【執筆者:編集部 鳥越菜生】
健康診断の日なのに朝ごはんを食べちゃったことに気づいたら焦りますが、同じような体験をした人がお悩みを投稿しているYahoo!知恵袋が参考になります。
知恵袋回答には、うっかり食事を食べてしまったとしてもそんなに慌てなくても大丈夫だ、という心強い口コミもあるようです。
しかし血液検査や尿検査などをする予定のときは食事してしまったことを伝える必要があり、場合によっては受けられないかもしれません。
そこでこの記事では、健康診断の前に飲食してしまっても落ち着いて対処できるように、以下の項目について解説します。
健康診断前に食べたときのこと
- 知恵袋からの体験談と対処法
- 朝食抜きにする必要がある理由
- 特に注意すべき検査項目
- 飲食の制限例と食べていい場合
朝ごはんじゃないから大丈夫と思っていたら実はNG行為になる例も紹介するので、健康診断前の飲食制限の意味や守り方のポイントをぜひ参考にしてください。
目次
健康診断の日に朝ごはんを食べちゃったときの対処法
健康診断がある日なのに朝ごはんを食べてしまったときは、必要なデータを得られない可能性があるため、受付や問診で自己申告する必要があります。
知恵袋に寄せられた体験談や回答の口コミを参考にして、正しい対処法を知っておきましょう。
- 食べたことを正直に申告することが大切
- 胃カメラ・バリウム検査がある場合は中止の可能性大
- 血液検査・尿検査などは結果に影響しても受けられる場合がある
健康診断を受けるには、予定の検査項目によって前日や当日の飲食の制限が必要です。
守れていないときは、できない検査があったり日を改めなければならなかったりします。
だからと言って黙っていると検査によっては体にリスクとなる可能性もあるため、知恵袋回答にもあるように本当のことを申告した方が良いです。
そのうえで検査項目によって受けられるか受けられないかを施設側の基準で判断され、どうするかを決めることになります。
しかし知恵袋を見ていると、「朝ごはんはダメ」と言われても人によって認識が違うようなので、寄せられた体験談から確認してみましょう。
朝ごはんを食べてしまった人の体験談を知恵袋から紹介
知恵袋には健康診断の日に朝食を食べた人のほか、バナナやトマトジュース・コーヒーなどの飲み物を摂ってしまったが大丈夫かという相談も多いです。
また回答にも、食事をしてしまったあと検査が受けられたかやどう対処したかなど、体験談の口コミがあって参考になります。
健康診断前の飲食に関する相談内容 |
---|
・当日の朝うっかりして朝ごはんを食べてしまい、 検査に影響があるのではと心配 ・夜中に起きてバナナを食べてしまったが、 検査に響くのか知りたい ・家族が、朝食じゃないからと言って トマトジュースを飲んで行ったが良かったのか疑問 |
回答にあった体験談 |
・自分はいつも朝食を食べてから行っても 受けられている ・血液検査には影響するが、バリウムなしなら あまり気にしなくて良いと思う ・朝うっかり食事してしまったので 検査前に申告したが、そのまま受けられた |
健康診断の注意事項には「朝食」を抜いてください・「食事」は食べられません、などと書かれています。
そのため朝食となる食事はダメでも、果物や飲み物だけなら大丈夫だと勘違いしている人もいるようです。
ジュースも糖分が含まれているものがほとんどで、水やお茶以外はほぼ栄養素が含まれています。
健康に良いと人気のトマトジュースや野菜ジュースにも意外に糖分が含まれているので、気になる方はこちらの記事もぜひ読んでみてください。
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またお茶は飲んで良いと言っても麦茶や緑茶のことで、紅茶やコーヒーなどは加糖だったりクリームやミルクが入っていたりする場合が多いので要注意です。
ノーカロリーの飲み物でも影響する検査もあるので、「水またはお茶は〇時までにどれくらい飲めます」といった注意書きも必ずチェックしてください。
知恵袋回答には、飲食の制限が守れていなくても血液検査が受けられるという口コミが目立ちます。
しかし検査結果は、健康度を診断するためのデータにできない可能性が高いです。
(※血糖=血液中に存在する糖)
せっかくの健康診断を有益に安心して受けられるようにするため、絶食がなぜ必要なのかや制限の守り方を知っておきましょう。
食事してしまったら健康診断が受けられなくなる理由と注意点
健康診断の前に制限に反して飲食したら、検査の一部ができない・できても正しく診断できない可能性があるため、中止や延期となる場合があります。
検査 | 飲水 | 食事 (飲み物も含む) |
---|---|---|
胃部 レントゲン |
〇 | 〇 ※飴・ガムも禁止 ※禁煙・禁酒 |
内視鏡検査 (胃カメラ) |
〇 | |
腹部エコー | - | 〇 |
血液 | - | 〇 |
尿 | - | 〇 |
なお「飲水」はノーカロリーで糖分や脂肪分などの栄養素を含まない水かお茶を飲むことを指し、それ以外の飲み物は「食事」と同じと考えてください。
表中の検査のうち血液検査と尿検査以外は、一般健康診断や特定健診の生活習慣病予防健診としての基本メニューには含まれません。(※1)
飲食してしまったときの悪影響と制限が必要な理由を、検査別に注意点とともに解説します。
バリウム検査は水を飲んでも受けられない場合がある
飲食を制限する必要がある検査のうち、水を飲んだだけでも受けられなくなるのは胃部レントゲン(X線)検査、通称バリウム検査です。
胃を空にする必要があるのでもちろん絶食で、水が入っていてもバリウムが胃壁に付きにくくなり必要な画像を取れない可能性があるので飲水も禁止です。
しかし近年は熱中症や脱水症予防のため、絶食後から検査の2時間前までは少量ずつ、水かお茶で水分補給をして良いとされています。
200mlは少量ですが、ミニサイズのペットボトルは外出にも便利なので、非常用の買い置きにもおすすめですよ。
飴やガムなら大丈夫だろうと思うかもしれませんが、糖分を含むものが多く噛むことによる作用も加わるため、食べてしまったら胃を刺激することになります。
タバコを吸うことも刺激となって胃液が多くなるため、検査前はやめておきましょう。
そのほか乳製品は胃壁に膜を張る性質があり、アルコール類も胃を刺激するうえバリウムを固める性質があるので、前日から避けておいた方が良いそうです。
健康診断の前日の食事については、時間制限はあっても内容までの注意事項はない場合も多いです。しかし胃の検査がある場合は胃腸に食べた物が残っていない方が望ましいので、なるべく消化の良いものを選びましょう。ラーメンやうどんなどの麺類は消化が良いので食べても大丈夫です。意外かもしれませんが海藻やきのこ類は食物繊維が豊富で消化しにくいので、前日は食べすぎに注意しましょう。
胃カメラの検査では水は少量飲んでいても影響しませんが、1~2時間前までと制限される場合が多いようです。
腹部エコー(超音波)検査はお腹に検査器具を当てるだけなので飲水は制限されませんが、正しい診断のため絶食は必要ですよ。
絶食は基本の検査項目に必ず含まれる血液検査と尿検査にも重要で、ほとんどの人に当てはまるので、朝ごはんをたべちゃったらダメな理由を解説します。
血液検査・尿検査の結果を正しく診断できない
健康診断の血液検査や尿検査の前に食事を食べてしまったら、食べ物の糖や脂質が出て血中・尿中の数値が高くなり、病変との区別がつかなくなります。
糖は早く吸収されるので血糖値は食後すぐから上昇し、組織に取り込まれるにつれ戻っていきますが、血液検査前は10時間以上の絶食が必要とされています。
脂質のうち食事で上昇しやすいのは中性脂肪の数値で、食後4~6時間がピークになるようです。
そのため朝ごはんを食べて血液検査を受けると、糖尿病や脂質代謝異常症の疑いと診断される可能性があります。
そのうち尿糖は腎機能低下だけでなく食事の影響を受ける可能性があるので、陽性(+)になり糖尿病の疑いと判定されるかもしれません。
せっかく受けても正しい診断ができず、結局再検査や要精密検査となるのは残念なので、食事をしてしまった場合は必ず伝えましょう。
しかし健康診断でも13時からのように午後から始まるときは、朝ごはんを食べていい場合があります。
午後開始なら朝ごはんは食べていい場合が多い
健康診断が14時からや15時からだと空腹時間が長すぎるので、午後開始の人は朝ごはんに軽い食事をしても良い場合が多いです。
絶食は前日夜9時や10時以降の場合が多いので、午後開始の人は朝食を食べずにいると2食も抜くことになりますよね。
午後の健診だと飲水も開始予定の2時間前までなのは同じですが、容量を500mlまでのように増やしている場合もあるのでチェックしてみてください。
健康診断を受けると受診歴や既往歴が会社や学校に知られるのではないか、と悩んでいる人もいるようです。しかし健康診断の基本検査は生活習慣病やがんなどの早期発見を目的としたもので、詳しい病歴は問診で自己申告しない限りわからないと考えられます。
また高血圧・心臓病・てんかんの薬や向精神薬などを飲んでいる人は、健康診断の当日も中止してはいけない場合が多いので注意が必要です。朝6時までに少量の水で飲むように指示される場合が多いですが、心配な人は医師や検査機関に確認しましょう。
ちなみに特定健診では生活習慣病予防の重要な指標として腹囲の測定も必ず実施されるので、内科診察でいきなりメジャーで測られ戸惑う人もいます。
数値が気になっている人は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
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また大腸がん検診の検便があるのに出ないときは、こちらの記事を参考にしてくださいね。
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健康で元気に動けるように、体のメンテナンスのためにも、毎年の健診を有効活用していきましょう。
結論 | 健康診断なのに食べちゃったときはまず正直に申告しよう
- 知恵袋にも食べてしまった人の口コミは多く参考になる
- 血液検査や尿検査に影響しやすく判定しにくくなる
- 胃の検査がある場合は水も飲み過ぎると中止となる
- 午後開始なら朝ごはんを食べていい場合が多い
- 食べたことを正直に自己申告することが最良の対処法
健康診断がある日なのに食事してしまったら誰でも焦ると思いますが、とにかくまずは検査機関で正直に話すことが大事です。
うっかりしていて食べちゃったという人は案外多く、知恵袋にもいろいろなお悩みが投稿されていました。
無理やり強行してもあまりメリットがないので、食事したことが影響する検査は延期することも選択肢として、冷静に判断しましょう。
せっかく受けるのですから正しく判定してもらえるように、次に健康診断の飲食制限に迷ったときも、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。