【執筆者:管理栄養士 鳥越菜生】
すりごまは賞味期限切れになっても、まだ食べられる可能性があります。
しかし酸化しやすいので、長期間が経過したり開封後に保存していたりしたものは安全性に問題がないか注意が必要です。
擦る手間が省け、料理にもすぐに使えて便利なすりごまを安心して使いきれるように、ぜひ知っておきたい次の項目について解説します。
すりごまのこと
- 賞味期限切れになっても大丈夫?
- 賞味期限目安や開封後の使用期限
- 劣化を防ぐ保存方法
- 大量消費できるアレンジレシピ
賞味期限切れ後、1年や2年経ったすりごまが見つかり未開封なので使えるか迷っている方や、いつも余ってムダになるという方もぜひご覧ください。
目次
すりごまの賞味期限切れは2年経っても食べられる?
すりごまは賞味期限切れ後も、未開封で正しく保存されていたものは食べられる場合がありますが、使う前に劣化がないか確認する必要があります。
ごまの賞味期限は製造日から6~12ヶ月に設定された商品が多いですが、特に傷みやすいすりごまは短めで6ヶ月前後の場合が多いです。
種類 | 未開封 | 開封後 |
---|---|---|
すりごま | 製造日から 6~12ヶ月 |
2~3ヶ月程度 |
いりごま | ||
洗いごま | ||
練りごま | 製造日から 1~2年 |
ごまには主に白ごまと黒ごまがありますが、皮の色が違うだけで栄養成分もほぼ変わらないため、賞味期限の違いはありません。
それぞれにすりごまのほか、いりごま・洗いごま・練りごまなどが市販され、メーカーごとにいろいろな賞味期限が設定されています。
ごま製品には、比較的日持ちする食品に表示される賞味期限が設定されるため、期限切れになってもすぐに安全性に問題が生じるとは限りません。
賞味期限切れでも食べられる可能性はある
賞味期限切れのすりごまも、未開封で正しく保存されていたら、安全性には問題なく食べられる場合があります。
賞味期限とは:食品を安全に美味しく食べられる期限
賞味期限は安全に食べられなくなる期限までにある程度の猶予を持たせて設定されるため、過ぎてもしばらくは食べて問題ない可能性が高いのです。
どのくらいの期間なら大丈夫かは、設定されている賞味期限の長さがわかれば、計算で推定できますよ。
製造日から 賞味期限までの期間 |
賞味期限切れ後も 安全に食べられると 推測される期間 |
---|---|
6ヶ月 | 1ヶ月15日 |
8ヶ月 | 2ヶ月 |
10ヶ月 | 2ヶ月15日 |
1年 | 3ヶ月 |
2年 | 6ヶ月 |
たとえば賞味期限が製造日から6ヶ月のすりごまは、計算上、賞味期限切れ後も1ヶ月くらいは安全に食べられることになります。
しかしすりごまは特に傷みやすく、賞味期限切れ後半年やそれ以上の1・2年も経ったら風味が落ちるだけでなく、安全に食べられないかもしれません。
またそもそも製造日の記載が無く、設定されている賞味期限の長さはわからない場合も多いです。
自分の五感を使って安全性を見分けられるように、食べない方が良くなった状態の特徴も覚えておきましょう。
未開封でも保存中の酸化や湿気に要注意
未開封でも賞味期限切れ後は食べることを推奨していないメーカーが多いので、劣化がないかを確認し、自己責任で判断する必要があります。
見た目 変色 |
・固まっている ・カビが生えて変色している ・虫が付いている (クモの巣状の白い糸が見える) (容器底部に小さな顆粒状の糞がある) |
---|---|
臭い 匂い におい |
・香ばしい香りがしない ・油臭い(酸敗臭がする) ・カビ臭い |
味 食感 触感など |
・いつもと違う味がする ・風味が悪い |
すりごまはいりごまに比べて空気に触れる表面積が大きいので湿気たり酸化したりしやすく、擦った直後から次第に風味・品質が低下します。
保存の仕方によっては未開封でも少しずつ劣化するので、期限内でも風味や品質が落ちている場合があるのです。
食品は空気に触れると、油脂やタンパク質などの成分が酸素と結びつく「酸化」反応により劣化し、風味や品質が低下します。酸化は光や熱で促進されるので、劣化防止には直射日光や高温を避けることが大切です。
酸化した油脂を食べると吐き気や下痢・腹痛などの悪影響が危惧されるため、劣化の異変がある場合は無理に食べない方が良いかもしれません。
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賞味期限切れや劣化を防いで美味しく使いきれるように、開封後はもちろん開封前も正しい方法で保存しましょう。
すりごまの賞味期限切れを防ぐ保存方法と開封後の注意点
すりごまの鮮度を保って賞味期限切れにしないためには、湿気と酸化を防げるよう密封して冷暗所で保存し、なるべく早く消費しましょう。
常温 | ・直射日光・高温多湿を避け 冷暗所に置く ・開封後は開け口を閉じて 密封状態を保つ ・密閉容器やビンに入れる |
---|---|
冷蔵 | ・袋の開け口を閉めて密封 ・密閉容器やビンに入れる |
冷凍 | ・小分けにして密封 ・ジップ付き保存袋に入れて 空気を抜いて密閉する |
推奨される保存方法が商品のパッケージに記載されている場合もあるので、確認してください。
すりごまやいりごまには、基本的に常温保存が推奨されています。
劣化を防ぐ保存のコツと消費量を増やすアレンジ例
すりごまは未開封なら冷暗所で常温保存できますが、夏季や開封後は冷蔵庫を活用して密封保存しましょう。
開封前でも害虫に袋を食い破られる場合があるため、常温で室内に置くなら、袋ごと密閉容器に入れて保存するのがおすすめです。(※3)
夏季は室内が高温多湿になりやすいので、乾燥して光が入らない冷蔵庫内はすりごまの保存場所にも向いています。
少しずつしか使わない場合は開封後すぐに小分けして冷凍しておき、必要な分だけ取り出して使いきるようにする方法もありますよ。
開封すると賞味期限も関係なくなり、劣化が進んでカビやダニ・メイガなどの害虫も繁殖しやすいため、2~3ヶ月を目安に使いきる必要があります。
密閉できる容器に入れ替えて密封し、調理時には水分の混入にも注意しましょう。
賞味期限切れが近く使いきれそうにないときは、調理法を工夫すると消費量を増やせますよ。
- マヨネーズと同量で混ぜてごまドレッシングを作る
(砂糖・しょうゆ・酢を少量ずつ加えて味を調節) - ぽん酢にたっぷり入れてごまぽん酢にする
- 麺類のつゆやスープにトッピング
- みそ料理にプラス
(みそ和え・みそ焼き・冷や汁など)
すりごまは普段の料理にも、香ばしい風味をプラスして美味しく仕上げられるアレンジ法が見つかります。
結論 | 賞味期限切れが近いすりごまはアレンジレシピで消費しよう
- 賞味期限が切れたあとも食べられる場合もある
- 未開封でも劣化の可能性があるので状態を要確認
- 開封後は2~3ヶ月を目安に消費
- 保存中は密封と遮光で劣化を防止
- 余りそうなときは調理法の工夫で消費量を増やす
すりごまは酸化・劣化しやすく、保存状況によっては食べない方が良い状態になっている場合もあります。
賞味期限切れ後も大丈夫な可能性があるとはいえ、自己責任で食べられるかを判断しなければならないので、正しく保存して劣化を防ぐことが大切です。
食品ロスを防ぐためにも保存法と調理法を工夫して、すりごまを安全に美味しく使いきりましょう。