【執筆者:編集部 柴崎マリ】
番茶が体に悪いと言われるのは、体質や飲み過ぎによって胃が荒れたり不眠症などを引き起こしたり可能性があるためです。
しかし、番茶そのものが健康に悪いわけではないので、体質や過剰摂取に気を付ければ問題なく楽しめます。
この記事では、番茶が与える影響について以下の内容を解説しました。
番茶のこと
- カフェインとカテキンによるメリットと注意点
- 1日の適量目安
- 栄養素と期待できるはたらき
- カフェインのデメリットを抑えるおすすめの飲み方
番茶は飲み方によってはうれしい働きを期待できることもあります。
ぜひ最後まで読んで、生活の中に取り入れてみてください♪
目次
番茶は体に悪い?|飲み過ぎなければ問題なし
番茶が体に悪いと言われるのは、カフェインやタンニンが含まれているためです。
しかし、飲み過ぎなければ問題になることはあまりありません。
胃腸への影響 | カフェイン・タンニンによる 下痢や消化不良など 体質も影響 |
---|---|
中枢神経への刺激 | カフェインの過剰摂取による 不眠症やめまいなど |
番茶とは、成長して大きくなったり固くなったりしてから摘んだ茶葉で作る緑茶を指します。
地方ごとに名前が変わる番茶
地方によっては独特の製法で番茶を作ることがあり、別の名前を冠するものも多いです。代表的なのは京都の京番茶(いり番茶)や徳島の阿波番茶など。
もとは同じ原料でも日照量や保存期間でカフェインやタンニン量が変わるため、早摘みされる煎茶やほうじ茶とは含有成分料が異なります。
飲み過ぎると体への悪影響が出るため、注意が必要です。
カフェイン・タンニンは胃への悪影響や不眠症などを起こす場合も
カフェインとタンニンは胃液の分泌を促す作用があり、飲み過ぎや胃腸の弱い人は下痢や消化不良などを起こす場合があります。
また、カフェインの過剰摂取は中枢神経を刺激し不眠症や息切れ、めまいなどのさまざまな症状を引き起こす可能性も。(※1)
番茶 (15 g/90 °C 650 mL、0.5分) |
10 mg/100 mL |
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玉露 (10 g/60 °C 60 mL、2.5分 ) |
160mg/100 mL |
煎茶 (10 g/90 °C 430 mL、1分 ) |
20 mg/100 mL |
ほうじ茶 (15 g/90 °C 650 mL、0.5分) |
番茶に含まれるカフェイン量自体は微量ですが、カフェインはさまざまな食品に含まれるため1日の摂取上限量を超えないよう適量を知ることが大切です。
また、古い言葉に「宵越しのお茶は飲むな」というものがありますが、番茶が体に悪いという意味ではありません。
「宵越しのお茶は体に悪い」は食中毒への警告
「宵越しのお茶は飲むな」という古い言葉は、煮出してから時間経過した茶葉が傷みやすいために生まれた言葉です。
番茶の茶葉に含まれるカテキン(タンニン)は抗菌作用があるため、本来の茶葉は傷みにくい食品。
しかし、カテキンは熱に弱く煮出した茶葉を放置するとすぐ傷みます。
結果、傷んだ茶葉で入れた緑茶で体調不良者が出やすいことから長年使われる言葉となりました。
カテキンとタンニンって同じ成分?
厳密には違う成分です。タンニンとは「皮をなめす(柔らかくする)効果を持った成分」で、カテキンは「一定の化学構造を持つ物質」の名称です。お茶に含まれるタンニンのほとんどがカテキンに属するものなので、ほぼ同じ成分のように扱われています。
時間が経った番茶が良くないのは成分の問題ではなく食中毒のためです。
ただし、煮出し時間が長いとカフェインやタンニン量も増えるので、成分の過剰摂取を防ぐためにも煮出し時間は適正にするのがおすすめですよ。
1日の適量目安|妊娠中は特に飲み過ぎ注意
体への悪影響を防ぐためには番茶の飲み過ぎに注意しましょう。
日本ではカフェイン摂取量の基準はないものの、世界の何カ国かでは目安の上限摂取量が定められています。
健康な成人 | 400mg |
---|---|
妊婦 | 200mg |
番茶を1杯200mlとすると、成人で20杯、妊婦は10杯ほどが一日の上限になります。
お茶で水分補給したい場合は、番茶と違いノンカフェインの麦茶がおすすめですよ。
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飲み過ぎには注意が必要な番茶も、適量であればうれしいメリットを期待できます。
番茶の成分|カロリーや期待できるメリット
番茶はカフェインやカテキンの他には、カリウムを主体とするミネラルが主な成分です。
カフェイン | スッキリした気分になれる |
---|---|
カテキン (タンニン) |
抗菌作用 |
カリウム カルシウム マグネシウム |
体に必要なミネラル |
カロリーが0なので、ダイエット中も問題なく飲めます。
カフェインやカリウムには利尿作用もありますが、番茶に医薬品のような効能はないため注意してください。
カフェインは少量であれば気分転換の際におすすめですよ。
実は緑茶は、入れ方によってもカフェイン量が変わります。
おすすめは水出し!渋みが減り飲みやすくなる
緑茶は水出しするとカフェイン量が減ることが分かっています。(※3)
渋味成分でもあるカフェインが減ることで口当たりもよく飲みやすくなるので、お子さんにもおすすめです。
また、番茶を長期間熟成させた三年番茶は、熟成中にさらにカフェイン量が減るためよりマイルドです。
夏は水出し番茶で涼み、冬は体を温めるために煮出しの三年番茶というふうに使い分けてもいいですね。
結論|麦茶は飲み過ぎなければ体に悪い影響はない
- カフェイン・タンニンは胃を荒らす場合がある
- カフェインの過剰摂取は不眠症やめまいなどの原因に
- 健康な成人は1日20杯・妊婦は10杯以内が一種の目安
- 適量なら気分転換にちょうど良い
- 水出しすることで渋味が減り飲みやすい味になる
番茶は体に悪いものではありませんが、体質や飲む量によっては胃が荒れたりカフェインの過剰摂取になったりすることもあります。
ですが水出しや三年番茶を活用することでカフェインによるデメリットを抑えられる場合も。
適量であれば気分転換にもぴったりの飲み物なので、ぜひ生活に取り入れてください。