【執筆者:編集部 高田ゆみ】
ごま油は基本的に腐ることはありませんが、酸化により品質が劣化する可能性はあります。
保存方法を間違えると酸化しやすいのですが、意外と正しい保存の仕方を知らない人も多いので、ひょっとしたらあなたも気付かず食べていたかもしれません。
そこでこの記事では、ごま油本来の美味しさを楽しむためにも知っておきたい以下の項目について紹介します。
ごま油のこと
- 基本的に腐ることがない理由
- 酸化するとどうなるのか
- 食べられる状態の見分け方
- 日持ちさせる保存方法
いつものごま油と様子が違うので食べても大丈夫か不安な人、酸化を防ぐための保存のコツを知りたい人などに役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。
目次
ごま油が腐るとどうなる?酸化した状態の見分け方
ごま油は腐ることはありませんが、酸化により劣化して色や臭い、風味に変化が生じることがあります。
見た目 | 変色する |
---|---|
臭い | 酸化臭(ムカムカする不快な臭い) |
味 | 本来の風味がなくなる |
ごま油には、酸化しやすい成分(不飽和脂肪酸)が多く含まれています。(※1)
抗酸化物質が豊富に含まれているため酸化しにくいのですが、保存方法によっては酸化して劣化する可能性は十分に考えられます。(※2)
腐ることがなくても酸化には十分注意しなければいけない理由についても合わせて確認しておきましょう。
「腐る」と「酸化」の違い
腐る(腐敗)と酸化は、どちらも品質が劣化することは共通していますが、原因は異なります。
- 腐敗:微生物の影響
- 酸化:酸素と結合すること
ごま油が腐らないのは、腐敗の原因となる微生物が繁殖するために必要な水分が含まれていないからです。
開封後は空気中の酸素や光、温度の影響でも酸化しやすくなります。
酸化したごま油は、見た目や臭いの変化で劣化していると判断できますが、逆に劣化しているようでも問題なく食べられる場合もあるのでよく確認してみましょう。
食べられる状態の見分け方
一見すると劣化して食べない方が良いのでは?と思えても問題なく食べられるケースが多いです。
カビが生えたように白く固まるのは、低温で一部が凍ってしまったのが原因なので、暖かい場所に置くか、ぬるま湯に浸けておくだけで元通りになって問題なく食べられます。
ただし、開封後の場合は風味が落ちてしまうかもしれません。
また、粒々の沈殿物が見えるのは、ごま由来成分の「澱(おり)」と呼ばれるものなのでこちらも問題なく食べられます。
ただし、古い油の場合は酸化している可能性もあるので色や臭いも合わせて確認してみましょう。
ごま油は植物油脂の中でも酸化に強いのですが、保存方法を間違えると劣化する原因になるので日持ちする保存の仕方を覚えておきましょう!
ごま油の未開封・開封後の保存期間と保存方法
ごま油は未開封で正しく保存していれば酸化しにくいため日持ちしますが、開封後は酸化しやすくなるので注意が必要です。
未開封 | 開封後 | |
常温 | 製造後1~2年半 | 1~2カ月 |
冷蔵 | NG! | |
冷凍 |
常温保存する際にはできるだけ酸化を防ぐ保存方法を守りましょう。
日持ちさせる常温保存のコツ
ごま油は空気(酸素)以外にも光や温度などさまざまな条件で酸化する可能性があるので、酸化を防ぐ場所で常温保存しましょう。
- 直射日光・蛍光灯の光が当たらない場所
- シンク下の収納場所がおすすめ
- 温度が上昇しやすいコンロ横・下はNG!
- 開封後はしっかりフタをする
ちなみに、ごま油の賞味期限は商品によって異なり、製造後約1~2年半後の日付が設定されています。
同じごま油でも容器の遮光性によって賞味期限が違うので日付をよく確認してみましょう。
缶は30カ月
ガラス瓶は24カ月
ペットボトルは18カ月
賞味期限が長いため、期限切れ後すぐに劣化するわけではありませんが、光や温度の影響を受けやすい場所に保存していた場合は、未開封でも酸化している可能性があります。
暗所に保管していなかった、他の保存容器に詰め替えて半年以上経った場合などは、こちらを参考にして状態を確かめてから食べられるか判断しましょう。
品質を劣化させずに日持ちさせるなら、冷蔵庫に入れておいた方が良いのでは?と思う人もいますよね。
でも、ごま油は冷蔵庫や冷凍庫に保存するのは避けた方が良い理由があります。
冷蔵庫・冷凍庫はNGの理由
ごま油は未開封・開封後に関わらず常温保存でも良いのは、品質を守るためでもあります。
冷蔵庫や冷凍庫に入れると、油分が固まってしまったり、香りが飛んでしまったりして本来の美味しさを楽しめなくなります。
また、冷蔵庫から室温に戻した際に結露(水分)が発生しやすくなり、カビが生えて腐る可能性もあるので注意が必要です。
\ こちらの記事も参考にどうぞ /
結論 | ごま油は腐るよりも酸化に注意しよう!
- 腐ることがないのは微生物が繁殖しにくいから
- 酸素や光、温度などの影響で酸化しやすくなる
- 光が当たらず高温にならない常温の暗所で保存
- 開封後も常温保存で1~2カ月以内に食べきる
- 冷蔵や冷凍保存は品質劣化の原因になるのでNG
ごま油は腐ることありませんが、酸化により品質が劣化することは十分考えられます。
抗酸化物質を多く含んでいるので本来なら酸化しにくいはずですが、保存の仕方が悪いと酸化しやすくなるので注意しましょう。
保管場所に気をつけて、開封後はできるだけ早めに食べきるようにしておけば本来の美味しさを楽しめるので、ぜひ毎日の食生活に活用してください♪