スーパーのお惣菜って、いろいろな種類をちょっとずつ食べられるので便利ですよね。
先日、肉じゃがを買って温めようと思った時に、ふと
「発砲スチロールの容器を電子レンジで加熱しても大丈夫だったかな?」
と心配になりました。
スーパーやコンビニのお弁当は、パッケージに電子レンジでの加熱時間が書いてあります。
なので、そのままの容器でチンもして大丈夫ですよね。
その感覚で電子レンジに入れようと思ったのですが、どの容器でも同じように温めて大丈夫なのでしょうか。
確か、発泡スチロールは火を近づけると溶けるはず…。
「直火じゃないけれど、電子レンジの加熱もかなり熱くなるので溶けるかもしれない…」
と気になってきたので、発砲スチロール製の容器が加熱OKなのかを、調べてみることにしました。
そこでこの記事では、
- 発泡スチロールの容器は電子レンジでチンできる?
- レンジで溶けた発泡スチロールの容器でそのまま食べても大丈夫?
- レンジ可の発泡スチロールの容器とは?
- 電子レンジでの加熱がNGの容器ってどんなもの?
- 発泡スチロールの容器の捨て方は?
という内容でまとめてみました。
忙しい時には、スーパーのお惣菜やコンビニのお弁当ってホントに助かりますよね。
でも、扱い方を間違えると大変なことになってしまうかも…。
電子レンジで加熱できるかどうかだけでなく、その理由や見分け方を知っていると安心ですよ。
では、まずは「発砲スチロールの容器は電子でチンできるのか?」から見ていきましょう!
目次
発泡スチロールの容器は電子レンジでチンできる?意外な理由が判明した!
「発砲スチロールの容器は、電子レンジで加熱しても大丈夫か?」の答えの前に…。
まずは、「発砲スチロールとは何ぞや?」ということから確認していきましょう。
あなたは、発泡スチロールは何でできているかご存じですか?
実は発泡スチロールは、ポリスチレン樹脂というプラスチックの一種で、発泡剤で数倍から数十倍に膨らませたものなのです。
これがシート状に加工され、食品トレイやカップ麺の容器などに成形されています。
たいていのプラスチック製品って燃えますよね。
つまり、プラスチックが原料の発泡スチロールの容器は、可燃物のため加熱は危険なので
ということになります。
「でも、レンジで加熱OKな発泡スチロールのトレイもあるのでは?」
と疑問に思った人もいるでしょう。
これについては、後ほど詳しく説明しますが、とくに表示のない容器は、電子レンジで加熱できないと覚えておきましょう。
では、この発泡スチロールには、どのような特徴があるのでしょうか。
発泡スチロールの特徴とは?
発泡スチロールは大きさに対して、とても軽いですよね。
それには次のふたつの理由があります。
- 発泡剤で膨らませているので、99%が空気でできている
- 原料に水分を含んでいない
泡スチロールは断熱材にも使われるように、それ自体は熱くなりません。
ですが、耐熱温度は約80~90℃とそれほど高くないので、高温に弱い特性を持っています。
カップ麺の容器には、発泡スチロールの表面に耐熱性のある”ポリ塩化ビニル”や”ポリプロピレン”などの保護シートが貼られています。
そのため、熱湯を注いでも大丈夫なように作られています。
ですが、通常の発泡スチロールの容器の場合、高温の熱で燃えたり変形したりします。
電子レンジでの使用でも、こんな事例があるんですよ。
- 発泡スチロールの容器に、揚げ物をのせたまま電子レンジでチンしたら、容器が溶けた
- 冷凍のお肉を解凍しようとして電子レンジで温めたら、発泡スチロールの容器が変形した
発泡スチロールの容器自体が熱くならなくても、乗せた食品が高温になることで、変形の原因になるということですね。
そして変形するだけならまだしも…。
発泡スチロールの容器がレンジで溶けたら、そこにのっていた食品を食べた場合は大丈夫なのでしょうか?
発泡スチロールがレンジで溶けた!そのまま食べても大丈夫なの?
発泡スチロールのトレイに、食品をのせたまま電子レンジでチンすると、容器に穴が空くことがあります。
「発泡スチロールが電子レンジで溶けたのでは?」「溶けた成分が食品に染み込んでいない?」と心配になりますよね。
発泡スチロールがレンジで溶けたことで、「体に有害なのでは?」と不安に感じます。
ですが実はこれ、
なのです。
発泡スチロールが、電子レンジで溶けることはありません。
ですから、発泡スチロールの成分が食品に混ざったり、染み込んだりすることはないので安心してくださいね。
ただし、縮んだりなどしたことで、破損した一部をうっかり食べてしまうということも、あり得なくないですよね。
発泡スチロールをうっかり口に入れてしまったら?
プラスチック製の発泡スチロールは、胃酸で溶けることはなく、その成分が溶けて体内で吸収されることもありません。
ただし、大きいものだと喉に詰まって窒息したり、角があるものは、胃や内臓を傷つける恐れがあります。
ですから、食べても大丈夫とは言えないですね。
また溶けないと言っても、微量な成分が体内に及ぼす影響については、明らかになっていない部分もあります。
基本的には、発泡スチロールの容器は、電子レンジで使用しないほうが安全だと言えます。
ほかにも、「体内に入ったら有害なのでは?」と思う原因として、「におい」がありますよね。
燃えた発泡スチロールのにおいは有害?
発泡スチロールが燃えると、”ブタン”や”ベンタン”といった独特のにおいがします。
発泡スチロールが燃えても「二酸化炭素」「水」「炭素」しか発生せず、これらは有害な物質ではありません。
どちらかというと、異臭の分類に入るにおいなので、食欲が減退する人が多いでしょう。
ここまで言われたら、わざわざ発泡スチロールのお皿のまま、レンジにかけようと思わないですよね。
では、発泡スチロールに入った食品を温めるには、どうしたらいいでしょうか。
発泡スチロールに入った食品を温めるには?レンジ可の容器を調べてみた!
発砲スチロールの容器のまま、電子レンジで温めないほうがいい!
では、どうすればよいのかと言うと…。
発泡スチロールに入った食品を温める場合は、レンジ対応可のお皿や容器に移してから温めます。
電子レンジが使える容器は、次のとおりです。
- 耐熱ガラス容器
- 紙皿
- 磁器や陶磁器
- クッキングペーパー
- ポリプロピレン製の容器
ただし、これらの材質ならどれでも大丈夫というわけではありません。
電子レンジで使用できないもの
- プラスチックでコーティングされているもの
- 金属の縁取りや模様のあるもの
たとえば、紙皿の中には耐久性などの理由で、プラスチックでコーティングされたものがあります。
これらは、電子レンジで使用すると変形する恐れがあります。
また、ガラスや陶磁器などに金属が使われていると、金属部分が熱を持って火花が散るので気をつけましょう。
ところで、発泡スチロール製の容器の中でも、電子レンジ可のものがありますよね。
この見分け方は、容器に表示されているマークでわかります。
- PP:ポリプロピレン製(電子レンジ可)
- PS:ポリスチレン製(電子レンジ不可)
「PSはダメ」と覚えておけば、間違うことはなさそうですね。
電子レンジは便利ですが、使うものを間違うと爆発したりなど、危険なことも起こり得ます。
次は、PS製の発泡スチロール容器以外にも、電子レンジで使ってはいけない容器を見ていきましょう。
危険な目に遭う前に!電子レンジNGの容器はコレ!
ポリプロプレン(PP)製以外の発砲スチロールは、電子レンジは使えないということがわかりました。
そのほかにも、電子レンジNGの容器があるので、ここで確認しておきましょう。
電子レンジに入れてはいけないものは、次のものです。
アルミホイル
放電が起こりパチパチと火花が散り、アルミホイル自体も溶けます
金属製の容器
アルミホイルと同じで、金属が放電して火花が散ります
お惣菜などが入れられる茶色の紙袋
中がコーティングしてあるので、熱で火が出たり有害な物質が発生します
ペットボトル
ペットボトルは耐熱温度が50℃程度なので、一気に温まると爆発したり穴が空いたりします
その他のNGな事例
ほかにもビニール袋や木製の容器も耐熱性がないので電子レンジ不可です。
また、ラップをかぶせてレンジでチンもよくやりますが、耐熱温度の低いラップもNGですよ。
それから、すき家や吉野家で牛丼をテイクアウトすると、発泡スチロールの容器に具材とごはんを入れてくれますよね。
冷めてしまったら、そのまま電子レンジで温めたいところですが、実はこれもNGなんです。
温かい食品を入れる容器なので、大丈夫そうに見えますが、高い耐熱性はないのですよね。
コンビニのおでんも同じことで、冷めてしまったからと、安易にレンジでチンしてはだめですよ!
そうはいっても、発泡スチロールの容器は便利なので、あらゆるところで使われています。
私は1週間分まとめて買い物をして、肉や魚はラップに包んで冷凍しています。
そしてその度に、何枚もの発泡スチロールのトレイがごみになって、処分に困っています。
リサイクルで引き取ってくれるスーパーもありますが…。
発泡スチロールの容器は、可燃ごみなのでしょうか?不燃ごみなのでしょうか?
可燃ごみ?不燃ごみ?発泡スチロールの容器の捨て方は?
発泡スチロール容器の捨て方は、「可燃ごみ」「不燃ごみ」「プラスチックごみ」のどれかになりますが、これは自治体によって違います。
まずは、住んでいる自治体のホームページや広報などの”ごみの分類表”を見てみましょう。
私が住んでいる自治体では、食品トレイは「プラスチックごみ」に分類されます。
そして、さらに「プラスチック製容器包装」と「プラスチック製容器包装以外」に分別する必要があるんです。
リサイクルやその他の資源にされるなど、環境に配慮したごみ捨ての方法が決められているんですね。
発泡スチロールの容器は「プラスチック製容器包装」になり、リサイクルされてプラスチック製品として再利用されます。
イオンなどのスーパーでも、発泡スチロール製の食品トレイの回収を行っていますね。
回収コーナーには、「食品トレイ」「紙パック」「ペットボトル」と、それぞれ別けて投入できるようになっています。
今では、リサイクルという考えが当たり前になってきていますよね。
発泡スチロールは、約8割がリサイクルされています。
発泡スチロールは原料が石油で、石油は限りある資源なので枯渇させないためにも、リサイクルが重要なんですよね。
ただし、汚いままでごみとして出してしまうと、可燃ごみになってしまいます。
洗剤で洗う必要はないので、捨てる時にはさっと水で洗って出すようにしましょう!
まとめ
最後に、ここまでの内容を簡単にまとめておきますね。
- 白い発泡スチロールの容器は電子レンジでチンしてはいけない
- 高温になった食材に触れると変形したり穴が空いたりする
- 溶けるのではなく縮むだけなので、成分が食品に染み込む危険はない
- チンすると独特の異臭はするが、有害な物質は発生しない
- 誤って発泡スチロールを食べても、そのまま体外に排出される
- 縮んだ容器はのどに詰まったり、角で内臓を傷つけたりする危険性がある
- 発泡スチロール製の容器に入った食品はレンジ可の容器に移して温める
- PPマークのポリプロピレン製は電子レンジで使える
- レンジに対応していない容器を使うと火災などにつながる危険がある
- 白いトレイはリサイクルで再利用できる
スーパーやコンビニで、手軽に買えるお弁当やお惣菜は、忙しい人にとっては便利ですよね。
そして、買ってきたお弁当は、発砲スチロールの容器のままレンジでチンしてOKなのか、気になっていた人も多いと思います。
結果は、PPマークのついたポリプロプレン製なら電子レンジで温めOKでした。
発泡スチロール製の容器に入った食品を温める前には、ぜひとも素材を確認するようにしたいですね。
もしも余裕があれば、レンジで温め可能な容器に移し替えて温めれば、より安心できます。
また、食べ終えた後の容器は、リサイクルを意識した使い方をするのもエコにつながりますよ!
発泡スチロールの原料は石油といいましたが、石油はあと38年で枯渇するといわれています。
汚れている発泡スチロールのトレイは可燃ゴミでOKだから…と、洗うのが面倒な時はついゴミとして捨てたくなります。
でも、限りのある資源をどんどんゴミにしてしまってると、考えたら恐ろしいですよね。
それまでは、リサイクルは大切とわかっていても、それほど深刻に考えていませんでした。
ですが、期限を知ってからは、面倒がらずにきちんと分別するようにしています。
もし電子レンジでチンして、発泡スチロールの容器が縮んでしまっても、変形しただけなのでリサイクルできます。
トレイ1枚でも大切な資源のひとつとして、意識できたらいいですよね。