【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
寒い季節に恋しくなるホットドリンクといえば、ココアです。
家族みんなが大好きなので、特に冬はストックが欠かせません。
ところが暖かくなってくると、賞味期限切れになっても、家族からリクエストされることが少なくなっていきます。
結果、毎年、未開封のストックココア1袋と開封後のココア少しが残ってしまう我が家です。
とりあえず冷蔵庫に入れて保存するのですが、そのうち、悩むようになるんですよね。
「このココア、一体いつまで飲めるだろう?1年過ぎても大丈夫かな?」
ということで、今回は、ココアの賞味期限切れについて調べてみます!
- 賞味期限切れのココアはいつまで使える?
- ココアが腐ることはある?
- ココアに虫が侵入することがある!予防策は?
- ココアの正しい保存方法
先日、遊びに来た友人にココアをすすめて、”どうしても残ってしまう”話をしました。
すると友人は、賞味期限どころか消費期限もとっくに過ぎているであろう、3年もののココアをストックしているというのです!
「飲めるのかな?」と呑気に言いながら帰っていった友人のためにも、しっかり確認していきたいと思います。
管理栄養士・栄養士
目次
ココア粉末の賞味期限切れはいつまで使える?1年過ぎたものでも大丈夫?
ココア粉末には賞味期限が書かれています。
賞味期限といえば、「ちょっとくらい切れても大丈夫」というイメージがあるのですが、実際はどうなのでしょうか?
農林水産省のホームページで、賞味期限の正しい意味が紹介されていました。
賞味期限とは?
未開封&正しい保存方法を守ったときの、美味しく食べられる期限のこと。
主に腐りにくい加工食品に書かれている。
ちなみに、消費期限とは?
未開封&正しい保存方法を守ったときの、安全に食べられる期限のこと。
主に腐りやすい加工食品に書かれている。
やっぱりね。
「賞味期限が少しくらい切れても、絶対に食べちゃダメ!」ということはなさそうです。
とはいえ、賞味期限切れのココア粉末は、一体どれくらいの期間使っても大丈夫なのでしょうか?
”はっきりした期間が知りたい!”と思っていたところ、ココアで有名な『バンホーテン』のホームページに、詳しい情報がありました!
賞味期限切れのココアが使える目安は3ヶ月!
開封後と未開封では、取り扱いが違うことに注意です。
開封後の場合
開封後は、賞味期限に関わらず3ヶ月以内の使用がおすすめされています。
(気温が高くなる季節は、冷蔵庫で保存)
どの食品にも共通して言えることですが、”開封後は賞味期限に関わらず早めに使い切る”のがおすすめです。
のちほどご紹介しますが、ココア粉末は甘くて脂肪分(栄養)の多い食品です。
保存方法を間違うと、劣化を早めるだけでなく、なんと虫が侵入する可能性も!
注意が必要です!!
未開封の場合
多少の賞味期限切れはOK。ただし、風味が低下しています。
長期間の賞味期限切れについては、酸化している可能性がありますので、使用はおすすめできません。
ココア粉末は生ものではないので、未開封の場合に賞味期限が過ぎても、すぐに腐る可能性は低いです。
その理由は
- 空気に触れないから
- ゴミが入らないから
- 虫も侵入できないから
- 賞味期限は、さまざまな検査をもとに余裕を持って決められた期限だから
とはいえ、風味の劣化の原因となる酸素を、100%シャットアウトすることはできません。
脂肪分が酸化すると、こんなことに!
- 風味や味が劣化する
- 最悪の場合には、お腹を壊す
- 大量に摂取すると、成人病などの原因になることもある
製造された時点から少しずつ劣化していることを理解した上で、使用するかどうかを決めるようにしましょう!
使用する期間の目安についての具体的な情報はありませんでしたが、長くても3ヶ月以内と考えて、その都度状態をよく確認することをおすすめします。
ここで、口コミなどの情報を調べてみました。
あなたは、賞味期限切れのココアを、どれくらいの期間まで使用していますか?
”賞味期限が切れてもOK”派の意見
- 賞味期限が1年切れたくらいでは問題なく飲める
- 賞味期限が3年切れているココアを飲んでいるが、普通に美味しい
- 賞味期限が3年切れているココアは、美味しくないけど飲める
”賞味期限が切れたらNG”派の意見
- 賞味期限が1年半切れたココアを飲んだら、舌がビリビリした
- 賞味期限切れのココアは、湿気や雑菌が気になるから使わない
- 賞味期限切れのココアを飲んで家族全員お腹を壊した
NG派の中には、明らかに体に異変が出たという声もありましたね。
一気に飲まずに、ココア粉末の見た目や味を確認してから飲む方がよさそうです。
では次に、飲んではいけないココアの状態を確認しましょう!
ココア粉末は腐るの?こんなココア粉末は今すぐゴミ箱へ!
「結構食べてみないと、食品が腐っているかどうかわからない」という方はいらっしゃいませんか?
実は私もその1人です。ましてやココアのように元の味が濃いものは、判断が難しそうです。
体が弱っているときなどは、特に注意が必要ですよね。
腐っている食品を少し食べただけで、激しく体調を壊すこともあります。
実際に”腐ったココアを飲んでしまった!”という情報を集めました。
こんなココア粉末は捨てて下さい!
この情報を参考に、ちょっとでも異変を感じた場合は、捨てることをおすすめします。
味がいつもと違う
- 酸っぱい
- 舌がしびれる
- 苦味が強い
見た目がおかしい
- カビが生えている
- 変色している
- 粉が固まっている
- 湿って粉が溶けている
- 虫がわいている
賞味期限に関わらず、保存方法によっては上記のような状態になることがあります。
保存方法を守ることが第一ですが、万が一保存環境が悪かった場合は、よく確認してから飲むようにしてくださいね。
実は腐っていない!こんな状態のときは使える可能性アリ
『バンホーテン』のホームページには、こんな情報がありました。
見た目が明らかに変化している場合でも、実は問題なく使える場合をご紹介します。
ココア粉末が茶色と白に分離している
ココア粉末に含まれる脂肪分が、温度変化などの影響で一度分離して、再度固まった状態です。
粉状ではなく、砂糖の結晶のように固くなることもあります。
ココアだけではなく、チョコレートも同じように変化することがあるそうです。
風味が落ちている可能性はありますが、飲んでも体に害はないそうです。
ただし、白以外の色に変色している場合は、カビの可能性が高いです。
カビの部分だけ取り除いても、目に見えない胞子が他の部分で繁殖していることがありますので、すぐに捨てて下さいね。
粉が丸いダマになった
ココア粉末は、とても細かい粒子です。
振動などの刺激で、粉末どうしが集まってダマになることがあるそうですが、スプーンなどで軽く押すと、元のサラサラの粉末に戻ります。
さて、次は、先ほどもご紹介した虫の侵入についてお話しします!
開封後は要注意!ココア粉末に侵入するタバコシバンムシとは?
実は私も、保存していた食品に虫がわくという事態を経験しています。
しっかり密閉して保存している袋の中に、虫がうごめいているのを発見したときの衝撃といったらもう、強烈です!
そこで、今回はココアに侵入する虫の生態を知って、侵入を絶対に阻止しましょう!
タバコシバンムシはこんなところが好き!どう防ぐ!?
ココア粉末につくのは、保存食品によく侵入する”シバンムシ”の仲間の”タバコシバンムシ”です。
体を丸めていることが多くて、3mmほどの大きさです。大きいものは4~5mmほどになります。
タバコシバンムシは、湿度が高くて暖かい場所(20~30℃が目安)が好きです。
ココア粉末に侵入しても、食べることはありませんが・・・交尾と産卵を繰り返して増えていくのです!
恐〜い!!
タバコシバンムシの侵入を防ぐためには、しっかりと密封できる、缶などの硬い容器で保存するのが一番です。
薄いビニール袋だと、穴を開けて侵入することもできますので、ご注意下さいね。
ちなみに、タバコシバンムシは、小麦粉などの粉もの、乾燥パスタ、海苔、干しシイタケ、ドライフルーツなど、あらゆる保存食品に侵入します。
どの食品も、”しっかりと密封して保存する”、”温かい季節には冷蔵庫に入れる”などの対策をしっかりしていきましょう!
最後に、ココア粉末の保存方法について、しっかり確認しましょう!
ココア粉末の正しい保存方法とは?冷凍してもいいの?
ココア粉末を安全に使い切るためには、保存方法がポイントだということがわかりました。
正しい保存方法をご紹介します。
保存場所
ココアのパッケージに書かれている、一般的な保存方法はこちらです。
- 常温保存
- 涼しい場所で保存
- 冷暗所で保存
- 直射日光を避ける など
涼しい季節には上記の保存でOKなのですが、温かい季節や開封後には、冷蔵庫での保存がおすすめです。
保存方法
ココア粉末には、袋にジッパーが付いていることもあります。
「ジッパーをしっかりと閉めればOK?」と思ったのですが、さらなる対策が必要だということがわかりました。
ジッパー部分にココア粉末が付着して、しっかり閉まらないことがあるそうです。
すると、こんなことも・・・
- ココア粉末が空気に触れて酸化(劣化)が早まる
- 湿気の侵入で、劣化が早まる
- ゴミなどの侵入で、カビが発生することがある
- 虫が侵入することがある
う~ん。全部避けたいですね!
密閉できる容器のおすすめはコチラです。
- タッパー
- 缶
先ほどもお話ししましたが、虫の、食いちぎる力を侮ってはいけません!
ビニール袋やジップつきの保存袋だと、食いちぎられる可能性があります。ご注意下さいね。
”冷凍庫NG”ではないけれど、”冷凍庫がいい!”というわけでもない・・・
冷凍庫での保存について調べましたが、「冷凍庫の方がいい!」という情報はありませんでした。
『バンホーテン』のホームぺージにも、”暑い季節は冷蔵保存がおすすめ”と紹介されていました。
品質の劣化や虫の侵入を防ぐためには、冷蔵庫内の環境と温度で十分なのだと思います。
また、冷凍庫には独特の冷凍庫臭がありますよね。
ココア粉末のように粒子が細かい食品は、臭いを吸収しやすいです。
臭い移りを避けるためには、冷蔵庫で臭いの強い食品の側に置かない方がよいようです。
これだけは注意!純ココアは冷蔵庫保存NG!
「純ココア」とは、砂糖や乳製品などを一切加えていないココアのことです。
純ココアは湿気を吸いやすい食品ですので、冷蔵庫での保存は避けましょう。
しっかりと密閉して、風通しのよい、涼しい場所に保存するのがおすすめです。
また、純ココアは、飲むときに砂糖などで味の調整が必要なので、面倒になって、ついつい長期間放置してしまうこともあると思います。
そんな時は、こんなアレンジレシピをぜひ!
- 砂糖の代わりにジャムを入れる →味の調節も簡単ですし、一味違ったココアが楽しめます!
- ココアにマシュマロを浮かべる →ゴージャスな雰囲気になります!
- ホットケーキの粉に混ぜる →子どもが喜ぶチョコ味のホットケーキに!
- ケーキに振りかける →ほんのり苦い、オトナのケーキを楽しめます!
飲むだけではなく、ティータイムのお供として、いろいろアレンジしてみて下さいね。
まとめ
賞味期限切れのココアについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
甘くて美味しい、栄養もたっぷりのココアですが、虫が侵入することもあると知って、衝撃でしたね。
ポイントをまとめてみます。
- ココアは、未開封の場合、賞味期限が切れても短期間なら大丈夫
- 開封後のココアは、賞味期限に関わらず3ヶ月以内に使い切るのがおすすめ
- 味や見た目に明らかな異変があるときは、迷わず捨てる!
- 保存方法を間違うと、虫が侵入して繁殖することがある!
- ココアは、温かい季節や開封後の場合は、冷蔵庫での保存がおすすめ
- 冷凍保存NGではないが、冷凍庫臭を吸いやすいため、あまりおすすめできない
- 純ココアは、冷蔵庫保存がNG
勉強や仕事の合間に、甘くて濃いココアを飲むとホッとしますよね。
癒されるだけでなく健康にもよいとされるココア。その栄養価といえばポリフェノールですが...
実は、純ココア以外のココアは、カロリーが高くて栄養価も低いことをご存知でしたか?
我が家では、これまでは手軽に溶かして飲めるミルクココアばかり買っていました。
でも、次にココアの季節が来たら、アレンジレシピを有効活用して、家族で純ココアを楽しんでみたいと思います!