【執筆者:編集部 佐々木なるみ】
ちくわには塩分が多く含まれており、むくみや太るなどの体に悪い影響をおよぼす可能性があるため、食べ過ぎには注意が必要です。
しかし、魚を原料としているちくわは栄養価も高く、健康促進に役立つことも期待されています。
この記事では、子供から大人までちくわを安全に美味しく食べるための以下の情報を紹介します。
ちくわのこと
- 体に悪いとされる理由
- 1日何本で食べ過ぎになるのか
- 健康への影響はあるのか
- ちくわに含まれる栄養素
手軽で食べやすいちくわは、1日何本までなら大丈夫なのか気になる人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ちくわは体に悪いの?練り物の健康への影響
ちくわを食べ過ぎると、塩分が原因で体に悪い影響をおよぼすおそれがあります。
それだけでなく、かまぼこやちくわなどの練り物には食品添加物が多く含まれているため、子供にたくさん与えるのはなるべく控えたほうがいいでしょう。
むくみ・肥満 | 塩分の摂り過ぎ |
---|---|
栄養の偏り | |
生活習慣病 | ・糖質の摂り過ぎ ・食品添加物 |
ちくわ含有の食品添加物は、安全性を確認した上で使われているのは事実です。
しかし、フランスやイタリアなどが加盟するEUでは、使用量を制限したり幼児向け食品への添加を控えたりするなど、より厳しい規制が設けられています。
1日何本で食べ過ぎになる?練り物は塩分過多の危険性あり
ちくわには塩分が多量に含まれているため、食べ過ぎると1日に必要な塩分量を大きく上回ります。
そのため、1日に食べてもよいちくわの数は、日本で目標値として定められている1日の食塩摂取量を元に算出できます。
男性:7.5g以下
女性:6.5g以下
1本20gのちくわに対して約0.4gの塩分が含まれているため、1本20gのちくわであれば1日に16~20本以上食べると、過剰摂取になるでしょう。
ただ注意しなければならないのは、日本人の食事には多くの塩分が含まれているということです。
上記の食塩摂取量は1日3食合計した場合の値なので、バランスをみて毎日の食事の中でちくわを上手に使用しましょう。
ちなみに、ちくわの塩分含有量は、塩分が高いといわれているハムとほぼ同量です。
ちくわだけでなく、かまぼこなどの練り物の塩分含有量も一緒に把握しておくといいですね。
焼きちくわ:0.83g
蒸しかまぼこ:1g
さつま揚げ:0.73g
魚肉ソーセージ:0.81g
魚肉ハム:0.9g
ちくわにたくさん含まれているのは、塩分だけではありません。
ちくわは糖質量が多いため糖質制限中は控えよう!
糖質制限をしている場合は、ちくわの摂取も控えたほうがいいでしょう。
ちくわには100g当たり約11gの糖質が入っており、1本20gであれば約2.2gです。
白米と比較するとそれほど多くの糖質は含まれていませんが、食べ過ぎると肥満や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
ちくわ:11g
白米:35.6g
かまぼこ:12.2g
塩分・糖分含有量の次に気になるのは、ちくわに含まれる添加物の多さです。
添加物の量と種類に注目!練り物に添加物が含まれているワケ
ちくわは、食品の中でも比較的多くの添加物が含まれている練り物です。
そのため、幼少期から添加物まみれの食べ物を食べていると、生活習慣病になると示唆されています。
中でも注目したい添加物は、加工でん粉や加工デンプンとよばれるものです。
自然由来のトウモロコシ、米、小麦、じゃが芋を原料としたでん粉ではなく、科学的に加工処理されたものを指します。
現在日本では、下記の11種類の加工でん粉が食品添加物として扱われています。
アセチル化アジピン酸架橋デンプン・アセチル化酸化デンプン・アセチル化リン酸架橋デンプン・オクテニルコハク酸デンプンナトリウム・酢酸デンプン・酸化デンプン・ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン・ヒドロキシプロピルデンプン・リン酸架橋デンプン・リン酸化デンプン・リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン
一方EUでは、これらの加工でん粉のうち9種類は、乳幼児向け食品に対して5%の使用制限を設けています。
さらに、ヒドロキシプロピルデンプンとヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンについては、乳幼児向け食品に使うべきではないとしています。(※3)
無添加ちくわも販売されているので、好き嫌いが激しいけどちくわなら食べてくれるお子さんにおすすめです。
のちほど紹介する日持ちする保存方法も、ぜひ参考にしてみてください。
ただ一概に、食品添加物が悪いとは言い切れません。
食品添加物は食品の腐敗を防いだり味や香りを高めたりして、食品の質の向上に貢献します。
- 食品の品質低下(腐敗したり、変質したりするのを)防ぐ
- 食品の外観(見た目)や、味や香りなどをよくして、食品の品質を向上させる
- 食品の栄養価を高める
- 食品の製造、加工に必要
適度な量を守れば、ちくわは毎日の食事を豊かにしてくれるので、下記のポイントに注意して取り入れてみてください。
むくみ・肥満 | 食べ過ぎない |
---|---|
栄養の偏り | |
生活習慣病 | 子供の摂取はなるべく最小限に |
さらに、ちくわは栄養価の面でもさまざまなメリットが期待できますよ。
ちくわの栄養成分と正しい保存方法|健康以外のメリットとは
ちくわの原料は魚なので、タンパク質やビタミン、ミネラルといったさまざまな栄養素が多く含まれています。
タンパク質 | 身体の構成に役立つ |
---|---|
ビタミンB12 | 神経・血液細胞の健康を保つ |
リン | 骨や歯の健康維持に働きかける |
ちくわには、栄養面だけでなく、料理に使いやすいというメリットがあります。
ちくわは冷凍保存できる|忙しい日のご飯やお弁当に便利
ちくわはそのまま食べても美味しいので、時間のない朝食やお弁当に便利な食材です。
賞味期限 | 保存方法 | |
---|---|---|
冷蔵庫(開封後) | 約3日 | なるべく早く食べ切る |
冷凍 | 約1ヶ月 | ・水分を拭き取る ・1本ずつラップで包む ・保存袋に入れて保存 |
ただ、開封後はあまり日持ちしません。
密封性のある保存袋を少し多めに買い置きしておくと、買ってきた食品をすぐに保存できるので便利ですよ。
より詳しく賞味期限・保存方法について知りたい人はこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
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結論|ちくわは塩分・糖質・添加物の量が多い食品
- 塩分が多く含まれているため体に悪影響をおよぼす危険性がある
- 16~20本以上は食べ過ぎ
- 糖質・添加物も多く含まれている
- 原料が魚なので、タンパク質・ビタミン・ミネラルが豊富
- 長くて約1ヶ月間日持ちする冷凍保存がおすすめ
ちくわが体に悪いといわれている理由は、塩分・糖質・添加物が多く含まれているからです。
実際に体に悪影響をおよぼさないとは言い切れないため、特に子供の摂取には気をつけましょう。
ただ、栄養素も豊富に含まれているので、摂取量を守れば毎日の食事を豊かにしてくれるはずです。
ぜひ、今回ご紹介した賞味期限と保存方法も参考にしてみてください。
参考資料
※1 栄養・食生活と高血圧 | 厚生労働省
※2 日本食品標準成分表2020年版 | 文部科学省
※3 加工デンプン | 厚生労働省