【執筆:ヨセミテ編集部】
ふきのとうには天然毒が含まれる為、下処理や食べる量に注意しなければ、毒性により体に悪い影響を及ぼすおそれがあります。
また、一部花粉症やアレルギー体質の人も注意が必要です。
安全にふきのとうを楽しむ為のポイントや、栄養成分などを以下の項目で紹介していきます。
ふきのとう のこと
- 毒性や下処理について
- 天ぷらはあく抜きが必要か
- アレルギーや他注意点
- 栄養成分や日持ちさせる方法
近頃ではスーパーでも購入できます。
身近な食材になりつつあるので、口にする機会が多い人はぜひ最後まで読んで安全性について理解を深めてくださいね。
目次
ふきのとうが体に悪いと言われる原因の1つ「毒性」とは
毒性の正体は、ピロリジジンアルカロイド類という天然毒です。
毒の摂取 | ペタシテニンやネオペタシテニン (ピロリジジンアルカロイド類) ⇒肝毒性があり動物実験では 発がん性も報告されている(※1) |
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アレルギー | 体質による (キク科の植物に アレルギーのある人は注意) |
ハシリドコロとの 混合に注意 |
ふきのとうと見た目が良く似ている ⇒中毒症状 |
また、ふきのとうはキク科(ブタクサ・ヨモギなど)に分類される為、アレルギー体質の人は注意が必要です。
毒性については、おひたしや味噌汁で楽しむ人は特に「あく抜き」が大切な工程になります。
あく抜きで毒抜き|天ぷらでは
ピロリジジンアルカロイド類は根や苦味の中にあり、水に溶けやすい特徴があります。
おひたしや味噌汁は「あく抜き」をした方が、えぐみや苦味が薄れるだけでなく、安全性も高まります。
- お湯に塩を加え数分茹でる
- 流水で冷やし そのまま水に浸ける
- 水が黄色くなったら適宜交換する
(2時間で50%以上抜けるようです)
ちなみに天然毒は含まれているものの、日本において今まで健康被害はないと報告されています。(※2)
天ぷらのような調理法は、独特の風味も薄れやすいので「あく抜き」がされないケースも多いですが、この場合も「大量に食べないよう気を付ける」ことを重視すれば大きな問題はないとされていますよ。
妊婦や乳幼児は注意
乳幼児や胎児は「ピロリジジンアルカロイド類」の影響を受けやすいと報告されています。(※3)
摂取はなるべく控えることが望ましいでしょう。
また、大量に食べない場合であっても、キク科の植物にアレルギー症状を起こす人も気を付けてください。
雄花がアレルギー症状の引き金に
ふきのとうには雌花(やや白い)雄花(やや黄色い)があり原因になるのは、花粉を持つ「雄花」の方だと言われます。
この時期になるとたまにですが #ふきのとう の天ぷらを食べて #アナフィラキシー を生じて搬送されるケースがあります。
花ががっしりしている雄花の方が起きるようです。
アレルギーのある方はご注意下さい。 pic.twitter.com/C2IHVC22RY— titan (@mikititan) March 22, 2022
アナフィラキシーを起こすこともあるようです。
蕾の状態では雌花か雄花か判断が難しく、該当する人はいずれも食べない方が賢明でしょう。
また、山菜取りでは他の植物と混合しやすい点にも気を付けてくださいね。
ハシリドコロとの混合に注意
ハシリドコロは本州や四国、九州でよく見られます。
新芽がふきのとうに類似しており味も悪くないようですが、中毒症状(嘔吐やめまいなど)を起こす有毒植物です。
ふきのとうの芽吹きの頃によく似た「ハシリドコロ」という毒草があります。テレビを見て「早速採りに行こう」って考えている方は要注意です。別名「キチガイナスビ」と言って、誤って食すと幻覚を見て走り回るところからきています。厚生労働省も注意喚起してますので参考までhttps://t.co/WvBNDntCSg pic.twitter.com/DnkR3OEsKO
— ロクパパ (@ekakipapa) March 20, 2018
スーパーで購入する人は問題ないですが、山菜取り初心者の人は特に気を付けたいポイントです。
ちなみに、加工品であれば最近はインターネットからでも、ふきのとうの味が楽しめます。
ふきのとうより「ふき」の方が手に入りやすい人はこちらの記事も役に立ちます。
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毒性のあるふきのとうですが、下処理や量に注意すれば大きな心配は不要です。
栄養豊富でもあり、うれしいメリットもありますよ♪
ふきのとうの栄養や健康面のメリット|長持ちさせる保存方法
ビタミン・ミネラルや食物繊維などが豊富に含まれています。
カリウム | 体内の余分な塩分の排出を助ける |
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ビタミンE | 体の酸化を予防する |
ビタミンK | 骨の形成に役立つ 血液凝固の際に必要 |
葉酸 | 赤血球の生成 |
食物繊維 | 腸内環境を整える |
季節を丸ごと、栄養もおいしく味わってくださいね♪
また、大量に手元にあるときは冷凍保存が便利です。
冷凍保存の方法や人気レシピ
生のままでは酵素による変色が起こりやすいので、「あく抜き」をした状態で冷凍します。
- あく抜きをする
- 十分に水気を切る
- チャック付きの保存袋やラップで
空気に触れないよう保存
天ぷらにしたり、ふきのとう味噌やお味噌汁にもサッと使えて便利です。
ふきのとう味噌♪ by けゆあ
ふきのとうの定番♪しっかりあく抜きをして
ふきのとうの天ぷら by 猫ごころ
衣の薄さで食感も変わります♪
「たくさん取ってきた」「大量にもらった」という人は冷凍保存もぜひ候補に入れてみてくださいね。
結論|ふきのとうの毒性はあく抜きで減らせる
- 天然毒は水にさらすと抜ける
- あく抜きしなくても量に注意すれば大きな心配はいらない
- キク科の植物にアレルギーがある人も注意(雄花)
- 山菜取り初心者の人はほかの植物との混合に気を付けて
- 栄養豊富&冷凍保存も可能
苦味成分の中に含まれる毒性は水に溶けやすい特徴から、あく抜きも比較的簡単です。
省く場合でも量に注意すれば問題は無く、健康被害もなかったと報告されていることから、過度に心配する必要はないでしょう。
さまざまな調理で楽しんでくださいね♪