【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
味噌汁を作り過ぎてしまったとき、どうやって保存していますか?
「日持ちしないんだよな。」と思いながらも、面倒くさがりの私は放置。
冬なら1日後に見て、「食べられそう、ラッキー!」
夏なら半日くらいで、「味噌汁の鍋付近からモアっとした臭いがする…腐ってる!」
こんなことを繰り返していました。
そんな私にも、子どもが大きくなるにつれて節約意識が芽生えてきました。
「せっかく作った味噌汁を、無駄に捨てるのは避けたい!」
ということで、改めて味噌汁の日持ちや保存方法を詳しく調べてみたいと思います。
- 手作り味噌汁の日持ちを具材別に紹介。即席、インスタントの賞味期限も徹底調査
- 味噌汁が腐るとどうなる?食中毒や味噌汁の爆発にも要注意!
- 味噌汁の保存は冷蔵庫?常温?味噌汁の日持ちをのばす保存方法
- 味噌汁は冷凍できる?
- 毎日手作り味噌汁を食べたい!おすすめの作り置きアイディア
味噌汁に使う”味噌”は、腐りにくい食品のはずです。
味噌汁にしたとたんに、日持ちしなくなるのはなぜなのでしょうか?
味噌汁が腐る原因や腐った状態、腐りにくい作り置きの方法なども交えて、ご一緒に疑問を解消していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
味噌汁の日持ちは常温や冷蔵で何日?具材別に徹底調査!
私はいつも、「味噌汁おかわり!」の声を期待して多めに作ってしまいます。
困るのは、予期せず余ってしまったとき…。
味の劣化が激しい具材などもありますよね。
手作り味噌汁の具材別に、日持ちの短い順にご紹介します。
具 | 常温 | 冷蔵庫 |
なめこ | 冬:作ってすぐ 夏:作ってすぐ |
作ってすぐ |
ほうれん草 | 作ってすぐ | |
もやし | 当日中 | |
しじみやあさり | 1日 | |
卵 | 1日 | |
わかめ | 冬:1日 夏:数時間 |
1~2日 |
豆腐 | 1~2日 | |
さつまいも | 1~2日 | |
しめじやえのき | 2~3日 | |
大根 | 2~3日 | |
白菜 | 2~3日 | |
魚 | 2~3日 | |
~番外編~ 市販の味噌汁 |
||
商品 | 賞味期限 | |
インスタント アマノフーズ・フリーズドライ |
常温:1年 | |
即席 永谷園・料亭の味 |
約5ヶ月 | |
即席 永谷園・粉末タイプ |
約1年 |
具材ごとに日持ちをご紹介しました。
季節による常温での日持ちについては、春や秋の季節の変わり目に突然やって来る暑い日にもご注意下さいね。
ここで、熱々の味噌汁がお好きな方にご紹介したいことがあります。
【味噌汁は再加熱で味が落ちる!その理由】
味噌汁は、高温にすると下記の変化が起こります。
- 旨みの成分が死んでしまう
- 香りが飛んでしまう
その結果、ふんわりと漂う味噌の香りがなくなり、香りも味も酸味を感じるようになります。
熱々の味噌汁がお好きな方は、やはり作り立てが美味しいです。
作り置きの場合は味噌を入れずに仕上げて保存し、食べる直前に味噌を入れると美味しく食べられますよ!
味噌汁の日持ちが短い理由は、やはり腐りやすいからです。
味噌汁が腐るとどうなるのかを、具体的に確認しておきましょう!
味噌汁は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方
”ちょっと古い気がするけど、温めれば大丈夫かな?”なんていう風に、食べてしまうことってないでしょうか?
実は味噌汁には、危険な食中毒の可能性もあるんです!
腐った状態を確認してから、どんな食中毒の菌が潜んでいるかをご紹介します。
味噌汁が腐った状態を紹介
腐ったかどうかの見分け方を知り、厳しく判断してみて下さい。
見た目
- 白い膜が貼っている
- カビ
- 汁に粘り気がある
- ドロドロ
臭い
- 納豆のような臭い
- モアっと胸焼けするような臭い
- 酸っぱい臭い
味
- ねばねばした食感
- 酸っぱい
- 気持ち悪い味
- 納豆のような味
味噌汁が腐ったら、臭いと見た目がわかりやすい判断の目安になります。
味噌汁が原因の食中毒に要注意
作り置きした味噌汁が腐る理由として可能性が高いのは、ウエルシュ菌の繁殖です。
ウエルシュ菌とは?
自然界のどこにでもいる菌で、野菜、肉、魚など、どの食材にもつく可能性があります。
ウエルシュ菌は酸素がないところを好み、高い温度(100℃で6時間以上)加熱しても死滅しません。
ウエルシュ菌が繁殖した食品を食べた場合、6~18時間くらいで腹痛、下痢などの症状が出ます。
食中毒の中では軽い症状(数回の下痢)などでおさまるのが特徴です。
ウエルシュ菌の予防法
ウエルシュ菌は死滅させにくい菌なので、増やさないのが肝心です。
- なるべく早く低温にする(ゆっくり冷ますと増殖の可能性あり)
- 再加熱するときは、味噌汁をよく混ぜる(汁の中心を無酸素にすると増殖の可能性あり)
- 10℃以下で動きが弱まり、-15℃以下で活動できなくなるので、低温で保存する
特に肉が原因となることが多くて、シチュー、カレー、豚汁などで食中毒の事例が多くあります。
大なべ料理をするときは、十分に気をつけましょう!
ウエルシュ菌の予防とも深く関係する保存方法について、次にご紹介します。
味噌汁の正しい保存方法とは?冷凍してもいいの?
味噌汁を作り置きするなら、常温に放置しないのが、日持ちさせる最大のポイントになります。
味噌汁をすぐに腐らせない保存方法
ウエルシュ菌の予防法にもあったように、なるべく早く冷やすのが大切です。
- タッパーなどに小分けにして、冷蔵庫に入れられる温度まで下げる
- 冷蔵庫に入れる
- 食べる分だけ出して、食べない分はまたすぐに冷蔵庫に入れる
- 食べる分だけを再加熱する
*冷蔵庫に入れられる温度は、50℃ほどです。
熱いうちに冷蔵庫に入れると、他の食品に熱が伝わって劣化させる原因となります。
*先ほどもお話ししたとおり、作り置きの分は味噌を入れずに仕上げておいてもOKです。
口コミでは、”夏に味噌汁を作って1時間で腐った”という実体験がありました。
でき立ての味噌汁をお椀に取り分けたら、残りはすぐに冷まし始めると安心ですね。
我が家はリビングとキッチンが一体になっていて、年中20度以上の温度です。
冬でも味噌汁を多く作ったら、放置しない方が安全だとわかりました。
味噌汁は冷凍可能!
味噌汁は、冷凍も可能です!
冷凍方法は、1食分ずつタッパーやジップつきの保存袋に入れるだけ。
とても簡単です。
ただし、冷凍に向かない具材があることにご注意下さい。
-
- じゃがいも・・・ぼそぼその食感になります
- こんにゃく・・・ゴムのように変化して食べられません
-
- 豆腐・・・かたくなります
具材の多い味噌汁の場合は、冷凍にご注意下さい。
豚汁についても、詳しい情報をご紹介しています!
↓↓↓
豚汁の日持ちは冷蔵庫や常温で何日?腐ったときの見分け方も解説!
味噌汁を再加熱するときは爆発に要注意!
”味噌汁が爆発した”という話を聞いたことはないでしょうか?
”爆発”とまではいかなくても、味噌汁の鍋を火にかけてしばらくしてから
「ボコッ!」という音に驚いた経験がある方は、多いと思います。
原因
味噌汁を保存すると、2層になりますよね。【上澄みが透明・その下が味噌の色】
さらにその下・鍋や保存容器の底には、出汁や糀の細かいカスが沈殿して、フタがされた状態になっています。
そのまま熱するとフタの内側の部分だけが急激に暑くなって飛び出し、爆発する可能性があります。
味噌汁の爆発を防ぐために、下記の2点を守って下さいね。
- 冷蔵庫で保存していた場合・・・全体を混ぜてから加熱する
- 冷凍庫で保存していた場合・・・冷蔵庫にうつして、一度自然解凍してから全体を混ぜ、加熱する
しつこいようですが、爆発を防ぐためにも、味噌の風味を楽しむためにも、やはり味噌を入れずに仕上げて保存するのがおすすめです。
最後に、味噌汁をもっと簡単に楽しめるアイディアをご紹介します。
作り立ての美味しい味噌汁を簡単に!とっておきの作り置き方法を紹介!
味噌汁を作り置きしておく方法をご紹介してきましたが、”作りたてが安全で美味しい”と改めてわかりました。
作り置きして手間を省く以外に、もっと簡単に味噌汁を楽しめる方法はないのでしょうか?
調査すると、是非ご紹介したとっておきのアイディアを発見しました。
ご紹介します!
味噌玉
お椀一杯分の味噌汁に含まれている味噌は、約大さじ1です。
【顆粒だし、少量のかつおぶし、具を一緒に詰めて、ラップに包んで丸めたものが味噌玉】です。
冷蔵庫で1週間、冷凍で1ヶ月日持ちします。
味噌玉を作るポイントは、すぐに火が通る具を入れることだけ!
View this post on Instagram
食べるときにお湯を注ぐだけで、とっても簡単です。
出汁は水出し!作り置き&冷凍可能
出汁にこだわりたい方に、ぜひお試し頂きたいアイディアです。
麦茶をつくるような容器(ピッチャー)で、水出しの出汁を作れます!
- ピッチャーに水を入れる
- 昆布、かつおぶし、煮干しなどお好みの出汁素材を入れる
- 冷蔵庫に1晩置く
- 翌日、出汁素材を取り除く
- 出汁の出来上がり
View this post on Instagram
冷蔵庫で2日、冷凍で1ヶ月保存可能です。
味噌汁に1回使う分ずつ冷凍すると便利です。
他にも、100円ショップで売っている製氷容器に入れて小分けで冷凍しておくと、ドレッシングなどにも重宝しますよ♪
味噌汁の具を大量に下処理&冷凍しておく
時間があるときに味噌汁の具になる食材を下処理(カット、加熱)して冷凍すると、味噌汁を作る手間が大幅に省けます。
先ほどもご紹介したように、冷凍に向かない食材にご注意下さいね。
味噌汁用に冷凍する野菜の例
- にんじん、ごぼう、玉ねぎのような根菜類は、冷凍しても食感が変わりにくいので便利
- 葉ものはカットして生のまま冷凍すると、味噌汁に入れてすぐに火が通るので便利 など
煮物や副菜の具としても使えますので、味噌汁以外の料理の手間も大幅にカットしちゃいましょう!
まとめ
味噌汁の日持ちについて、詳しくご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 味噌汁は具材によって日持ちが変わる。基本的には日持ちしない
- 味噌汁を常温で保存すると、日持ちは作ってすぐ~1日
- 味噌汁を冷蔵庫で保存すると、日持ちは作ってすぐ~2日
- 味噌汁が腐ると、臭いと見た目が変化するのでわかりやすい
- 味噌汁の中で増殖するウエルシュ菌に要注意
- 味噌汁はなるべく早く冷まして低温で保存するのがベスト
- 味噌汁は冷凍可能(冷凍に向かない具材があることに注意)
- 味噌汁を再加熱するときは、全体をよく混ぜる
- 味噌汁を簡単に作れる、味噌玉などのアイディアがある
味噌汁の栄養効果をご存知の方は多いと思います。
味噌に含まれるたんぱく質、ミネラルなど、数え切れませんよね。
他にも具材を茹でこぼすと水に溶けだしてしまう成分も、味噌汁では汁と一緒に摂取可能です!
腹持ちが良いので、味噌汁を食べただけで無駄な間食をせずに済み、ダイエットにも効果的ですよ。
年中冷え性の私は、生姜のみじん切りを冷凍しておいて、味噌汁に入れ続けていました。
今では足先まで冷えを感じることはなくなりました。
味噌汁は、私たち日本人にとって一番身近な食品です。
今回ご紹介した保存方法などを参考にしながら、体調に合わせた味噌汁を食べて、元気に過ごして頂けると幸いです。