【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
我が家ではハヤシライスをよく作り置きして2~3日かけて食べているので、日持ちするものだと思っていました。
でも、ママ友の中には「常温で放置してたらすぐに腐って日持ちしなかった」という人も…。
私は基本的になんでも冷蔵庫に入れて保存するので、ハヤシライスを腐らせたことはありませんが、実際ハヤシライスはどれくらい日持ちするのかなど以下の項目について調べてみました。
- ハヤシライスの日持ち期間を保存方法別でご紹介
- ハヤシライスが腐った時の特徴
- ハヤシライスは冷凍すると日持ちする?
- 余ったハヤシライスを使った絶品レシピをご紹介
多くの食品について共通しているのですが、一般的には夏場と冬場でも日持ち期間が異なる場合が多いので、手作りのハヤシライスに関しても保存方法などに気を付けなければいけません。
その一方で、レトルトのハヤシライスなんかは結構日持ちしそうですよね?
それぞれどれくらい日持ちするのか、どのようなことに気を付けなければいけないのかなど、詳しい情報を盛りだくさんでお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは、さっそく見ていきましょう。
管理栄養士・栄養士
目次
ハヤシライスの日持ち期間は冷蔵庫や常温でどれくらい?
我が家ではハヤシライスを2~3日程度で食べきっていますが、この期間が長いという人もいれば短いという人もいるでしょう。
では、そもそもハヤシライスはどれくらい日持ちする食べ物なのでしょうか?
常温保存や冷蔵庫など保存状態によってどれだけ違うのか調べてみました。
手作りハヤシライスの日持ち日数
ハヤシライスの日持ち期間は、保存方法、手作りかレトルトかによっても異なります。
このような様々なハヤシライスの日持ち期間を調べてみましたので、以下で確認していきましょう。
保存方法 | 日持ち日数 | 注意点 |
常温 | 翌日まで | ・冬場など室温が高くない場合はOK ・夏場や梅雨の時期など、室温や湿度が高くなる場合は注意 ・夜作りおきしたものが翌朝には腐るという場合もある |
冷蔵 | 3日程度 | 手作りの場合は冷蔵庫で保存するのがオススメ |
冷凍 | 1ヶ月程度 | じゃがいもやにんじんは入れない方が良い |
ちなみに、ファミリーマートの「赤ワインが決めて!ハヤシライス」は、消費期限が約1日で冷蔵保存するように表示されています。
手作りのハヤシライスの賞味期限は上記のようになりますが、手作りの場合は材料によっても日持ち期間が異なるので注意が必要です。
ハヤシライスの材料に注意!
あなたは手作りのハヤシライスにどのような食材を入れていますか?
きのこや牛肉、玉ねぎなどが一般的ですが、鶏肉を入れたり生クリームを入れてまろやかにするレシピもありますよね。
ただ、ハヤシライスを作る際に注意していただきたいのが、材料によっては日持ち期間が短くなってしまう場合もあるんです。
基本的に肉を入れることで入っていない状態よりは傷みやすくなりますし、保存方法に気を付けなければウェルシュ菌などが繁殖する危険性もあります。
また、生クリームを入れて作ったハヤシライスも傷みやすいので、冷蔵庫で保存した場合でも2日以内には食べきるようにしましょう。
次は、ハヤシライスの固形ルーやレトルトの日持ち日数についてご紹介しますね。
ハヤシライスの固形ルーやレトルトの賞味期限はどれくらい?
ハヤシライスの固形ルーやレトルトには賞味期限が記載されていますよね?
一般的にはどれくらい日持ちするのか…気になったので調べてみました!
メーカー名 | 商品名 | 賞味期限 |
ハウス食品 | 完熟トマトのハヤシライスソース | 1年半 |
S&B | ゴールデンハヤシライスソース | |
とろけるハヤシ | ||
とろけるハヤシフレーク | 540日 |
上記の賞味期限は開封前に限った期限なので、開封後はこの期限まで日持ちしません。
トレー開封後は密封容器に入れ、冷蔵保存すると3ヶ月は保存可能です。
メーカー名 | 商品名 | 賞味期限 |
ハウス食品 | 完熟トマトのハヤシライスソース | 1年半 |
カリー屋ハヤシ | ||
明治 | 銀座カリー 銀座ハヤシ | 2年 |
固形ルーやレトルトの賞味期限は上記のようになりましたが、賞味期限が長い分うっかり賞味期限切れにしてしまうこともありますよね?
では、万が一賞味期限切れになってしまった場合は食べれらないのでしょうか?
賞味期限切れの固形ルーやレトルトは食べられる?
一般的に食品には「賞味期限」か「消費期限」が記載されていますよね。
ハヤシライスの固形ルーやレトルトにも賞味期限が記載されていました。
こちらでは「賞味期限切れのハヤシライスの固形ルーやレトルトは食べられるのか」という内容をご紹介していくのですが、その前に知っておいていただきたいことがあります。
それは、「賞味期限」と「消費期限」の違いです。
- 賞味期限:食品を美味しく食べられる期限であり、ある程度の余裕をもって設定されている
- 消費期限:食品が劣化せず安全に食べられる期限であり、だいたい5日以内程度で悪くなってしまうものに付けられる
つまり、ハヤシライスの固形ルーやレトルトは賞味期限切れになってもすぐに食べられなくなるわけではないんですよね。
ただ、賞味期限切れからどれくらいの余裕があるのかはわかりませんので、目安を把握できる計算式を覚えておくと便利です。
賞味期限は上記のような計算式で決められています。
この式で用いられる可食期間とは、人体に害を及ぼすことなく安全に食べられる期間を指しています。
これに安全係数という「0.7~0.9」の数字をかければ、賞味期限が求められるのです。
と、文章で説明していてもわかりにくいので、一つ例を挙げてみますね。
例)可食期間が20日の食品
賞味期限=20×0.8=16日間
この場合、可食期間は20日間ですが安全係数を用いることで、実際に食べられる期間より4日間短い期限が賞味期限として付けられます。
この4日間が先ほど賞味期限の意味をご紹介した際に出てきた「ある程度の余裕」です。
*ここでは一般的に多く用いられる安全係数0.8を使いましたが、実際どの数値が用いられているのかはわかりません。
逆に言えば、賞味期限の期間さえわかれば可食期間が導き出せるので、固形ルーやレトルトが賞味期限切れになってもいつまで食べられるのかがわかりますよ!
例)ハウス食品 完熟トマトのハヤシライスソース 1年半(約540日)
賞味期限=可食期間×安全係数
540=可食期間×0.8
可食期間 ⇒ 540 ÷ 0.8 = 675日間
675-540=135日
この商品の場合は、賞味期限切れから135日間は食べられるという計算になります。
ただし、どの安全係数が用いられているのかはわかりませんので、気を付けましょう。
ちなみに、コンビニなどで販売されているお弁当系のハヤシライスには「消費期限」が記載されいてます。
消費期限切れのものは安全性が保証されませんので、食べないほうが良いでしょう。
ハヤシライスの日持ち期間については以上となりますが、手作りのハヤシライスを何日間かに分けて食べる場合は念のため、食べられるかチェックした方が安心です。
そこで次項では、ハヤシライスが傷んだ時の見分け方をご紹介していきます。
ハヤシライスは腐るとどうなるか?傷んだ時の見分け方がコレ!
前項で手作りのハヤシライスの保存方法や日持ち期間をご紹介しましたが、必ずしもその期間まで安全かというとそうではありません。
季節によって気温や湿度が異なりますし、冷蔵庫に保存したとしても菌が入り込んだ状態であれば早めに傷むこともあるんです。
腐っているかどうかは自己判断するしかありませんが、その判断基準として参考になるものを以下でご紹介していきますね。
ハヤシライスが腐るとこんな特徴が…!?
ハヤシライスが腐っているかどうかは、見た目や臭い、味で判断できます。
- 少し味見をした段階で普通とは違う味がする
- 酸っぱい味がする
- カビが生えている
- 糸を引いている
- 異臭がする
- 菌が繁殖する場合もある
以上のような異変があれば、腐っている可能性が高いので食べずに捨てたほうが良いでしょう。
ハヤシライスを常温放置すると発生する菌
カレーやハヤシライスといった、まさに作りおきにうってつけの煮込み料理に増えやすい菌として有名なのがウェルシュ菌です。
ウェルシュ菌は熱に強く、無味無臭という特徴もあるため、「気づかずに食べてしまって食中毒に…」なんてこともあります。
ですので、ハヤシライスを手作りした場合は保存方法に十分気を付けましょう(※後ほど詳しく紹介します)。
また、チルド食品のハヤシソースを常温保存していたところ、ボツリヌス菌が発生して食中毒を引き起こした事例もあります。
冷蔵保存しなければいけないチルド食品を、常温保存できるレトルト食品と間違えてしまい、てっきり常温保存できるものだと思いこんで発生した事例です。
最近はチルド食品のハヤシソースは販売されていないようですが、保存方法を間違えると食中毒が発生するリスクがある点を覚えておくことが大事ですね!
私は過去にハヤシライスではないのですが、カレーを腐らせた経験があります。
夏一歩手前の時期で部屋の温度もそんなに高くなかったので、朝作った鍋のまま常温で放置していたのですが…出かけて帰ってきた夜には異臭が…。
異臭以外にも明らかに見た目がいつものカレーとは異なりました。
おそらく、暑くはなかったものの雨で湿度が高くなっていたのが原因と思われます。
ハヤシライスやカレーなどは、部屋の温度や湿度が高い状態で常温保存してくとすぐに腐ります。
特に梅雨の時期や夏場などは、冷蔵庫に入れるか冷凍しちゃいましょう。
ただ、冷凍すれば腐ることはありませんが、冷凍焼けして美味しくなくなる場合もありますので、前項でご紹介したように1ヶ月くらいで食べきるようにしてください。
ハヤシライスはお弁当に持っていける?
腐るといえば、夏場のお弁当!
夏場はどんなお弁当でも腐らせないようにするのに一苦労ですよね~。
しかし、朝時間がなくて「昨晩残ったハヤシライスをお弁当に入れたい!!」なんてこともありませんか?
普通に持っていけば腐るのは目に見えていますが…。
実は、保存方法によってはお弁当にハヤシライスを持参できるんです!!
スープなどを熱々の状態で持っていける「スープジャー」があると便利です。
ハヤシライスのルーをスープジャーに、ご飯も保温機能の付いたランチジャーに入れれば夏場でも腐ることなくお弁当の時間に食べられます。
ただし、どちらも熱々の状態にするのがポイントです!
ランチジャーがない場合は、ご飯をしっかり冷ましてから蓋をするようにしてくださいね。
さて、ハヤシライスを腐らせないようにするためにも正しい保存方法を実践する必要があります。
しかし、実際正しい保存方法と聞いてピンときますか?
そこで、次項ではハヤシライスの正しい保存方法や冷凍方法をご紹介していきます。
ハヤシライスの正しい保存方法!冷凍ならいつまで日持ちするの?
ハヤシライスを日持ちさせるためには、まずは正しく保存する必要があります。
ただ、この正しい保存方法というのを知らない人も多いんですよね。
せっかく作ったハヤシライスを無駄にしないためにも、こちらで正しい保存方法を確認していきましょう。
手作りハヤシライスを冷蔵・冷凍保存するコツ
夏や冬に関係なく、残った手作りのハヤシライスは冷蔵庫で保存しましょう。
ただし、ただ冷蔵庫に入れれば良いわけではありません。
いくつかポイントがありますので、正しい方法をご紹介します。
ハヤシライスを保存するポイント
- 温かいものは常温まで冷やす
- 小分けして密閉し冷蔵庫に入れる
- 食べる分だけ清潔な調理器具で取り出し温める
- 日持ちさせたい場合は生クリームや牛乳といった傷みやすいものは入れない
- 水分の多い野菜やじゃがいもは入れないでおくと日持ちする
毎日鍋ごと温めるという方法もあったのですが、それだと雑菌が増える危険性があるようなので、食べる分だけ取り出して温める方法をオススメします。
ハヤシライスなどの煮込み料理に発生しやすいウェルシュ菌は、加熱には強いですが酸素が少ないと大量発生するので、喫食の際には良くかきまぜて容器全体に空気を加えるのがポイントです。
密封容器やジップロックを使って、食べられる分ずつ小分けして保存すると良いでしょう。
保存方法 | ポイント |
密閉できる容器 | ラップを敷いてから入れると容器への色移りを防げる |
ジップロック | できる限り中の空気を抜く |
もし、2~3日かけても食べきれないようであれば、冷凍したほうが良いでしょう。
ハヤシライスも冷凍すれば1ヶ月程度は日持ちするので、食べきれない時は腐らせる前に冷凍しちゃいましょう。
解凍する際は、どちらも凍ったハヤシライスのみを取り出してお皿に乗せ、レンジで温めてください。
これで、ハヤシライスを日持ちさせられますね!
ただ、何日もハヤシライスを食べていると飽きてきませんか?
そういう時は、リメイクして美味しく食べましょう!
次項では、ハヤシライスの残りのリメイクレシピをご紹介していきます。
残ったハヤシライスを簡単リメイク!絶品のアレンジレシピを紹介!
ハヤシライスを数日かけて食べ続けるのは、結構辛くないですか?
私はカレーを3日連続で食べたときは、かなり飽きてきました。
そんな時にオススメなのが…アレンジレシピです!
こちらでは、我が家で作るアレンジレシピも含めていくつかレシピをご紹介していきますね。
ハヤシライスをアレンジしよう!
「飽きてきた」「冷凍すると食べずに忘れてしまいそう」…このような不安がある方におすすめなのが、アレンジです。
下記のレシピを参考に美味しくアレンジしてみてください!
ドリア風
- 耐熱皿にご飯を入れ、その上にハヤシライスをかける
- 1の上にホワイトソースをかけてチーズをのせる
- 2をオーブントースターに入れてチーズに軽く焦げ目がつくまで焼く
こちらのレシピは我が家の定番アレンジです。
ホワイトソースは牛乳、小麦粉、マーガリン、コンソメ、塩コショウがあれば簡単に作れるので、家にあるものでできちゃいます♪
パスタ
ハヤシライスをご飯ではなく、パスタの上にかけて食べるのも我が家の定番アレンジレシピです!
茹でたてのパスタにハヤシライスをかけるだけなので、とっても簡単ですよ。
オムライス
ご家庭で良く作るオムライスの上にハヤシライスの残りをかけるだけで、レストランで食べるようなゴージャスなオムライスに大変身!
ライスコロッケ
ハヤシライスとご飯を混ぜて丸め、あとはコロッケを作る手順と同様です!
小麦粉→卵→パン粉の順で衣をつけて、油で揚げればハヤシライスコロッケの出来上がり~♪
こんな風に、ハヤシライスは様々な形でアレンジできるので、ハヤシライスに飽きたときはぜひアレンジレシピを真似してみてくださいね!
まとめ
最後にハヤシライスの日持ちについて重要事項を確認しておきましょう。
- 手作りハヤシライスの日持ちは常温で翌日、冷蔵で3日程度、冷凍で1ヶ月
- ハヤシライスの固形ルーは、未開封で1年半程度日持ちする
- レトルトのハヤシライスは1年半~2年程度日持ちする
- 腐ると見た目や臭い、味で見分けられる
- ハヤシソースは小分けして密封し冷蔵・冷凍保存すると日持ちする
- ハヤシライスの味に飽きたら様々な形でアレンジできる
ハヤシライスは手作りだと、常温で翌日までしか日持ちしないので、なるべく冷蔵や冷凍で保存しましょう。
また、作り置きして数日間経過した場合は、見た目や臭い、味をみて腐っていないかどうかを判断してください。
特に、湿度が上がる梅雨の時期や部屋の温度が上がる夏場は常温放置すると、作った翌日には腐ってしまう場合もありますので注意が必要です。
我が家でハヤシライスが残った場合冷凍することも多いのですが、冷凍したこと自体忘れてしまうことが多々あります。
そうならないためにも、冷蔵保存できる期間で色々なアレンジをして食べきるようにしていますよ!
あなたもハヤシライスを作った時は今回の内容を参考にして、無駄にしないようにしてくださいね。