【監修者:管理栄養士 浜崎保奈美】
私は漬物をあまり食べませんが、夫は大好きです。一応常備しているのですが、1人しか食べないので、残って賞味期限切れになることも…。
「漬物をこれ以上捨てたくない」と考えて、「小分けに冷凍して日持ちを長くし、無駄を出さない」という作戦を思いつきました!
でも、漬物って冷凍できるのでしょうか?解凍したときに歯ごたえや味が落ちるのは嫌ですよね。
漬物の冷凍保存について、下記の項目を徹底調査してみました。
- 漬物は冷凍できるかを種類別に調査!冷凍方法&保存期間も確認
- 漬物本来の賞味期限はいつまで?期限切れ直前の冷凍で日持ちは延びるの?
- 冷凍した漬物の上手な解凍方法が知りたい!電子レンジは使える?
- 食べきれない冷凍漬物のアレンジレシピ
「漬物」と一口に言っても、食材はさまざまです。冷凍できる・できないが分かれそうですよね。
例えば「きゅうり・大根・白菜のような水分が多い食材は冷凍できない」、「野沢菜・高菜のように繊維がしっかりしている食材は冷凍できる」など。
本来の賞味期限もしっかり確認しながら、漬物を冷凍して無駄なく食べ切る方法をご紹介します。
早速ご一緒に確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
漬物は冷凍保存できるか種類別に調査!保存期間はどれくらいまで大丈夫?
漬物は、食材だけではなく漬け方のバリエーションも豊富です。
- 浅漬け
- ぬか漬け
- 粕漬け
- 辛子漬け
- 味噌漬け など
味や食感の好みは人それぞれで、漬物の冷凍についてもさまざまな声がありました。
- 「どんな漬物でも冷凍すると歯ごたえが悪くなる。冷凍はすすめない」(販売店より)
- 「大根・白菜なども冷凍しているけど、”なす”だけは冷凍して失敗したと感じた」(口コミより)
- 「高菜漬けを買ったらすぐに冷凍している」(口コミより) など
実際に漬物を冷凍販売しているお店もあるので、冷凍保存できることは確かです。
ただし、解凍後はお好みによって「思ったような状態にならなかったと感じる可能性もある」と覚えておいて頂けると幸いです。
下記の表に、「冷凍庫で保存可能」と口コミなどから情報があった食材をまとめました!参考になさってみて下さい!
葉物・茎物 | かぶの葉、からし菜、キャベツ、小松菜、酢茎、セロリ、大根葉、高菜、菜の花、野沢菜、白菜、水菜、壬生菜、わさび菜 |
皮 | スイカの皮、大根の皮 |
その他 | 赤かぶ、瓜、オクラ、かぶ、菊芋、きゅうり、ゴーヤ、大根(たくあん)、長芋、なす、水ナス、人参、にんにく、らっきょう |
先ほどご紹介した口コミで”なす”を冷凍して「失敗した」という方がいらっしゃいましたが、他の口コミでは「食感は悪くなるけど食べられる」という声もありました。
最終的にはやはり”好み”になってしまうのですが、「絶対に冷凍しちゃダメ!」という食材はありませんでした。
漬物の冷凍方法
漬物は塩分の影響で食材から水分が出ていますが、”生”の状態に変わりはありません。
冷凍前の美味しさをなるべくキープするポイントは、「密閉」と「なるべく早く凍らせる」ことですよ!
冷凍での保存方法
漬物の状態ごとに下準備をします。
- 【汁気のない漬物】1食分に分けて、ラップに包む
- 【葉物の漬物】水気を軽く絞って、1食分に分けてラップに包む
- 【汁気のある漬物】汁は捨てずに1食分に分ける
下準備が終わったら、下記のとおり保存しましょう!
- ジップロックなど密閉できる保存袋に、平らに入れる
- 空気を抜いて密閉する
- 汁気のある漬物は、さらにタッパーなどの容器に入れると安心
- 平らなまま冷凍庫に入れる
早く凍らせる方が食材が劣化しにくいので、金属製のトレーがあれば活用しましょう!
*後ほど「冷凍した漬物の上手な解凍方法!電子レンジで温めてもいいの?」で解凍方法もご紹介するので、ぜひチェックしてみて下さい。
冷凍した漬物の美味しさがキープできる保存期間とは?
漬物を手作りした場合、日持ちは常温で当日中、冷蔵庫で3日~5日ほどが安心して食べられる期間ですよね。
*基本的には常温保存をしないのがおすすめです。
冷凍庫での保存期間は、2週間~長くて1ヶ月と覚えておきましょう!
1ヶ月を過ぎても腐るわけではありませんが、冷凍しても少しずつ劣化していきます。
- 冷凍焼けで食感が変になる
- 臭いうつりで変な味になる など
常温や冷蔵庫よりは長持ちするので、冷凍日を保存袋にメモするなどして、美味しいうちに食べ切って頂けると幸いです。
冷凍できない漬物はなかったものの、「解凍後の好みは分かれる」とわかりましたね。冷凍は冷蔵庫で保存するよりも長持ちするので、用途に応じて保存場所を選んでみて下さい!
次に、市販品を買う場合の賞味期限も確認しておきたいと思います。賞味期限切れギリギリの漬物を冷凍しても、大丈夫なのでしょうか?
市販の漬物の賞味期限をチェック!期限切れ前は早めの冷凍がおすすめ
手作りの漬物は好みの味に調整できる点が嬉しいのですが、手間と時間がかかります。スーパーなどで買って食べるだけなのは便利ですよね!
市販の漬物は、本来どれくらいの期間食べられるのでしょうか?
冷凍できる漬物を通販でお取り寄せ!本来の賞味期限を要チェック
通販で販売されている漬物を調べてみると、専門店が無数にあります!その中からピックアップして、市販の漬物の賞味期限をご紹介します。
商品名など | 賞味期限 | 引用元 | |
土井志ば漬本舗 赤かぶ漬 |
冷蔵品 | 製造日から10日 | 通販HP |
土井志ば漬本舗 味みぶ菜 |
製造日から12日 | 通販HP | |
土井志ば漬本舗 酢茎(すぐき) |
製造日から125日 | 通販HP | |
山豊 広島菜のしそ漬 |
冷凍食品 | 120日 | 通販HP |
すみと屋 白菜小松菜浅漬け |
12ヶ月 | 公式HP |
市販品は手作りするよりも食べられる期間が長いですね。ここで、下記の点にご注意下さい。
- 賞味期限は「未開封で保存方法を守った場合の美味しく食べられる期間」(農林水産省HPより)
- 開封後や保存方法が間違っている場合は、期限内に腐る可能性がある
商品に書かれている賞味期限と保存方法は、必ずチェックしましょう!
基本的には「美味しさ」がキープされている賞味期限内に食べるのがおすすめですが、期限に関わらず「自分で状態を判断する」と考えておくと、より安全ですね。
漬物が賞味期限切れ間近!冷凍すれば日持ちするの?
賞味期限について調べると、消費者庁などのホームページから「賞味期限は余裕を持って短めに設定されている」ことがわかります。
「賞味期限が過ぎたらいつまで食べられるの?」と疑問ですよね。
賞味期限切れ後の日持ち期間については製造者などから明確な情報が無いので、自分で食べられるかどうかを判断する必要があります。
また市販品が一番美味しいのは買った時点で、未開封でも少しずつ味が落ちていくのが一般的です。
賞味期限ギリギリでも冷凍して日持ちを延ばせる可能性はありますが、食べられないと分かっている分は、早めに冷凍するようおすすめします!
漬物の保存や食べられる期間をご紹介してきました。次に気になるのは、冷凍した漬物をどうやって上手に解凍するかです。
味や食感が悪くならないポイントはあるのでしょうか?
冷凍した漬物の上手な解凍方法!電子レンジで温めてもいいの?
通常の冷凍した食品なら電子レンジで手軽に解凍しますが、生の食材を使った漬物に熱を加えたら、味も食感も変わってしまいそうです。
「電子レンジなど熱を加えて解凍してはダメ!」という情報はありませんでしたが、おすすめしません。
熱を加えるのがNGな理由(電子レンジ・湯煎など)
食材を冷凍すると、含まれている水分が凍ります。解凍すると水分が流れ出してしまうので、食感が元通りにはなりませんよね。
熱を加えると、水分が流れ出す他にも「繊維が壊れる」などで、元に戻すのは不可能です。
漬物の魅力はシャキシャキとした食感なので、食感を守るためには熱を加えないのがベストです!
冷凍した漬物の解凍方法は、下記の3パターンです。
- 保存袋ごとそのまま冷蔵庫にうつして、ゆっくり自然解凍
- 急ぎの場合は、保存袋ごと流水解凍
- 塩気が強い漬物の場合は、漬物を直接水につけて塩抜きをしながら解凍
どの解凍方法も、少し時間がかかりますが簡単ですね。状況に合わせて選んでみて下さい!
漬物の冷凍保存から解凍方法までをご紹介しました。保存方法の幅が広がりましたね!
最後に、冷凍しても食べ切れなかった場合のお助け漬物リメイク法をご紹介します。
冷凍した漬物を簡単リメイク方法は?人気のアレンジレシピを紹介!
「同じ種類の漬物をたくさん冷凍して飽きた」など、漬物をアレンジしたい場面はさまざまです。
漬物が持っている塩気と食感を活用したアレンジレシピをご紹介します。
チャーハン
朝起きて「今日は子どものお弁当日だった!」と焦ることは無いでしょうか?私は過去に何度か経験があります。
そんなときのお助けメニューはチャーハン!おかずが少なくても格好がつくのが嬉しいですね。
前日に残ったご飯・冷凍漬物・卵さえあれば簡単に作れます。汁気が少ない漬物なら流水で半解凍し、カットして炒めてしまいましょう。
サンドイッチ
ツナや卵サラダと解凍した漬物を混ぜ合わせて、パンに挟むだけ!汁気が多い漬物は、よく絞って使いましょう。
マヨネーズ、お味噌、豆板醤などの調味料で、お好みの味を探してみて下さい♪
漬物フライ
汁気が少ない大根・ごぼう・人参などの漬物に向いています。
解凍した漬物の表面の水分をふいて、小麦粉・卵・パン粉の衣をつけて揚げてみて下さい。
上品でさっぱりした、新感覚のフライで美味しいですよ。
漬物はさまざま料理にアレンジ可能ですね!食材の買い忘れがあったら、「冷凍した漬物を代用できない?」と考えてみるとよさそうです!
まとめ
漬物を冷凍して無駄なく食べ切る方法をご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 漬物は冷凍できるが、解凍後の食感については好みが分かれる
- 冷凍した漬物の保存期間は2週間~長くて1ヶ月
- 市販の漬物は手作りよりも食べられる期間が長い
- 市販品を冷凍するときは、賞味期限ギリギリよりも早めがおすすめ
- 漬物の解凍方法は冷蔵庫にうつして自然解凍など、ゆっくり低温で
- 漬物は加熱する料理にも使える。アレンジ方法はたくさんある
漬物は本来冷蔵庫で保存して食べるのが美味しいですが、冷凍してもOKでした。
「食感が変わる」などが原因で冷凍がお好みじゃない方もいらっしゃいますが、冷蔵庫保存よりも長持ちするので、状況に応じて試して頂けると幸いです。
冒頭でお話しした我が家の夫のように、「食卓に漬けものがないと落ち着かない」という漬物ファンは多いと思います。
今回ご紹介したアレンジレシピも参考に、漬物を無駄なく・美味しく食べていきましょう!