【執筆者:管理栄養士 早矢仕知恵】
抹茶にはカフェインやシュウ酸、タンニンが含まれているので、飲み過ぎたり飲み合わせが悪かった
りすると体に悪い影響があるかもしれません。
適量と飲み方に注意すれば、カテキンのような体に良い成分もたくさん含まれているので健康効果が期待出来ます。
抹茶の栄養を上手く利用出来るよう、注意点をまとめました。
抹茶のこと
- 考えられる体に悪い影響
- デメリットを防ぐ飲み方と摂取量
- 含まれる体に良い栄養成分
- 期待できる効能や健康効果
茶葉の栄養を丸ごと体に取り込むことが出来る抹茶は、海外でもスーパーフードとして人気があるようです。
メリットやデメリットを知り、美味しく上手に飲用しましょう。
目次
抹茶の飲み過ぎや飲み方には注意|体に悪い影響があることも
抹茶を飲み過ぎたり、飲み方が体質や体調に合わなかったりすると、体に悪い影響を与える場合があります。
不眠 | カフェインの摂りすぎ |
---|---|
胃痛 | |
カフェイン中毒 | |
尿路結石 | シュウ酸の摂りすぎ (他の食品との併用に注意) |
貧血 | シュウ酸・タンニンの摂りすぎ |
便秘 | タンニンの摂りすぎ |
タンニンは下痢止めの薬にも含まれるポリフェノールの一種ですが、摂りすぎると便秘になる可能性があります。
タンニンやカフェインのように体に良い効果の期待できる成分も、利用の仕方によっては健康に悪い影響を及ぼす場合があります。
カフェインの摂りすぎを防ぐ毎日の摂取量の目安
カフェインが体に与える影響には個人差がありますが、人によっては成分が悪く作用して胃痛や不眠になる人もいます。(※1)
- 健康な大人→400㎎
- 妊婦・授乳婦→200㎎
カフェインによる悪影響を防ぐため、さまざまな国で摂取の目安量が示されています。
抹茶 | カフェイン量 |
---|---|
100g | 3.2g |
(1杯の使用量) 2g |
64㎎ |
抹茶は1回70㏄のお湯に対し、2グラム(小さじ1程度)を利用するのが適量と言われています。
コーヒーを飲むと眠れない、胃が痛みやすいなどカフェインの影響を受けやすい人は、目安量であっても注意が必要です。
体質や体調に合わせて利用しましょう。
シュウ酸の摂りすぎは尿路結石の原因になる
抹茶のようなお茶類や野菜に多く含まれるシュウ酸は、摂りすぎると尿路結石の原因になります。
ほうれん草 | 800㎎ |
---|---|
キャベツ ブロッコリー |
300㎎ |
抹茶 | 1350㎎ |
ほうじ茶 | 286㎎ |
シュウ酸はカルシウムと一緒に摂ることで体内への吸収を減らせますが、尿路結石を発症したことのある人や心配な人は、ほうじ茶や麦茶、水で水分補給しましょう。
シュウ酸には鉄分の吸収を阻害する働きもあります。
シュウ酸・タンニンのデメリット|貧血の人は注意
抹茶に含まれるシュウ酸やタンニンは鉄分の吸収を抑える働きがあるので、貧血気味の人は注意しましょう。
薬やサプリメントとの飲用は避けましょう。
貧血が改善されないときは、食べ合わせが悪くないかを確認してみまよう。玄米のフィチン酸、緑茶のタンニン、牛乳のカルシウム、ほうれん草のシュウ酸、加工食品のリン酸塩、他にも食物繊維のとり過ぎ、胃酸抑制剤は鉄の吸収を妨げるよ。食べないのではなく、調理方法や食べるタイミングを工夫してね。
— びりけんママ@40歳からも輝くママ×分子栄養学 (@biriken_mama) May 10, 2022
デメリットが心配な人は、体に悪い影響の少ない飲み方が出来るよう工夫しましょう。
抹茶で体に悪い影響が出ないようにする工夫
抹茶を飲んだ時に体に起きる可能性のあるデメリットが心配な人は、いくつかのポイントに注意しましょう。
- 適量を守る
- 温度を低めで入れる
- カルシウムと一緒に摂る
- 食事の前後の飲用は控える
- 薬との飲用は避ける
抹茶は70~80℃のお湯で入れるそうですが、やや低めの60℃で入れるとカフェインの溶け出す量を減らせます。
カフェインの少ない抹茶の商品もあります。
体調や体質に合わせて工夫して下さいね。
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抹茶を上手に利用出来れば、さまざまな体に嬉しい効果が期待出来ますよ。
抹茶に含まれるさまざまな体に良い栄養成分
抹茶にはさまざまな体に良い効果の期待できる栄養成分が含まれています。
抗酸化物質 ・カテキン ・βカロテン |
活性酸素の発生や働きを抑える |
---|---|
抗酸化ビタミン ・ビタミンC ・ビタミンE |
・体の機能を正常に保つ ・活性酸素の発生や働きを抑える |
水溶性食物繊維 | 腸の調子を整える |
テアニン (アミノ酸) |
リラックス作用(※3) |
抹茶には緑茶よりもうまみや甘みの成分であるテアニンが多く含まれています。
抹茶と緑茶の違い
同じ種類の木で栽培されますが、抹茶は日光を遮りながら育った木から、緑茶は日光を浴びた木から作られます。
日光を浴びないように栽培することで茶葉にテアニンの量が増えます。
手軽に抹茶を楽しめる商品もあります。
渋みの元となる成分のカテキンにはさまざまな健康効果が期待され、市販の特定保健用食品にも利用されています。
カテキンに期待出来る効能とトクホの商品
抹茶のようなお茶に多く含まれるカテキン(茶カテキン)はポリフェノールの一種で、さまざまな体に良い効果が期待出来るとされています。
- 抗酸化作用
- 抗菌作用
- 血圧の上昇を抑える
- コレステロール上昇を抑える
- 血糖の上昇を抑える
- 消臭作用
茶カテキンの作用を期待した特定保健用食品もありますよ。
伊藤園 おーいお茶 カテキン緑茶 |
・血中のコレステロールを減らす ・脂肪吸収を抑え体脂肪を付きにくくする |
---|---|
花王 ヘルシア緑茶 |
内臓脂肪の減少を助ける |
抹茶は苦手でも茶カテキンを健康のために摂りたい人はぜひ利用してみて下さい。
結論|抹茶は体に良いが飲み方によっては体に悪い可能性がある
- 飲み過ぎには注意する
- 体調や体質に合わせてデメリットの少ない飲み方を工夫する
- 抗酸化作用を含む成分が豊富
- リラックス効果のあるテアニンも豊富に含まれる
- カテキンにはさまざまな体に良い効能が期待出来る
抹茶の飲用はカテキンやビタミンのような茶葉に含まれる栄養をしっかり摂取出来るので、体に良いメリットがたくさんあります。
飲み過ぎや飲み方によっては体に悪い場合があるので、カフェインの作用に過敏な人や貧血気味の人などは、体質や体調を考慮して利用して下さいね。