【執筆者:管理栄養士 朝戸尚子】
アリシンを含むネギを食べ過ぎると、下痢や腹痛などを起こすことがあるため注意が必要です。
ただし適量であれば問題はなく、嬉しいメリットもたくさん期待できます。
この記事ではネギの食べ過ぎによる悪影響や、ネギを美味しく食べるための調理のコツについて紹介します。
ネギ のこと
- 食べ過ぎが体に悪いとされる理由
- 食べ過ぎが起こすデメリット
- 期待できる嬉しい効果
- 効率的な摂り方
ネギの栄養素や効果的な食べ方について知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ネギを食べ過ぎると体に悪い|下痢や腹痛を起こすことも
ネギにはアリシンが含まれ、食べ過ぎると腹痛や下痢の他、貧血を起こすことがあるので食べ過ぎには注意が必要です。
腹痛、下痢 | アリシンの摂り過ぎ |
---|---|
貧血 | |
口臭、体臭 | 臭い成分であるアリシンの排出 |
元々生のネギに含まれるのはアリインという成分ですが、アリインは酵素の働きでアリシンに変化します。(※1)
アリシンは体に嬉しい効果もたくさん持つ成分ですが、食べ過ぎると体に悪影響があるため気をつけましょう。
含有成分アリシンの過剰摂取が起こすデメリット
ネギに含まれるアリシンには優れた殺菌作用がありますが、食べ過ぎると胃粘膜を傷つけたり腸内細菌を死滅させたりし、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
アリシンには胃酸の分泌を促す作用もあり、摂り過ぎると胃酸過多になり、胸やけや吐き気、気持ち悪いといった症状が出ることもあります。
またねぎは独特のにおいを持ちますが、この正体は硫化アリルという香気成分です。
アリシンは硫化アリルの一種ですが、体内に吸収された後肺を通して臭いが出て口臭の原因に、また汗から排出されると体臭の原因になります。
ネギやニンニクはおならを臭くするって本当?
硫化アリルは体内で硫化水素を発生させることがあり、たくさん摂取すると発生する硫化水素の量が増え、おならが臭くなると言われています。他におならを臭くする食べものとしては、動物性タンパク質の過剰摂取もありますが、肉や卵などを過剰に摂取すると悪玉菌が増えておならが臭くなります。
このように生ネギを食べ過ぎると消化器症状や口臭・体臭を引き起こすといったデメリットを起こすので、目安の量を知っておきましょう。
ネギの1日の適量とは|どのくらいで食べ過ぎに?
ネギに含まれる正確なアリシンの量や、どのくらいなら食べ過ぎにならないのか、といった基準は定められていません。
ただしメタボの男性は長ネギを1日に1/2本食べることがおすすめされているので、長ネギを1日に1/2本食べることは許容範囲だと考えられます。
またアリシンの摂り過ぎによる症状は、加熱調理や水にさらすことで回避できます。
- 加熱調理する
- 水にさらす・水で洗う
アリシンは酵素の力によってアリインから作られますが、加熱調理することでその量を減らせるようです。
またアリシンは水に溶けやすい性質を持つので、水にさらしたり水洗いすると量を減らせます。
食べ過ぎると体に悪影響があるネギですが、適量であれば嬉しいメリットも期待できますよ。
適量なら嬉しい栄養素の効果も期待できる
ネギは栄養価が抜群で、ネギ特有の栄養素としてはアリシンやペクチンがありますがどちらも体にうれしい効果が期待できます。
アリシン | ・殺菌作用 ・疲労回復効果 ・血液サラサラ効果 ・ビタミンB1の吸収をサポート |
---|---|
ペクチン | ・コレステロール値を下げる ・血糖値の上昇を抑える ・便秘、下痢の解消 ・疲労回復効果 |
食べ過ぎると悪影響のあるアリシンですが、適量であれば疲労回復や血液サラサラ効果などの嬉しい効果が期待できます。
ペクチンはネギのぬるぬるした部分に多く含まれる水溶性食物繊維の一種で、ネギの緑色の部分に多く含まれています。(※2)
また緑色の部分には風邪予防やシミやシワを防ぐことが期待できるビタミンCや、強い抗酸化作用を持つΒ-カロテンも豊富に含まれています。
ネギを単独で食べてもこれだけの体に良い効果・効能が期待できますが、更に食材を組み合わせることで得られるメリットもありますよ。
健康にうれしい効果をアップさせる食材の組み合わせ
アリシンはビタミンB1の吸収を助ける働きを持ち、一緒に食べると吸収率がアップします。
ビタミンB1は糖質の代謝に関わる栄養素なので、白米、ジュース、スナック菓子などの糖質や、お酒をよく飲む人はたくさんのビタミンB1が必要になります。
【悪魔的に美味しいごまだれ豚豆腐】
①沸騰したお湯に豚肉を入れてさっと茹でる
②水気をきった豚肉にポン酢、ごま油、にんにくを混ぜる
③豆腐を一口大にカットして②をかけて白ごま、ネギをかけたら完成! pic.twitter.com/6tuIrwOKLJ— ハマごはん【お手軽レシピ】 (@hamagohan_r) October 17, 2022
豚肉やレバー、大豆製品、かつおなどのビタミンB1を多く含む食材と、ねぎやにんにくなどのアリシンを多く含む食材を組み合わせた料理は、ビタミンB1を効率的に摂取できます。
手間なくねぎを取り入れたい人は、刻みネギや乾燥ネギをトッピングに活用しましょう。
変色や保存方法など、ネギについてもっと知りたい方はこちらの記事も参考にしてくださいね。
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結論|ネギに含まれるアリシンの過剰摂取に注意
- アリシンの過剰摂取が下痢や腹痛を起こすことがある
- 体臭や口臭の原因になることも
- 加熱や水さらしでアリシンの摂り過ぎを回避できる
- 適量摂取なら期待できるメリットがたくさんある
- ビタミンB1と組み合わせよう
ネギに含まれるアリシンを摂り過ぎると下痢や腹痛を引き起こすことがあるため、食べ過ぎないように注意が必要です。
ただし適量であれば体に嬉しいメリットがたくさんなので、摂り過ぎには注意しつつ取り入れていきたい食材です。
刻みネギや乾燥ネギを上手に活用しつつ、日々の食事に取り入れましょう。
参考資料