【執筆者:管理栄養士 朝戸尚子】
ザラメは砂糖の一種であり、適量であれば体に悪いものではありませんが、食べ過ぎると糖質の摂りすぎにより肥満を引き起こす可能性があります。
そのため毎日の料理に使える適量を知っておくことが大切です。
そこでこの記事ではザラメを食べるうえでの注意点や砂糖の種類、ザラメ糖とほかの砂糖の違いについて紹介します。
ザラメ のこと
- 体に悪いとされる理由
- 砂糖の種類と違い
- 味や料理における特徴
- おすすめのアレンジ
日々使う砂糖をザラメに替えたい人や、ザラメのアレンジについて知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ザラメは体に悪い?食べ過ぎは太る原因になることも
ザラメは砂糖の一種であり、体に悪い成分が含まれている訳ではありませんが、食べ過ぎると太る原因になる可能性があります。
肥満 | 糖質の摂り過ぎに繋がる |
---|---|
糖尿病 虫歯 |
イメージによるもので、 直接的な要因の可能性は低い |
ザラメは糖質を主成分としているため、摂り過ぎると肥満に繋がる可能性があります。
ではなぜ糖質が多いと肥満に繋がりやすいかというと、脂肪をため込む性質があるからです。
過剰摂取すると肥満のリスクが|適量を摂取しよう
ザラメを含む砂糖の主成分であるショ糖や還元糖(ブドウ糖、果糖)などの糖質は、摂り過ぎると肥満を引き起こす可能性があります。
糖質は血糖値を上昇させ、上がった血糖値を下げるために膵臓からインスリンが分泌されます。
一日に推奨されている食品や調理に加える糖類の摂取量は、総エネルギーの10%未満、望ましくは5%未満に抑えるのが理想です。(※1)
砂糖(ザラメ)だけが肥満の要因になるわけではありませんが、摂り過ぎには注意してくださいね。
そのほか砂糖を摂り過ぎると体に悪いイメージがあるかもしれませんが、実は直接的な要因であることは少ないです。
糖尿病や虫歯の直接的な要因ではない
砂糖の悪影響と言うと糖尿病や虫歯を思い浮かべる方がいるかもしれませんが、虫歯や糖尿病は砂糖の摂取が直接的に引き起こす訳ではありません。
糖尿病の発症には遺伝や肥満、ストレスなど複数の因子が関係するもので、砂糖が糖尿病の直接的な原因になることはないようです。(※2)
また食べものに含まれる糖は虫歯の原因の一つですが、砂糖を食べることで直接虫歯を引き起こす訳ではありません。
- 食べものに含まれる糖
- 虫歯菌
- 歯に酸が停滞する時間
- 歯と唾液の質(人による)
4つが揃った時に虫歯になるので、虫歯菌の作る酸が長く歯に留まらないようにすることが大切です。
これはザラメに限ったことではなく、砂糖全般に言えることですね。
ザラメは砂糖の種類のひとつ|違いは精製方法
砂糖にはたくさんの種類があり、ザラメは精製糖の中のザラメ糖を総称した呼び名です。
一般的にザラメといえば粒の大きい白ザラ糖や中ザラ糖を指すことが多いですが、さらさらとしたグラニュー糖もザラメ糖の一種です。
含蜜糖 | ・黒糖 ・加工黒糖 ・赤糖 ・きび砂糖 ・てんさい糖 ・和三盆 |
|
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精製糖 | ザラメ糖 | ・白ザラ糖 ・中ザラ糖 ・グラニュー糖 |
車糖 | ・上白糖 ・三温糖 |
|
加工糖 | ・氷砂糖 ・角砂糖 ・粉砂糖 ・コーヒーシュガー |
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液糖 | ・ショ糖型液糖 ・転化型液糖 |
ザラメの漢字表記
ザラメは「双目」、中ザラ糖は「中双糖」、白ザラ糖は「白双糖」と表記します。他の砂糖と比べて感触がざらざらしている様子から由来しています。
精製糖が原料からミネラルを分離してショ糖だけを精製した砂糖であるのに対し、含蜜糖はミネラルを分離せずに作る砂糖です。
少しでもミネラルを多く摂りたい場合は黒糖、きび砂糖、てんさい糖などの含蜜糖を普段使いするといいでしょう。
また茶色い砂糖は体に良いイメージがありますが、精製糖である三温糖や中ザラ糖の茶色はカラメルによるものです。
カラメルによって独特のコクや風味を持ちますが、素材由来の茶色をした砂糖を摂りたい場合は、含蜜糖である黒糖やきび砂糖を選びましょう。
砂糖が白い理由
白い砂糖が白く見えるのは、純粋な砂糖の結晶だけを取り出し砂糖以外の不純物を含まないからです。雪や氷が白く見えるのと同じ原理で、漂白している訳ではななく安全なものです。(※3)
砂糖のカロリーは100gあたり350~400kcalと大きな違いはなく、ヘルシーさを意識するダイエット中の方には天然素材から作られた甘味料も人気のようです。
ザラメは食べ過ぎなければ肥満を引き起こすことはないので、独特の形状や味わいを料理に活かしましょう。
砂糖の代わりにザラメ糖を使うメリット
日本でもっとも一般的に使われている上白糖と比べて、ザラメ糖は形や味わいに特徴があります。
白ザラ糖 | ・結晶が大きい ・淡白で上品な甘さ |
---|---|
中ザラ糖 | ・カラメルにより独特のコクがある ・ゆっくり溶ける ・醤油との相性がいい |
グラニュー糖 | ・結晶が上白糖よりやや大きくサラサラ ・クセがない淡白な甘さ ・香りを楽しむ飲み物に最適 |
白ザラ糖は一般家庭で使われることはあまりありませんが、高級菓子や綿菓子に最適です。
中ザラ糖は独特の風味やコクがあり、煮物や佃煮など醤油を使う料理との相性が抜群です。
見た目が上白糖と似ているグラニュー糖ですが、サラサラ・クセがないという特徴があり、コーヒーや紅茶など香りを楽しむ飲み物からお菓子作りまで、幅広く使われています。
それぞれの特徴を活かして使い分けることで、日々の料理をワンランクアップさせられますよ。
ザラメの使い道|特徴を活かしてアレンジしよう
白ザラ糖や中ザラ糖の大粒ざらざら食感を活かして市販品をアレンジすると、いつもとは一味違った楽しみ方ができます。
\あんまんでおしゃれスイーツ/
中華まんメーカーおすすめの、あんまんアレンジレシピをご紹介します!💜クイニーあんまん💜
【材料(2人分)】
・あんまん 2個
・バター 15g(お好みで増量)
・ざらめ 小さじ1フランスの伝統菓子「クイニーアマン」をイメージ(′▽`人)✨
作り方は次ツイート👉 pic.twitter.com/ME0TpseGIj
— フタバ食品/サクレ (@FUTABA_SACRE) February 8, 2022
また中ザラ糖はカラメルのコクや香ばしさがあり、材料に照りを出してくれるので、煮物やすき焼きにおすすめです。
朝から角煮を仕込みます。
今日は土井先生レシピを参考にします。
教え通り、カステラ用のざらめを使いま~す(///ω///)♪ pic.twitter.com/qxsNQfFyRo— のあのあ (@heliotropecoral) November 28, 2020
ザラメを使ったアレンジに難しいレシピは不要です。
砂糖についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にして下さい。
結論|ザラメは適量であれば体に悪いものではない
- 糖質の摂りすぎで肥満に繋がる可能性がある
- 食後は歯を磨いて虫歯を防ごう
- 砂糖は種類によって特徴がある
- 茶色い砂糖はコクや風味が出る
- ざらざら食感を活かした簡単アレンジもおすすめ
ザラメは砂糖の一種であり適量であれば体に悪いものではありませんが、食べ過ぎることで糖質の摂りすぎになり、肥満を引き起こす可能性があります。
ザラメに限らず砂糖の食べ過ぎは体に悪影響を及ぼす恐れがあるので、毎日の摂取量には注意しましょう。
ザラメ特有のざらざら食感やコクのある風味を活かして、いつもとは一味違ったアレンジを楽しんでくださいね。
参考資料