【執筆者:管理栄養士 鳥越菜生】
グレープフルーツにはカビが生えにくいと言われますが、皮が白い・中身が黒いときなどは食べない方が良い場合があります。
みかんやレモンと同じように緑や白色のカビが皮表面にびっしりと生えることもあるので、保存方法には注意が必要です。
この記事では、グレープフルーツの鮮度を落とさず安全に美味しく食べるために知っておきたい、次の項目についてご紹介します。
グレープフルーツのこと
- カビの生えた状態の見分け方
- 異変があっても食べられる事例
- 腐るとどうなるのか
- カビや劣化を防ぐ正しい保存方法
切ろうとしたら皮が白くて食べられるか心配な人や、常備していつも新鮮な味を楽しみたい人もぜひ参考にしてください♪
目次
グレープフルーツにカビが生えた?白い斑点や黒い変色の正体
グレープフルーツにカビが生えたら、体に悪影響を及ぼす危険性があるため食べない方が良いです。
しかしカビが生えたように皮に白い斑点が見えても、中身は問題なく食べられる場合もあります。
状態 | 原因 | |
---|---|---|
食べられる | 皮に白い斑点 | 表面に塗った ワックス |
皮に黒いシミ・班点 | 生育時の問題 (寒冷や 人体に無害な 細菌など) |
|
皮に茶色いへこみ・キズ | ||
食べられない | 皮に円形に広がった 白や緑のフワフワ (カット後は果実にも) |
カビ |
中身に黒い変色部分 | ||
中心が黒く変色 (中腐り) |
カビ・細菌 腐敗 |
|
不快臭・カビ臭い |
カビの中には人体に有害なカビ毒を作る種類があり見分けるのは困難なため、カビが生えた場合は食べないことをおすすめします。(※1)
しかしカビが生えたようでも、輸送用の処置や生育時の環境により異変が生じただけの場合もあるので、事例を知っておきましょう。
皮の白い斑点や茶色のキズ・黒いシミなら中身は食べられる
グレープフルーツの皮に白い斑点や茶色いキズ・黒いシミがあってもカビではなく、中身は問題なく食べられる場合が多いです。
■皮のくぼみに白い斑点
皮のくぼみに白い粉をすり込んだような斑点が見えるのは、皮に塗られたワックスが水に浸けた後に乾いて浮き出たものと考えられます。
輸入グレープフルーツの皮には乾燥防止のためワックスが塗られますが、食品添加物に認められた天然成分から作られたもので人体に害はありません。
しかし同時に使われている場合が多い、防カビ剤の安全性も気になりますよね。
長時間の貯蔵・輸送中のカビを防ぐため、輸入グレープフルーツには防腐剤として防カビ剤が塗布されます。健康への悪影響を防ぐため、柑橘類の防カビ剤は食品衛生法により食品添加物に指定され、使用基準を定めて管理されています。
防カビ剤の使用は、安全性を守るため輸入時の検疫や流通時の検査でも厳重にチェックされるので、通常の食べ方や量なら心配しすぎなくても良いようです。
防カビ剤は主に皮に残り洗浄すれば3~7割落とせるそうなので、しっかり水洗いしてから切り、中身だけを食べると良いですね。
また国産品は希少ですが、ワックスや防カビ剤を使わないことが多いです。
こちらのような和製グレープフルーツと呼ばれる柑橘なら、お得な訳あり商品もあって人気ですよ。
■皮に茶色いキズやへこみ
皮表面に茶色っぽいへこみやキズができているのは、生育時に寒冷にさらされたことが原因です。
見た目は悪くてもキズは中まで達しないので、皮をむけば気になりません。
■皮に黒いシミやかさぶたのようなもの
皮に黒い点・シミや茶色いかさぶたのようなものが付いているのは、「かんきつかいよう病」と呼ばれる状態で人体に悪影響はありません。
生育時に風雨の影響や害虫による食害でできた傷口から、植物に付く細菌に感染することが原因です。
しかし皮に白や緑のフワフワが付いたり中身が黒くなっていたりしたら、カビが発生した可能性が高いです。
緑色・白いフワフワや中身の黒い変色はカビの可能性大
グレープフルーツの皮に緑色や白い綿のようなものが円形に広がっていたら、青カビが繁殖している可能性が高いです。
温度が高い室内で放置していると、空気中に存在するカビが付いて繁殖する場合があります。(※3)
しかしカビが生えたものを食べたからと言って、一度の量程度なら腹痛や下痢などの悪影響が起こることはあまり心配ないとされています。
カットして見つかる中身の黒い変色も、カビの場合が多いです。
ワクワクしてちょっといいグレープフルーツ買ったのにカビてた、、、
こーゆーのってお店に言ったら替えてくれるのかな、、、 pic.twitter.com/E9fUc9J4HY
— 源元 👇👆タット世界チャンピオン (@POPPINGENGEN) July 8, 2022
皮と身の間や果肉の中が黒く変色している場合は、土壌にも広く存在するススカビと呼ばれるカビが繁殖していると考えられます。
柑橘類やリンゴを腐らせるほか、アレルギーの原因にもなるため要注意です。
うーむ…
昨日買ったグレープフルーツ
これ腐ってるてゆーかカビてる
よね〜食ったらヤバイよね… pic.twitter.com/2jYOTj8WVS— ちばとーる (@chiba00chiba) April 3, 2022
中心に黒い変色があるのは「中腐り」と言われる状態で、写真のようにカビも生えている場合があるので食べない方が良いでしょう。
カビ以外にも劣化が進んで腐る場合があるので、食べられない状態の特徴を確認しておきましょう。
腐るとどうなる?食べられない状態の特徴
グレープフルーツが腐るとカビが生えるほか、雑菌が繁殖して果肉が溶け不快臭がするなど品質劣化し、食中毒を起こす可能性もあるため危険です。
見た目 変色 |
・皮にハリがなく部分的にへこんでいる ・皮が茶色に変色している ・カビが生えている ・果肉が全体的にシワシワになっている ・果肉が変色してドロドロに溶け 外側に汁気がしみ出している |
---|---|
臭い 匂い におい |
・カビ臭い ・不快臭 |
味 食感 触感など |
いつもと違う変な味がする |
グレープフルーツの果肉は厚い皮で守られ、防カビ剤の効果もありなかなか腐らない場合もありますが、鮮度は徐々に落ちて劣化します。
詳しくはこの記事をチェック!
カビや腐敗の予防はもちろん、みずみずしさを保てる保存方法を実践しましょう。
グレープフルーツのカビや劣化を防ぐ保存方法
グレープフルーツのカビや劣化を防ぐには冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめですが、果肉だけにして冷凍すると長く日持ちできます。
保存のコツ | 日持ち期間 | |
---|---|---|
常温 | ・直射日光や高温多湿を 避けて冷暗所に置く ・風通しを良くする (夏場は不向き) |
3~5日程度 |
冷蔵 | 1.よく洗って水気をきる 2.ナイロン袋や ラップで包む 3.冷蔵庫の野菜室で保存 ・カット後は 表面にラップをかけるか 保存容器に入れて密閉 |
2~3週間程度 (カット後は 翌日まで) |
冷凍 | 1.皮をむき 果肉のみを取り出す 2.少量ずつラップで包む 3.冷凍用保存袋に入れる 4.空気を抜いて密封 |
1ヶ月程度 |
グレープフルーツはほかの果物や野菜と同じで、生鮮食品ですが賞味期限は付けられません。
なるべく早く食べるのが基本ですが、ムダなく美味しく食べきれる保存のコツや日持ちの目安を覚えましょう。
常温保存も可能 | 数日以内に食べない場合は冷蔵庫へ
グレープフルーツは直射日光の当たらない涼しい場所なら常温でも3~5日くらい日持ちしますが、数日以内に食べない分は初めから冷蔵がおすすめです。
高温多湿になる夏季や、冬季でも暖房の効いた室内では傷みやすいため冷蔵庫保存がおすすめですが、冷蔵室は冷えすぎるので野菜室に入れましょう。
冷蔵庫内は乾燥しているため、外側をよく洗ったら1個ずつラップで包むか何個かまとめてナイロン袋に入れ、水分の蒸発を防ぎましょう。
カットしてから冷蔵する場合も、表面をラップでカバーするか保存容器に入れて密封しておく方が良いです。
カット後は冷蔵庫で密封保存 | 冷凍なら長期保存できる
グレープフルーツは切ったあとは傷みやすく苦味が増すため要冷蔵で翌日までが食べごろで、長く日持ちさせたい場合は果肉だけにして冷凍しましょう。
冷凍中も鮮度を保つには空気を遮断して乾燥を防ぐことが大切なので、ラップや保存袋を活用してしっかり密封しましょう。
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グレープフルーツは重たいので、時間のあるときに通販サイトでまとめ買いして冷凍にしておくのもおすすめですよ。
結論|グレープフルーツのカビを防ぐには密封して冷蔵庫へ
- 白・緑のフワフワや中身の黒変はカビの可能性大
- 皮の斑点や茶色のキズは中身に影響せず食べられる
- カビ以外にも腐って食べると危険な場合もある
- カビや劣化予防のためには包んで冷蔵庫で保存
- 果肉のみの冷凍で長期保存も可能
グレープフルーツはカビが生えたように見えても、中身は問題なく食べられる場合が多いです。
しかし白や緑色のフワフワしたものや中身の黒変は、カビの可能性が高いので注意しましょう。
保存状況によってはカビ以外に腐る場合もあるので、食べて良いかの見分け方も覚えておくと便利です。
安全に美味しく食べきれるよう、鮮度を守る冷蔵庫保存のコツや常備にぴったりの冷凍方法もぜひ参考にしてください。