実家の倉庫を整理していると、ガソリンが入った古い携行缶を見つけました。
これから先使うことはないので、廃棄したいのですが・・・。
ガソリンの廃棄処分についてインターネットで調べてみたのですが、考えてみるとガソリンは危険物です。
「調べた情報が間違っていて火事でも起きたら」と思うと、不安になってきました。
今回は、ガソリンを廃棄する方法を調査します!
- 古いガソリンを廃棄する方法を知りたい!できれば無料で廃棄したい
- ガソリンが少量なら、自分で廃棄できるの?
- 車の中の古いガソリンを抜く方法はあるの?
- ガソリンを運ぶときの重要注意点!
今回は、専門の業者が出している情報を中心に調査し、自治体に直接質問もしてみました。
安全にガソリンを廃棄するために、早速確認していきましょう!
目次
古くなってしまったガソリンを無料で廃棄処分する方法は?
古くなってしまったガソリンを、お家に保管し続けるのは心配ですよね。
”火気に触れて家が爆発”なんていう可能性もゼロではありません!
正しい方法を確認しましょう。
ガソリンを廃棄処分する正しい方法
私の住んでいる自治体のホームページで、”ガソリンを廃棄する方法”を調べると、下記のように記載されていました。
ガソリンスタンドで廃棄処分する方法をご紹介します!
- ガソリンを携行缶に入れます
- 最寄りのガソリンスタンドに持ち込むだけです
古いガソリンは、ガソリンスタンドが料金を支払って、産業廃棄物の業者に引き取ってもらうそうです。
ガソリンスタンドに持ち込んでの廃棄処分は、無料のことがほとんどです。
ここで、「エネオスで、ガソリンの廃棄処分を断られた」という情報もありました。
お店によって、地域によって取り扱いが違うこともあるそうです。
ガソリンを持ち込みしたお店に電話連絡をして、費用や最大持ち込み量などを事前に確認するのがおすすめです。
*ガソリンスタンドにガソリンを持っていくときの詳しい注意点については、後ほど詳しくご紹介します!
豆知識:車の整備工場で引き取ってくれることもある
”ガソリンスタンドに行くのが難しいときは、車の整備工場に持ち込む”という情報がありました。
古くなったガソリンでも、車の整備に必要なパーツの洗浄に利用できるそうです。
古くなったガソリンは気軽に処分できない!?
携行缶に入った古くなったガソリンを見ると、
「車やバイクに入れて使い切ろう!」
「ちょっとくらいならトイレに流してもいい?」
などと、処分の方法をいくつか思いつきますよね。
でも、先ほどご紹介した廃棄処分の方法を守るようにして下さい!
理由
排水溝やトイレに流すと
環境汚染の原因になります
車やバイクに入れると
エンジンの故障や不具合の原因となり、異臭を発する場合があります。
ガソリンが劣化して変質している場合は、エンジンがかからない可能性もあります。
次にご紹介するのは、お手もとにあるガソリンがほんの少量の場合の廃棄処分についてです。
不要になった少量のガソリン!自分で廃棄する方法はあるの?
お手もとにあるのがほんの少量のガソリンの場合もあると思います。
例えば
- 草刈機の中に残っているガソリン
- 発電機の中に残っているガソリン
- ラジコンの中に残っているガソリン など
「こんな量でも、わざわざガソリンスタンドに持って行かなきゃダメ!?」と感じる方も多いと思います。
調べてみると、こんな情報がありました。
台所用洗剤と中和させて新聞紙などに染み込ませ、家庭ごみに捨ててOK。
台所用洗剤と中和させることで、火事などの危険性が低くなるそうです。
ガソリンと中和させる専用の処理剤も販売されています。
でも心配性の私は、「もし処理を間違って、ゴミ捨て場から火事でも出たら…」と不安です。
そこで、私の住んでいる自治体の環境事業所に電話をして、この方法が本当に正しいのかを確認してみました。
(私Q.)
自宅の倉庫を整理していたら、500mlくらいの古いガソリンを発見しました。
”台所用洗剤で中和させて家庭ごみに捨ててOK”という情報があったのですが、本当なのでしょうか?
(自治体A.)
環境事業所は、危険物の専門家がいるわけではないので、明確な回答はできません。
提案できる方法としては、
- 台所用洗剤と中和させて、庭の砂にまく
- 段ボールなどに砂を入れ、台所用洗剤と中和させたガソリンを染み込ませたうえで、袋に包んで捨てる
などが考えられますが、ガソリンの取り扱いに慣れていないのであれば、おすすめはできません。
(私Q.)
台所用洗剤と中和させるというのは、どれくらいの割合なのでしょうか?
(自治体A.)詳細なことについては、ガソリンスタンドに問い合わせて頂くのが確実です。
Q.ガソリンスタンドに問い合わせて正しく中和させる方法がわかったら、家庭ごみに出しても大丈夫ですか?
(自治体A.)「確実に安全です」とは言えません。
もし可能であれば、環境事業所に持ち込んで頂いても大丈夫です。
無料で引取りをして、こちらで処分します。
それも無理な場合は、職員がご自宅の近くを回る際に、引取りに伺うという方法もあります。
高齢者の方から、「灯油の処分に困っている」という問い合わせをいただき、引取りに行くこともありますので。
環境事業所としては、基本的には”どんなに少量でもガソリンスタンドに持って行くのがおすすめ”とのことでした。
車がないなどの理由で、どうしてもガソリンスタンドに行けない場合には、上記のように引取りもしてくれるそうです。
もしもの場合には、自治体が廃棄処分のサポートをしてくれるということで、安心しました。
ただ、自治体によって対応が違う場合もあると思いますので、まずは問い合わせしてみることをおすすめします。
次に、車の中の古いガソリンを廃棄処分する方法をご紹介します。
車の中の古いガソリンを抜いて廃棄するにはどうしたらいいの?
”業者がガソリンを使いまわすのが嫌”などという理由で、”自分で廃棄処分したい”という方もいらっしゃると思います。
ただし、ガソリンの取り扱いには細心の注意が必要です。
静電気でも爆発することがありますので、正直、車の中から自分でガソリンを抜き取ることはおすすめできません。
これからご紹介する2つの方法は、災害のときなどの緊急対応用として考えて頂ければ幸いです。
自分で車の中のガソリンを抜く方法は2種類
車のガソリンを抜き取るときには、まず専用の道具と容器を準備します。
給油口からガソリンを抜く
給油口からガソリンを抜く道具は、こちらです。
ガソリンを入れる容器は、必ず携行缶などの、ガソリン専用の容器を用意しましょう。
*車種によっては給油口からの抜き取りができない場合もあります。
使用方法は簡単ですが、近くに火の気がないかをよく確認して、作業して下さいね。
ドレンボルトを緩めて、ガソリンを抜く
車の床下の真ん中あたりに、ガソリンタンクがあります。
ガソリンタンクにドレンボルトがついている場合は、外すとガソリンを抜くことができます。
でも、”ドレンボルトが硬くて全然緩まない!”など、かなり苦労している方が多いようです。
*車種によっては、盗難防止のためにドレンボルトがついていない場合もあります。
他にも幾つか方法がありますが、専門的な知識が必要など、個人レベルで作業するのは難しいものばかりです。
思いつきで作業せず、専門家に任せた方が安心ということを知っていただけると幸いです。
豆知識:ガソリンの燃えやすさを知っておこう!
ガソリンの引火点は-40℃。
-40℃以上の温度で火をつければ燃えます。
また、ガソリンは揮発性の高い物質です。ガソリンの抜き取り作業中にも、みるみる揮発していきます。
ちなみに発火点(自然に火がつく温度)は300℃です。
ガソリンの抜き取り作業中には、近くで火を使わない(たばこなど)、静電気をおこさないなどに、十分に気をつけて下さいね。
消防庁が出しているこちらの動画を見ると、ガソリンの燃えやすさがよくわかります。
最後に、ガソリンを持ち運ぶときの注意点です。
廃棄処分するガソリンを持っていくときの、参考になさって下さい!
必ず守ろう!ガソリンスタンドに持っていく際の注意点
ガソリンを廃棄処分する際には、先ほどもご紹介した通り、取り扱いに注意が必要です。
まずは持ち運ぶときの容器です。
ガソリンは携行缶に入れる!
消防法第16条では、【ガソリンを運ぶときの容器は、政令で定める技術上の基準に従わなければならない】と決められています。
さらに、『「運搬容器」の基準』という規定があり、容器の材質や構造などについて、詳しく決められています。
つまりこれを守らないでガソリンを運ぶのは、法律違反となります!
法律を守れる容器
- 10L以下・・・強度試験などに合格したプラスチック容器
- 22L以下・・・携行缶などのガソリン専用の金属容器
法律違反の容器
- ペットボトル
- 灯油のポリタンク
- 一斗缶 など
*身近にあるプラスチック容器や、先ほどの『「運搬容器」の基準』を満たしていない金属容器もNGです!
間違いないのは、携行缶です。
少量のガソリンを入れるのに適した1Lから
法律の範囲内の20Lまで。ガソリンの量に合わせた容器を選ぶことができます。
豆知識:ペットボトルや灯油用ポリタンクにガソリンを入れると、どうなるの!?
1. 容器自体がガソリンの性質に耐えられず、変形して、ガソリンが漏れる危険性があります。
2. 容器内でもガソリンが揮発します。
ガソリンが揮発すると、灯油などよりもはるかに多い体積になります。
フタの劣化などが原因で、気体となったガソリンが容器からもれ出し、火災や爆発の原因となります。
3. 灯油用ポリタンクの素材は、静電気が起きやすい性質です。
灯油用ポリタンクを開けるのと同時に揮発したガソリンに引火し、火事になった事件がありました。
くれぐれも、ペットボトルや灯油用ポリタンクには、ガソリンを入れないで下さいね。
ガソリンを運ぶときの重要注意点!
ガソリンを運ぶときの注意点は5つです!
- 乗用車で運べるガソリンは22L以下!
- 容器のフタをしっかり締める!
- 容器の口を上にして、動かないように固定!
- 近くで火を使わない!
- 静電気が起きないように十分に注意!
1つでも欠けると、危険です。
しっかりチェックして運ぶようにして下さい!
豆知識:静電気をゼロにすることはできるの?
静電気は、ちょっとしたきっかけで起きます。
ゼロにすることは不可能なのですが、ガソリンを入れた携行缶に触る前には、下記のことをお試し下さい。
- 地面や壁に触って、体の中の電気を放電する
- 手を濡らして放電させる(ウェットティッシュなどで手を拭くなど)
- 静電気対策グッズを使う など
例えば、こんなグッズがあります。
ガソリンは、危険物です。
注意を怠ると、火災や、最悪は車ごと爆発する可能性もあります。
十分に注意が必要ですね。
まとめ
ガソリンを廃棄する方法について、ご紹介してきました。
”とにかく危険!”ということで、軽く考えずに、注意して行動したいと思います。
ポイントをまとめてみます!
- 古くなったガソリンを廃棄処分するときは、ガソリンスタンドに持っていくのが確実
- ガソリンスタンドに持っていくのが難しいときは、自治体に相談する
- ガソリンは劣化する。古いガソリンを抜いて、違う車やバイクに入れると、故障の原因となることがある
- 古いガソリンを自分で抜き取るには、専用の道具と容器が必要
- なるべくなら自分でガソリンを抜き取らず専門家に任せた方がいい
- ガソリンスタンドに持っていく途中に火災や爆発が起きないように、十分注意が必要
私は東日本大震災を経験しました。
当時はガソリンスタンドも被害を受けて休業状態になり、燃料が無い不便さを痛感しました。
混乱状態の中、動けなくなった車から無断でガソリンを抜く人がいたことも事実です。
正しい情報収集をせずにガソリンを抜き取り、火災になった事例がいくつもありました!
ガソリンが原因で健康や命が奪われたら、悔やみきれませんよね。
ガソリンの廃棄処分が必要な際には、今回の情報を参考に、十分に注意して行動してみて下さい!