先日、冷蔵庫の奥から開封後のジャムを発見しましたが、ラベルが破れてしまっていて賞味期限がわかりません。
不安だけれど食べられるのであれば食べたいと思い、ジャムの賞味期限について調べてみたので、わかったことを次のような項目でご紹介します!
- 市販と手作りのジャムは賞味期限がどのくらい?
- 賞味期限切れのジャムはいつまで食べられる?未開封と開封後の違い
- 腐った時の見分け方
- 日持ちさせるための保存方法(瓶以外の保存方法や冷凍方法)
市販品のジャムも買いますが、我が家は庭にジューンベリーという木を植えていて、毎年ジャムを作ります。
その時に私が実行している手作りジャムを日持ちさせるコツをご紹介し、ずっと気になっていた冷凍できるかどうかについても調べましたので、あわせてご説明しますね!
ジャムは一回で使い切るものではありませんし、毎日同じものを使うよりいろいろな種類を楽しみたい方も多いのではないでしょうか。
この記事を通して、市販品も手作りも、未開封も開封後も、ジャムを最後までおいしく楽しんでいただけるようになれば嬉しいです!
目次
ジャムの賞味期限はどれくらい?市販品や手作りの日持ち一覧
ジャムにはさまざまな種類がありますが、メーカーによって賞味期限に差はあるのでしょうか?
もし差がある場合、何が原因なのでしょうか?
また、手作りしたジャムには、もちろん賞味期限なんて記載されていませんので自分で見極めるしかないわけですが、どの程度を目安に考えておけばよいのでしょうか?
この章では市販のジャム、手作りのジャムの賞味期限についてご紹介していきますので、ご覧ください♪
市販のジャムの賞味期限
市販のジャムの場合、賞味期限の差がわかれば、「とにかく賞味期限が長いものが欲しいときにはこのメーカーのジャム!」など、購入の際の決め手の一つにできるかもしれませんよね。
まずは人気の高い商品をピックアップして、メーカー別の賞味期限を一覧表でご紹介しますので参考になさってください。
メーカー名 | 賞味期限目安 | 引用元 |
沢屋(和栗ジャム) | 製造日より9ヶ月 | 公式サイトより |
三宅商店(苺×オレンジ) | 製造日より6ヶ月 | 公式サイトより |
みすず飴(三宝柑生ジャム) | 製造日より7日(消費期限) | 公式サイトより |
千疋屋 | 約6ヶ月 | 公式サイトより |
サンクゼール | 製造日より540日 | 販売サイトより |
サラベス | 18ヶ月 | 販売サイトより |
アヲハタ | 12ヶ月 | 公式サイトより |
チップトリー | 36ヶ月 | 販売サイトより |
ソントン | 製造日より240日 | 公式サイトより |
フォション(ミルクジャム&マロンジャム) | 製造日より720日 | 販売サイトより |
同じメーカーでもジャムの種類によって賞味期限が異なる場合があるので、この一覧表ではより短いものをご紹介しています。
- 三宅商店:定番のいちごやりんごに加え、キウイ・いちじく・あたご梨などのラインナップがあるが、それらの賞味期限は製造日から8ヶ月
- 千疋屋:3個セットの場合約6ヶ月としか記載されていないので、個別ではもっと長いものもあるのかもしれない
- アヲハタ:どの種類でも瓶に入ったものは12ヶ月だが、一回使い切りポーションタイプは10ヶ月
千疋屋には金柑やゆずなど、ちょっと珍しいものもあってどんな味か気になりますね♪
一番長いチップトリーでは36ヶ月…つまり3年も日持ちします。
その他三宅商店や千疋屋が6ヶ月、沢屋が9ヶ月、それ以外が1年以上…と、やはりジャムはなかなか日持ちするな、という印象です。
そんな中、軍を抜いて短いのはみすず飴の7日!しかも消費期限!
食品が食べられるかどうかの基準には、「おいしく」食べられる期限をあらわす「賞味期限」と、「安全に」食べられる期限をあらわす「消費期限」があり、一般的に日持ちするものには「賞味期限」が表示されています。
みすず飴の生ジャムには、賞味期限ではなく消費期限が記載されているので、7日を過ぎるとおいしくなくなるのではなく、「食べてはいけなくなる」のです。
なぜこんなにも短いのでしょうか?
それにはジャムの糖度が大きく関係しているのです!
ジャムの日持ちと糖度の関係
一般的に、糖度が高い食品は腐りにくいです。これはジャムに限ったことではありません。
糖度が高いと腐りにくくなるのには、次のような理由があります。
- 食品が腐敗するのは雑菌やカビが繁殖することが原因
- 雑菌やカビは水分がなければ生きられないものが多い
- 糖度が高いと浸透圧によって食品内の水分が砂糖に置き換えられ、雑菌やカビが生きるための水分が不足する
- その結果、糖度が高い食品は腐敗が進みにくい
糖度が高い食品の中では、雑菌やカビが脱水症状になるわけですね!
これらのことを踏まえて、実は「日本ジャム工業組合」では糖度と容器別にジャムの賞味期限のガイドラインを設定しています。
容器・糖度 | 賞味期限 |
瓶詰(高糖度:糖度65%以上、中糖度:糖度55%以上65%未満) | 2年以内 |
瓶詰(低糖度:糖度45%以上55%未満) | 18ヶ月以内 |
紙カップ | 1年以内 |
ポーションパック | 6ヶ月以内 |
小袋入り | 6ヶ月以内 |
缶詰 | 3年以内 |
市販されている商品の賞味期限がどのような決め方をされているかはさまざまですが、このガイドラインをもとに各メーカーが研究開発を行って、期限を設定しているというわけです。
みすず飴の生ジャムは、素材の味わいを引き出すために、「低糖度」で作られています。
さらに、低糖度で日持ちを追求するなら必要になる、高温での加熱殺菌も極力行われていません。
生のフルーツの味わいを残すことにこだわった結果、これほどまでに消費期限が短いジャムに仕上がっているのです。
みすず飴の生ジャムに限らず、「砂糖不使用」であったり、「無添加」であるジャムは日持ちが短くなりますので、一つの目安にできますね。
自家製ジャムの賞味期限
私は庭木のジューンベリーくらいしか経験がありませんが、友人に何でもかんでもジャムにしてしまう、ジャムづくりの名人がいます。
秋には柿ジャムを作っていましたし、バナナなんかもジャムにできるそうで、「熟しすぎたバナナはジャムにするのが一番!」と言っていました。
別の方ですが、バナナジャムを作られていますね。
自家製の手作りジャムも、市販のジャムと同じように糖度を高くすると長く日持ちします。
でも手作りの場合は、殺菌が不十分であったり不純物が混じる可能性がメーカーよりは高くなりますので、市販よりは少し短く、日持ちは3ヶ月~半年程度と考えておくのが妥当と言われています。
それでも、少しでも長持ちさせるためにはいくつかのコツがあります!
ジャム作り名人の友人から教えてもらったコツも合わせてお伝えしますね♪
手作りジャムを日持ちさせるコツ
- 調理器具を煮沸消毒する
- 砂糖を果物の50%以上使用する。(糖度を高くする)
- 保存する瓶を蓋までしっかり煮沸消毒する
- 瓶にジャムを入れた後、脱気する
脱気方法
- 煮沸消毒した瓶の90%~95%まで、熱いジャムを詰める
- 蓋を緩めに閉め、瓶の2/3ほどの高さのお湯で30分程度煮沸する
- やけどに気を付けて取り出し、蓋をきつく締める
脱気をしておくと、瓶の中に空気がなくなり、雑菌やカビが酸欠状態で増殖できなくなり、腐りにくいのです!
この方法でうまく保存ができれば、手作りでも1年以上日持ちする場合もありますので、ジャムを手作りされた場合は是非試してみてくださいね。
市販や手作りのジャムの賞味期限についてはわかりましたが、その賞味期限が切れてしまった場合はジャムはどうなるのでしょうか?もう食べられないのでしょうか?
続いては、賞味期限切れのジャムはいつまで食べられるのかを解説します。
お読みいただいて、食べられるものを捨ててしまったり、食べられないものを食べたりせずに済むようになってくださいね。
ジャムが賞味期限切れになった!いつまでなら食べても大丈夫?
市販のジャムの賞味期限の章でも少しご説明しましたが、食品の加工品には「おいしく」食べられる期限の「賞味期限」と、「安全に」食べられる期限の「消費期限」があります。
一般的に日持ちする加工品であるジャムには「賞味期限」が記載されていることがほとんどです。
消費期限切れの食品は品質が劣化し、安全が保障されませんので食べられませんが、賞味期限は「食べられる」という点では少し余裕のある期限となっています。
その為、賞味期限が切れているからと言って、すぐに食べられなくなるわけではありません。
実際に、賞味期限の検査を行っている日本食品機能分析研究所では、賞味期限検査を行う際、メーカーが記載したいと考えている期限の1.2~1.5倍の期間、品質が保持されているかどうかを確認されています。
例えばサンクゼールのジャムの場合、
540日×1.2=648日
540日×1.5=810日
商品ラベルには製造から1年半後の賞味期限が記載されていますが、実際には半年ほど長く2年程度の期間、品質の保持が確認されていると考えることができるのです。
糖度が高く、元々賞味期限が長いものであれば、計算上1年ほど過ぎても問題ない場合もありますね。
2年賞味期限切れしているジャムを使った方もおられます…
賞味期限が2年切れたジャム(未開封)と賞味期限が4ヵ月切れたバター(未開封)と賞味期限が4日切れた卵でパウンドケーキ作った!(^o^) めっちゃ美味しく出来た〜(^o^) 明日まで置いた方が美味しいのにいっぱい食べてしまう(^-^; pic.twitter.com/Euhh8hyBUx
— 大庭ベス (@beth0929) 2016年11月28日
パウンドケーキに加工されていますが、 「めっちゃ美味しくできた」そうです。
極端な例かもしれませんが、正しく保存されていれば2年賞味期限を過ぎていても、健康被害なく食べられる場合もあるのですね。
そうかと思えば、残念ながら健康被害があったケースもあるようです。
体調不良の原因が発覚! 昨日食べたジャムの賞味期限が2年前の今日だった( ̄□ ̄;)!!
— ふぁんと (@phant06) 2011年9月12日
賞味期限切れのジャムを食べる場合、自己責任になりますので、よく考えなければなりませんね。
また、もう一点注意しなければならないのは、記載されている賞味期限は「未開封で、書かれている通りに正しく保存した場合の期限」ですので、開封後もその期限が保証されているわけではないという事です。
開封後は外から雑菌やカビが入り込んでいる可能性もありますので、腐ってしまう可能性も高くなります。
保存状態にもよりますが、例えば沢屋やアヲハタでは「開栓後の賞味期限目安は約2週間」としていますし、特に明言していなメーカーでも「お早めに」とされています。
開封済みのジャムは正しく保存し、2週間~長くても1ヶ月程度を目安に食べきるほうが良いのではないでしょうか。
未開封で賞味期限切れのジャムや、開封後で少し日数が経ったジャムが食べられるかどうかは自己判断になりますね。
どのような状態だと食べられないジャムなのでしょうか?
次の章ではジャムが腐ってしまった場合の特徴をご紹介しますので、見分けが来るようになっていただけますよ!
ジャムは腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
賞味期限内であっても開封後のものや、仮に未開封であったとしても保存状態が書かれている通りでなかった場合、絶対に腐っていないと言い切ることができません。
食べられるかどうかは、自分で判断するしかないのです。
ジャムが食べられるかどうか、腐っているかどうかは、見た目や臭い・味を参考にして見極めることになります。
以下にジャムが腐るとどうなるのか、腐った時の特徴を記載しますので、見極めるポイントになさってください。
腐ったジャムの特徴
- 水が分離している
- 変色している
- カビが生えている
- カビ臭さや腐敗臭がする
- 甘みがなくなり、苦みを感じる
味を確かめるのは勇気がいりますが、その前に分離やカビなど、見た目でもかなり判断ができますね。
開封後など、少し怪しい条件のジャムを食べる時には、まずしっかり状態を見るようにしましょう。
特に、開封してから常温で放置していると腐りやすいので注意が必要です。
仮に冷蔵庫に入れていたとしても、冷蔵庫内で結露が発生し、その水分を糧にしてカビが繁殖する場合があります。
それでは、どのような保存の仕方をすればジャムを長持ちさせることができるのでしょうか。
最後に詳しい保存方法をご紹介しますので、これでジャムをおいしく保てるようになっていただけますよ♪
ジャムの正しい保存方法!長く日持ちさせるためのコツは?
正しく保存することは、長く保存することにつながりますよね♪
市販のジャム、手作りのジャムそれぞれの正しい保存方法と日持ちさせるコツをご紹介しますので、参考になさってくださいね。
市販のジャムの正しい保存方法
まず基本は、市販の場合ならジャムに記載されている方法で保存することです。
一般的に多いのは
- 未開封の場合:常温保存
- 開封後:冷蔵庫で保存
というものです。
開封後は冷蔵庫で保存するのが一般的なのですが、先ほどの章でも少しご紹介したように、結露が発生する場合があります。
ジャムの日持ちと糖度の関係の章でご説明した通り、水分はカビや雑菌の繁殖に必要不可欠ですから、結露や外からの水分の侵入はカビの繁殖を促進してしまいますね。
外から水分が侵入するのを防ぐためには、清潔なスプーンを使うこともとても重要です!
まして、口にくわえたスプーンには水分の他、たくさんの雑菌も付着しています。
そのスプーンをジャムに付けると、ジャムの中に雑菌を入れてしまうことになりますので、絶対に避けましょうね。
また、雑菌やカビには温度が高いと繁殖しやすいものが多いので、常温で長い時間放置せずに、使った後はすぐに冷蔵庫に入れましょう。
手作りジャムの正しい保存方法
手作りジャムを保存するときのポイントは、自家製ジャムの賞味期限の章でもご紹介した通り、
- 保存用の瓶を蓋までしっかり煮沸消毒する
- 脱気する
という事です。
でも、「瓶がない」「煮沸消毒するのが面倒」なんて方もいらっしゃることでしょう。
瓶がなければ密閉できる保存容器など、瓶以外の容器で代用することも可能です。
ただし、消毒して脱気した瓶ほどの保存性はありませんので、1週間程度で使い切ることをおすすめします。
ジャムを冷凍で保存する方法
市販のジャムは開封したら早めに使い切らなければなりませんし、手作りジャムはもっと心配です。
でも、そんなに早く使い切れない…と悩む方もいらっしゃるでしょう。
その場合、ジャムは冷凍することができます!
しかも糖度が高いジャムは、凍ってもカチコチにならないので、使う15分~20分前に取り出せばちょうどよく使うことができます。
ただし、冷凍した瓶を何度も出し入れして温度の変化があると、結露が発生してしまいます。
それを避けたい場合や、手作りジャムを保存する瓶がない場合には、1回分ずつ小分けにして冷凍するのもおすすめです。
ジャムを小分けで冷凍する方法
- 1回分ずつラップで包む
- ラップに包んだものをジップロックなどの密閉袋に入れて冷凍する
2重にすることで臭い移りなどを防ぐことができますので、必ず2重にしましょう。
まとめ
ジャムの賞味期限や腐った場合の見分け方、正しい保存方法について解説してきました。
- ジャムの賞味期限には糖度が大きく関係する
- 日本ジャム工業組合では糖度別に賞味期限のガイドラインを設定している
- 市販のジャムは長いものでは3年日持ちする
- 手作りジャムも糖度を高くすると日持ちする
- 未開封なら賞味期限を過ぎてもしばらく食べられる
- 開封後は期限に関わらず早めに使い切る
- ジャムが腐っているかどうかは見た目や臭い・味で判断する
- 開封後のジャムは冷蔵庫で保存する
- ジャムは冷凍保存も可能
未開封のジャムは賞味期限を少し過ぎても食べることができそうですが、保証もされませんのでよく見て判断する必要がありますね。
でも、ジャムは冷凍できることがわかりましたし、「使い切れないから…」と、今まで躊躇していた新しい味にもチャレンジできそうです。
お休みの日の朝ごはんに、色とりどりのジャムが並ぶなんて、素敵ですね♪
たくさんのジャムを正しく楽しむには、新しいスプーンを使うか、使う分だけ別の容器に取り分けて、使った後は小分けにして冷凍するのが最強ではないでしょうか!