せっかくの休みの日に新幹線を利用して、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)へ行く計画を立てていたのに、天気予報は雨の予報で降水量10mmとのことでした。
すでに新幹線の切符は手配済み、USJの入場チケットも購入済みなので雨予報でも行こうと思っていますが、降水量10mmなら傘やレインコート、レインブーツなどが必要なレベルなのか等の目安がわかれば、バッチリ雨対策の準備を整えて楽しめそうですよね。
そこで今回は、以下の項目について調べてみました。
- 降水量10mmとはどれくらいの雨なのか
- 降水量の定義と体感レベル
- 電車や新幹線は運休するのか
- 警報や注意報はいつ出るのか
- ゴルフや釣りなど各種イベントは開催できるのか
国内旅行や海外旅行の前に天気予報で「降水量は10mm」と言われたら、新幹線や空港までの交通機関などの運休、自分の車の運転の安全性なども心配ですよね。
ここでは、降水量10mmの動画や、警報と移動手段である電車の運休の可能性についても掘り下げますので、ぜひお出かけの際の目安に役立ててくださいね。
目次
降水量10mmで雨の強さと体感はどれくらい?大雨警報や注意報はいつ出る?
天気予報で「降水量」という言葉をよく耳にしますが、そもそも降水量とはどのようにして測るのか、体感的のどのくらいの強さなのか、警報や注意報が出るレベルなのかを掘り下げてみます。
降水量とは、「雨、氷を含み大気から地表に降った水の量」のことで、気象台の雨量計やアメダスなどで観測・計測されるのですが、定義としては「観測時間1時間において、雨がどこにも流れず平らな場所にそのまま溜まった状態の水の深さ」のことです。
降水量を示す単位の読み方は「ミリメートル」、書く時は「mm/h」と表示します。
では、降水量10mm/hとはどのくらいの雨が降る状況なのか、計算式を用いて報詳しく確認してみましょう。
降水量10mmの定義とは?何リットルの雨が降るの?
降水量の測り方は1時間における平らな場所に溜まった水の深さですので、家の軒下にコップを置いたり、庭に置いたバケツでも判断できます。
例えば、降水量10mm/hの場合は1時間で10mmの雨水が溜まるので、1m四方の箱にはどのくらいの水が溜まるのか計算する場合は以下のようになります。
【単位をcmに換算】
100cm × 100cm × 1.0cm = 10,000cm3(立方センチメートル)⇒ 10L
つまり、1m×1mの箱には1時間で10L(リットル)、30分では5Lもの雨量となります。
降水量10mm/hの場合、どのくらいの量の雨に人が濡れるかということをイメージするために、50cm四方の大きさに人が立っていると考えましょう。
50cm× 50cm × 1.0cm = 2,500cm3(立方センチメートル)⇒ 2.5L
つまり、1時間外に立っていたら2.5Lの水を頭からかぶる感じですね。
常識的に考えて、そんな雨の中1時間も突っ立ていることが考えにくいので、5分として計算してみましょう。
2.5L ÷ 60分 × 5分 = 約0.208L(約200cc)
5分間で牛乳瓶一本分の水を頭から浴びた感じです。
降水量10mm/hの雨の時に傘はささない場合は、ずぶ濡れになるというより、歩いて3分のコンビニですら、「冗談じゃない」というほどの土砂降りです。
家の中にいても、雨の音が響いて、「うわー降ってんなー」と思わず外を確認したくなるほどの雨です。
降水量10mm/hの雨の中にいたら、話し声などは聞き取れないレベルです。
降水量別の雨の強さや体感を知ることで、ニュースや天気予報でアナウンスされる「降水量」から、その日や週末の予定などに向けて適切な対策ができるようになります。
傘の有無、雨具の必要性といった濡れないようにする対策から、自転車や車の運転など安全性の確保にも繋がりますね。
気象庁によって設定された「予報用語」を交えながら動画によって雨の強さをみてみましょう。
動画で見る雨の強さ
ニュースなどで、雨の状態を表す言葉で「やや強い雨」「激しい雨」「非常に激しい雨」などを耳にしたことがある人は少なくないかと思います。
これは気象庁によって雨量よって設定された「予報用語」です。
降水量 | 予報用語 | 人の受けるイメージ・影響 |
10〜20mm | やや強い雨 | ザーザーと降っていて足元も濡れる |
20〜30mm | 強い雨 | 土砂降りで傘をさしても濡れる |
30〜50mm | 激しい雨 | バケツをひっくり返したような雨 |
50〜80mm | 非常に激しい雨 | 滝のように降る状態で傘は意味がない |
80mm〜 | 猛烈な雨 | 恐怖に襲われる |
その雨量・予報用語ごとに、日本気象協会がまとめたYouTube動画があります。
雨の強さの参考となりますので、ぜひご覧ください。
10mm ~ 20mm/h 未満「やや強い雨」
雨の勢いもあるため、地面から雨が跳ね返ります。
雨水でズボンの裾が汚れてしまうこともありますが、傘だけでも大丈夫な雨量です。
20mm ~ 30mm/h 未満「強い雨」
どしゃ降りと表現されるくらい強い雨です。
傘を使っていても濡れてしまうかもしれないほどの雨です。
天気予報で降水量が10mmから20mm程度の予報なら傘を持っていけば大丈夫そうですが、20mm以上になると傘だけでは濡れる可能性があるのでレインコートなども用意すると安心ですね。
降水量10mm/hの予想で警報は出るの?
降水量10mm/h程度の雨では通常なら大雨注意報や警報は出されません。
地域によって異なる場合もありますが、ここでは山形地方気象台を例に大雨警報や注意報が発表される目安を紹介します。
予想される1時間雨量 | 予想される3時間雨量 | |
大雨注意報 | 30mm以上 | 50mm以上 |
洪水注意報 | 30mm以上/ 総雨量平地60mm・山地90mm以上 |
50mm以上 |
大雨・洪水警報 | 50mm以上/ 総雨量120mm |
70mm以上 |
ちなみに、最大級の警戒を呼びかける「特別警報」は、大雨、地震、津波、高潮による数十年に一度の大災害・重大な危険が襲いかかってきている状況です。
10mm程度の雨では警報は出ないものの、その後急激に大雨が降ったことにより、注意報が出されることもあります。
地盤がゆるい地域やこれまでの降水量が多かった地域は注意報が出される前から警戒し、気象庁からの発表を定期的にチェックしましょう
気象庁は大雨などでは、いきなり「特別警報」を発表するわけでなく、段階的に注意報、警報などを発表します。
注意報が出されたら、テレビ・ラジオ・ネットなどに更新される情報をこまめに注意し、身の安全を確保しましょう。
次章では、降水量10mmの時に車を運転する場合や、電車の運休状況について詳しく紹介します!
降水量10mmでの車を運転する際の注意点とは?電車は運休する?
降水量10mm/hは、比較的強い雨ですので、雨音で話し声が聞こえづらくなり、 地面には水たまりができます。
ザーザーと降る感じで、地面からの跳ね返りで足元も濡れますので、長靴などを履いた方が良いです。
自転車の場合はスリップなどの危険性が高まるのですが、自動車の運転ではどうでしょうか?
降水量10mm/hの時の運転
視界が悪くなるので、自動車の運転をする際は、スピードを抑える、車間距離をいつもより意識して開けるなどの注意が必要です。
地面一面に水たまりができるものの、運転への大きな支障はさほどありません。
しかし、注意をしすぎて悪いことはありません。
道路状況によっては、前の車や横の車の水しぶきで視界が妨げられることもあります。
タイヤと道路の間に水の層が厚くできてしまうと、車はスリップしやすい状態に陥ります。
スピードを落とし、車間距離を空けることは重大な事故を避けるために不可欠です。
雨のためにブレーキの効きが悪くなっている危険性があるため、急ブレーキによる停止も好ましくありません。
停止するときは、数回にわけてブレーキを踏むなどして、ゆっくり段階的に速度を落としましょう。
降水量7mmで大雨注意報の中、運転している画像もありますので、参考にして下さいね。
ちなみに、ワイパーを最速としても前が見えなくなるのは、降水量20mm/h以上の場合です。
降水量30mm/h以上では、高速走行時に車輪と路面の間に水膜が生じるハイドロプレーニング現象が起きてブレーキが効かなくなります。
運転は控えるべきですが、もしも運転する場合は相当スピードを落とす必要があります。
降水量50mm/h以上の運転は危険ですのでやめましょう。
では、公共の交通機関はどうでしょうか?
降水量10mm/hで電車は麻痺してしまうのでしょうか?
降水量10mm/hにおける電車の運休
毎日の通勤においても雨による運休は気になりますが、旅行やレジャープランを計画していると雨天における電車の運休状態も気になりますよね。
駅に着いてから、「激しい雨天のため運休」などと言われてしまいますと、相当混雑してそうでウンザリしそうです。。。
雨天によって運休する規制値を最初に知っていることで、混雑を避けることができるかもしれません。
規定値は設定している電鉄と、特に設定をしていないところもあります。
鉄道会社名 | 運休となる規制値 |
JR東日本 | 土砂災害に関連性の高い実行雨量(※1)で判断 |
小田急電鉄 | 時間雨量(※2)で40mm以上、連続降雨量(※3)で300mm以上 |
東武鉄道 | 1時間に40mm、12時間で300mmの降雨量 |
西武鉄道 | 高麗~西武秩父駅間:降雨量が毎時30mm その他:一時的な降雨量毎時40mmあるいは継続降雨量250mm |
京成電鉄 | 1時間に30mmで時速35km以下の速度制限 |
京浜急行電鉄 | 時間雨量で40mm以上、連続降雨量で300mm以上 |
※1・実効雨量
当日の降雨量と過去の雨量を考慮にいれた数値や、地盤に含む水分を目安とした基準値です。
線路やその周辺の地質、地形などをデータとして取り入れ、土砂災害との関連性を考察したものです。
※2・時間雨量
1分毎に収集した1分間積算雨量をベースに1時間の積算値を求めます。正時にリセットされます。
※3・連続降雨量
連続降雨量は累積雨量とも呼ばれます。雨が降り始めた時刻〜降り止んだ時刻までの累積雨量です。
降り始めは、雨量が0.0〜0.5mm以上となった時とし、降り終わりは累積雨量がない時間が6時間を超えた場合、連続雨量はリセットとなります。
ちなみに、東海道新幹線では基準は以下の通りです。
過去1時間降雨量累計50mm以上 | 最高速度70km/hに制限 |
連続降雨が250mm以上かつ10分間雨量2mm以上 | 最高速度70km/hに制限 |
過去1時間降雨量累計60mm以上 | 運転見合わせ |
連続降雨量300mm以上かつ10分間雨量2mm以上 | 運転見合わせ |
連続降雨量150mm以上かつ時雨量40mm以上 | 運転見合わせ |
新幹線が走行するルートによって、規制値は大きく左右されます。
海沿いを走る新幹線は風に弱いのが特徴で、内陸を走る九州、東北、上越、長野新幹線などは天候変化に強いという特徴があるようです。
新幹線名 | 規制値 |
東北・上越・長野新幹線 | 50mm/h以上で時速70kmに速度制限・運休想定なし |
山陽新幹線 | 55mm/h以上で運転休止 |
九州新幹線 | 100mm/h以上で運転休止 |
降水量10mm/hはでは、歩く、自転車に乗る、スポーツをするといった場合、結構な妨げとなるようですが、車の運転や電車には大きな影響はないことがわかりました。
実際、降水量10mm/hで運休を見合わせる鉄道会社はありません。
では最後に、降水量10mm/hと予報が出ている時に各種イベントは開催できるのか、遊園地などでも遊べるのかについて詳しく紹介します。
降水量10mmはどれくらい?ゴルフや釣りなどはできるの?
天気予報では降水量10mm/hと言っているのでイベントを開催できるのか判断が微妙……運動会、ゴルフといったイベントや、サッカーやテニスといったスポーツは中止せざるを得ないものもあるようです。
降水量10mm/hの状況下におけるイベント決行・中止情報をイメージしやすいように、次章では写真を交えて詳しく説明します。
降水量10mm/hで各種イベントは中止になる?
上述の通り、10mm/hは、1m×1mの箱に1時間で10Lの水が溜まる勢いの雨です。
このような大粒雨の状態では、ゴルフなどはプレイに大きな影響を及ぼすします。
このような状態でゴルフを続行される方は、よほどのゴルフ愛好家ですね。
釣りなどは、足元をさらわれて危険ですので、防寒着を着て、雨具対策バッチリだから大丈夫などというレベルではないので、やめましょう。
キャンプなども、河川敷では水かさが急激に上がることもあるので大変危険です。
たとえ、川が少し離れていた場所であっても、楽しむどころではないでしょう。
テニスコートも水が溜まって、ボールも見えにくく、また、バウンスしないため、試合はできません。
プロ野球や甲子園においては、「○○以上の雨であるなら中止」といった決まりや判断基準はありません。
テレビで放映される人気のプロ野球の試合などは雨天でも続行されるなど、スポンサーやテレビ局の意向などにも大きく左右されます。
運動会やマラソンなども主催者側の決断によりますが、ボーダーラインが降水量3mm程度ですので中止になる可能性が高いです。
サッカーなども、競技規則に置いて雨が降った際の規定はありません。
選手や観戦者などの安全を確保や競技を続行する上で支障がないかが決めてとなります。
雷は中止となり、台風、大雪、大雨などでボールを通常通り動かせない場合や、ラインがよく判別できないといった場合は、競技は中止されます。
台風や大雨の影響による公共の交通機関の運休によって、延期される場合もあります。
過去のJリーグの試合の中止では、台風による強風が要因であることが多く、砂嵐などで中止になったこともあります。
しかし、多くの人が、雨でも続行されるスポーツに、サッカー、アメリカンフットボール、ラグビーといった競技を思いつくかと思います。
雨で中止となってしまうスポーツは、野球やテニスなどが思い浮かぶのではないでしょうか?
この悪天候によるスポーツ中止の有無は「ボールの大きさ」によります。
サッカー、アメリカンフットボール、ラグビーで使用するボールは、野球やテニスで使用されるボールと比べると大きいため、悪天候時でもボールを認識できるため、試合が続行されるわけです。
天候によってスポーツを中止にするかどうかは、「競技が成り立つかどうか」が大きなポイント・判断材料になるわけですね。
このように降水量10mm/hにおいて、釣り・キャンプ・運動会などのイベントは中止すべき、あるいは中止される可能性が高く、スポーツは競技によって違うことがわかりました。
私もUSJに行く予定があったのでかなり迷ったのですが、雨でもディズニーランドの全アトラクション制覇に挑むチャレンジャーもいたのでなんとかなりそうかなと思いました。
ただし、遊園地では雨の影響でアトラクションが中止される場合もあるので事前に確認した方が良さそうですね。
では、日常生活においてはどうでしょうか?
かなり大粒の雨ですので、自転車などはレインコートと着て、長靴を履くなど万全にしても、濡れる可能性は非常に高いです。
スリップもしやすく、視界もかなり悪いので危険度は増しますので、できれば自転車の運転は避けましょう。
どうしても運転する場合は、大きいつばがついた「超大きいサイズのレインポンチョ 」などを利用すると良いでしょう。
お出かけには、リュックを背負ったまま着れる袖付きの「軽量防水ポンチョ」などがおすすめです。
まとめ
降水量10mmに関して調査したことをまとめます。
- 降水量とは「雨・氷など大気から地表に降った水の量」のこと
- 降水量10mm/hは平らな場所に1時間で10mmの雨水が溜まる状態
- 10mm程度の雨では警報は出ないが総雨量によって出る場合がある
- ゴルフ、釣り、キャンプなどは中止した方が良い
- テニス、草野球はまともなプレイはできない
- 運動会は中止になる可能性が高い
- マラソン、プロ野球などは主催者側の意向によって中止か決行か決まる
- サッカーなどの試合は続行されることが多い
- 自転車の運転は危ないが車の運転はあまり支障ない
- 公共交通機関は基本的に運休にならない
降水量10mmの時の雨の降り方いかがでしたでしょうか?
結構な雨だということがお分かりいただけたかと思います。
基本的に多くのイベントは中止した方がいい、あるいは中止される可能性が高いようですね。
とはいえ、降水量10mm程度の雨では公共交通機関が運休になることはないようです。
今回は、降水量の測り方や、降水量10mmのことを中心に降水量別の体感イメージや対処方法などもまとめました。
さらに、どの程度の雨量で、公共交通機関が運休となるかの調査結果もありますので、今後の雨対策に活用していただければと思います。