私が住んでいる宮城県の郷土食で、”芋煮”という名前の、里芋の入った豚汁があります。
年中豚汁を食べる人もいて、私もその一人です。
室温によって日持ちが左右される豚汁は、大量に作った場合の保存を間違うと、1日も経たずに腐ってしまいます。
知り合ったばかりの転勤族の方から、宮城県独自の豚汁を教えてほしいと言われたので、
季節ごとの日持ちや保存方法について、皆様にも情報を紹介させて頂きたいと思います!
ぜひ最後までチェックなさってみて下さい。
- 手作り豚汁の日持ちを、春・夏・秋・冬それぞれの季節ごとにご紹介
- 市販の豚汁の賞味期限を調査!賞味期限切れでも食べられる?
- 豚汁は腐るとどうなる?
- 豚汁の保存は常温ではなく低温で!冷蔵庫や冷凍での正しい保存方法
豚汁は具が多いので、少しだけ作るのは難しいです。
私が長年豚汁を作り続けてきた経験から、なるべく日持ちさせる保存方法には、ちょっとしたコツがあります。
大量の豚汁を美味しく食べきる方法も交えてご紹介していきます!
目次
手作り豚汁の日持ちは冷蔵庫や常温で何日?季節による違いに注意!
豚汁の日持ちが何日なのかを、季節ごとにご紹介します。
季節 | 常温での日持ち | 冷蔵庫での日持ち |
春 | 1~2日 | 5日 |
夏 | 当日 | 3日 |
秋 | 1日~2日 | 3~5日 |
冬 | 2~3日 | 5日 |
私が年中豚汁を作っている経験から、オールシーズン冷蔵庫で保存し、食べる分だけ小鍋に分けて温めるのがおすすめです。
*保存方法については、後ほどご紹介します。
豚汁の中で冷凍できないこんにゃくなどの具も、しっかりお伝えしますね。
食べる分だけ温める理由
- お味噌は、何度も温めると風味が落ちて酸味が出てくる
- じゃがいも、里芋、もやしなど、具に火が入り過ぎて美味しくなくなる
上記の表でご紹介したように豚汁が日持ちしない主な原因は、豚肉と味噌です。
豚肉
豚肉から出る脂の劣化が、豚汁全体も劣化させます。
また、豚肉はスーパーなどに並んでいる時点で”食べるのに調度よく熟成された状態”です。
豚肉を買って冷蔵庫で数日保存すると劣化が進みますので、その豚肉を使った豚汁も腐りやすくなります。
味噌
料理に使う前の味噌の中には、熱に強い腐敗菌(納豆菌の仲間)が潜んでいます。
加熱前の腐敗菌は、乳酸菌やアルコールの影響で活発に活動できません。
豚汁にするために加熱すると、乳酸菌の力が弱まる&アルコールが飛んで、たちまち腐敗菌が活発になります。
夏場にキッチンの温度が高くなるご家庭では、日持ちどころか数時間で腐る場合もあります。
十分にご注意下さい。
豆知識:豚汁とけんちん汁が似ている!違いは何?
大きな違いは、豚肉を入れるかどうかです。
けんちん汁の元は精進料理ですので、豚肉以外にも動物性のものは入れないのが基本です。
ちなみに、けんちん汁を作るときにゴマ油で具を炒めるため、油の酸化で日持ちしません。
豚汁と同じくらいの日持ちと考えて頂いてOKです。
手作りの豚汁が日持ちしないことがわかりました。
では、市販の豚汁はどうなのでしょうか?
賞味期限を調べてみます!
市販の豚汁の賞味期限はどのくらい?期限切れを食べても大丈夫?
簡単に食べられる市販の豚汁は、手作りよりも日持ちするのでしょうか?
市販の豚汁の賞味期限をご紹介
コンビニのチルド豚汁から作り立てを味わえるお弁当やさんの豚汁まで、賞味期限をご紹介します。
市販の味噌汁 メーカー名 |
賞味期限 | 保存場所 | 情報元 |
チルド (セブン) |
16日 | 10℃以下 | 公式HP |
チルド (ローソン) |
約半月 | 要冷蔵 | 店頭で確認 |
即席 (マルコメ) |
6ヶ月 | 冷蔵庫 | 公式HP |
フリーズドライ (アマノフーズ) |
6ヶ月 | 常温 | 通販HP |
レトルトの非常食 (アルファフーズ) |
5年 | 常温 | 通販HP |
インスタント (コストコ) |
約半年 | 常温 | 紹介記事 |
調理済みを持ち帰り (”ほっともっと”や”すき家”) |
約2時間(消費期限) | 買ったときの状況で判断 | 紹介記事 |
市販で非常食用だと、なんと賞味期限が5年という商品もあります!
買ったこと自体を忘れそうな予感がします…。
市販の豚汁は、賞味期限切れになってしまったら、捨てたほうがいいのでしょうか?
賞味期限切れの豚汁は自分の五感で判断!
市販の加工食品は、余裕を持って賞味期限が決められています。
消費者庁や、賞味期限のための検査をする会社のホームページで調べると、実際の日持ちの目安は、賞味期限の1.2~1.5倍です。
ただし、実際の日持ちは下記の点に左右されますのでご注意下さい。
- 販売者や購入者の保存方法
- 腐りやすい食材を使った食品かどうか
- 外装が、どれだけ空気・光・湿気を通さないか
私もストックしていたカップの豚汁に、賞味期限切れになってから気づいたことがあります。
具材は真空パックに入っていましたが、豚肉の白い脂を見て、何となく危険な気がして食べませんでした。
賞味期限切れの市販品については、販売メーカーなどから「〇日食べても大丈夫」という情報が公表されていません。
最終的にはご自分の五感を信じて食べられるかどうかを判断することになります。
免疫力の低い方やお子さんの場合は、特に注意して厳しく判断なさって下さいね。
次に、豚汁が腐っていないかを判断する目安もご一緒に確認しておきましょう!
豚汁は腐るとどうなるの?傷んだ時の見分け方がコレ!
豚汁が腐るとどうなるかをご紹介します。
臭い、見た目ですぐにわかりますので、見分け方は簡単です!
見た目
- 豚汁の表面に白い色の膜がはる
- 白い膜の上に青いカビが生える
- 豆腐などの具が糸を引いている
- 液体の部分がドロっとしている
豚汁は、見た目からして危険を感じる状態になります。
どんな状態かを見て確認したい方は、YouTubeで「絶対にゲロを吐く最強の液体」という動画があります。
勇気が必要ですが、チェックしてみて下さい。
臭い
- モアっと嫌な臭い(アンモニア臭)
- 生ごみの臭い
- 酸っぱい臭い
味
- 酸っぱい
- 舌がピリピリする
- 気持ち悪い味
先ほどご紹介した”ほっともっと”などの調理済み持ち帰り豚汁は、
夏の温度が高い車内に放置すると、すぐに上記のように腐ることにご注意下さい。
少しでも異変を感じたら、もったいなくても捨てましょう!
最後に、大量に豚汁を作っても美味しく食べきれる保存方法をご紹介します!
豚汁の正しい保存方法とは?長持ちさせるコツを伝授!
先ほどもご紹介した通り、豚汁は夏でも冬でも冷蔵庫での保存がおすすめです。
実は冷凍も可能なので、順にご紹介します。
常温はダメ!冷蔵庫での保存方法
”豚汁を食べて余ったら”ではなく、作って冷ましたらなるべく早く冷蔵庫に入れた方が日持ちします!
常温に長時間置くのは避けて、特に夏場は急いで冷蔵庫に入れましょう。
豚汁が出来上がったら
- ネギ、豆腐を入れずに火を止める
- 大量に作った場合は、鍋やタッパに小分けして、なるべく早く冷ます
- 蓋をして冷蔵庫に入れる
ネギ、豆腐は温め直す都度入れる方が美味しいですし、豆腐の劣化も防げます。
当日中に食べきる分以外は、味噌を入れない状態で仕上げてもOKです。
豚汁を食べるときは
鍋ごと温めず、食べる分だけ小分けにして温めます。
その際に、味噌を入れていなかった場合は味噌を入れます。
ネギ、豆腐を入れて完成させて食べましょう。
余った分は、またすぐに冷蔵庫に入れます!
この方法だと、3~5日ほどは美味しく日持ちします。
口コミでは、「毎日火を入れた方が良い」という声がありました。
私も過去には毎日火を入れていましたが、経験を積んだ今では、あまりおすすめできません。
毎日火を入れない理由
- 味噌を入れた後の豚汁を何度も温め直すと味が落ちる
- 温める都度冷ましてから冷蔵庫に入れる手間が面倒
冷凍での保存方法と注意点
豚汁は、冷凍も可能です!
密閉できるタッパに、1回食べる分ずつ小分けにして、冷凍庫に入れましょう。
冷凍庫での保存方法で、ご注意いただきたい点があります。
冷凍に向かない具は冷凍しない!
- こんにゃくを冷凍すると、ゴムのようになって食べられなくなります。
- 豆腐を冷凍するとかたい食感になります
- 味噌を冷凍すると、食感が悪くなります(冷蔵と同じように、味噌を入れないで仕上げて冷凍してもOKです)
豚汁を冷凍すると、1ヶ月ほど日持ちします。
こんにゃくと豆腐以外の具も、作り立ての美味しさは再現できないことをわかった上で冷凍なさって下さい。
まとめ
豚汁の日持ちについて、詳しくご紹介してきました。
ポイントをまとめてみます!
- 豚汁の日持ちは季節によって変わる。常温だと夏場は1日で腐ることもある
- 寒い季節は常温で2~3日日持ちするが、冷蔵保存がおすすめ
- 市販の豚汁は、外装などによって長期間保存可能な商品もある。非常食用の賞味期限は5年間
- 賞味期限切れの豚汁が食べられるかどうかは、自分の五感で最終判断をする
- 豚汁が腐ると、見た目や臭いが変化する。
- 豚汁を作ったら、なるべく早く冷まして冷蔵or冷凍する
- 食べる分だけ温め直すのがおすすめ
- 冷凍に向かない具があることに注意する
豚汁は、”食欲の落ちる夏には生姜を入れて食用増進”、”寒い冬には豚肉の脂分で体を温める”というように、
オールシーズン楽しめます。
1つのお椀で、たくさんの具材を食べられるのもいいですね。
私は、豚汁の味をアレンジすることもあります。
- 牛乳を入れて仕上げ、すりごまをたっぷりかける
- 納豆を入れる
- ごま油と生姜を入れて風味を変化させる など
今回ご紹介した保存方法に気をつけていただき、豚汁で食卓をワンランク豪華にしてお楽しみ下さい♪