2ヶ月ほど前に玄米を大量にもらったのですが、私しか食べないからなかなか減らないので玄米の賞味期限が急に気になり始めました。
袋をチェックしても賞味期限や消費期限が書かれていなかったのですが、玄米も賞味期限切れになって食べられなくなるものなのでしょうか。
気になりましたので、以下のことについて徹底的に調べてみました。
- 玄米の賞味期限:いつまでに消費するべき?未開封と開封後の違い
- 玄米は腐るの?
- 玄米の正しい保存方法:常温・冷蔵庫・冷凍のどれが適切?
せっかく頂いた玄米。
日持ちさせる正しい保存方法を学んで、美味しく健康的に食べたいですよね。
「古いお米」を示す古米・古々米も問題なく食べることができるように、玄米も同じように多少古くなっても食べることは可能なのでしょうか?
また、食べ物は一般的に空気に触れると腐りますが、玄米も開封後は早く消費したほうが良いのでしょうか?
未開封や密封保存、あるいは、真空パックで保存している場合で違いはあるのでしょうか?
常温保存、冷蔵庫保存、冷凍保存についてもまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
玄米に賞味期限はあるの?買ってから3年過ぎたものでも大丈夫?
玄米の賞味期限に関して調べようとしていたら、ふと、まだパントリーの中にずっと以前に購入した玄米があるのを思い出しました。
パッケージの賞味期限(美味しく食べられる期限)や消費期限(品質が変わらず安全に食べられる期限)をチェックしたところ、見当たりません。
代わりに、原料玄米を調製(もみからもみ殻を取り除くこと)した年月日が記載されています。
調整年月日は3年くらい前の日付でした。。。(泣)
果たしてこの玄米は問題なく食べられるのでしょうか?
玄米に賞味期限が記載されない理由
実は、玄米には賞味期限や消費期限を記載する義務はありません。
賞味期限ではなく、もみ殻を取り除いた調整年月日が記載される決まりになっています。
ちなみに、白米は精米年月日が記載されており、輸入米は輸入年月日が記載されています。
玄米は酸化するペースがゆっくりで長期保存できるため、賞味期限が記載されていません。
正しい保存状態であれば、数年間、例えば2年経っても安全に食べること出来ます。
といいましても、あくまで湿度の少ない、日の当たらない冷所で保管した場合に限ります。
3年以上経ちますとやはり劣化しますし、味は変わってくることもあります。
糠臭さや油っぽいような臭いが気になることもありますので、精米して食べることをお勧めします。
籾(もみ)、玄米、精米の違いとは
籾(もみ)
稲刈りをして、稲穂から実の部分だけを脱穀して取り出した状態のもの。
殻付きで種子として保管し、翌年種まきしますと発芽します。
左が稲穂で、右が籾(もみ)です。
玄米
籾(もみ)から、籾摺り(もみすり)したものが玄米です。
籾(もみ)から取り出してもしばらくは、発芽可能なで、発芽させたものは発芽玄米と呼ばれます。
精米
玄米の表面の茶色い部分を削った状態のものが精米です。
だいたい玄米から1割程度が除かれて白くなります。
さて、玄米の賞味期限はなんとなく2年程度までは大丈夫ということがわかりました。
私がパンテリーに入れっぱなしにしていた玄米は未開封でしたが、開封していないなら酸化を防げているのではないでしょうか?
未開封と開封後では消費期限は違うのではないかと疑問がわきましたので、調べてみることにしました。
玄米の消費期限は?未開封や開封後でどれくらいもつの?
玄米の賞味期限は保存状態によって大幅に異なりますが、基本的に消費期限はありません。
こう断定してしまいますと、言い方に語弊があるかもしれませんが、消費期限を表示することを法律で義務付けられていないことからも、玄米は長期間保存可能な食品ということができます。
政府備蓄米を保管していた政府倉庫は2010年に完全に廃止されましたが、保管された玄米には20年以上経過したものもあったとか。
さすがに20年前の玄米を食べる機会はないと思いますが、何年前の玄米なら食べても問題ないのか確認してみました。
家庭では玄米の保存は難しい
極端な話、一般家庭においては玄米の保存状態を完璧にすることは難しいため、毎日少しずつ劣化していると言っても良いでしょう。
一般家庭においても、温度15度以下で湿度55~75%程度の状態で保管できれば、購入してから1年以上経過しても、味もそのままで美味しく食べることができます。
シンクの下に保存している家も多いかと思いますが、湿気の点からNGです。
高湿度はカビの原因に、低湿度は乾燥からひび割れの原因に。
また、温度が高い場合は、鮮度が落ちる原因に。
保存状態が悪いと、なんと、たった1週間で味が落ちることもあります。
未開封や開封後は関係なしに、保存状態に気をつけることがキーポイントです。
比較的、適度な湿度と温度で保存した場合においても、一般家庭での保存においては、未開封・開封後に限らず以下を目安に食べましょう。
- 夏や梅雨の時期は1ヶ月
- 春や秋なら2ヶ月程度
- 冬は3ヶ月程度
虫がわいた!
保存状態によっては虫がわいてしまうことがあります。
日本で米に沸く虫の種類はコクゾウムシとノシマダラメイガの2種類。
玄米に虫がわいたら、ほとんどの人が気持ち悪いと思うと思います。
やはり、口に入れるものですので、人体の影響が心配ですよね。
結論から言いますと、実は玄米にわく虫は人体に影響なく、食べてしまってもお腹を壊すこともありません。
虫がわくということは無農薬あるいは残留農薬の少ない状態である場合が多いのも特徴。
食べる前に洗ったり、研ぐ時に、この虫は取り除くことができますし、日光に弱いため米袋ごと日光に当ててしまうと逃げてしまいます。
といいましても、気持ちのいいものではないですし、虫によって食べられているわけですので、中身がスカスカになっている状態の米粒がでてきます。
発芽玄米には賞味期限あり?!
玄米を少しだけ発芽させた発芽玄米には賞味期限があります。
発芽しやすいように、水分とちょっと高めの温度のところで保管し少し発芽させたものを脱水乾燥し、真空パックなどで密封包装して販売されてます。
よって、開封後は玄米と比較すると急速に酸化するだけでなく、乾燥もしやすいため味も急激に落ちるので早めに食べましょう。
さて、玄米は温度と湿度に気をつければ、ずいぶん長持ちすることがわかりました。
玄米に適した温度と湿度管理をしっかり学んで、自宅でも玄米を最良の状態で賞味期限を伸ばしましょう。
玄米を常温保存するためには?温度と湿度管理が大切!
自宅でも温度と湿度をしっかり管理すれば玄米の賞味期限を伸ばすことがわかりました。
できるだけ長い期間美味しく食べたいですよね!
玄米に適した管理状態
- 温度:12℃~14℃
- 湿度:55%~75%
上記の温度からもわかりますように、できる限り涼しい場所での保管が理想的です。
床下やシンク下といった湿度が高い場所は避けましょう。
冬場の暖房・エアコンの利用で、乾燥しやすいので環境を作るのも玄米に保存にはあまり良いとは言えません。
常温保存で、温度や湿度を心配しなくても良い玄米は真空パックのもののみです。
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真空パック以外の玄米をできるだけ日持ちさせる保存方法は以下のポイントを抑えておきましょう。
玄米の保存に適した容器と保管場所
容器
玄米・白米に限らず、匂いが移らないようタッパー、米びつ、ペットボトルなど、密封できる容器での保存が理想です。
ペットボトルは上記の写真のように、取り出しやすいです。
ジップロックに小分けして、冷蔵庫での保存も便利。
ペッドボトルは汚れてしまったり、老朽化したらすぐに新しいものへ交換できますし、ジップロックは使い捨てできますので衛生的にもいいですね。
保管場所
マンションや家の中で涼しい場所を確保することが難しい場合は、冷蔵庫や冷蔵庫の野菜室も良い保存場所です。
一般的に、冷蔵庫の温度は3度程度、野菜室でも5度なので、特に夏場は玄米・白米のベストの保存場所といえます。
冷蔵庫での保管では、玄米も白米も呼吸できますし、酸化や虫の発生も防ぎます。
玄米の入れ替えのポイント
容器の中にちょっとだけ玄米が残っていても、その上に付け足していれないこと。
常に新しい玄米が底にいくようにしてくださいね。
古い玄米の上に新しい玄米を付け足してしまいますと、虫が発生する原因だけでなく、カビも生えやすくなってしまいます。
虫の発生防止のために、米びつに唐辛子などを入れる人もいらっしゃいます。
カビチェック
カビは肉眼ではよく分からないこともあります。
玄米を洗う時の水の色で判断しましょう。
黒く濁っていたら、カビが生えている証拠!
食べない方がいいでしょう。
玄米を美味しく食べる裏技
- もち米を少し混ぜる
- 酒を加える(米1合に対し大さじ1程度)
- みりんを加える(米1合に対し大さじ1/2程度)
- はちみつ少量を加える
- 氷をいれて炊く
私は個人的に、もち米を混ぜて、さらに少しハチミツをいれて炊くのが大好きです。
一般家庭における玄米や白米の常温保存は少し難しいことがわかりました。
基本的に玄米は冷蔵庫の保存で大丈夫そうですが、冷凍保存しても良いのでしょうか?
玄米をなるべく日持ちさせる保存方法!冷凍もできるの?
玄米は常温でも保存できますが、温度や湿度管理が難しいため長期保存をする場合は管理が難しい面があります。
玄米を日持ちさせる保存としては、夏場でも温度が安定している冷蔵庫や冷蔵庫の野菜室が一番良いようです。
ただし、冷蔵庫の中は乾燥しやすいため、しっかり密封できる容器、タッパー、米びつ、ジップロック、ペットボトルなどにいれること。
冷蔵庫から容器を出して、使う分だけ取り出したら、容器は急いでしまいましょう。
冷蔵庫と常温の温度差で結露が発生し、玄米がカビる原因になってしまいます。
大量の玄米を家庭で保存する裏技
30Kgの米袋に入った大量の玄米を家庭で保存しなければいけない人もいるかもしれません。
そのような場合は、布団圧縮袋が便利。
布団圧縮袋に玄米の袋をいれて、掃除機で空気を吸い込みます。
空気を抜く直前にニンニクや唐辛子いれますと虫発生の予防となります。
玄米は重たいので、保管する場所で作業しないと後から運ぶのは大変ですので、注意しましょう。
保存方法が悪いと有害な物質が生成されてしまうこともありますので、温度や湿度が安定する場所で保存してください。
玄米は冷凍保存しても大丈夫?
生白米・生玄米を長期保存するポイントは水分。
冷凍するときも、冷蔵するときも、空気も触れないように密封容器にいれることが大事です。
冷凍した場合、玄米に含まれる水分が凍って細胞が破壊されてしまうこともあります。
冷凍した玄米を解凍するのはとても難しく、気をつけなければ劣化して味が落ちてしまうため、玄米のまま冷凍保存するのはおすすめできません。
やむを得ず冷凍保存した場合、再冷凍は絶対にNGなので、食べる分だけゆっくり時間をかけて冷蔵庫で解凍しましょう。
炊飯器で炊いた玄米の保存
炊飯器で炊いた玄米は冷凍保存できます。
冷凍すると、味が落ちたり栄養価が薄れたりするという情報もありますが、炊飯後に小分けにして、なるべく早くラップやジップロックなどで、密封して冷凍ご飯にするのがベストです。
おにぎりにして冷凍しておくと便利です。
まとめ
玄米の賞味期限について調べたことをまとめてみます。
- 玄米に賞味期限はない
- 調整年月日から1年〜2年はきちんと保存していれば問題なく食べられる
- 調整年月日から3年経つと劣化するので精米するのがおすすめ
- 袋の開封・未開封に関わらず、保存状態が大事
- 温度15度以下で湿度55~75%程度の状態で保管する
- タッパー、米びつ、ペットボトルなど密封容器で保存
- 冷蔵庫の野菜室で保存するのがベスト
- にんにくや唐辛子を一緒にいれると虫の予防になる
- 大量の玄米を保存するなら布団圧縮袋が便利
玄米は、日持ちがする食品であることはわかりました。
適切な保存をすれば玄米の賞味期限を長期間伸ばすこともできるようですね。
大量の玄米も布団圧縮袋で空気を抜くなどすれば、真空状態に近づけることができるので、酸化を防げることがわかって本当によかったです。
玄米の適切な保存方法をしっかり知って、和食にぴったりで栄養満点の玄米を食卓に取り入れて、毎日健康に食生活を楽しみましょう。