【執筆者:編集部 山上由利子】
鶏ガラスープの素が体に悪いと思われているのは、無添加を謳った商品が多く見受けられ、無添加物は安心・安全であり、食品添加物は危険であるという誤った認識が広がっているからです。
しかし、現在使用されている食品添加物はすべて安全性が確かめられているので問題はありません。
無添加のほうが安全で健康に良いというイメージがありますが、実際は無添加表示製品にも添加物と同じ成分が入っていることがあります。
そこでこの記事では鶏がらスープの素を安全に美味しく楽しむために押さえておくべき事柄をご紹介します。
鶏がらスープの素のこと
- 食品添加物の安全性について
- 無添加とはどういうことか
- 上手に使った料理の仕方
- おすすめの完全無添加商品
後半では鶏がらスープの素を使った簡単レシピやおすすめ無添加商品も紹介しています。
料理の味付けに苦労している人や、子どもが小さいのでとにかく無添加商品にこだわっている人にとっても参考となる内容です。
ぜひ最後まで読んでくださいね♪
目次
鶏ガラスープの素が体に悪いというのは誤解|通常量なら心配ない
鶏ガラスープの素が体に悪いと言われるのは、食品添加物や塩分が含まれている場合が多いからです。
食品添加物 | 健康への影響 (基本は問題なし) |
---|---|
塩分 | 塩分過剰摂取の可能性 (ほぼ心配なし) |
無添加と宣伝している商品の方が安全に思え、添加物が入っていると健康に影響を及ぼすのではないかと心配になってしまいます。
しかし実際使われている食品添加物は、厚生労働省が健康を損なう恐れがないとして使用を認めているので問題はありません。(※1)
食品添加物は危険ではない|安全性は確保されている
鶏ガラスープの素にはうま味成分として、食品添加物のアミノ酸のL-グルタミン酸ナトリウムがよく使われています。
そのほかpH調整剤や乳化剤が使われている場合もありますが、食品添加物はすべて科学的根拠に基づいて安全性が確認されているので心配はいりません。
厚生労働省はADIをもとに使用量・使用基準を設定し安全性を確保しています。
グルタミン酸ナトリウムに関しては、1960年代にアメリカで過剰摂取によると思われる症状が現れたことで話題となりましたが、その後の国際的な機関で調査した結果明確は関係は認められませんでした。
現在は毒性が認められないとしてADIを設定する必要性はないとされています。(※3)
しかし砂糖・塩など他の食品と同じく、食生活のバランスから摂り過ぎには注意が必要とされています。(※4)
食品添加物について興味のある人はこちらの記事もおすすめします ♪
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一方無添加と言われている商品にもいろいろ成分が入っています。
アトピーがひどかったり、子どもが小さくて無添加商品を希望している人にとっては困る場合もありますね。
正真正銘の無添加商品はこちらに紹介しています。
無添加表示商品にもいろいろ成分が含まれているものもある
無添加を謳った商品にも、グルタミン酸ナトリウムなど食品添加物と同じ成分を含む代替原材料が使用されている場合があります。(※5)
一例として酵母エキスにはグルタミン酸などのアミノ酸・核酸関連物質・ビタミン・ミネラルが多く含まれています。
分類としては食品添加物ではなく食品とされ、歴史が古く安全性が高いと言われています。
「化学調味料無添加」と表示していても、化学調味料と同一機能のある原材料を使用している場合がありうま味成分自体に違いはありません。
こうした表示は消費者の誤認を招くとして、消費者庁は表示に関するガイダンスを出し改善する取り組みが始まっています。
Q&Aコーナー#1
鶏ガラスープ
一般的に変える化学調味料無添加の鶏ガラスープの素でさえ、エキス系が多いですね。これは添加物指定ではないですが作る時に化学処理を行うので自然のものではありません。そして塩分が一杯のスープに4g程。さらに調味料で味付けすると1日目安の… pic.twitter.com/oDtZ94eEsC— 食をかえれば世界が変わる🌎 (@wakarium27) February 17, 2021
このツイートの塩分の計算をし直してみるとスープ1人分で約2.6gとなり多いように思われます。
鶏がらスープの素の塩分も気になりますよね。
鶏がらスープの素の塩加減はちょうどいい
鶏ガラスープの素には塩分も含まれているので、塩と併用した場合は塩分の摂り過ぎになる可能性もあります。
味付けの基本塩分として汁物の場合は塩分濃度が0.8~0.9%とされています。
味の素の鶏ガラスープの素の使用の目安をみると、スープ1人分150ccにつき小さじ1(2.5g)となっています。
スープ1杯分の食塩相当量が1.2gと表示してあるので、塩分濃度は(1.2÷150×100=)0.8%となりちょうどいい塩加減となります。
鶏ガラスープの素の塩分はデメリットどころかメリットとして活用できそうです。
鶏ガラスープの素のメリット|安心・安全な完全無添加商品も紹介
鶏ガラスープの素のメリットは何と言っても手軽さです。
手間 | かからない |
---|---|
うま味 | アミノ酸などうま味成分が豊富 |
塩分 | 程よく味のベースとして使える |
時間 | 時短で味が決まる |
うま味と塩味がきいているので、基本的な味付けがほぼ完成していると思われます。
味付けに困らず時短料理が可能
味付けの基本は 1人当たり小さじ0.5~1弱程度とし、足りない分をほかの調味料で微調整すれば味付けに困らず時短になります。
野菜を蒸し煮する時に加えれば、野菜の臭みを抑えうま味が引き立ちますよ ♪
チンゲン菜のシーチキン和え
材料(4人分)
チンゲン菜:大1株
玉ねぎ:1/2個
シーチキン:1缶
水:大さじ2
鶏ガラスープの素:小さじ1
水:大さじ2
油:適量
- チンゲン菜は軸と葉に分けてざく切りし、玉ねぎはくし切りに切る
- 油少々で軸と玉ねぎを中火で炒め、油が全体にまわったら葉も加え軽く炒め、水大さじ2と鶏ガラスープの素小さじ1を加えてフタをして3分程度蒸し煮する
- フタをとり汁気がなくなれば火を止め、粗熱が取れたら油をきったシーチキンとマヨネーズ大さじ1を加えてできあがり!
うま味成分を上手に活かせば減塩できることもわかっているそうですが、もっと減塩したい人向けにおすすめの商品があります。
健康を考えて体に良い物を追求するとオーガニックや無添加商品が気になります。
無添加・オーガニックにこだわった商品もある
無添加と表示してあっても酵母エキスやたん白加水分解物など人工的な方法によって作られた成分が入っている場合が多いです。
完全無添加であれば離乳食にも使えますね。
抗生物質・抗菌剤無投薬の若鶏から作り味付けは鶏ガラと塩だけの優れものもあります。
オーガニックにこだわっている人は有機醤油、有機野菜使用のこちらをどうぞ!
基本的にどの鶏がらスープの素も体に悪いわけではないので、自分に合った商品を探してみましょう。
結論|鶏ガラスープの素は使い過ぎなければ問題なし
- 食品添加物は安全性がキチンと確認されている
- 無添加商品にも成分が添加されている場合がある
- 塩分は味付けに利用できる範囲
- 上手に利用すれば時短料理が可能
- 完全な無添加商品もある
鶏ガラスープの素は添加物が多くて体に悪いというのは誤解です。
食品添加物の安全性は、国内のみならず国際機関でも科学的根拠に基づき安全性が確認されています。
ほかの食品と同様にバランスよく使うことで、料理の頼もしい味方になってくれます。
この記事を読んで、使い方のコツをつかんで上手に利用してくださいね ♪