【監修者:野菜ソムリエプロ みつはしさなこ】
【執筆者:同上】
さつまいもにカビが生えたかな?と思ったら、カビの色や全体の様子で食べられるかを確認しましょう。
腐った様子があれば食べるのはおすすめしませんが、実はカビではなくさつまいも成分が原因なこともあります。
さつまいものこと
- カビが生えるとどうなる?
- 先端のカビは取り除けば大丈夫?
- 食べられるかの見分け方は?
- 腐りにくい保存場所は?
この記事では、さつまいものカビが気になったときの見分け方や、意外と知らないさつまいもの最適な保存場所を解説しています。
「買ったばかりなのにもう傷んでる…」というときは、保存場所の温度が関係している可能性があるので、ぜひチェックしてくださいね。
みつはしさなこ先生
野菜ソムリエプロ
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目次
このさつまいもは大丈夫?カビなのかを色別に解説
手持ちのさつまいもに生えているのがカビなのかを知るには、異変が起きている場所や色を確認しましょう。
カビの場合は要注意ですが、カビでなければ食べても問題ありません。
状態や色 | 原因 | |
---|---|---|
カビ | ・表面の白いふわふわ ・表面の青い色のもの |
腐敗 |
カビではない | ・表面の黒いベトベト ・断面のピンク色 |
さつまいも成分 |
状態によって、カビによる腐敗が原因のものとさつまいも成分によるものがあるので、上の表を参考に食べられるかを見分けてくださいね。
白いふわふわや青いものはカビなので要注意
さつまいもの表面に白くふわふわしたものが付着している、もしくは表面に青カビがついたものは、注意が必要です。
カビの中には有害なカビ毒を発生させるものがあり、長期間食べ続けると人体に影響を及ぼす恐れがあります。
カビ毒は、カビと違って見た目では分かりにくく、さらに加熱で分解できないため、除去するのが困難です。(※1)
カビが付着しているのが端っこだけでも、カビ毒に汚染されている可能性があるので注意しましょう。
ダンボールにたくさん入ったさつまいもが全てカビだらけ…という場合は、食べるのは控えたほうが良さそうですね。
表面の黒いベトベトはさつまいもの成分
さつまいも表面についた黒いベトベト状のものは、黒カビではなくさつまいもの成分なので、食べても問題ありません。
このさつまいも成分は「ヤラピン」と呼ばれ、さつまいも同士がぶつかるなどして切り口や傷口から出て黒く変色したものです。
断面のピンク色は問題なし
切ったさつまいもの切り口がピンク色のものは、さつまいもに含まれるカロテンが原因です。
これは安納芋に見られやすい現象なので、気になる方はこちらの記事もチェックしてくださいね。
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カビが生えたさつまいもには、そのほかにも食べられない特徴が現れていることがあります。
そこで次章では、さつまいもが食べられるかの見分け方を解説しているので、参考にしてください。
こんなさつまいもはNG!食べられるかの見分け方
さつまいもが腐ると、カビ以外にも食感や見た目が大きく変化します。
次のような特徴が見られたら、食べるのはやめておきましょう。
見た目 変色 |
・汁が出ている ・黒く変色している |
---|---|
臭い 匂い におい |
酸っぱい、カビ臭いなどのにおいがする |
味 食感 触感など |
全体的に柔らかい |
この記事を読んでいる方の中には、さつまいもが調理で変色してしまい、食べても大丈夫なのか心配になっている方もいるかもしれません。
後半で調理中のさつまいも変色原因についても触れているので、参考にしてくださいね。
食べられないさつまいもの特徴
さつまいも全体が柔らかいものは腐っている可能性が高いので、食べるのはおすすめできません。
皮が黒く変色したものも、中が傷んで苦味が出ていることがあるので、切って断面を確認しましょう。
さつまいも切ったらダメな奴に
なってた。
あー失敗😵💧 pic.twitter.com/7OPVRYPhvC— もつけだんぶり まーさん (@MasahikoOdagiri) June 26, 2019
また、さつまいもはほかの野菜と同じように保存するとかえって腐りやすいため、保存の温度や場所に注意が必要です。
詳しくは、次章の保存方法を参考にしてください。
緑に変色したものは食べても大丈夫
さつまいもが調理中に緑に変色した場合は、さつまいものポリフェノール成分が原因なので食べても問題ありません。
変色する詳しい理由はこちらで解説しているので、手作りのさつまいもスイーツが変色してしまった方は、ぜひチェックしてくださいね。
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さつまいもの保存|意外と知らないNGな保存場所
さつまいもを美味しく保存するには、基本的に常温で保存しましょう。
さつまいもは低温障害を起こしやすいため、ほかの野菜と同じように冷蔵庫に保存するのはおすすめできません。
常温 | 新聞紙などに包み、13〜15℃を目安に保存 |
---|---|
冷蔵 | NG ※ただし夏の野菜室利用はOK |
またさつまいもを買うときは、傷みにくいものを選ぶのも長持ちのコツです。
最後にさつまいもの選び方を紹介しているので、参考にしてくださいね。
冷蔵庫保存は腐りやすいのでNG
さつまいもは冷蔵庫の温度では腐りやすいため、保存場所には向きません。
さつまいもは10℃を下回ると低温障害を起こしてしまい、変色や腐敗で日持ちが悪くなってしまうので避けましょう。(※2)
さつまいもは『常温保存』が基本です。
貯蔵適温:約13℃
湿度:約90%寒さに弱く10度以下で腐るから冷蔵庫はダメ。水を嫌うから『土付き』は新聞紙に包み冷暗所に。長期保存で『でんぷんが糖化』甘みが増して美味しくなりますよ。けど、20度以上だと発芽が進み味が落ちる。だから夏は野菜室へ… pic.twitter.com/1NELNvcTtb
— 岩崎ファーム (@iwasakifarm) February 6, 2022
さつまいもは、基本的に常温保存がもっとも長持ちするので、このような袋でおしゃれに保存するのもいいですね。
傷みにくいさつまいもの見分け方
傷みにくいさつまいもを見極めるには、次のポイントをみるといいでしょう。
- 全体的に紫色が均一である
- 表面に傷が少ない
- 虫食いがない
さつまいもはどうしても収穫時に一定の傷が付いてしまいますが、傷や虫食いが多いさつまいもは、長持ちしにくいものが多いです。
また水に濡れると、傷口から腐りやすいので気をつけましょう。
結論|カビが生えたさつまいもを見つけたら注意
- 白いふわふわしたものや青いものはカビなので要注意
- カビにはカビ毒を出すものあり
- カビ毒の長期摂取は健康被害の恐れあり
- 全体的に柔らかいものはNG
- 13℃程度での常温保存がベスト
さつまいもに生えた綿のような白カビや青カビは、目に見えないカビ毒を産生している場合があるので注意しましょう。
有毒なカビ毒は、長期間にわたって摂り続けると健康被害の恐れがあります。
カビ以外にも柔らかい、汁が出ているなど、腐った部分があるものは食べるのはおすすめできません。
記事を参考に、さつまいもを長持ちさせて美味しく楽しんでくださいね。
参考資料
※1 カビとカビ毒|東京都福祉保健局
※2 Q&A さつまいもの貯蔵法