【執筆者:管理栄養士 渡辺こと】
煮豚は、冷蔵庫で正しく保存すれば数日間日持ちするので作り置きできますが、手作りの場合は調理の状況や味の濃さによって日持ち期間が変わるため、なるべく早めに食べきりましょう。
賞味期限をより長くしたい場合は冷凍保存がおすすめです。
この記事では煮豚の日持ちや保存方法について、以下の内容をご紹介しています。
煮豚 のこと
- 冷蔵庫・冷凍庫での日持ち期間
- 常温保存の危険と食中毒
- 上手な冷凍保存方法
- タレの保存と活用方法
煮豚の日持ち目安だけでなく、先の献立を見越して時短調理につながる冷凍保存方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
煮豚の日持ち|手作り・市販品の賞味期限
手作りの煮豚の日持ちは衛生環境と味の濃さに影響を受けるため、食中毒を防ぐためにも調理中はなるべく菌が付かないよう、調理器具や手などを清潔に保ちましょう。(※1)
また雑菌は塩分が濃いと繁殖しにくいため、濃い味の方が長持ちします。
手作り | 常温 | 不可 |
---|---|---|
冷蔵 | 3~5日程度(早めに) | |
冷凍 | 2~3週間程度 | |
市販品 (賞味期限や消費期限を確認) |
半年程度(商品による) |
ちなみに、煮豚、チャーシュー、焼豚はほぼ同じと考えて良さそうです。
冷蔵や冷凍をすれば比較的日持ちしますが、常温だと傷みやすいので注意しましょう。
常温は危険!作り置きは冷蔵庫で保存しよう
煮豚を常温で保存すると細菌が増えて腐りやすくなるだけでなく、見た目に変化がなくても食中毒菌が増えている可能性があります。
熱に強いセレウス菌やウェルシュ菌などの食中毒菌は、ある程度増殖しないと症状がでませんが、常温では増殖スピードが速まるため注意しなくてはなりません。
過去には、ラーメン屋さんで前日から常温のタレに漬け込んだチャーシューを提供して、複数人がウェルシュ菌食中毒になった、という事例があります。
タレに漬けてあれば常温でも大丈夫ということはないので、冷蔵庫で保存し早めに食べきりましょう。
またほかの菌が原因で食中毒を起こすこともあるので、しっかり中まで加熱することも重要です。
しっかりと火を通さないと危険!低温調理の注意点
豚肉にはE型肝炎ウイルスや、サルモネラ・カンピロバクターなどの食中毒の危険があるため、生食やレアな状態で食べることを禁止されています。
飲食店で豚肉を提供する際には、中心部を63度30分間以上の加熱または、それと同等以上の殺菌効果のある加熱殺菌が必要ですが、家庭でも同じことが言えるでしょう。
低温調理は食材が柔らかく仕上がるため人気がありますが、菌が残っている可能性もふまえておくことが大切です。
今一番言いたい事
知識の無い低温豚チャーシュー
ホントやめて下さい
63℃30分って聞いた事ありますか?一回何かあったらラーメン業界のみならず豚肉の低温調理自体が禁止になるよ
意識高い系じゃなくて知識高い系にしましょうよ
悪いけど今後ヤバそうなのは全残しします
我々が動かないとダメ! pic.twitter.com/DgVYLxppKc— 山口 裕史 (@yamaguchi_nyami) March 1, 2021
このように低温調理は飲食店でも加熱が不十分なこともあるようなので、家庭だと特に注意してくださいね。
気になる場合は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
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煮豚を作り置きするなら、しっかり加熱したあとに冷凍保存しましょう。
保存期間を延ばすなら冷凍がおすすめ
豚肉をはじめ肉類は魚よりも脂肪が酸化しにくいため冷凍焼けを起こしにくく、解凍後の変化も少ないため、冷凍保存に向いています。
冷蔵して何日も経つと雑菌が増えている可能性があるので、食べない分は調理後冷ましたらすぐに冷凍しましょう。
保存するときは、雑菌を増やさないよう正しい方法で行ってくださいね。
煮豚の上手な冷蔵・冷凍保存方法
菌の繁殖を防ぎながら、美味しさを保つ保存方法は以下の通りです。
常温 | 不可(お弁当の場合は保冷剤を使用) |
---|---|
冷蔵 | ・清潔な容器に保存 ・塊のまま保存 (菌が付くのを最小限に) |
冷凍 | ・-18℃以下を保つ ・空気が入らないように密封 (ラップ小分け、ジップロックを使用) ・解凍後の用途にあわせた形状で保存 |
冷蔵する場合は、手や包丁から菌が付くのを最小限にするため塊のまま保存する方が日持ちしますが、冷凍の場合は解凍後の用途に合わせた形状にしましょう。
塊でもカットでも冷凍保存できる
煮豚は塊のままでもカットしても冷凍できるため、解凍後の食べ方によって保存の形状を決めるのがおすすめです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
塊 | ・切る手間がない ・手や包丁からの細菌 の汚染が少ない ・味が変わりにくい |
・量が多い ・解凍に時間を要する ・解凍後調理に合わせて 下処理が必要 |
切る | ・1回分に小分けできる ・解凍が早い ・解凍後に切る手間が ない |
・切る時に細菌が付き やすい ・煮汁で味が濃くなる |
例えば、解凍後に煮豚をメインのおかずとして食べきる予定の場合は塊のまま、ラーメンの具にする場合はスライスして1回分ずつ、チャーハンの具にする場合はさいの目など、あらかじめ用途を決めておくと良いでしょう。
あらかじめ献立を決めておくと、献立を一から考える時間や使う時の手間を減らすことができますよ。
また肉を冷凍すると食品に含まれる水分が氷の結晶となって細胞膜を傷つけ、繊維がダメージを受けるため、肉質が多少柔らかくなります。
塊の肉を柔らかく調理するのは時間がかかりますが、冷凍保存している間に柔らかくなるなら一石二鳥ですね。
あまった煮汁は、タレにすると有効活用できますよ!
あまった煮汁はタレにして保存
あまった煮汁は少し煮詰めてから、タレとして別に冷凍保存することで、活用方法がぐっと広がります。
醤油、みりん、砂糖、酒などの基本の調味料に肉の旨味がプラスされているので、様々な料理に活用できるからです。
煮豚にタレとしてかけたり、チャーハンや肉じゃがの味付けなどアレンジの幅が広がります♪
タレは、煮豚以外のほかのメニューにも活用できそうです。
通販などで煮豚を購入する場合は、タレとセットになったものも良いかもしれませんね。
結論|煮豚を長く日持ちさせるには上手に冷凍しよう
- 日持ちするが早めに食べきる
- 常温保存は食中毒の危険がある
- 解凍後の用途に応じた形状で冷凍
- 冷凍すると肉が柔らかくなる
- タレを保存しておくと便利
煮豚は正しく保存すれば日持ちしますが、手作りの場合は調理時の状況や味の濃さによって賞味期限が変わるので、早めに食べきることをおすすめします。
常温保存は食中毒の危険があるのでやめましょう。
長期に保存したい場合は、解凍後の使用目的に合わせた形状で冷凍します。