【執筆者:編集部 鳥越菜生】
学割証を旅行に使うには、目的が条件に当てはまっている必要があります。
嘘の内容で申請したり本人以外が使ったりなどの不正がばれると、学校までもペナルティが科せられるおそれがあるため、正しい使い方をしましょう。
そこでこの記事では、せっかくの学割制度をフル活用するために知っておきたい、以下の項目について詳しく解説します。
学割証での旅行のこと
- 旅行中に嘘がばれる可能性
- 不正使用が発覚したらどうなるか
- 使用理由の条件や枚数などの規定
- 申請の仕方や使い方の注意点
新幹線を使うような遠距離の場合は経済的な負担も大きくなるので、ぜひこの記事を参考にして学割証を有効活用してくださいね。
目次
学割証での旅行は理由が大事 | 不正使用はばれると大変な事態に
学割証は旅行の目的が決められた条件の範囲内と認められる場合に発行されますが、申請者本人が身分証を携帯したうえで使用しなければなりません。
1 | 休暇・所用による帰省 |
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2 | 教育活動 ・実験実習 ・通信教育を行う学校の面接授業や試験など |
3 | ・学校が認めた特別教育活動 ・体育・文化に関する教育活動 |
4 | 就職または進学のための受験等 |
5 | 学校が修学上適当と認めた見学 または行事への参加 |
6 | ・傷病の治療 ・修学上支障となる問題の処理 |
7 | 保護者の旅行随伴 |
※参照元:学校学生生徒旅客運賃割引証取扱要領 | 文部科学省
学割証は「学校学生生徒旅客運賃割引証」のことで、切符購入時に提出するとJR(旅客鉄道株式会社)の普通運賃が2割引になります。
学割証を問題なくもらえるように、まず定められた使用目的の定義を確認しておきましょう。
使用目的の許容範囲に注意
学割証は修学上の経済的な負担を軽くすることが目的なので、旅行理由の許容範囲は学生・生徒が学校生活を送る上での必要性を重視したものになっています。
しかし修学に全く関係なく趣味や遊びのためだけの旅行や、保護者でない人の旅行への同行は範囲外と判断され、学割証は発行してもらえません。
旅行の途中で遊びの時間を設けても不正にはなりませんが、学割証で購入した切符をほかの人に譲るのは違反です。
本人以外の使用はNG | 新幹線では切符のチェックあり
学割証が使えるのは申請者本人のみなので、友達の分をもらったり本人以外の人が使用したりするのは不正利用になります。
学割証が使えるのは、JRの営業キロで片道100kmを超える普通乗車券の購入です。
新幹線や特急を使う場合が多いと思いますが、乗車中に車掌による切符のチェックがあるため、学割の本人以外による不正使用がばれる可能性も高いです。
もし不正がばれたらどうなるのか、罰則について調べてみました。
違反すれば学校にも多大な迷惑がかかる
学割証の不正使用がばれると申請した本人には追徴金が課されますが、学校の方も責任を問われ発行の停止や制限などの処分を受ける場合があります。
※参照元:旅客営業規則 | JR東日本
おい誰だJR学割証不正使用しようとしたやつ
— あかつき (@ja9930) March 1, 2018
弊学で学割証の不正使用があったらしく、繰り返されると学割証が使えなくなってしまうという今世紀最大の飛び火がきた
— E130 (@500_e130) October 15, 2021
こうなると多くの学生に多大な迷惑がかかるので、大学側も不正使用した人には以後の学割証の発行を停止せざるを得ない場合もあります。
学割証の決まりや使い方をよく理解したうえで正しくフル活用するため、注意点をおさえておきましょう。
学割証のもらい方と使い方のコツや注意点
学割証は所属する学校の事務窓口で申請書を提出し内容が認められると発行されますが、事務管理の必要な書類なので取り扱いには注意しましょう。
- 使用理由が認められる条件の範囲内か
- 枚数は必要最小限におさえているか
(往復乗車券・連続乗車券にできる場合がある) - 学校が設定した制限枚数を超えてないか
(ただし超えた場合も窓口で申請可) - ほかに学割よりお得なチケットが発売されてないか
枚数制限の真相と、学割証をムダなく利用するためのもらい方や使い方のコツをご紹介します。
必要な数だけ申請 | 発行枚数の上限もチェック
学割証は通し番号を付けて管理される重要な書類なので、必要な分だけを申請するのはもちろんですが、切符の買い方も工夫しましょう。(※1)
学校によっては発行枚数に上限を設けている場合がありますが、文部科学省では枚数制限はしていないので、事務管理上の判断のようです。(※2)
上限に達したからといって友達に申請してもらうと不正になるので、窓口で相談し、必ず自分の名前で申請しましょう。
また学割証には3ヵ月という有効期限があるうえ失くしたら届出の必要があるので、適切に扱わねばなりません。
さらに営業キロで片道601km以上ある場合は運賃が1割引きの「往復割引乗車券」が購入でき、学割と合わせての割引が可能です。
帰省で長期間実家に滞在したいときは、往復乗車券だと帰りの切符が使えなくなる可能性があります。
片道ずつ購入するには学割証が2枚必要ですが、使わなかったら返さなければならないので、申請前に有効期間を確認しましょう。
乗車券の有効期間は区間距離によって違い、営業キロで片道100kmまでは1日で、往復乗車券は片道乗車券の2倍になります。
(例:片道180km区間の場合は180÷200+1=2日(⇒往復乗車券は4日))
旅行中は切符をたびたび出し入れするようになるので、カバンに付けておけるパスケースに入れておくと迷子防止にもなり便利ですよ。
目的地によってはJRの周遊・イベント・おトク切符などもあり、学割証で購入するよりお得になる場合もあるので、申請前にチェックしましょう。
新幹線の特急料金には学割がきかない | ほかのお得切符も検討
学割証は普通運賃のみに適用されるので、新幹線や特急・急行を使って旅行する際は割引にならない料金部分があることに注意しましょう。
ただし観光キャンペーンとして発売期間や曜日が限られ、新幹線ならこだまのみというように条件があることも多いので注意してください。
費用をできる限り安くおさえられるように、学割とお得なチケットを上手に活用しましょう。
旅行中に新幹線で困ったときのために、こちらの記事もぜひ参考にしてくださいね。
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結論 | 学割証での旅行は正しい使い方を守ろう
- 本人以外の使用は学生証を提示する場面でばれる可能性大
- 新幹線や特急・急行内では切符をチェックされる
- 不正使用には追徴金や校則違反などのペナルティがある
- 枚数に上限はないが発行には条件を満たす理由が必要
- 学割は普通運賃のみ対象なのでほかのお得切符も要チェック
使用理由が既定の範囲内と認められれば、学割証を使って旅行することも可能です。
しかし不正使用すればばれる心配をしなければならないうえ、ばれたときはペナルティが課され学割分が全く割に合わない結果になります。
学校で上限の設定があっても必要があれば追加発行されるので、学生を応援する制度である学割証を正しく申請してしっかり活用しましょう。