【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
油揚げは、お味噌汁や煮物、あえ物などの和風料理に欠かせない食材ですよね。
使い道が多いので我家でも重宝していますが、意外に持ちが悪いので困りものです。
つい油断してしまい、冷蔵庫で消費期限切れの油揚げを発見したことが、何度かあります!
消費期限が切れていることに気が付いた時は、「うわっ、やっちゃった!」とすごく悲しくなります。
せっかく買ったのに、ちゃんと食べてあげられなかったことで、油揚げに申し訳なくなったりして…。
そこで、もうこんな気持ちにならないように、消費期限が過ぎても美味しく油揚げを食べる方法や、長期保存の方法などについて、しっかりと調べました。
- 消費期限切れの油揚げは、いつまでなら食べられるの?
- こんな状態の油揚げは危険!
- 油抜きはなぜ必要?その方法は?
- 油揚げを日持ちさせる調理方法って?
- 油揚げの保存方法いろいろ
今回は、以上のようなことについてお話したいと思います。
最近では、油揚げをパスタや炒め物などにも使うことも多いようですね。
レシピサイトを見ても「こんな使い方があったの?」と、驚くような料理に変身していることもあります。
栄養もたっぷりで使いやすい油揚げ、食べられなくなって処分することなどないように、今日の記事をじっくりと読んでみてくださいね。
管理栄養士・栄養士
目次
消費期限切れの油揚げはいつまで食べられる?過ぎたものは食べないほうがいい?
油揚げの消費期限は、製造加工された日からおおよそ5日間です。
商品によっては、1週間から10日のものもありますが、消費期限の短いものが多いので、購入したら早目に使いきるほうがいいでしょう。
でも、ついつい忘れてしまうこともあります。
油揚げの消費期限が切れていたら?
もし、消費期限が切れた油揚げを発見してしまっても、慌てないで。
未開封のものを冷蔵庫で保存した状態で、期限が切れて1日~2日くらいでしたらまず大丈夫です。
匂いをチェックして異常がなければ、油抜きをしてしっかりと火を通して食べましょう。
油抜きの方法は、後で説明しますので少しだけお待ちくださいね_(._.)_
期限が3~4日ほど過ぎた場合は、ちょっと心配ですね。
その場合、匂いに異常がなければ食べられることもあります。でも、もし不安なら処分したほうがいいでしょう。
ではそれ以上、5日から1週間、2週間と日にちが経ってしまった場合はどうでしょう?
残念ながら即処分です。もったいないけれどお腹が痛くなっては困るので、諦めましょう。
さてここまで、油揚げの”消費期限”のお話をしてきましたが、食品の品質表示には”賞味期限”というものもあります。
この二つの違い、あなたは知っていますか?
消費期限と賞味期限の違いって?
消費期限と賞味期限の違いは、簡単に説明すると以下の通りです。
- 消費期限は、未開封の状態で正しい保存をしている時に安全に食べられる期間
- 賞味期限は、未開封の状態で正しい保存をしている時に美味しく食べられる期間
消費期限とは?
食品衛生法では、品質が急激に劣化しやすい(日持ちしない)食品に記載される期限表示は、消費期限で年月日を表示します。
製造・加工されてから、おおむね5日以内の日持ちの商品が対象になります。
賞味期限とは?
賞味期限は未開封で正しい保存をしている場合に、品質が急激には劣化しない(日持ちする)食品に記載されます。
そして、美味しさを保てる期限が、製造・加工された日から3ヶ月以内のものには年月日を、3ヶ月以上で数年に及ぶものには、年月もしくは年月日を表示します。
油揚げは、5日ほどの日持ちのものが多いので、消費期限表示になっていることが多いですね。
あまり日持ちのしない油揚げですが、消費期限を過ぎてしまったときに、匂い以外でも食べられるかどうかの判断はできるのでしょうか。
危険!腐った油揚げはこんな感じ!食べると大変なことになります
油揚げは、薄いお豆腐を揚げたものですので、油が酸化して腐りやすい食品です。
ですので、未開封で冷蔵保存していても、消費期限が切れて2日までが食べられる限度だと考えていいでしょう。
でも「もったいない」「何とか食べてしまいたい」と思う人もいるでしょう。そんなときは、あなたの感覚が頼りです。
- 酸っぱいような匂いはないか?
- 油揚げの表面はぬめぬめしていないか?
- 未開封の袋が妙に膨れていないか?
- 黒いカビのようなものが付いていないか?
先程も言いましたように、油揚げはお豆腐と同じ大豆製品です。大豆などの豆類は、タンパク質が主成分なので腐ると酸っぱいような嫌な匂いが発生します。
これはタンパク質が微生物によってアミノ酸に分解されることで発生する匂いです。
酸っぱい匂いは、食品の中で有毒な物質が生じている可能性が大きくなっている一つの目安になっています。
表面のぬめりは腐敗細菌が原因です。袋が膨らんでいる場合も、菌が発酵したことが原因です。
カビはもちろんアウトですね。
上記のような状態が、1つでも出ている油揚げを食べてしまうと、食中毒になりかねません。
個人差はありますが、ひどい食中毒症状が出ることもありますので、もったいなくても処分してくださいね。
消費期限内の油揚げでも、開封後はできるだけ早く(1~2日以内)食べたほうが良いのですが、その場合油抜きをしておくと安心ですよ。
その理由を、次で見ていきましょう。
揚げたて以外の油揚げを油抜きする理由とは?
お豆腐を油で揚げて作る油揚げは、時間が経つと油が酸化して匂いが悪くなり、味も落ちます。フライものと同じですね。
油揚げも揚げたてをすぐに使う場合は、油が酸化することはないですが…。
揚げたて以外を使用する場合は、できるだけ酸化する油を減らすために、まず油抜きをしておきましょう。
油抜きには、他にもメリットがあります。
- 油っぽさが残りにくい
- 味が染み込みやすい
- 1枚に付き10kcal程カロリーを減らせるので、ダイエットにも効果的
「ダイエット」と聞けば、少しの手間も惜しまないという人も多いことでしょう。
では、油抜きの方法を説明しますね!
油抜きはこうやれば簡単!
油抜きには、熱湯を使う方法と電子レンジを利用する方法があります。
熱湯を使う方法は2つ
- 1つめの方法…油揚げをざるに広げて、両面に熱湯をかける
- 2つめの方法…鍋で湯を沸かして泡が出てきたら、油揚げを1枚ずつ入れ、振り洗いをするように両面を熱湯にくぐらせる
油揚げに調味料をしっかりと染み込ませたい場合は、2の方法が良いでしょう。
また、お湯を沸かすのが面倒という人は、電子レンジを利用する方法もありますよ。
電子レンジを利用する方法
- 油揚げを、厚めのキッチンペーパーやクッキングペーパーでしっかり包み、ラップでふんわり包んで電子レンジに入れる
- 500Wで約30秒、600Wなら20秒ほど加熱
- レンジから出したら、ラップごと絞って、油をキッチンペーパーに染み込ませる
これでOKです。時間のない時などは、とってもお手軽ですよ。
また、1の作業でキッチンペーパーを濡らしておくという方法も効果的ですよ。
油抜きをするメリットは、よりおいしく調理できたり、油臭さがなくなったりするだけではありません。
油の酸化も防げるので、実は油揚げを保存する場合にも有効な方法なんです!
油揚げの保存方法とは?冷凍保存はできるの?
油揚げは未開封の場合でも、冷蔵保存で消費期限から1~2日で劣化します。
さらに、開封後ならもっと早く劣化しますので、保存方法が重要です。
油揚げの正しい保存方法は、冷蔵(10℃以下)保存か冷凍保存です。
常温での保存はできないので、必ず冷蔵庫に入れてくださいね。
冷蔵保存で注意する点
もし未開封なら、そのまま冷蔵室で保存してください。
開封後の場合は、翌日には使ってしまうなら、お皿などに移し、ラップをかけて保存しておけば良いでしょう。
2~3日程であれば、密封できる袋に入れて、しっかりと空気を抜いて冷蔵保存してください。
それ以上の期間保存するなら、冷凍保存をおすすめします。
冷凍保存の方法と注意点
油揚げを未開封のまま冷凍保存するなら、袋のまま冷凍室に入れてもOKです。
ただし、保存性を上げるためには、まず油抜きをすることをおすすめします。
以下で簡単な手順を説明しますね。
- 油揚げを熱湯か電子レンジで油抜きします。
- しっかりと水分を取り、使用するサイズにカットしてからフリーザーパックに入れます。このとき、使用する分ずつラップしてからフリーザーパックにに入れると、より便利です。
- 平らにして空気をしっかり抜いて冷凍室に入れます。
【ワンポイント】
☆前もって、お好みの調味料で味付けしてから冷凍することも可能です。目的に応じてカットしておけば、時短にもなりますよ。
☆冷凍保存する時は、必ず冷凍室に入れてください。チルドルームやパーシャル室では、劣化が早く進むので避けてください。
油揚げを冷凍保存した時の品質保持期限は?
きちんと冷凍室で保存していた場合、以下を目安にしてください。
- 油抜きをしていないもので2週間ほど
- 油抜きをしているもので1ヶ月ほど
たとえば、冷凍保存した油揚げが1ヶ月程度の消費期限切れだった場合、油抜きをしておいたかどうかがポイントになりますね。
冷凍保存した油揚げの解凍方法
油抜きをして冷凍保存したものは、そのまま料理に使えます。
カットしていなければ、凍った状態でもカットできますので、お好みにカットして使ってください。
油抜きをしていなかったものなら、冷凍状態の油揚げに熱湯をかけるかさっとゆでれば、油抜きも兼ねられます。
もし、油揚げをもっと長期保存したいなら、乾燥油揚げを作りましょう。
乾燥油揚げの作り方
乾燥油揚げは、市販のものもありますが、家でも簡単に作れます!
- 油抜きをした油揚げを使いやすい大きさにカットします。(味付け済みの油揚げも乾燥できます)
- 耐熱皿に並べて、ラップをせずに電子レンジで加熱します。(500Wで約2分50秒~3分)
- 油揚げがカリカリになっているかチェックします。カリカリになっていなければ、もう一度加熱してください。
- フリーザーパックに入れて(あれば乾燥剤も)油揚げが砕けないように空気を抜きます。
- 自家製の乾燥油揚げは、冷凍庫もしくは冷蔵庫で保存します。
乾燥油揚げの保存期間はおよそ1ヶ月~2ヶ月です。乾燥油揚げも、そのまま調理できて便利です。
市販されているものには、味つきのもの乾燥油揚げもあるようですよ!
油揚げで思い出した。スーパーで150円くらいで売ってた「おだしがしみたきざみあげ」が意外と使える。常温保存できる、おいなりさんみたいな甘辛味が中まで染みた乾燥油揚げ。青菜と和えてよし、味噌汁に入れればコクが出る。味が濃くても構わない人はそのまま食べてもおつまみになると思う。 pic.twitter.com/OzSvwHTPYp
— ねこぱん (@catandloaf) 2018年6月18日
油揚げの保存方法がわかれば、これで安心して料理できますね!
ついでに、消費期限が切れた油揚げも、食べられるうちに美味しくいただきましょう。
次は、油揚げの日持ちレシピを紹介します。
消費期限、他の食材も気になりませんか!
↓ ↓ ↓
牛肉の消費期限が1日過ぎたけど大丈夫?いつまで食べられるの?
消費期限切れの油揚げも美味しく調理!油揚げの日持ちレシピを紹介!
消費期限が切れてしまっても、1~2日で味・匂いに異常がなければ食べられます。
ですが、念のためにしっかりと火を通しておきたいものです。
また、消費期限内で冷蔵保存するときも、先に味を付けておくと日持ちしやすくなります。
そこで、油揚げが日持ちしやすくておいしいレシピを紹介しましょう。
油揚げの含め煮
【材料】
- 油揚げ 4枚
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
- 醤油 大さじ1
- だしの素 小袋1つ
【作り方】
- 油抜きをした油揚げを、お好みの大きさにカットします
- 鍋に水を400ccほどと、調味料をすべて入れて煮ます
- 沸騰したら、油揚げを入れて落し蓋をして5分程度煮て、煮汁が半分以下になればでき上がりです
味はお好みで調味してください。濃い目の味にしておくと、日持ちしやすくなります。
日持ちの目安は、濃いめの味付けで1週間ほどです。
油揚げの含め煮は、冷ましてから冷凍保存もできますので、作り置きしておくと便利ですよ!
ただ、塩分の摂りすぎになってしまいますので、使うときに他の材料で味の調整をしましょう。
instagramで、実際に油揚げの含め煮を作った方が、画像を投稿していました。美味しそうですね!
ズッキーニと油揚げのマリネ
【材料】
- 油揚げ 1枚
- ズッキーニ 1本
- ミョウガ 1~2個
【調味料】
- 酢 大さじ2
- 白だし 大さじ1と1/2
- 砂糖 大さじ1と1/2
- ごま油 大さじ1
- 鶏ガラスープの素 小さじ1
- ごま油 小さじ1
- おろししょうが 小さじ1
- いりごま 適量
【作り方】
- 油揚げは縦半分に切ってから、3mm幅に切ります。ズッキーニは8mm幅の半月切り、ミョウガは千切りにします
- 保存容器などに調味料をすべて入れて、よく混ぜ合わせておきます
- フライパンにごま油を入れて、ズッキーニに焼き色がつくまで中火で焼き、2の容器に入れます
- 油揚げを3のフライパンで焼き、焼き色がついたら2の容器に入れます
冷凍の油揚げの場合は、カットしたものをそのまま焼いてください - 4にミョウガを入れて、冷蔵庫で1時間~一晩置いたらでき上がりです
ズッキーニの代わりにかぼちゃを使うと甘みが出て、違った美味しさになります。
油揚げと人参の米酢蒸し
【材料】
- 油揚げ 1枚
- 人参 1本
- しょうゆ 小さじ1
- 米酢 小さじ1
【作り方】
- 人参は細めの短冊切り、油揚げは縦半分に切ってから細切りにします
*冷凍の油揚げはカットして、冷凍のまま使えます - すべての材料を鍋に入れてさっと混ぜてから、ふたをして8~10分ほど蒸し煮にします
しっかりと油抜きをしている油揚げなら、味が染み込みやすいので、酢の物にしたり、濃いめの味をつけたりすることで日持ちしやすくなります。
作り置きおかずとしても利用できますので、一度お試しくださいね!
酢のものって、普通どのくらい持つものなのでしょうか?
↓ ↓ ↓
酢のものの日持ちは?きゅうり、たこ等の賞味期限の目安は?
まとめ
今回は、油揚げについて、消費期限が切れたときの対応や保存方法などについてお話しました。
改めておさらいしておきましょう。
- 消費期限が切れた油揚げは、1~2日後くらいなら食べられる
- 期限が3~4日過ぎても食べられることがあるが、処分がおすすめ
- 5日以上、1~2週間と過ぎたものは、即処分を
- 安心して食べられる期間を示す消費期限と美味しく食べられる期間の賞味期限がある
- 消費威厳切れの油揚げを食べる前に匂いと見た目、ぬめりをチェック!
- 酸っぱいにおい、ぬめぬめ感、袋の膨張、黒いカビは油揚げが腐った状態!
- 油揚げは、油抜きをすると日持ちしやすい
- 油揚げの正しい保存方法は、冷蔵保存か冷凍保存
- 冷蔵保存は消費期限内から期限2日過ぎまで、冷凍保存なら1ヶ月は保存可
- 乾燥油揚げは、1~2ヶ月の保存が可能
- 濃い目の味付けをしておくと日持ちしやすい
- 消費期限切れの油揚げは濃い目の味付けや酢の味付けで
もし油揚げの消費期限切れに気づいても、あわてず騒がず…。
まずは、消費期限が切れて何日目かを確認し、次に匂いのチェック、それから処分するか食べるかを決めましょう。
せっかく買った油揚げですから、できるなら全部おいしくいただいたほうがいいですものね。
そして、次に油揚げを買ったら、必要に応じて冷蔵保存や冷凍保存をしましょう。
油揚げは使い勝手が良くて、いい味を出してくれますから、あなたも上手に油揚げを使ってあげてくださいね。
今回の記事が、あなたのお役に立ちますように!