程度放置しても問題なさそうですし、車内であっても、数時間程度なら大丈夫かもしれないと感じますね。
極端なことを言えば、最高気温が氷点下で天然冷蔵庫状態の雪国なら、1週間常温で放置してもまったく問題ないかもしれないわけです!
逆に夏場は、外や車内は30℃を超え、エアコンをつけた室内でも20℃を下回ることはあまりありません。たった3時間程度でも危険に思いますね。
もちろんメーカーは「要冷蔵」とはっきり案内しているので、「冬なら一晩くらい…」と言うのはあくまで目安にすぎません。食べないに越したことはありません。
そしてこの目安も、あくまで未開封の場合に限ります。
開封後は空気中の雑菌が入り込み、腐るリスクは格段に上がります。どのような季節でも、常温放置せずに冷蔵庫に入れましょう。
長持ちさせられる正しい保存方法は最後の章で詳しく解説しますので、少しお待ちくださいね。
季節や気温によって生クリームを常温保存できる時間は異なりますが、本来は「要冷蔵」の食品だと忘れず、しっかり管理するのが一番です!気を付けましょう!
常温保存できる生クリームや冷凍品もある!
生クリームは基本的に要冷蔵の食品だとお伝えしましたが、一方で、ホイップされたスプレータイプなら、常温保存可能なものもあります。
↓ ↓ザーネワンダーホイップクリーム
保存方法には「直射日光を避けた冷暗所」と記載があるので、真夏の窓際は避けなければなりませんが、涼しい季節であれば常温で保存できそうですね♪
ただし、「開封後は冷蔵庫保存(10℃以下)」と書かれており、常温保存できるのは未開封の場合に限ります。
常温保存できるホイップクリームでも、季節を問わず開封後は冷蔵保存しましょう。
逆に、冷凍の生クリームもあるんですよ♪
↓ ↓タカナシ フローズンホイップ
冷凍品はもちろん冷凍庫で保存しますが、解凍の際も「冷蔵庫で」と注意書きされています。
常温で解凍すると急激に溶けて分離してしまうようです。説明をよく読んで正しく使いましょうね。
「溶けた」「泡立たない」など、ホイップクリームの悩みは常温放置が原因!?
私が常温に放置してしまった生クリームですが、きれいにホイップできていたはずなのに、半分ほどアワアワの液体に戻ってしまっています。
調べてみると、ホイップしたクリームは温度が上がると溶けてしまうようです。
そういえば生クリームがのったデコレーションケーキなどは、何時間も持ち歩くのは難しく、1時間や30分の持ち歩き時間でも必ず保冷剤を入れてくれますよね。
それはもちろん生クリームや使われている果物が傷まない為の対処ですが、ホイップクリームが溶けてダレない為の対策でもあるのです。
それでも市販のものは家で手作りしたものと比べると溶けにくいですよね。
溶けない生クリームの中には添加物が含まれている場合もありますが、自宅で作りたければホイップする際に少量のゼラチンを加えると良いそうですよ!
生クリーム200mlに対して3g程度のゼラチンを溶かして加えてください。
ちなみに溶けた生クリームをもう一度泡立てれば復活するかな?と思って試してみたのですが、うまくいきませんでした。
残念ながらホイップクリームが溶けると油分と水分が分離した状態になり、もう泡立たないようです。
これは、冷凍ホイップを常温で解凍してしまった場合も同じです。
また、そのような溶けたホイップクリームではなくても、生クリームの泡立てがうまくいかない場合にも温度が大きく関わっています。
生クリームのパッケージに書かれている泡立て方を見ると、だいたいの場合「氷水にあてて」と書かれているのは、生クリームを常温で泡立てると固まるからです。
固まると言ってもカチコチになるのではなく、ボソボソした食感の美味しくないホイップになってしまうのです。
ボソボソの生クリームも復活させられませんので、泡立てる際の温度にも注意しましょう。
一般的に生クリームは冷蔵庫保存すべき食材であること、開封後は常温保存できないこと、たとえ常温保存可能な商品でも開封後は冷蔵しなければならないことなどがわかりました。
常温保存できないのなら、冷蔵庫で保存すればどれくらい日持ちするのでしょうか?
次の章では生クリームが何日くらい日持ちするのか、保存方法別の目安をご紹介します。保存の際の参考にしてくださいね。
生クリームの日持ちや賞味期限は?常温・冷蔵・冷凍による違いを解説
開封後の生クリームは日持ちせず、常温では1日ももたないと考えましょう。
冷蔵庫に入れたとしても、賞味期限に関わらず早めに使い切らなければなりません。
生クリームの日持ち日数の目安を次の表にまとめてご紹介しますので、ご確認ください。
生クリームの状態や保存方法 | 日持ち日数 | |
生クリーム(開封後) | 冷蔵庫 | 4~5日 |
冷凍庫 | 1ヶ月程度 | |
ホイップした生クリーム | 冷蔵庫 | 2~3日 |
冷凍庫 | 1ヶ月程度 | |
生クリームを挟んだパン(パン屋で購入) | その日のうち | |
カップケーキの上にのったホイップクリーム | 1~2日 |
開封後の生クリームは空気に触れて雑菌が入り込んでいる可能性が高く、冷蔵庫に入れたとしても4~5日で使い切らなければなりません。
ホイップした生クリームは多くの空気を取り込んでいるので、さらに日持ちしませんよ!冷蔵庫でも2~3日が限界だと考えてくださいね。
冷凍庫での保存も可能ですので、2~3日で使い切れるかどうかをすぐに判断して、冷凍すると良いですね♪
おすすめの冷凍方法は「生クリームの正しい保存方法は?長持ちさせるコツも教えます!」の章で解説しますよ。
ホイップクリームをカップケーキやガトーショコラにのせた場合は、他に生のフルーツなどをトッピングしていなければ、1~2日程度なら大丈夫でしょう。
ただ、ホイップクリームを挟んだ菓子パンをパン屋で購入した場合は、その日のうちに食べきることをおすすめします。
パン屋ではほとんどの場合、パン生地も生クリームも添加物を使わずに手作りされています。
そして、ホイップを挟んだパンも常温で陳列されていることが多いですよね。
添加物を使っていないパンは美味しいですし身体にも良いですが、日持ちは短くなりますし、その上常温に置かれる時間が長いとなれば、日持ちが短くなるのも納得です。
買ってきたらすぐに美味しく頂きましょう♪
また、見た目には見えませんが、生チョコには生クリームがたくさん使われています。
その為チョコにしては珍しく「要冷蔵」とされていて、常温に放置すると傷んでしまいます。
チョコレートは常温保存できるものが多く油断しがちなので、注意してくださいね。
フランスでは生クリームも牛乳も常温保存が基本!?
お菓子作りの本場のイメージが強いフランス…実はフランスでは、生クリームも牛乳も常温保存が基本なのです!
日本では乳製品が常温で陳列されているところなんて見たことがないので、想像もできませんね。
でも実際に、フランスでは常温保存できる牛乳や生クリームの方が主流だそうですよ。
フランスは牛乳の消費期限が常温未開封で3ヶ月もあるよ!
冷蔵コーナーにも期限10日くらいのがあります。でもこっちは種類が少ないです。 pic.twitter.com/gYu02yhwll— Furamushi (@FunamushiS) February 9, 2018
賞味期限もとても長いですね!
日本とは殺菌方法などが違うのかな?と思って調べてみましたが、フランスも日本も、超高温瞬間殺菌(UHT殺菌)という同じ方法で殺菌されることが多いようです。
同じ殺菌方法なのに保存方法にも賞味期限にも大きな差があるのが不思議ですが、殺菌時間やパッケージの違いだと考えられます。
開封後の生クリームの日持ちについて、目安の日数をご紹介してきましたが、あくまで目安です。
最終的には生クリームの状態を見て判断するしかありません。
そこで続いては、生クリームが腐るとどうなるのかについてご説明します。
それがわかれば、開封後数日経ったものや、未開封で常温放置してしまったものについても、食べられるかどうか判断できるようになるはずですよ♪
生クリームは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方や目安がコレ!
生クリームは常温ではすぐに痛むうえ、冷蔵庫で保存しても数日しか日持ちしないとわかりました。
しかしそれが何時間なのか何日なのかははっきり決められませんので、最終的には自分で見極めて食べるかどうか判断するしかありません。
腐った生クリームには次のような特徴が現れますので、見極めの参考になさってくださいね。
腐った生クリームの特徴
- 水分が分離したりブツブツしている
- 酸っぱいような異様な臭いがする
- 少し味見してみて酸味や苦みを感じる
- 黄色っぽく変色している
- カビが生えている
- 泡立てると固まる
生クリームが腐ると見た目や味、臭いに変化が現れるのですね。
液体の生クリームも泡立てた後のホイップクリームでも同じような変化が起こりますので、サインを見逃さないようによく確認しましょう!
腐った生クリームを食べてしまったらどうなる?
生クリームが腐っていることに気付かなかったり、「なんだかおかしいな?」と気になりながらも食べてしまった…こんなことも起こるかもしれません。
腐った生クリームを食べると、食中毒症状を起こす可能性があるので注意が必要です!
生クリームなどの乳製品が原因で起こる食中毒の代表的なものは、「黄色ブドウ球菌」によるものです。
症状は吐き気や嘔吐・腹痛や下痢などで、潜伏期間は1~3時間程度と短いのが特徴です。
「少し怪しい」と感じるものを食べた後や、お子様が食べてしまった時は、しばらく体調に変化がないかどうか観察しましょう。
生クリームが腐った時の見分け方をご紹介しましたが、そもそも腐らせずに長持ちさせることが一番ですよね!
最後に、長持ちさせられる正しい保存方法を解説します♪
しっかり読んで、自信をもって生クリームを食べられるようになりましょう!
生クリームの正しい保存方法は?長持ちさせるコツも教えます!
生クリームは基本的に常温保存できません。未開封でも冷蔵庫で保存してくださいね。
その際、冷蔵庫のドアポケットは温度変化や振動が多く、生クリームの劣化や分離の原因となりますので避けましょう。
泡立てた後のホイップクリームを保存する際は、ジップロックコンテナーなどの密閉容器に入れてから密閉袋やラップで包んで保存します。
なるべく空気に触れないようにしましょう。
生クリームは冷凍できる!冷凍方法をご紹介♪
まったくイメージが無かったのですが、生クリームは冷凍できるんです!1ヶ月ほどの日持ちが見込めますよ♪
ただし、冷凍すると水分が分離して食感が大きく変わり、ザラザラとした舌触りになってしまいます。絞ってケーキにデコレーションするような使い方はできないと考えましょう。
加熱すると舌触りが気になりにくいので、シチューに入れたりプリン作りに使うと良いですよ。
冷凍する場合は、凍って溶かして余ってまた凍らせて…とならないように、少量ずつ小分けにすることをおすすめします。
液体の生クリーム、泡立てたホイップクリームそれぞれの冷凍保存方法は次の通りです。
状態 | 保存方法 |
生クリーム | 1.小分けにしてサランラップで包む 2.口を輪ゴムで止める 3.密閉袋に入れて冷凍する |
ホイップクリーム | 1.金属トレイの上に少量ずつ絞るかスプーンですくって落とす 2.トレイにラップをして一旦凍らせる 3.凍ったら1つずつラップで包み、密閉袋に入れて冷凍する |
小分けにして密閉袋に入れると良いのですね。
他にも、製氷皿で小分けにする方法もありますし、一度に使い切る前提でまとまった量を冷凍するならば、密閉容器に入れて冷凍させることも可能です。
用途を考えて、使いやすい形状で冷凍しましょう♪
使う際は凍ったまま加熱調理するか、冷蔵庫で解凍させてくださいね。
番外編!生クリームをバターにして保存しよう!
冷蔵庫や冷凍庫での保存方法はわかりましたが、ここで少し変わった保存方法をご紹介します。
生クリームで手作りバターを作って保存しましょう♪
手作りバターの作り方
- 生クリーム100mlに対して塩を1gを用意する
- 清潔なペットボトルに(1)を入れ、しっかり蓋をして力いっぱい振る
- 水分と脂肪分が分離するまで振り続ける(目安5分)
- 分離した水分を取り除く
牧場などでも「バターの手作り体験」ができるところがありますよね!
多少の力と根気が必要ですが、作り方自体はとっても簡単なので、子供と一緒に楽しめそうです♪
ただし、バターを作れるのは「動物性生クリーム」の場合に限りますのでご注意くださいね。
冷蔵庫で1週間程度、冷凍すると1ヶ月ほどの日持ちが見込めます。
冷凍する場合は生クリームの状態と同様に、小分けにしてラップで包んでから密閉袋に入れて冷蔵庫に入れましょう。
まとめ
生クリームの常温放置は何時間程度なら大丈夫なのかや、日持ち日数、保存方法について解説してきました。
- 生クリームは基本的に要冷蔵で常温保存できない
- 未開封なら冬場に1晩程度なら大丈夫かもしれないが夏場は数時間でも危険
- 開封後は常温保存できず、冷蔵庫での日持ちは4~5日、ホイップ後は1~2日程度
- 常温保存可能な製品でも、開封後は冷蔵庫に入れる
- 生クリームが腐ると、分離・酸っぱい臭いや味・黄色っぽく変色などの変化が起こる
- 黄色ブドウ球菌による食中毒の危険もあるので注意する
- 冷凍保存する際は1回分ずつ小分けにして密閉袋に入れる
- 冷凍すると1ヶ月程日持ちする
調べれば調べるほど、私が放置してしまったホイップクリームが怖く思えてきました。
今のところ見た目や味に変化はないですが、量もそれほど多くないですし食中毒も怖いので、今回は諦めようと思います。
でも、冷凍できるとわかったのはとっても嬉しい収穫です!
次からは小分けにして冷凍すれば、いつでも美味しいウインナーコーヒーが楽しめますね♪
常備するものではないですが、少しあると豊かな気持ちになれる生クリーム…
せっかくなので正しく保存して、最後まで美味しく使い切りましょう!